ブズーキはギリシャ音楽やアイリッシュの中で使用される楽器で、東ヨーロッパのセルビアやボスニアなどでも使われる楽器です。洋梨を半分に割った形をしており、マンドリンと同じくリュート属に数えられます。奏法自体もマンドリンに似ています。ブズーキの歴史はかなり古いと言われており、遥か古の時代のメソポタミア文明の時代にはすでにこの楽器の原型があったと言われています。ピックを使って演奏され、鋭い音色が特徴です。
起源と歴史
ギリシャでこの楽器は生まれました。中古なら値段も安く販売されており奏者にとってハードルは高くありません。フラットな仕様でチューニングしやすくコード弾きもできます。
1. 起源
- 祖先楽器:古代ギリシャの撥弦楽器「パンドゥラ(Pandura)」や「タンブーラ(Tambouras)」
- いずれも長いネックと小型共鳴胴を持ち、撥で弦を弾く楽器
- 古代ギリシャや中東地域で使われていた
- ギリシャでの発展:中世~近代にかけて、パンドゥラ/タンブーラを改良して、現代のブズーキの原型が作られる
- 名称の由来:「Bouzouki」という名前はギリシャ語の「Bouzoukia(弦を弾く)」に由来する説があります
2. 近代ギリシャでの歴史
- 19世紀末~20世紀初頭
- ギリシャ、特にアテネやイオニア諸島でブズーキが民衆音楽やレベティコ音楽に定着
- 初期は「3コース(トリコード)」タイプが主流
- 1950年代以降
- 「4コース(テトラコード)」タイプが登場
- 演奏技術が向上し、コード伴奏や複雑なメロディにも対応可能になる
- ボディ形状や材質も改良され、音量・音質が向上
3. アイルランド・ケルト音楽への伝播
- 1960年代以降
- ギリシャのブズーキがアイルランドに紹介され、フォーク/ケルト音楽に取り入れられる
- 「アイリッシュ・ブズーキ」として改良され、平らな背板やショートネック、特有の調弦(G‑D‑A‑Dなど)が開発される
- 特徴
- コード伴奏用として非常に便利
- メロディも演奏可能で、ケルト音楽の伴奏・ソロの両方に使用
4. 世界的な広がり
- 20世紀後半~現在
- ギリシャ音楽、アイルランド音楽、フォーク、ワールドミュージックなど多彩なジャンルで活躍
- 金属弦+共鳴胴の明瞭な音色が特徴で、アコースティック・バンドで幅広く使われる
特徴と構造、サイズ
では、ブズーキの特徴・構造・サイズについて整理して解説します。
1. 特徴
- 音色
- 金属弦をピック(プレクトラム)で弾くため、明るく切れのある音
- 倍音が豊かで、独特の「キラキラした響き」が特徴
- コード伴奏とメロディ演奏の両方が可能
- 用途・ジャンル
- ギリシャ音楽(レベティコ、民謡)
- アイリッシュ・フォーク、ケルト音楽
- ワールドミュージック、現代フォークバンド
- 演奏スタイル
- ピックで弦を弾き、左手でフレットを押さえる
- コードストローク、アルペジオ、メロディ奏法が可能
2. 構造
ブズーキは大きく分けて ギリシャ型 と アイリッシュ型 に分類されます。
ギリシャ型ブズーキ
- ボディ形状:洋梨形(ボウルバック)
- 弦の構成:3コース(6弦=トリコード)または4コース(8弦=テトラコード)
- ネック:長く、フレット付き
- 使用弦:金属弦(通常は鉄またはニッケル合金)
- 音の特徴:明るく鋭い音、アルペジオや速いメロディに向く
アイリッシュ・ブズーキ
- ボディ形状:平らな背板の洋梨形またはギター型に近い
- 弦の構成:通常4コース(8弦=テトラコード)
- ネック:ギリシャ型より短めのものも多い
- 調弦:D‑A‑D‑A や G‑D‑A‑D など、フォーク伴奏に適したチューニング
- 音の特徴:やや丸みのある音色でコード伴奏に最適
共通部分
- ブリッジ・サドル:弦の張力をボディに伝える
- ナット:ネック端で弦を保持
- ピックガード:演奏中のピックで傷つくのを防止
3. サイズ
ブズーキはネックの長さやボディサイズで弾き心地が変わります。
| 種類 | ネック長(スケール) | ボディ寸法 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ギリシャ型 | 約660〜680mm | 直径25〜30cm程度のボウルバック | トリコード・テトラコード両方あり |
| アイリッシュ型 | 約610〜650mm | ボディ厚5〜10cm、幅30cm前後 | 平らな背板でギター感覚で演奏可能 |
- 弦間隔・フレット数もサイズによって異なり、演奏の快適さに影響
- アイリッシュ型は家庭での演奏や伴奏向けにやや小型・軽量が多い
種類についてバリエーション
では、ブズーキの種類とバリエーションを整理して解説します。用途や国ごとに形状・構造・音色が異なります。
1. ギリシャ型ブズーキ(Greek Bouzouki)
特徴
- 元祖のブズーキで、ギリシャ音楽(レベティコ、民謡)で使用
- ボウルバック(丸みのある背板)が特徴
- 金属弦をピックで弾く
バリエーション
- トリコード型(3コース)
- 弦数:6弦(3ペア)
- 音域:高め、メロディラインに適する
- 主に古典・伝統音楽で使用
- テトラコード型(4コース)
- 弦数:8弦(4ペア)
- 音域:広く、伴奏+メロディ両方に対応
- 1950年代以降に普及、モダンなギリシャ音楽で主流
2. アイリッシュ・ブズーキ(Irish Bouzouki)
特徴
- 1960年代以降、ギリシャ型ブズーキがアイルランド音楽に導入され改良
- 平らな背板で演奏しやすく、コード伴奏向き
- スケールはやや短めで、ギター感覚で扱える
バリエーション
- 4コース8弦(テトラコード)
- 調弦:D‑A‑D‑A、G‑D‑A‑D など
- コード伴奏・リズム演奏に最適
- メロディ演奏も可能
- 4コース6弦(オープンコース)
- 一部メーカーで、ペア弦ではなく単弦にして軽快なサウンドを実現
- 弾きやすさ・音色の明瞭さを重視

ブズーキの種類
ブズーキは主にギリシャブズーキとアイリッシュブズーキがあります。
Greek Bouzouki
Irish bouzouki
奏法、難易度
では、ブズーキの奏法と難易度について整理して説明します。
1. 奏法(演奏スタイル)
基本奏法
- ストローク奏法(コード伴奏)
- 右手でピックを使い、コードをリズムに合わせて弾く
- フォーク・ケルト音楽で主に使われる
- アルペジオ奏法
- 弦を1本ずつ弾いて旋律や伴奏を表現
- メロディラインを引き立てるために重要
- メロディ奏法
- 左手でフレットを押さえ、右手でピックを使って単音または旋律を演奏
- ギリシャ音楽では速いフレーズや装飾音が多用される
- 装飾音・グリッサンド
- 音を滑らせたりトリルを入れる
- 特にギリシャ型ブズーキで伝統的演奏に多い
ジャンル別の奏法
| ジャンル | 特徴 | 向いているブズーキの種類 |
|---|---|---|
| ギリシャ音楽 | 速いメロディ、装飾音が多い | ギリシャ型トリコード・テトラコード |
| アイリッシュ/ケルト | コード伴奏+アルペジオ | アイリッシュ型4コース、フラットバック型 |
| ワールド/フォーク | メロディと伴奏の両立 | 平らな背板、ギター型 |
2. 難易度
初心者向け
- 難易度:★☆☆☆☆
- コードストロークの基本リズムが中心
- アイリッシュ型4コースやフラットバック型が弾きやすい
中級者向け
- 難易度:★★★☆☆
- アルペジオ、簡単なメロディ、装飾音を交えた演奏
- 左手のフォームや指の独立性を練習する必要がある
上級者向け
- 難易度:★★★★☆~★★★★★
- ギリシャ型ブズーキでの高速メロディや装飾音、多彩なフィンガリング
- 右手のピック操作で音色の微妙な変化を出す技術が必要
- 複雑なリズムパターンや複合拍子にも対応
有名な奏者
ブズーキの有名な奏者を国別・ジャンル別に整理して紹介します。ギリシャ音楽やアイリッシュ音楽で世界的に知られているドラマティックな演奏家たちです。
1. ギリシャ音楽の有名奏者
| 名前 | 特徴・活動 |
|---|---|
| マノリス・フリオス(Manolis Hiotis) | 20世紀のギリシャ・ブズーキ界の巨匠。速弾きと装飾音の多用で知られる。 |
| ミハリス・フリオス(Mihalis Hiotis) | ギリシャのレベティコ音楽で活躍。テトラコード型ブズーキを用いた現代的演奏の先駆者。 |
| Yannis Markopoulos(ヤニス・マルコプロス) | ギリシャ現代音楽や映画音楽でブズーキを活用。民族音楽と現代音楽の融合を実践。 |
2. アイルランド/ケルト音楽の有名奏者
| 名前 | 特徴・活動 |
|---|---|
| アントニー・マクガイア(Tony McManus) | アイリッシュ・ブズーキとギター奏者。ソロ・伴奏両方で活躍。 |
| デイヴ・ペニントン(Dave Penny) | ケルト音楽やフォークで活躍。コード伴奏のリズムパターンで有名。 |
| マイケル・マクゴーワン(Michael McGoldrick) | フルート・ブズーキ奏者として知られる。伝統的アイルランド音楽で幅広く活動。 |

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
ブズーキ(Bouzouki)の 新品/中古の製品ラインナップおよび価格相場を、あくまで目安として整理します。実際の価格は仕様、状態、為替、輸入関税などで大きく変動するため、「おおよその目安」としてお考えください。
✅ 新品の製品ラインナップと価格相場
以下は新品で市場に出ている代表的なモデルおよびその価格例です。
それぞれ簡単に説明します:
- Acoustic Greek Bouzouki With Pickup:ギリシャ型/ピックアップ付き/プロ仕様の新品。木材・構造・仕上げによって価格が高め。例として海外ショップで ~¥85,900 程度で出ているモデルあり。
- Concert Irish Bouzouki Solid Wood:アイリッシュ型/ソリッドウッド仕様/比較的手が届きやすい新品モデル。例:€289(約¥40,000〜50,000)程度。
- Short‑Scale Irish Bouzouki Solid Wood:ショートスケール(ネックがやや短め)タイプの新品。価格もさらに控えめ。
- La Bella BZ506 Bouzouki 6‑String Set:入門セット/6弦仕様/比較的低価格新品(弦セット等と併せて)で、ハイエンドではないが初心者向け。
- Used Bouzouki (Entry / Hobby):これは中古出品例ですが、新品との差異を比較するために掲載。
- その他の重複モデル(上述)を「代替」「グレード上」「格安」などのタグでひとまとめにしています。
新品価格帯の目安
- 入門または低価格帯:約 ¥30,000〜70,000 程度
- 中級〜ソリッドウッド仕様:約 ¥70,000〜150,000 程度
- 高級/プロ仕様/木材・仕上げにこだわったモデル:¥150,000以上、場合によっては数十万円というモデルも見られます。
例えば、ギリシャ型のハンドメイドモデルで “over ¥75,000” の価格帯が出ている例あり。
🔄 中古の製品ラインナップと価格相場
中古市場では、モデル・年式・状態・仕様(コース数/素材/製造国)によって価格変動が大きいですが、以下のような傾向があります。
中古価格例
- 海外サイトでは、8弦ギリシャ型ブズーキ(中古)で $724(約¥110,000〜120,000)程度という例があります。
- また、入門〜比較的安価なアイリッシュ型新品・中古で “$229(約¥35,000〜40,000)” の例もあり。
- 日本国内・中古出品マーケットで “数千円~数万円” の格安中古も出ています(ただし状態/仕様注意)。
中古価格帯の目安
- 入門・軽仕様・傷あり等:数万円~¥50,000前後
- 中級仕様・状態良好:¥50,000〜100,000前後
- 高級仕様・希少モデル・ヴィンテージ:¥100,000以上も十分あり得ます。
中古は“掘り出し物”も多いため、状態や仕様をしっかり確認することが重要です。
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