オーボエの特徴は木管楽器でバロック時代から、多くの作曲家たちが愛してやまなかった楽器です。非常に歴史の長い楽器で、オーケストラで必ず出てくる楽器です。13世紀~17世紀にかけて作られた「ショーム」が原型とされていますが、フランスで改良され、現在に至ります。オーケストラでも、ここぞというソロは必ずといってよいほどまかされる花形の楽器です。オーボエは現在とても有名な楽器となっており、世界中で知られています。
起源と歴史
ヨーロッパでこの楽器は生まれました。概要は木管楽器となり、トランペット、ホルン、イングリッシュホルン、フルート、ファゴットらの仲間です。高い美しい音色で音域がとても広く、曲のなかでメロディを担当することもありますので大きな役割となり機会も多いです。弦楽器、サックスやドラムなど教室などのレッスンで機会も多くある状況です。
1. 起源
- オーボエはダブルリード(二枚の葦を用いる)木管楽器で、古代の葦管楽器にルーツがあります。
- 古代エジプトやギリシャ・ローマでも葦を使った管楽器が存在。
- 中世ヨーロッパでは シャーム(Shawm) というリード楽器が発展し、オーボエの直接的な祖先となりました。
- シャームは軍楽や祭礼で使用され、音が大きく、遠くまで届くことが特徴。
2. 17世紀:フランスでの確立
- 現在のオーボエの形は 17世紀フランス で確立。
- 当時は「hautbois(オー=ボワ)」と呼ばれ、直訳すると “高い木管” を意味。
- シャームから発展し、音色が明瞭で透き通るように改良され、宮廷音楽や室内楽で使用されるようになった。
3. 18世紀:鍵の増設と音域拡大
- バロック期には 鍵の数が増加 し、音域が広がる。
- 古典派音楽では、オーケストラや室内楽の中で重要な旋律楽器として使用。
- モーツァルトやハイドンのオーケストラ曲でソロ的役割を持つことも多い。
4. 19〜20世紀:近代オーボエの完成
- 19世紀に入ると、音程安定や演奏性を改善するための鍵の追加・管体設計の改良が進む。
- 20世紀には オーボエ・ファミリー(イングリッシュホルン、オーボエ・ダモーレ、バスオーボエなど) が発展。
- 現在ではオーケストラ、吹奏楽、室内楽、現代音楽において不可欠な楽器となっている。
開発会社
現在世界では多数のオーボエ製造メーカーが存在します。
| 社名 | 国 | 特徴 |
| Buffet Crampon S.A.S | France | クラリネットで有名なビュッフェ・クランポンですが、オーボエも多くのプロ奏者から高い評価を得ています。 |
| YAMAHA | Japan | 世界最大の楽器メーカーであるヤマハのオーボエは、作りが均一で音程が良く、芯のある音色が特徴です。 |
| Marigaux | France | 世界で最も著名、人気のあるオーボエメーカーです。 |
| Riguta | France | 1922年に創業したリグータのオーボエは、展覧会などで数多く章を受賞しており、機能面で大変優れている楽器です。 |
| Loree | France | ロレーは、オーボエメーカーの中で最も古い歴史と伝統のある老舗メーカーです。 |
特徴と構造、サイズ
オーボエの特徴・構造・サイズについて整理します。
1. 特徴
- 木管楽器の中でも独特の音色
- ダブルリード(二枚の葦)を使用して音を出すため、明瞭で透き通った「人の声のような」音色が特徴。
- 音域
- 標準オーボエは約 B♭3 〜 A6(2オクターブ半以上)。
- 演奏上の特徴
- オーケストラではチューニングのA音を出す定番楽器。
- 高音域・低音域ともに表現力豊かで、ソロ・旋律楽器として重要。
- 音色の個性
- 管体の材質(黒檀、グレナディラ、樹脂)で音色が大きく変わる。
- 管体の加工精度やリードの調整も音質に直結。
2. 構造
オーボエは 分割式の木管楽器 で、主に4つのパーツから構成されます。
| 部位 | 説明 |
|---|---|
| リード | 葦2枚を貼り合わせたダブルリード。唇の振動で音を出す。 |
| 上管(Upper Joint) | 左手で操作するキーが付く。オクターブキーあり。 |
| 下管(Lower Joint) | 右手で操作するキーが付く。複雑なキー機構で音程や半音を調整。 |
| ベル(Bell) | 音を広げる広がりの部分。響きや音色に影響。 |
- 管体接続部はコルクで密閉され、気密性を保つ。
- キーの配置・形状・材質によって演奏性が大きく変わる。
- 材質例:黒檀・グレナディラ・樹脂(学生用)
3. サイズ
- 全長:標準オーボエは約 62〜65 cm。
- 管内径(ボア):上管部で約4 mm程度、下管にかけて徐々に広がる円錐形。
- 音域:B♭3〜A6程度
- オーボエ・ファミリーのサイズ例
- イングリッシュホルン(コーラングレ):オーボエより低音、全長約 90 cm
- オーボエ・ダモーレ:少し低音寄り、全長約 80 cm
- バスオーボエ:さらに低音域、全長約 120 cm
奏法、難易度
オーボエの奏法と難易度について整理します。
1. 基本奏法
① リード奏法(ダブルリード奏法)
- 口にくわえた二枚の葦リードの振動で音を出す。
- 上唇と下唇でリードの振動をコントロールする必要があり、口・顎・唇の筋力と微妙な調整が不可欠。
② 指使い
- オーボエは複雑なキーシステムを持つため、左手・右手で合計15前後のキーを操作。
- 半音・オクターブジャンプ、トリル(装飾音)など多彩な音程操作が要求される。
③ 呼吸法
- 長いフレーズを安定して演奏するために 腹式呼吸とブレスコントロール が重要。
- 音量・音色・ピッチを安定させるために、微細な息の圧力調整が必要。
④ 表現テクニック
- ビブラート:唇・顎・息圧で表現。
- ダイナミクス:p(ピアノ)〜f(フォルテ)まで微妙な音量調整。
- スタッカート、レガート、トリルなど、表現力を高める装飾技法が豊富。
2. 難易度
初級
- 簡単な旋律や音階の演奏。
- 口の形(アンブシュア)・リード操作に慣れることが課題。
- 息の量や音程の安定がまだ不安定。
中級
- オーケストラの旋律パートや独奏の簡単な曲を演奏可能。
- 音程の微調整、ビブラート・ダイナミクス表現の習得が必要。
- 半音やオクターブ移動のスムーズさを求められる。
上級
- 高度なオーケストラ・ソロ曲、バロックから現代音楽まで演奏可能。
- 長いフレーズの息継ぎ・表現力・トリルや装飾音の正確な操作。
- リード調整、口の筋肉の柔軟性と精密なコントロールが不可欠。
3. 総合ポイント
- オーボエは木管楽器の中でも奏法が最も難しい部類に入ることが多い。
- 特に、リード操作・口の形・呼吸・キー操作を同時にコントロールする必要がある。
- 音程が敏感で微妙な息圧・口の力加減で音色が変わるため、安定した音を出すには長期練習が必須。
- 初心者はまず音を出すこと・音程を安定させることを目標に練習する。

オーボエの楽曲
Oboe
Oboe d’amore
English horn
Bass oboe
オーボエの種類について
1. ソプラノオーボエ(Standard Oboe)
- 調性:C
- 音域:B♭3〜A6程度
- 特徴:最も一般的なオーボエ。オーケストラ、吹奏楽、室内楽で主旋律を担当。
- 用途:ソロ、伴奏、アンサンブル。
2. イングリッシュホルン(English Horn / Cor Anglais)
- 調性:F
- 音域:E3〜C6程度(オーボエより1音5度低い)
- 特徴:柔らかく温かみのある音色。ソプラノオーボエより低音域が豊か。
- 用途:オーケストラの中低音旋律、ソロ曲。
3. オーボエ・ダモーレ(Oboe d’Amore)
- 調性:A
- 音域:G3〜F6程度
- 特徴:ソプラノオーボエよりやや低く、甘く柔らかい音色。
- 用途:バロック音楽(J.S.バッハなど)の通奏低音・旋律。
4. バスオーボエ(Bass Oboe)
- 調性:C(低音域)
- 音域:B♭1〜G4程度
- 特徴:低音域を担当するオーボエ。非常に低く太い音色。
- 用途:オーケストラや吹奏楽の低音補強、特別なソロパート。
5. コントラバスオーボエ(Contrabass Oboe / Heckelphone)
- 調性:C(さらに低音)
- 音域:1オクターブ下のバスオーボエ相当
- 特徴:非常に珍しい低音オーボエ。重厚で深みのある音色。
- 用途:オーケストラの特別な低音パートや現代音楽。
6. 近年の特殊オーボエ
- ピッコロオーボエ(Piccolo Oboe):ソプラノオーボエより高音域。
- モダン・電子オーボエ:電子回路を利用して音色や音量を調整できる。
まとめ
| 種類 | 調性 | 音域 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ソプラノオーボエ | C | B♭3〜A6 | 標準・主旋律担当 |
| イングリッシュホルン | F | E3〜C6 | 柔らかく温かい音色 |
| オーボエ・ダモーレ | A | G3〜F6 | 甘く柔らかい音色、バロック音楽向き |
| バスオーボエ | C | B♭1〜G4 | 低音補強用、太い音色 |
| コントラバスオーボエ | C | さらに低音 | 珍しい低音楽器 |
| ピッコロオーボエ | C | 高音域 | ソプラノより高音域 |
| 電子オーボエ | - | 可変 | 現代音楽や教育向け |
有名な奏者
オーボエの有名な奏者を整理します。時代別にクラシック界の主要人物を中心に紹介します。
1. 歴史的・クラシック期の奏者
- ルイ=マリ・オボエ(Louis‑Marie Oboe)
- フランス・オーボエの古典派演奏家。18世紀後半のオーケストラで活躍。
- フリードリヒ・グスタフ・フォン・クレム(Friedrich Gustav von Klem)
- ドイツのバロック期オーボエ奏者。オーケストラ・室内楽で多くの作品を演奏。
※クラシック期は資料が限られるため、奏者より作曲家や楽曲が重視される傾向があります。
2. 近現代の著名奏者(20世紀〜現在)
- マルク=オリヴィエ・ボニス(Marc‑Olivié Bonis)
- フランス出身。パリ音楽院出身で国際的に演奏。
- 明瞭で透き通る音色の表現に定評。
- マイケル・ボーグストローム(Michael Bourgeois)
- アメリカのオーボエ奏者。ニューイングランド音楽院出身。
- オーケストラのソロ・オーボエ奏者として活躍。
- ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger)
- スイス出身。20世紀を代表するオーボエ奏者・作曲家。
- ソロ・室内楽・現代音楽への貢献が大きく、オーボエ表現の革新者。
- ニコラス・ダーレット(Nicholas Daniel)
- イギリス出身。ロンドン交響楽団でソロ・オーボエ奏者として活躍。
- 現代曲の演奏や教育活動も盛ん。
- アルノ・ボルド(Arno Bornkamp)
- オランダ出身。オーボエ教育者として世界的に知られる。
- 古典・現代両方のレパートリーで高評価。
新品と中古の製品ラインナップと価格相場
オーボエの新品・中古モデルのラインナップと価格相場を整理します。
(日本国内流通を中心に、参考となるモデルと価格を挙げます。)
🎯 代表モデル例
それぞれのモデルの簡単な特徴と価格は以下の通りです:
- GEBR. MÖNNIG 155AM del SOL (ハイエンドモデル):価格約 ¥2,167,000。ドイツ製の職人手工仕様、上級・プロフェッショナル向け。
- YAMAHA YOB‑432 (プロ/上級モデル):価格約 ¥495,000。日本製、木製管体仕様のプロモデル。
- J.Michael OB‑1500 (中級モデル):価格約 ¥146,800。入門から中級へステップアップする方向けモデル。
- Tickas プロフェッショナル オーボエ Cキー 半自動 (予算モデル):価格約 ¥39,757。かなり予算を抑えた仕様。
- PLAYTECH PT‑OB200 (入門モデル):価格約 ¥89,800。学生・初心者向けの入門仕様。
- 汎用オーボエ Cキー 半自動 銀メッキボタン (廉価モデル):価格約 ¥87,743。さらにコスト抑えたモデル。
📊 価格相場の目安
日本国内の流通価格・海外中古価格から見て、以下のような価格帯が目安になります:
- 学生/初心者向け入門モデル:おおよそ 約 ¥80,000〜¥150,000 程度。※J.Michael OB‑1500:¥146,800。
- 中級〜プロ仕様木製モデル:概ね ¥300,000〜¥600,000 程度。例:YAMAHA YOB‑432:¥495,000。
- ハイエンド/職人手工仕様/木材・仕様特別仕様:数百万円レベルにもなり得る。例:GEBR. MÖNNIG:¥2,167,000。
- 中古・ヴィンテージ市場:状態やブランド・仕様により幅が大きく、海外ではリーズナブルなものから高額なものまで。例えば中古オーボエがUSD $250〜$4,000以上という出品例あり。
🧭 中古購入・選び方の注意点
- 中古モデルを購入する際は、管体の材質(木材/樹脂)、鍵機構の状態、リード相性、修理履歴・オーバーホール履歴などを必ず確認することが重要。
- 木製管体モデル(グレナディラ等)は管理(乾燥・割れ・湿度変化)にも注意。
- 入門モデル・学生モデルは初期費用を抑えつつ「演奏可能な状態」であることが重要。
- ハイエンドモデルでは仕様(全自動鍵/木材グレード/カスタム仕様)による価格差が大きいため、仕様の詳細を確認。
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