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バンドゥリア : 民族楽器の特徴、意味、価格、歴史、使い方について最新版を解説

Instrument

バンドゥリアはスペインの伝統楽器として知られています。bandurriaはリュートやマンドリンなどの弦楽器にあたります。2弦6コースのものと、14弦6コースのものが普及しています。ポルトガルギターに似た栗のような形で、背面はフラットです。音の響き方に応じて、奏者の好みのピックを用いる楽器で、ヨーロッパではよく知られている楽器の一つです。スペイン文化の一部として伝統音楽などで使用されています。非常に長い歴史を持っている楽器のひとつです。

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起源と歴史

bandurriaは情報によるとスペインで生まれました。リュートやマンドリンなどと弦楽器のカテゴリーの仲間で構成されておりネットで一覧で調べると、辞書や百科事典のページで同様の記載があります。サービスやイベントなどで合奏されることが多いです。

1. ルーツは古代地中海の撥弦楽器

バンドゥリアの起源をたどると、**古代ギリシャのパンドゥーラ(Pandoura / Pandura)**にたどり着くとされます。
パンドゥーラは細長い胴体を持つ撥弦楽器で、これが後世のヨーロッパに伝わり、

  • リュート(Lute)
  • シターン(Cittern)
  • ビウエラ(Vihuela)

など、ルネサンス・バロック期の弦楽器に発展していきました。


2. 中世スペインでの登場

12〜13世紀頃、イベリア半島で「bandurria」という名前が文献に見え始めます。
当時は現在より細身で、以下の特徴を持っていました。

  • 3〜5コースのガット弦
  • トレモロを使う舞曲向けの楽器
  • アラブ系楽器(ウード)の影響を受けた構造

この時代、アラブ文化が強く残っていたアル=アンダルス(ムスリム支配地域)で多様な弦楽器が発展したため、バンドゥリアもその系譜に属すると考えられています。


3. 16〜18世紀:リュート・ビウエラとの共存と形の変化

ルネサンス期には、ビウエラやリュートなどの芸術音楽向け楽器が主流になる一方で、
バンドゥリアは民衆音楽・舞曲の世界で親しまれる楽器として生き残りました。

このころの特徴:

  • コース数が増え、倍音が豊かになる
  • 形がやや大型化する
  • 民謡伴奏で広く使われるようになる

4. 18〜19世紀:現在の「スペイン式バンドゥリア」へ

18世紀後半〜19世紀に、現在のバンドゥリアに近い形に進化します。

主な変化:

  • 6コース(12弦)の標準化
  • ボディが丸く小型化
  • 金属弦が使われ、音量・音の立ち上がりが向上
  • ピック奏法が一般化

この頃、スペインの**ロンダージャ(Rondalla)**と呼ばれる撥弦合奏の中心楽器として重要な位置を確立します。


5. 19〜20世紀:世界へ広がる

① フィリピンへの伝播

スペイン植民地時代(16世紀〜19世紀)の間にフィリピンへ伝わり、現地で大きく発展しました。

フィリピンでは:

  • 7コース(14弦)の独自仕様
  • 学校教育でも用いられる
  • ロンダリャと呼ばれる合奏文化が盛んになる

フィリピン式バンドゥリアは、世界で最も演奏人口が多い。


② 南米(ペルー・アルゼンチンなど)への伝播

スペイン移民・布教活動を通じて中南米にも伝わり、
特に**アンデス地域(ペルー、ボリビア)**では独自の民族楽器として発展。

特徴:

  • 12〜16弦など弦数が多い
  • 装飾が多く、民族色豊かなデザイン
  • 民族音楽(フォルクローレ)で用いられる

特徴と構造、サイズ

1. 全体的な特徴

バンドゥリアは、**小型の撥弦楽器(ピックで弾く)**で、高音域を担当する明るい音色が特徴です。

主な共通点:

  • 丸みのある洋梨型のボディ
  • 金属弦を使用
  • 複弦構造(コース):同じ音の弦を2本ずつ組にして張る
  • ピック奏法が基本
  • スケール長(弦長)が短いため、非常に高い音域を出せる

2. 構造の詳細

① ボディ(胴)

  • 形:洋梨型(Pear-shape)または涙滴型
  • 材:スプルース表板、ローズウッドやメイプルの側・裏板が一般的
  • 音響:小型ながら強い高音の響きを持つ

② ネック

  • ギターより短く細い
  • スケール長:約28〜30cm
    短いほど高い音程での演奏が可能

③ 指板・フレット

  • 金属フレットを多数配置
  • ハイポジションでも押さえやすいように浅めのアーチがあることが多い

④ 弦(コース)構造

地域弦数コース数特徴
スペイン式12弦6コース最も標準的。柔らかく明るい音。
フィリピン式14弦7コース世界で最も演奏人口が多いタイプ。幅広い音域。
南米式(ペルー等)12〜16弦6〜8コース装飾が多く、民族色が強い音。
  • 金属弦のため音の立ち上がりが鋭い
  • 倍音が多く、ハーモニーが豊か

⑤ ブリッジ(駒)

  • トップ板に固定されるタイプが一般的
  • 強いテンションの金属弦を支えるため、構造は比較的頑丈

⑥ サウンドホール

  • ギターと同じ丸穴が基本だが、
    南米式の中には彫刻・インレイが施された装飾タイプも存在する

⑦ チューニングペグ(糸巻き)

  • ギター式の糸巻き
  • 金属弦のテンションが強いので、歯車式が標準

3. サイズ(寸法)

バンドゥリアは「小型高音弦楽器」に分類され、次のような共通サイズを持ちます:

基本サイズ(スペイン式を基準)

  • 全長:50〜60 cm
  • 胴長:30〜33 cm
  • 胴幅:25〜28 cm
  • スケール長(弦長):28〜30 cm
  • 深さ(厚み):7〜9 cm

地域別サイズの傾向

地域サイズ傾向特徴
スペイン式標準・安定したサイズクラシック向けの音響設計
フィリピン式やや小ぶり学校教育で用いられるため扱いやすい
南米式地域工房により個体差大小型〜大型まで幅広い変種

種類についてバリエーション

① スペイン式バンドゥリア(Bandurria Española)

最も“標準”とされるタイプ。
クラシック音楽やロンダリャ(撥弦合奏)で使用される。

特徴

  • 12弦・6コース
  • 明るく鋭く、透明感のある音
  • 小ぶりなボディで高い音域
  • 合奏のメロディ(第1パート)を担当

メリット

  • 教則本・譜面が多い
  • 音色が美しく万能

代表メーカー

Prudencio Saez / Alhambra / Vicente Tatay など


② フィリピン式バンドゥリア(Philippine Bandurria)

世界で最も演奏人口が多いバンドゥリア。
学校教育やロンダリャ活動が盛んで、合奏文化が発達。

特徴

  • 14弦・7コース
  • スペイン式より1コース多く音域が広い
  • やや小型で扱いやすい
  • 弾きやすい設計の入門機が多い

音の傾向

  • スペイン式より明るく“華やか”な音色
  • トレモロがよく響く

用途

  • 学校ロンダリャ
  • 現地の民謡・現代曲

③ 南米式バンドゥリア(Andean/Peruvian Bandurria)

主にペルー・ボリビア・アルゼンチン北部で発展した民族的なタイプ。

特徴

  • 12〜16弦(6〜8コース)
  • 装飾が多く、工房ごとに形状が異なる
  • 民族音楽のリズム・メロディによく合う音色

  • 素朴で暖かく、民族楽器らしい荒々しさもあり

用途

  • フォルクローレ(アンデス民族音楽)
  • 民俗儀礼・祭りの演奏

バンドゥリアの曲

バンドゥリアは合唱や大衆音楽において演奏されることが多いです。

奏法、難易度

以下では、バンドゥリア(Bandurria)の奏法と難易度を、初心者向け〜上級テクニックまでわかりやすく体系的に解説します。

1. 基本奏法(初級〜中級)

① ピック(プレクトラム)奏法

バンドゥリアは必ずピックで演奏します。
金属弦・複弦(2本で1コース)ゆえに、ピックで2本を均等に弾く必要があります。

基本のピック動作
  • **オルタネイト奏法(ダウン→アップ)**が基本
  • 弦の2本を均等に当てる角度調整が重要
  • 短いスケールなので手首の回転で細かく刻みやすい

難しいポイント:
→ “2本が1つの音”として鳴るように力加減と角度を整えること。


② フレッティング(左手)

  • 近いフレット間隔
  • スケールが短いため、ハイポジションでも押さえやすい
  • 複弦のため、指をしっかり立てて押さえる必要がある

初心者は「音がビビりやすい」ことがあるが、慣れれば安定する。


③ 基本テクニック

  • 単音メロディ(主旋律)
  • コードカッティング(刻み)
  • 単純なアルペジオ

スペイン式ではクラシックの旋律、フィリピン式ではロンダリャのメロディを多く担当します。


2. 中級奏法

① トレモロ(Tremolo)

バンドゥリアを象徴する奏法。
高速でダウン・アップを連続し、伸びる“歌うような音”を作る。

難易度:★★★☆☆

必要要素:

  • 手首の柔軟性
  • 弦の抵抗をいなす軽いタッチ
  • ピックの先端を最小限まで短く持つ

② クロマチック/スケール走法

スケール長が短いため、早いパッセージが弾きやすい。

  • スケール運指
  • クロマチック上昇下降

難しいポイント:複弦を正確に押さえ、音を均一に響かせること。


③ ダブルストップ(2コース同時)

メロディ+ハーモニーの同時演奏。
フォルクローレやスペイン系の装飾でよく使う。


3. 上級奏法

① 高速トレモロ+メロディ変化の連続

  • フィリピンのロンダリャ曲で多い
  • 長時間のトレモロ持続が必要

② アルペジオの高速化とリズム変化

  • ピックの角度を刻々と変える技術が要求される

③ 装飾音・鋭いスタッカート

  • スペインの舞曲で用いられる
  • 手首と指先を細かく使う

有名な奏者

以下では、バンドゥリア(Bandurria)の有名奏者を、
スペイン/フィリピン/南米(ペルー・アルゼンチン)の三大系統別にわかりやすくまとめます。
世界の名手から現代の若手まで網羅しています。

1. スペインの有名奏者(クラシック系)

■ Pedro Chamorro(ペドロ・チャモロ)

  • 世界トップレベルのバンドゥリア奏者
  • スペイン国立音楽院教授
  • 現代クラシック作品の演奏・委嘱で有名
  • テクニック・表現力ともに“世界最高峰”と評される

■ Marisa Robles / Carolina Blázquez(カロリーナ・ブラズケス)

  • スペインの若手名手
  • バンドゥリアの独奏・室内楽で評価が高い

■ Luis Rueda(ルイス・ルエダ)

  • ロンダリャ指導者としても著名
  • 教本・教材の執筆多数

■ José Antonio Pedrosa

  • スペインクラシック界の重鎮
  • ラウデ奏者としても活動

2. フィリピンの有名奏者(ロンダリャ系)

フィリピンは世界最大規模のバンドゥリア文化圏で、
学校教育でも演奏されるため名手が多いです。

■ Celso Espejo(セルソ・エスペホ)

  • フィリピンを代表するロンダリャ指揮者・奏者
  • Espejo Rondalla(名門団体)の創設者

■ The Manila Symphony Junior Rondalla

  • 国際コンクールで入賞多数
  • バンドゥリアの技術向上を牽引

■ UP Rondalla(University of the Philippines Rondalla)

  • 名門ロンダリャグループ
  • 各メンバーが国内トップクラスの技量

■ Kabataang Silang Rondalla

  • 国際的活動が多く、若手の育成にも定評

■ Armando V. Reyes

  • フィリピン式バンドゥリアの研究家・奏者

3. 南米(アンデス)圏の有名奏者

南米のバンドゥリアは、フォルクローレの主役楽器の一つ。

■ Manuelcha Prado(マヌエルチャ・プラド/ペルー)

  • アンデス音楽の重鎮
  • ペルー式バンドゥリア(12〜15弦)を演奏
  • 民族的な深い響きで世界的に有名

■ Ernesto Camino(エルネスト・カミーノ/アルゼンチン)

  • 北部アルゼンチンのフォルクローレ奏者
  • ソロと歌伴奏の両方で活躍

■ Los Kjarkas系の奏者(ボリビア)

  • ボリビアの民俗音楽を世界に広める代表的グループ
  • 曲中でバンドゥリアや同系統楽器を多用

新品と中古の製品ラインナップと価格相場

バンドゥリア(Bandurria)の 新品・中古の製品ラインナップと価格相場 について、現在(2025年時点)入手可能なモデル例と相場をまとめました。ただし、バンドゥリアはマイナー楽器なので、流通量がかなり限定的なものも多く、価格には大きなブレがあります。


1. バンドゥリアの製品ラインナップ例(新品/中古)

まず、実際に流通しているモデルの例を紹介します。以下は楽天・海外通販・フリマなどを含めたモデルです

以下、主なモデルをピックアップして解説します:

  • Bandurria 12弦 (60 cm):かなり安めの個体(メルカリ出品)、実用性は抑えめ。
  • Bandurria 12弦 (65 cm) 現状品:やや大きめ、状態は中古。
  • La Bella MB550 Bandurria:比較的ブランドがしっかりしていて、新品または流通品。
  • La Bella MB550 Bandurria(海外版):輸入モデル。
  • バンドゥリア 弦楽器(入門向け):かなり安価、趣味・練習用に適したモデル。
  • Bandurria 12弦 (65 cm) 別個体:同型の別個体、中古。
  • Bandurria 民族楽器(メルカリ):民族楽器風、使われてきた個体。
  • La Bella MB550(別在庫):別ショップ・在庫分。

2. その他実店舗・通販で見られるモデル(新品・専門モデル)

  • Thomannでは「Spanish Bandurria Standard」が扱われている。
  • Lark in the Morningという伝統楽器ショップでは、APC製のスペイン・バンドゥリア(ソリッド・スプルーストップ)が **US$849(約12〜13万円+送料)**で売られている。
  • Ferangeli Guitarsというフィリピン系(ロンダリャ系)系ショップでは、アカシア材トップなどのカスタム・バンドゥリアが ₱7,500(ペソ)

3. バンドゥリアの価格相場(中古・オークション)

相場を見ると、バンドゥリアは高級な工房品から非常に安価な流通品まで幅があります。

  • オークファンによれば、「バンドゥリア(Bandurria)」の過去30日落札平均価格は 約 6,467円
  • Yahoo!オークションでも類似出品があり、その落札相場にばらつきがあります。
  • メルカリでも “バンドゥリア 12弦 民族楽器” の出品が多く、5,980円〜 程度で中古が出ることがある。
  • スパニッシュ・ブランド高級モデル(例:アルハンブラ製など)は、アンティーク/希少品扱いで大幅に高額になることも。例えば「アルハンブラ バンドゥリア 3C (12弦)」の中古品が 8,252円という記録もある(ただし希少・状態注意)

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