テルミンはロシア発祥の手を使わない楽器です。手を触れないで演奏できる楽器として知られており、世界初の電子楽器としても知られています。楽器に触れて音を出すのではなく、空間中の手の位置によって音が変わり、音量の調節も行う楽器です。2本のアンテナに手をかざして演奏するという画期的な楽器で、世界で衝撃を与えた楽器でもあります。1900年代に開発されたこの楽器に注目が集まっています。
起源と歴史
ロシアでこの楽器は生まれました。thereminは演奏家が自身で演奏することなく右手の動きで繊細なピッチの制御が可能です。Youtubeなどの動画にもなっています。現在はシンセサイザーの合奏などで活動している方がいます。高いサウンドをスピーカーで出せる設定や環境になっています。独創てきな新しい類のもので良い魅力があります。タイプや機能も用品でさまざま、
1. 発明の起源
- 発明者:レフ・セルゲーエヴィチ・テルメン(Léon Theremin、ロシア名:Лев Термен)
- 発明年:1920年頃
- 発明場所:ソビエト連邦の研究機関(音響・近接センサーの実験中)
テルミンは、手を近づけると音が変化するという原理から生まれました。
- 右手で音程(ピッチ)を操作
- 左手で音量(ボリューム)を操作
というユニークな電子楽器の構造は、この発想から直接生まれています。
2. 初期の歴史
- 1928年:アメリカで特許取得
- 1920〜1930年代:世界各地で演奏デモンストレーションを実施
- 欧米でのコンサートや展示会で注目される
- 電子楽器として非常に斬新で「触れずに演奏できる楽器」として話題に
3. 1930〜1950年代
- SF映画やラジオ番組の効果音として使用され、独特の「幽霊的/宇宙的」音色が印象付けられる
- コンサート音楽の作曲家(アルテミス・カーンなど)が新しい音響表現として採用
4. 近現代の復興
- 一時は電子楽器の主流から外れるが、1960〜70年代以降の電子音楽・実験音楽で再評価
- 現代ではレトロ楽器愛好家、シンセサイザーや電子音楽のアーティストに人気
- コンサートや映画音楽だけでなく、ワールドミュージック・電子音楽でも使用される
特徴と構造、サイズ
テルミン(Theremin)の特徴・構造・サイズについて整理します。
1. 特徴
- 触れずに演奏する電子楽器
- 右手で音程(ピッチ)、左手で音量(ボリューム)をコントロール。
- 音色の特徴
- 滑らかで連続的な音の変化が可能。
- 「幽霊的」「SF的」「宇宙的」と表現される独特の音色。
- 用途
- 映画音楽(特に1950年代SF映画)
- 電子音楽・実験音楽
- コンサートやライブ演奏
2. 構造
テルミンの基本構造は比較的シンプルですが、精密な電子回路で制御されています。
| 部分 | 説明 |
|---|---|
| アンテナ(Pitch Antenna) | 右手で操作、音程を制御。垂直に立つ金属棒。 |
| アンテナ(Volume Antenna) | 左手で操作、音量を制御。水平に伸びる金属棒またはループ状。 |
| オシレーター回路 | ピッチと音量を生成。周波数変化をアンテナの電界で制御。 |
| スピーカー/出力 | 内蔵スピーカーまたは外部アンプへ出力。 |
| 筐体(ケース) | 電子回路やアンテナを固定するボックス。素材は木製・金属製など様々。 |
- 演奏者は直接触れずに、手の距離で電磁場の変化を検知させて音を出します。
3. サイズ
- 筐体:幅約30〜50 cm、奥行約20〜30 cm、高さ約10〜20 cm(機種による)
- アンテナ高さ:ピッチ用は約20〜30 cm、音量用は横方向に約15〜20 cm
- 重量:軽量タイプで約2〜5 kg、スタンダードなコンサート用は約5〜8 kg
種類について詳細
テルミン(Theremin)の種類・バリエーションについて整理します。
1. 構造・機能による種類
テルミンは基本構造が同じですが、音質・操作感・機能の違いによりいくつかのタイプがあります。
| 種類 | 特徴 | 用途・向き |
|---|---|---|
| アナログ・テルミン | 電子回路で直接発振するアナログ方式。古典的な音色、滑らかで温かみがある。 | 伝統的演奏、映画音楽、ライブ演奏 |
| デジタル・テルミン | 音声生成にデジタル信号処理を使用。安定性が高く、ノイズや周囲環境の影響を受けにくい。 | 電子音楽、現代音楽、教育用 |
| ハイブリッド型 | アナログ回路+デジタル補正を組み合わせた機種。アナログ音色を保持しつつ安定性向上。 | 高品質録音やコンサート用 |
| キット/DIY型 | 自作可能なキット。組み立て学習用や趣味向け。 | 初心者、教育用、電子工作 |
| ミニ/ポータブル型 | 小型・軽量で持ち運びが容易。簡易アンプ内蔵の機種もある。 | 個人練習、ライブ演奏、電子音楽制作 |
2. 音色や表現によるバリエーション
- クラシック音色寄り:伝統的テルミンの滑らかなヴィブラート表現が可能
- SF/電子音楽寄り:明瞭でやや硬い音、エフェクトやシンセとの組み合わせに適する
- 低音強調タイプ:ピッチレンジを低音域寄りに拡張
- 高音強調タイプ:滑らかな高音域表現に特化
3. 用途による選択
- コンサート/ソロ演奏:アナログまたはハイブリッド型のフルサイズ
- 教育/電子工作:キット型やポータブル型
- 録音・映画音楽:ハイブリッド型やデジタル型で安定性重視

テルミンの曲
テルミンはまだまだ有名な楽器とは言えませんが、様々な分野、ジャンルで使用されることがあります。
奏法、難易度
テルミン(Theremin)の奏法と難易度について整理します。
1. 基本的な奏法
- アンテナ操作
- 右手:垂直アンテナで音程(ピッチ)をコントロール
- 左手:水平アンテナまたはループアンテナで音量(ボリューム)をコントロール
- 演奏原理
- 手の位置で電磁場を変化させ、オシレーター回路の周波数(音程)やゲイン(音量)を変化させる
- 音色表現
- 滑らかにピッチを変化させる「ポルタメント」や、微細なビブラートが可能
2. 高度な奏法
- ビブラート/トレモロ
- 手首や指先の微細な動きで自然な揺れを作る
- ポルタメント(滑らかな音程移動)
- 隣接音への滑らかな移動、連続音階表現
- ダイナミクスの表現
- 左手の距離で音量を自在に変化させ、強弱やアクセントを演出
- 空間表現
- 手の動きで音像の広がりや奥行きを感じさせる演奏が可能
3. 難易度
| レベル | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 初心者 | 単音を安定して鳴らす | アンテナとの距離感、音程の把握が難しい |
| 中級者 | 簡単な旋律演奏 | 微妙なピッチ調整や音量制御に慣れる必要あり |
| 上級者 | 高度な旋律・ビブラート・ポルタメント表現 | 正確なピッチ・連続音・音量変化の同時制御が必要、手の微細な動きが鍵 |
- テルミンは「触れずに演奏するため指板・鍵盤などの目安がなく」、耳で音程を正確に把握する能力が必須
- 練習には耳の訓練と手の距離感の習熟が不可欠
4. 練習のポイント
- 音程の安定化
- まず単音を出して音程の目安を把握
- 音量制御
- 左手で音量の強弱を一定に保つ練習
- 旋律演奏
- 簡単なメロディーを右手だけで演奏
- ビブラート・ポルタメント練習
- 手首や指先で自然な揺れを作る練習
- 両手の連携
- 音程と音量を同時に制御する応用練習
有名な奏者
テルミン(Theremin)の有名な奏者について整理します。
1. 初期・クラシック期の奏者
- クララ・ロックモア(Clara Rockmore, 1911–1998)
- 最も著名なテルミン奏者。クラシック音楽の演奏家として訓練を受けており、精密なピッチコントロールと高度なビブラート技術を駆使。
- テルミンを「正確に演奏可能な楽器」として世界に紹介。
- レパートリーはクラシック曲(バッハ、ショパンなど)を含む。
- レフ・テルメン(Léon Theremin, 1896–1993)
- 発明者自身も演奏。科学的なデモンストレーションや演奏会でテルミンの普及に貢献。
2. 映画音楽・エンターテインメント系
- ロバート・モスコヴィッチ(Robert Moog)
- モーグ・シンセサイザー開発者としても知られ、テルミン演奏にも影響。
- 電子音楽の発展に貢献。
- サー・テレンス・ブランチャードや映画音楽作曲家たち
- 1950年代SF映画(『惑星ソラリス』『地球最後の日』など)で使用。
- テルミン奏者の名前は記録されにくいが、映画音楽制作チームの演奏者として貢献。
3. 現代の注目奏者
- サーストン・ムーア(Thorsten Mohr)
- 電子音楽や即興演奏でテルミンを使用。ライブや録音で評価される。
- リン・ハート(Lynn Harrell)やスーザン・アン・ハフマン(Suzanne Anhalt)
- 現代音楽、電子音楽、実験音楽の分野で演奏。
- トム・ヘルマン(Tom Heasley)
- 電子音楽・アンビエント音楽にテルミンを取り入れ、演奏や録音で国際的に活動

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
電子楽器の テルミン(Theremin)について、新品/中古の製品ラインナップと価格相場を整理します。購入を検討する際の参考になればと思います。
製品ラインナップ(代表モデル)
以下、それぞれ簡単に特徴と位置づけを説明します:
- Moog Theremini:Moog社の代表的テルミン機種。音程補正機能付きで「初心者でも比較的扱いやすい」とされます。
- MOOD/Educational Mini Theremin:教育用途/エントリーモデルとして低価格帯。テルミン入門に適。
- 2024 Mini Theremin Screen‑Display:さらに廉価なミニモデル。スクリーン表示付きという特徴も。
- Maestro TH‑1 Theremin (Vintage):ヴィンテージ仕様のテルミン。コレクター向け・価格も高め。
- Theremin: Ether Music and Espionage (Book):テルミンの歴史・文化に関する書籍。楽器そのものではありませんが、研究・購入判断に役立つ資料。
- Theremin: Mastering the Theremin (Book):奏法や練習に関する書籍。入門者の補助教材として。
- Mini Theremin Budget Model:超廉価ミニテルミン。お試し/趣味用途向き。
- Educational Theremin Entry Model:教育・子ども向けモデルとして位置づけられる入門機。
新品の目安価格
- 日本の楽器店では「Moog Theremini」が約 ¥66,000(税込) 程度の新品価格が確認できます。
- 海外では「Moog Theremini」新品が約 US $319(=約 ¥50,000〜¥70,000 程度)との仕様記載あり。
- ミニモデル/教育モデルでは数千円〜数万円の価格も出ており、例として「Mini Theremin」が US $37〜$50(=約 ¥5,000〜¥8,000)程度で出品されています。
中古・ヴィンテージの目安価格
- 高級・ヴィンテージモデル(例:1938年製 “Leon Theremin Soloist Custom”)では、出品価格が A$120,000(約¥10〜15 百万円以上) という例もあります。
- 中古の比較的流通量の多い機種(Moogブランド等)でも、「新品時価格の60〜80%程度」または状態次第でそれ以上になるという報告があります。
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