モリンホール : 民族楽器の特徴、価格、歴史について最新版を解説

モリンホールとはモンゴルの弦楽器です。特徴的な外見をしており、箱型の胴は木製、弦と弓は馬の尻尾などの毛でできています。8世紀頃にはこの楽器は存在しており、歴史の長い楽器として知られています。モンゴル民族を代表する最も有名な民族楽器で中国語では馬頭琴、モンゴル語ではモリン・ホールと呼ばれています。弓で弦をこすって音を出す擦弦楽器で、元々は馬の尻尾の毛や皮を使って作られていました。

起源と歴史

モンゴルや中国でこの楽器は生まれました。いろいろな地域で民族に利用されています。

1. 発祥

発祥地：モンゴル高原
名前の由来：
- モンゴル語で「Morin＝馬」＋「Khuur＝弦楽器」
- 漢字では「馬頭琴」と表記され、琴の上部に馬の頭の彫刻があるのが特徴

2. 歴史的背景

成立時期：少なくとも 13世紀以前には存在
遊牧民文化の中で発展：
- 馬との生活や騎馬文化に密接に関連
- 伝統歌（ホーミー、長調旋律）や儀式、祭りで使用
モンゴル帝国時代にも楽器として広まった可能性がある

3. 文化的意義

モンゴル民族の精神・文化の象徴
宗教儀式や祭祀、民間伝承の伴奏として重要
2008年にはユネスコ無形文化遺産に登録され、国際的にも認知

特徴と構造、サイズ

1. 特徴

形状の特徴：
- 上部に馬の頭の彫刻があり、モンゴル文化の象徴
- 細長い胴体と共鳴胴を持つ縦型の弦楽器
音色の特徴：
- 弓で弦を擦って出す温かみのある深い音色
- 倍音を豊富に含む独特の旋律表現が可能
文化的特徴：
- モンゴルの伝統歌（ホーミーや長調旋律）との相性が良い
- 儀式や祭り、民間伝承の伴奏として使われる

2. 構造

部位	説明
弦	通常2本（低音弦・高音弦）。馬の腸やナイロン製もあり
胴体	木製（トウヒ、楡、桜など）。四角または長方形の共鳴胴
弓	馬の尾毛を使用し、松脂で摩擦音を出す
駒	弦を支える部分で音程の安定性に関わる
装飾	馬の頭の彫刻が琴上部にあるのが象徴的

3. サイズ

全長：約120〜130cm
胴体（共鳴胴）：高さ30〜40cm、幅10〜15cm程度
弦長：80〜100cm程度
重量：約3〜5kg（木材や装飾によって変動）

種類についてバリエーション

1. 地域別の違い

地域	特徴
モンゴル本土	標準的な形状。馬頭の彫刻があり、2本弦が一般的。伝統音楽・儀式で使用。
ブリヤート（ロシア）	弦や胴体の材質が異なることがあり、音色は少し柔らかめ。
カルムイク（ロシア南部）	彫刻が簡略化される場合があり、音程が低め。

2. 用途によるバリエーション

用途	特徴
演奏用（ソロ・オーケストラ）	音色のバランスを重視。材質・厚みが精密に設計される。
儀式・祭祀用	装飾や彫刻を重視。音色は伝統的でやや素朴。
教育用・入門用	軽量・扱いやすい材質を使用。価格も手頃で初心者向け。

3. 製作方法・材質によるバリエーション

弦の素材：馬の腸、ナイロン、金属製
弓の種類：馬の尾毛の本数や松脂の種類で音色が変化
胴体の材質：楡（にれ）、トウヒ、桜などで共鳴・響きが異なる
装飾の有無：彫刻の有無、彩色や漆塗りなどで高級品や工芸品としても扱われる

4. モダンバリエーション

西洋音楽との融合用に、音程の調整がしやすい改良型も存在
電子モリンホール（音源を内蔵して録音や拡張音色対応）も試作されることがある

モリンホールの曲

モリンホールは主にモンゴルの伝統音楽で使用されるものです。

奏法、難易度

1. 基本的な奏法

弓奏法（ボウイング）
- 弓で弦を擦って音を出す
- 弓の速度・圧力で音の強弱や音色を調整
- 基本は低音弦・高音弦のどちらかを選んで旋律を弾く
左手の押さえ方（指使い）
- 弦を押さえて音程を変化
- 弦を押す位置で音程を微調整し、滑らかな旋律やグリッサンドを表現
装飾音・特殊奏法
- ハーモニクス（倍音）
- トリルや装飾音で旋律を豊かに
- ホーミー（喉歌）との共演で独特の倍音を重ねる

2. 難易度の目安

レベル	内容
初級	弓で安定して音を出す、基本的な旋律を弾く。音程を正確に押さえる練習。
中級	滑らかなグリッサンド、装飾音、左手のポジション移動を駆使した演奏。
上級	ホーミーと共演、倍音を意識した表現力豊かな演奏。高度な旋律・リズム操作、プロ演奏レベル。

ポイント

弓の圧力・速度が音色に直結するため、手の感覚が非常に重要
左手の指使いで音程や表現力をコントロール
初心者はまず 音を安定して出すこと が最初の課題

有名な奏者

モリンホールはモンゴルの伝統音楽を代表する楽器で、民族音楽から現代音楽まで幅広く活躍する奏者がいます

1. 海外・現代音楽で活躍する奏者

Batzorig Vaanchig（バトゾリグ・ヴァーンチグ）
- モンゴル出身の伝統音楽奏者
- YouTubeでモリンホール演奏動画が人気
- 馬頭琴ソロやホーミーとの共演で世界的に知られる
Nominjin（ノミンジン）
- モンゴル出身の歌手・奏者
- モリンホールを現代音楽やポップスと融合して演奏
Ogii
- モリンホールソロ演奏や民族楽器オーケストラで活躍
- 演奏の技巧・表現力が高く、国内外で評価

2. モンゴル国内の伝統奏者

Dambii (ダンビー)
- モンゴル民謡や祭礼音楽で演奏
- 伝統旋律・ホーミー伴奏を得意とする
Sainkho Namtchylak（サインホ・ナムチラク）
- モリンホール演奏を含むモンゴル伝統音楽の実験的奏者
- 現代音楽・ジャズなど他ジャンルとのコラボレーションも多い

新品と中古の製品ラインナップと価格相場

「馬頭琴（モリンホール）」の 新品／中古の製品ラインナップおよび価格相場 を整理します。手工民族楽器という特性上、製作者・材質・仕様・輸入コスト・状態により価格差が大きいので、「目安」としてご覧ください。

✅ 製品ラインナップ例

以下、それぞれ簡単に解説します。

モリンホール（Morin Khuur）【実機】：実機本体。これが最も価格幅が大きいアイテム。上記では「Beginner Kids Morin Khuur US$350／Master Morin Khuur US$1,550～1,850」などの価格例あり。 Etsy
モリンホール（Morin Khuur）アクセサリーセット：本体ではなく関連アクセサリーや簡易仕様。価格は数千円〜程度。
モリンホール（Morin Khuur）教則・テキスト：楽器本体ではなく学習用教材。数千円レベル。
モリンホール（Morin Khuur）ミュート・アクセサリー：演奏時の音量調整用アクセサリー。数千円未満。
モリンホール（Morin Khuur）交換用ミュートツール：さらに小物アクセサリー。
モリンホール（Morin Khuur）サイレンス／アクセサリー：アクセサリー・付属品。
モリンホール（Morin Khuur）ミュート（バイオリン用代用）：ミュート代用の小物。
モリンホール（Morin Khuur）テキスト／楽譜：演奏用参考資料。

※ 本体（実機）以外は価格も低め・演奏可能性も限定的です

💡 価格相場の目安

新品（実機本体）

海外の出品例：Beginner（初心者モデル）US $350（約¥50,000～¥60,000程度）／Masterレベル US $1,550～US $1,850（約¥250,000～¥300,000）という記載。
また、海外楽器ショップでは「Authentic Mongolian Morin Khuur Bowed Stringed Musical Instrument 2023」などが出品されています。
日本国内の中古流通価格は、手工・高級仕様のものだと 数十万円になりうるとされています。例えば、「US$2,500〜US$10,000」といった範囲が紹介されたことも。