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Bösendorfer(ベーゼンドルファーピアノ)の特徴、価格、歴史について最新版を解説

Instrument

Bösendorfer(ベーゼンドルファー)はスタインウェイやベヒシュタインとそれぞれ並び、1827年にオーストリアのウィーンで設立されたピアノメーカーです。世界三大ピアノのひとつとされ、STEINWAY&SONS、Bösendorfer、C.BECHSTEINはピアノをしている人のほとんどが知っているメーカーです。オーストリアの代名詞ともいえるメーカーで、世界的に知られているピアノです。標準的な88鍵のピアノに加えて、低音部が拡張された92鍵および97鍵のピアノを製造していることで知られています。

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起源と歴史

オーストリアでこの楽器は生まれました。

1. 創立

  • 1828年、オーストリア・ウィーンで Ignaz Bösendorfer によって創立。創業
  • 当初は小規模なピアノ工房としてスタート。
  • 「ウィーン・ピアノ」と呼ばれる当時のスタイルを踏襲しつつ、音色の豊かさを追求。

2. 初期の発展

  • 1838年、若きピアニスト Franz Liszt がベーゼンドルファーのグランドピアノを使用。
  • これにより、演奏家の間で評判が広がり、ブランドとして注目されるように。
  • 1839年には、オーストリア皇帝から 宮廷御用達(Imperial and Royal Piano Purveyor) の称号を授与。

3. モデルの革新

  • 1909年、作曲家 Ferruccio Busoni の依頼により、通常の88鍵を超える 97鍵モデル(Model 290 Imperial) が誕生。
  • これにより、低音域の表現力が飛躍的に向上し、ベーゼンドルファーの特徴的な音色が完成。

4. 現代

  • 2008年、ヤマハ(Yamaha Corporation) に買収されるも、ウィーン工場での製造・伝統的手工芸は維持。
  • 世界最高級ピアノブランドの一つとして、「ピアノ界のロールス・ロイス」 と称されることもある。
  • 現在は、コンサート用グランドピアノを中心に、88鍵モデルから97鍵モデルまで展開。

開発会社

L. Bösendorfer Klavierfabrik GmbH

Gymelsdorfergasse 42, 2700 Wiener Neustadt, Austria

創業者

Ignaz Bösendorfer 1796年7月28日-1859年4月4日

1796年、オーストリア・ウィーンで家具職人の家に生まれ、19歳の時、フォルテピアノ・オルガン製作者のヨーゼフ・ブロートマンに弟子入りし、フォルテピアノ製作技術の腕を磨きました。1828年、ブロートマンの工房を引き継ぎ、フォルテピアノ製作者として独立。1830年にはオーストリア皇帝フランツ1世から「宮廷及び会議所ご用達のピアノ製造技師」の称号が与えられ欧州全土に広がり、ベーゼンドルファーの名は一躍有名なものになりました。1839年と1845年にはウイーンで開かれた産業博覧会で最優秀賞のゴールドメダルを獲得。ベーゼンドルファーの工房はその後、息子ルートヴィヒによって受け継がれました。

特徴と構造、サイズ

ベーゼンドルファー(Bösendorfer)ピアノの特徴・構造・サイズを整理します。

1. 特徴

  • 音色の豊かさと深み
    • 特に低音域が豊かで、響きの余韻が長い。
    • コンサートホール向けの壮大な音量と表現力。
  • 鍵盤数の多様性
    • 標準の88鍵モデルから、92鍵・97鍵(Imperial)まで幅広く展開。
    • 低音域の追加鍵により、和音の厚みやオーケストラ的表現が可能。
  • 手工芸による高品質
    • 響板、弦、アクション、鍵盤すべてが手作業で精密に調整。
  • 伝統的ウィーン・アクション
    • 鍵盤のタッチが軽やかで、繊細なニュアンスの表現が容易。

2. 構造

  • グランドピアノ型(コンサートグランド中心)
    • 弦長・響板面積が広く、豊かな音量と倍音を実現。
  • 響板(Soundboard)
    • 高品質スプルース材を使用。音の伝導と豊かな共鳴を生む。
  • 弦とフレーム
    • 高張力のスチール弦+鋳鉄製フレームで耐久性と精度を確保。
  • アクション機構
    • ウィーン式ピアノアクションに由来する繊細なタッチ感。
    • タッチの軽さとレスポンスの速さが特徴。
  • 鍵盤
    • 木製鍵盤に象牙または象牙代替材(現代はプラスチック等)使用。
    • Imperialモデルでは追加低音鍵を配置。

3. サイズ(代表例)

モデル鍵盤数長さ(cm)重量(kg)
214 Concert Grand88約214約290
225 Concert Grand88約225約320
225 SE88約225約320
280 VC88約280約480
290 Imperial97約290約520
  • 長さが長いほど弦が長く、低音域の豊かさや音量が増す
  • コンサートグランド(280〜290cm)はホール演奏向き。
  • 低音域追加鍵(92鍵・97鍵)により、作曲家Busoniの要求に応えた広音域を実現。

全モデルのラインナップ

以下、各モデルの概要と特徴を簡潔にご紹介します:

  • Bösendorfer Model 225 Grand:225 cm級グランドで、92鍵仕様(低音エクステンド付き)モデルあり。コンサート/サロン用途向け。
  • Bösendorfer Model 185VC Grand:185 cm(約6′1″)の比較的中型グランド。88鍵仕様で、サロンや中規模ホールに適。
  • Bösendorfer Model 225 Baroque Grand:Model 225をベースにした「バロック装飾」仕様の特注モデル。外装・仕上げも芸術性重視。
  • Bösendorfer Model 290 Imperial Grand:9′6″(約290 cm)長のフラッグシップ・グランド。97鍵仕様で、世界的に最高級クラス。
  • Bösendorfer Grand Upright 120 / 130:アップライト仕様のモデル。120 cm/130 cmの高さで、室内・住宅向けにグランド同等の音質を目指した設計。
  • Bösendorfer General Grand (88‑key standard):88鍵のスタンダード・グランドモデルで、200 cmクラスなどが含まれ、幅広く流通。

補足ポイント

  • モデル名の数字(例:185、200、214、225、280、290)などは概ね ピアノの長さ(cm) を示しています。
  • 式次第として、以下のような代表シリーズがあります:
    • Grand Upright:120、130cm 仕様(アップライト)
    • Grand Piano(小型〜中型グランド):170VC、185VC、200、214VC
    • Extended‑key/大型グランド:225(92鍵)、230VC、280VC、290 Imperial(97鍵)
  • また、特注モデル・コラボレーションモデル(例:バロック装飾、デザイナーズ外装など)も多数存在。

奏法、難易度

ベーゼンドルファー(Bösendorfer)ピアノの奏法と難易度について整理します。

1. 基本奏法

(1) ピアノ奏法の基礎

  • 鍵盤を指で押して弦を叩くことで音を出す。
  • 強弱(フォルテ/ピアノ)は鍵盤の打鍵速度と強さで表現可能。
  • ペダル(ダンパー、ソフト、ソステヌート)を使うことで、音の伸びや響きをコントロール。

(2) 手・指の配置

  • タッチの繊細さが必要。
  • ベーゼンドルファーはウィーン式アクションを踏襲しており、鍵盤の戻りが軽く、指の動きが滑らか
  • 強弱や音色を自然に表現しやすいが、微細なニュアンスの制御が求められる

2. 中級〜上級奏法

  • 豊かな低音域を活かした表現
    • Imperialモデル(97鍵)の低音追加鍵を使用した和音やオーケストラ的表現。
  • 音色の階調表現
    • 弱音・中音・強音の微妙な変化を滑らかに表現。
  • ペダルテクニック
    • ダンパーペダルとソステヌートペダルを駆使して、音の残響や重なりをコントロール。
  • 広い音域を使ったアレンジ
    • 標準88鍵でも十分だが、92〜97鍵モデルではさらに低音域の厚みや高音域の煌びやかさを活かせる。

3. 難易度

初心者

  • ピアノの基本的な音出しや簡単なメロディなら習得可能。
  • 鍵盤タッチの違いに慣れる必要あり。

中級者

  • 音色の表現力(弱音・強音の使い分け)
  • ペダル操作による音の伸びや和声の制御
  • 左手低音の豊かさを活かした和音表現

上級者

  • コンサート向け表現力:フルレンジの鍵盤(97鍵モデル)を活かしたオーケストラ的演奏
  • 装飾音・トリル・高速フレーズでのニュアンス表現
  • ペダルとタッチの複合操作で微細な音色変化を演出

難易度まとめ

技術難易度コメント
基本メロディ・和音★★☆☆☆初心者でも習得可能
音色表現・ペダル操作★★★☆☆中級者向け、表現力重視
低音拡張鍵盤使用・広音域表現★★★★☆上級者、作曲家要求の演奏力
コンサート演奏・微細ニュアンス制御★★★★★熟練の表現力とタッチコントロールが必要

有名な奏者

ベーゼンドルファー(Bösendorfer)ピアノの有名な奏者を整理します。世界的に活躍するクラシック音楽家やコンサートピアニストの中でも、特にベーゼンドルファーを愛用する演奏家が多くいます。

1. 世界的に有名な奏者

(1) マルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)

  • 国籍:アルゼンチン
  • ジャンル:クラシック、特にロマン派
  • 特徴:強靭なタッチと情熱的な表現力で知られる。コンサートでベーゼンドルファーを使用することが多い。

(2) ルドルフ・ゼルキン(Rudolf Serkin)

  • 国籍:オーストリア/アメリカ
  • ジャンル:クラシック
  • 特徴:ウィーン系ピアノの伝統を受け継ぎ、精密なタッチと表現力を発揮。ベーゼンドルファーの低音域の豊かさを活かした演奏で知られる。

(3) フェレンツ・フリッチャイ(Ferenc Fricsay)との共演ピアニスト

  • ベーゼンドルファーを用いたオーケストラとの共演で、深みのある低音域が活かされる演奏を多数録音。

(4) アンナ・ビジョルスカ(Anna Vinnitskaya)

  • 国籍:ロシア
  • ジャンル:クラシック
  • 特徴:ベーゼンドルファーを使用して繊細な表現力と豊かな低音の響きを活かした演奏。

2. その他の著名演奏家

  • ラドゥ・ルプ(Radu Lupu):低音域の深い響きと繊細な音色表現で定評。
  • アンドレ・ワッツ(András Schiff):ベーゼンドルファーでのモーツァルトやシューベルト演奏が高評価。
  • ジョン・オコナー(John O’Conor):ベーゼンドルファーを好むピアニストとして知られる。

3. 選ばれる理由

  • 低音域が豊かで音色に深みがある → ロマン派作品やオーケストラとの共演に最適。
  • 鍵盤の反応が軽やかで繊細なニュアンス表現が可能 → 上級者の表現力を引き出す。
  • 世界的コンサートホールで使用されることが多い → ピアニストにとって信頼できる楽器。

Bösendorferの人気モデル

グランドピアノの中でも最も有名で案内も多いブランドです。時間があれば他より美しい音色を楽しめます。メンテナンスなどは必要ですが男性も女性も奏者は多いです。サウンドは強い共鳴が起こる設計となっておりお客様が十分に魅力を感じる内容となっています。動画などもみてみましょう

Bösendorfer225

響板面積が広く設けられているため、幅広い音量・音域にて多彩な音色を奏でられます。

Bösendorfer model 200

エレガントなフォルムで、ベーゼンドルファーピアノの中でも特に人気の高いモデル。

Bösendorfer 275

明るい高音部と、「エクストラベース」と呼ばれる低音部の長3度低いFまで拡張された、92鍵盤を持つモデル。

新品と中古の製品ラインナップと価格相場

「Bösendorfer(ベーゼンドルファー)ピアノ」の 新品・中古の製品ラインナップと価格相場を整理します。ピアノという高額商品ゆえに、仕様・状態・輸送・メンテナンスによって価格が大きく変動する点をご留意ください。ショールームなどでも展示されることがあるので拝見しましょう。

🎹 代表モデル・価格例

各商品の簡単解説:

  • Bösendorfer Model 225 Grand (中古):日本国内中古例で 約 ¥12,100,000。92鍵仕様など仕様によって価格変動あり。
  • Bösendorfer Model 225 Grand (別仕様 中古):別仕様の225中古で 約 ¥11,000,000。仕様や年式で価格が下がる例。
  • Bösendorfer Model 200 Grand (中古):200 cmクラス・88鍵仕様の中古で 約 ¥9,790,000
  • Bösendorfer Model 185 Grand (中古):185 cmクラス・中古で 約 ¥9,350,000。サイズが小さい分、比較的価格が抑えめ。
  • Bösendorfer Model 170 Grand (中古):170 cmクラス・中古で 約 ¥7,700,000。入手しやすめのグランドクラスとして。
  • Bösendorfer Imperial Series Grand (新品/高級仕様):フラッグシップ97鍵「Imperial」シリーズ新品価格例(海外)で US $332,999(約 ¥50 〜 60 万円超/為替次第)
  • Bösendorfer 中型グランドシリーズ (新品・中古混在):200・225などミドル〜セミコンサートグランドのシリーズ。新品の定価例もあり(例:Model 225 MSRP   US $229,999)
  • Bösendorfer セミコンサートグランド/仕様バリエーション:仕様バリエーションモデル(外装・鍵盤数など)で価格差が大きい。新品価格例:Model 214VC MSRP US $195,999。

📈 価格相場(目安)

  • 入門〜中型グランド(170 cm〜200 cmクラス)中古:おおよそ ¥7,000,000〜¥10,000,000程度。上記例参照。
  • セミコンサート・標準〜大型グランド(225 cmクラス/92鍵仕様など)中古:おおよそ ¥10,000,000〜¥15,000,000以上が目安。
  • 新品・フラッグシップモデル(280 cm〜290 cmクラス/97鍵など):海外定価例で US $231,999〜US $332,999(約 ¥35,000,000〜¥50,000,000超)という記載あり。
  • 仕様・限定モデル・年式古/メンテナンス要などの要因による変動:例えば、1898年製の中古ベーゼンドルファーで USD $15,000(約 ¥2,000,000前後)という議論も。

✅ 購入時のチェックポイント

  • 製造年・仕様(鍵盤数88鍵/92鍵/97鍵)・サイズ(長さ)・モデル(170, 185, 200, 214, 225, 280, 290)を確認。
  • 中古の場合:響板・弦・フレーム・アクションの状態、メンテナンス履歴、搬入・設置経路を確認。
  • 海外輸入・為替・関税・輸送費・設置・調律費用を含めた総費用を検討。
  • 新品・定価モデルの場合も、代理店・保証・仕様(外装・特注)により価格が大きく変動。
  • ピアノは設置環境(気温・湿度・床構造)にも影響を受けるため、設置場所の確認が重要です。

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