トランスミュージックとは?歴史や特徴などおすすめ音楽ジャンルの最新版を解説。トランス音楽(trance)とはbpmが高くクラブでご覧いただける20年以上も世界のヒットジャンルの一つとして数えられます。ダンスミュージックシーンにおいて必ず出てくるジャンルの一つであり、ハイテンポの音楽に合わせて踊る人たちがたくさんいます。
トランス音楽とは?
トランス音楽とはダンスミュージックの一つです。かなりのアップテンポでBPMは120~160当たりになり、シンセイサイザーの短い旋律が繰り返される曲が多いです。反復されるリズムやメロディが、さも脳内の感覚が幻覚を起こすと言われていることからトランスと呼ばれています。
このジャンルは主にクラブやパーティーなどでDJによって演奏されることが多いジャンルで、まさにダンスミュージックの王道と言えるでしょう。歴史も長く、1980年代以降に登場してから、今でも支持されている音楽のひとつで、多数のサブジャンルがあることでも知られています。
1. 起源・歴史
Armin van Buuren(オランダ)
誕生:1990年代初頭、ドイツ、オランダ、ベルギーなどのクラブシーンで発展
影響元:
ハウス(House)やテクノ(Techno)のリズム
サイケデリック音楽の幻想的・反復的な要素
代表アーティスト:
Paul van Dyk(ドイツ)
Tiësto(オランダ)
2. 音楽的特徴
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| テンポ | BPM 125〜150程度の中高速 |
| リズム | 4つ打ちビート、安定したドラムパターン |
| メロディ | 繰り返されるシンセリフ・アルペジオで幻想的・浮遊感 |
| 構成 | ビルドアップ(盛り上がり)、ブレイクダウン(静けさ)、ドロップ(クライマックス)の3部構成が多い |
| 雰囲気 | 浮遊感・多幸感・トランス状態を意図した没入感 |
| ボーカル | 基本的に少なめ、あっても夢幻的・サンプル的に使用 |
3. サブジャンル
- プログレッシブ・トランス:穏やかで流れるようなメロディ、ビルドアップ重視
- ユーロトランス / ユーロビート系トランス:ポップ寄りでキャッチーなメロディ
- サイケデリック・トランス:サイケデリック要素が強く、幻想的・催眠的
- ボーカル・トランス:女性ボーカルなど歌メロが前面に出るタイプ
4. 魅力
- 没入感:反復的なリズムとメロディで「トランス状態」に誘う
- 感情表現:ブレイクダウンやドロップで高揚感・カタルシスを体感できる
- クラブ・フェス向き:大型イベントやフェスでの一体感を演出
- 心理的・瞑想的効果:繰り返し音による集中・リラクゼーション効果
トランスミュージックの歴史
トランスミュージック(Trance Music)は、1990年代初頭にヨーロッパで誕生して以降、クラブ文化やEDMシーンで大きな影響力を持つジャンルに発展しました。その歴史を時系列で整理すると以下の通りです。
1. 1980年代後半:トランスの前身
- 影響を受けたジャンル:
- ハウス(House):シカゴ発祥の4つ打ちビート
- テクノ(Techno):デトロイト発祥、シンセサイザー主体
- サイケデリック・サウンド:幻想的・反復的なメロディやエフェクト
- 特徴:
- クラブでの踊りやすさと、幻想的な雰囲気の融合が模索される
- 地域:
- ドイツ(フランクフルトやベルリン)、オランダ、ベルギー
2. 1990年代初頭:トランスの誕生
- 初期トランス:
- シンセリフの反復・浮遊感を重視
- 中高速(BPM125〜140程度)のビート
- ボーカルは少なめ、インストゥルメンタル主体
- 代表的アーティスト:
- Paul van Dyk(ドイツ)
- Jam & Spoon(ドイツ)
- Binary Finary(イギリス)
- クラブ文化:
- ドイツのクラブやレイヴパーティーで広がる
3. 1990年代中盤〜後半:国際的拡大
- 発展の特徴:
- プログレッシブ・トランス、ユーロトランスなどのサブジャンル誕生
- ドロップやビルドアップの構造が確立
- 大型クラブイベントやフェスで定着
- 代表アーティスト:
- Tiësto(オランダ)
- Ferry Corsten(オランダ)
- Armin van Buuren(オランダ)
4. 2000年代:メインストリーム化
- 特徴:
- ポップスやR&Bとのクロスオーバーが増加
- EDMフェス(Tomorrowland、Ultra Music Festival)で世界的に人気
- ボーカル入りトランスや商業的なプログレッシブ・トランスが拡大
- 代表アーティスト:
- Above & Beyond(イギリス)
- Dash Berlin(オランダ)
5. 2010年代〜現在:多様化・グローバル化
- サブジャンルの多様化:
- プログレッシブ、ユーロ、サイケデリック、ボーカル入りなどさらに細分化
- グローバル展開:
- アジア、北米、南米などでフェスやクラブ文化が浸透
- 現代の特徴:
- EDM全体の一翼を担い、心理的・没入感のある音楽として人気
- インターネット配信、SNS、YouTubeで世界中に拡散

トランスミュージックの分類、派生ジャンル
Hard Trance
トランスから発展し派生しました。激しいビートが特徴のトランスで1990年代あたりに西ヨーロッパ諸国で生まれ、広く支持されているジャンルです。1990年代後半に最盛期を迎えましたが、2000年代に衰退しました。最近はハウスやシンセなどが注目されておりレーベルのリリースも増えています。プロデューサーも注目しています。
Goa Trance
インドの西海岸付近で発展したトランスで、1990年頃に誕生しました。インド音楽やイスラム音楽などの独特な音階のメロディで、民族色がやや強いのが特徴的です。2000年代に入ると衰退していきました。雰囲気はEDMの影響が強く、彼らの感じは表現や雰囲気も90年代に似ています。
Psychedelic Trance
ゴアトランスからさらに発展を遂げたトランス音楽です。ゴアトランスと比べるとより高揚感を得られるような、ゆっくりなテンポへと変化していきました。2000年代以降に世界各地で流行しており、ヨーロッパやイスラエル、南アフリカなどで発展しています。
Euro Trance
ユーロトランスは、ヨーロッパを中心に発展を遂げたトランス音楽。アップテンポでハードなメロディが特徴的です。比較的音数が少なくアップテンポでメロディアスなメロディーラインが特徴と言えるでしょう。
Dutch Trance
ユーロトランスから派生したのがこのジャンル。シンセサイザーの音色が特徴的で、オランダで生まれました。壮大でメロディアスな楽曲が多く、1998年あたりに生まれたジャンルとされています。主要なアーティストの多くがプログレッシブトランスへ移行しており衰退しました。
Progressive Trance
他のジャンルとクロスオーバーする傾向が強いジャンル。既存のカテゴリーにとらわれない実験的でジャンルレスな楽曲が多いのが特徴。2000年代以降になり、発展したジャンルで今でも流行している音楽です。
Epic Trance
壮大かつ荘厳なトランスと言われているジャンル。2000年代以降に流行しており、どちらかというと曲の壮大さを前面に出したものが多く、世界中で流行しています。
Tech Trance
2000年代以降に流行しているトランスのサブジャンル。ハードトランスのスタイルの1つとして作られ始めたものの、テクノの持っているミニマルな曲展開を活かしたものが多く、現在西ヨーロッパで主流ジャンルの1つになっています。
トランスミュージックの楽しみ方
トランスミュージックは、反復的で幻想的なメロディとビルドアップによる没入感が魅力のジャンルです。楽しみ方を理解すると、クラブやフェスだけでなく自宅や移動中でも深く味わえます。以下に整理しました。
1. トランスの「構造」を意識して聴く
- ビルドアップ(盛り上がり前の緊張感)
- 徐々に音が重なり、緊張感や期待感が高まる部分。
- ブレイクダウン(静けさ・幻想的パート)
- リズムが減り、シンセやパッドが浮遊感を演出。
- ドロップ(クライマックス)
- ビートが再び強くなり、爽快感・高揚感を体感。
聴くときは「どこで高揚感が生まれるか」を意識すると、没入感が増します。
2. 身体でリズムを感じる
- 4つ打ちビートやベースラインに合わせて軽く体を揺らすだけでも、音楽の没入感が強くなる
- 家でのヘッドホン視聴でも低音を意識するとクラブ感覚が楽しめる
3. 感情に集中する
- トランスは浮遊感・幻想・多幸感を重視
- 歌詞がある場合は感情表現、インストの場合は音色の変化やメロディラインを追う
- 心を空にして「音の旅」に身を委ねる聴き方がおすすめ
4. シチュエーション別の楽しみ方
| シチュエーション | 楽しみ方 |
|---|---|
| 自宅・ヘッドホン | 低音とシンセの浮遊感に集中してトランス状態を味わう |
| クラブ・フェス | 周囲の光・音・人の一体感と共に、体全体でリズムを体験 |
| ドライブ | 高揚感のあるビルドアップ・ドロップで爽快感を楽しむ |
| 作業や集中 | 穏やかなプログレッシブ・トランスで集中力アップ |
5. サブジャンルごとの楽しみ方
- プログレッシブ・トランス:流れるようなメロディで瞑想的に楽しむ
- ユーロトランス:キャッチーなメロディで高揚感を重視
- サイケデリック・トランス:幻想的・トリップ感を味わう
- ボーカル・トランス:歌メロに感情移入してストーリーを楽しむ
6. 環境を工夫する
- 高音質ヘッドホンやスピーカーで聴くと、音の広がりや低音の振動まで体感できる
- ライトや映像と合わせると、クラブやフェスの臨場感を再現できる

トランスミュージックの未来
トランスミュージックは1990年代に誕生して以来、クラブ文化やEDMの中心ジャンルとして発展してきました。今後の未来を考えると、技術革新・グローバル化・他ジャンルとの融合が鍵になります。以下に整理します。
1. 技術革新による進化
- AI・音楽制作ソフトの活用
- より複雑で幻想的なサウンドデザインが可能に
- 自宅でもプロフェッショナル級のトランス曲制作が容易に
- VR/ARとの融合
- バーチャル空間での没入型ライブや音楽体験が拡大
- 360度サラウンド音響で「トランス状態」の臨場感を強化
2. グローバル化・コミュニティの拡大
- 世界各地のフェスやオンラインイベントでトランス文化が浸透
- SNSやストリーミング配信による拡散で、新しいファン層が拡大
- 地域ごとの民族音楽や現地音楽との融合によるワールドトランスの可能性
3. 他ジャンルとの融合
- ポップス・R&B・ヒップホップとのクロスオーバー
- 歌モノやキャッチーなメロディを取り入れたトランス曲の増加
- シネマティックやアンビエント要素の導入
- 映画音楽やゲーム音楽との親和性が高く、トランス的サウンドの応用範囲が拡大
4. クラブ・フェス文化の進化
- 従来の大型クラブ・フェスだけでなく、オンライン・バーチャルフェスが主流になる可能性
- ライブパフォーマンスと映像演出の統合により、体験型音楽文化としての価値が向上
5. 持続可能性と社会的影響
- 環境に配慮したイベント運営(グリーンフェスなど)
- 音楽とテクノロジーを通じたコミュニティ形成
- 健康・心理的効果(没入感・リラクゼーション)を意識した音楽の需要増
音楽をプレイするなら音楽教室がおすすめ
音楽をプレイするなら音楽教室がおすすめです。音楽教室ではプロが歌や楽器を一から全て教えてくれます。さらにジャンルや志向の同じ仲間を作ることもできます。以下の記事で音楽教室を紹介しています。無料体験レッスンから受けてみましょう。



コメント