ユーロビートはダサい?特徴や歴史などおすすめ音楽ジャンルの最新版を解説。ユーロビートとは電子楽器を使ったダンスミュージックの一つとして分類されています。このジャンルは1980年代以降に流行したジャンルで、ディスコやシンセポップスなどの影響を強く受けています。ユーロビートでは曲の構成よりも、使用機材の方が重視される場合が多く、機材に関してこだわりを持つアーティストは多く居ました。2000年代以降になると、このジャンルは他ジャンルの台頭により衰退していったのです。
ユーロビートとは
ユーロビートは主に電子楽器を駆使したダンスミュージックの一つとして分類されています。1970年代にイギリスで発祥したと言われており、速いテンポを特徴とした非常に流行した音楽です。このジャンルはBPMが120‐160当たりのハイテンポで1980年代から1990年代にかけて広く流行していました。
ちょうどこの時代にはFM音源からフルデジタルの時代への移行期だったということもあり、打ち込み音楽という用語が広まり、アーティストの間では導入する人が増えていった時代でもありました。
1. ユーロビートとは
- 起源:1980年代初頭、イタリアのイタロ・ディスコやハイエナジー・ミュージックから派生。
- 主な用途:クラブやダンスイベント向け、特に**「踊るための音楽」**。
- 特徴的な日本での人気:
- アニメ『頭文字D』での使用で、日本のユーロビート文化が定着。
- ドリフトやカーレース文化と密接に結びついた音楽ジャンルとして人気。
2. 音楽的特徴
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| テンポ | 140〜160 BPMと非常に速い。踊るのにテンションを上げやすい |
| ビート | 4つ打ちのキックに、シンセドラムやクラップで強調 |
| メロディ | 高音域でキャッチーなメロディ。シンセサウンド主体 |
| 構成 | 短めのイントロ、サビ前のビルドアップ、エネルギッシュなサビ |
| ボーカル | 英語詞中心で、力強くポップ、テンションを上げる歌唱 |
| シンセサイザー | 高速のアルペジオやリードシンセで疾走感を演出 |
3. ユーロビートの魅力
- 疾走感と高揚感
- テンポが速く、ビートが一定で踊りやすい。
- キャッチーで明るいメロディ
- 一度聴くと耳に残るフレーズが多い。
- エネルギーが溢れる音作り
- 高速のシンセや派手なドラムで、聴いているだけでテンションが上がる。
- カルチャーとの結びつき
- 日本では『頭文字D』などで車・ドリフト文化とリンクし、ユーロビート=ドライブ音楽のイメージも強い。
4. 代表的アーティスト・曲
Initial Dサウンドトラック(日本での代表例)
Dave Rodgers(「Deja Vu」など)
Fastway
Ace
ユーロビートが「ダサい」とされる理由
ユーロビートが一部で「ダサい」とされる理由は、音楽的な特徴や文化的背景、時代的ギャップが影響しています。整理すると以下のポイントです。
1. 音楽的な特徴が極端
- テンポが非常に速い(140〜160 BPM)
- 聴き慣れていない人には「騒がしい」「落ち着きがない」と感じられる。
- 派手すぎるシンセ・ビート
- 高速アルペジオや強烈なシンセが、過剰で安っぽく聞こえる場合がある。
- キャッチーすぎるメロディ・歌詞
- 「覚えやすさ」「盛り上げ重視」の構造が、子どもっぽい・軽薄な印象を与えることも。
2. 文化的・時代的なイメージ
- 80〜90年代の古臭さ
- ユーロビートは80〜90年代にイタリア中心で流行した音楽。
- 現代の洗練されたEDMやポップスに比べると、サウンドがレトロで古臭く聞こえる。
- アニメや車文化の派手な印象
- 『頭文字D』やドリフト文化で使われる派手なBGMとして知られ、「マニアック」「オタク向け」と見られることも。
3. メディア・ステレオタイプの影響
- 二次元・ゲーム・アニメ系文化との結びつき
- ユーロビート=オタク趣味、チープなクラブ音楽という偏見が生まれやすい。
- 「ダサいテンション」扱い
- 派手すぎるBPMやボーカル表現が、逆に笑いのネタにされることもある。
4. まとめ
ユーロビートが「ダサい」と思われる理由は主に、
- 音楽的に極端で派手すぎる
- 時代的に古くレトロに感じられる
- 特定の文化・メディアと結びつき、偏ったイメージがある
しかし、クラブやドライブでは今でも大人気で、むしろ「テンションを上げるための最強音楽」と評価される場面も多く、賛否は分かれるジャンルです。

ユーロビートの歴史
ユーロビートの発祥は恐らくイギリスで、1970年代にディスコでドラムマシンのクラップ音を頻繁に使用した速いテンポのダンスミュージックがよくかかっていましたが、これがきっかけとされています。アメリカの歌手であるDonna Summer、イタリアのGiovanni Giorgio Moroderなどがシンセイサイザーを前面に出した音楽を売り出し、ヨーロッパ圏で大ヒットを続けたことでこのユーロビートが知られるようになり、1980年代からは全世界で流行します。
1983年にはYAMAHAが世界初のフルデジタル・シンセサイザーであるDX7を販売したことも大きく、フルデジタル時代を迎えたことから、打ち込み音楽という革命が起こりました。これも作用し、ユーロビートは全盛期を迎えました。
ユーロビートの衰退
イギリスを筆頭とする欧州のチャートを席巻したユーロビートは、アメリカでも1980年代後半から大ヒットしていました。しかしPet Shop Boysなどが「ユーロビート」として紹介されるなど、ヨーロッパとは違った形で受け止められていました。
ユーロビートは1990年代後半になると、徐々に飽きられるようになりました。リスナーのほとんどはR&Bやハウス、テクノなどにとって代わられるようになり、他のジャンルに移り変わっていきました。2000年代になると、ユーロビートの曲はほとんど出なくなり、ヒットチャートにも登場しなくなりました。
PARAPARA
パラパラとは日本で流行したダンスの一つでユーロビートの影響を強く受けました。1980年代以降の日本で流行し、一定の振り付けの組み合わせをします。主にディスコやクラブで集団で踊ることが多く、当時の若者にとても受けました。しかし2000年代以降は衰退し、他のジャンルにとって代わられました。

有名アーティスト
ユーロの楽曲はある時期にとても多く出ていてバブルを迎えましたが、後に出てきたEDMによってレコードの売り上げはかなり衰退しました。サウンドはブームになりリリースが大量に出ていました。初頭はアルバムでユーロビートの正統派が多かったのですが後半の時期はヒップホップの要素も加わったものも散見されました。その後一部の人々で注目されております。数々の新しいグループも出ていましたので一覧で紹介します。
Rick Astley
イギリスのシンガーソングライターです。ソウルフルな声が特徴でポップスなどのジャンルが多かったですが、ユーロビート風の曲も多くあります。1900年代後半を代表する世界的な歌手の一人でもあります。
Bananarama
イギリスのガールズグループです。元々は3名で活動していましたが、1990年代以降は2人で活動することが多くなりました。1980年代から1990年代に活躍したアーティストで、ヨーロッパで広く知られたグループです。
ユーロビートの魅力を再発見する方法
基本はユーロビートの魅力を再発見するには、「ただ聴くだけ」ではなく、歴史・文化・用途・リズム感などを意識するとグッと楽しめます。以下の方法でアプローチできます。最近の海外の洋楽や邦楽、オリジナルのカバー曲など総合して話題の情報を紹介します。
1. テンポとビートを体感する
- ユーロビートは140〜160 BPMの高速リズムが特徴。
- 実際に体を動かすことで、曲の疾走感やノリの良さを実感できる。
- ダンスしてみる
- 車でドライブしながら聴く(『頭文字D』的楽しみ方)
2. 歌詞やメロディのキャッチーさに注目
- ユーロビートはシンプルで覚えやすいメロディが多い。
- サビやコーラスに注目すると、なぜテンションが上がるのか理解できる。
- 英語詞中心なので、歌詞の内容も「熱さ」「情熱」を感じるポイント。
3. 歴史・文化背景を知る
- イタリア発祥・80〜90年代のクラブ音楽としてのルーツを知ると、サウンドの派手さも納得できる。
- 日本ではアニメやドリフト文化と結びつき、独特の「盛り上がる音楽」という文脈があることを理解する。
4. 音作り・構造を分析して楽しむ
- イントロ→ビルドアップ→サビの流れを意識して聴くと、曲の高揚感がわかる。
- シンセのアルペジオやベースラインの疾走感を分解して聴くと、テクニックの面白さも見えてくる。
5. 現代版ユーロビートを聴く
- デュア・リパやシーアなど、ディスコやユーロビートの要素を取り入れた現代ポップで「アップデートされたユーロビート」を体験する。
- 昔の曲だけでなく、リミックスや現代風アレンジを聴くと、古臭さより楽しさが前面に出る。
6. 仲間と一緒に楽しむ
- クラブイベントやオンラインコミュニティで、同じ趣味の人と盛り上がると面白さが倍増。
- ダサいと思われがちな曲でも、一緒に踊ったり盛り上がることで魅力を実感できる。

ユーロビートと他の音楽ジャンルの比較
ユーロビートを他の音楽ジャンルと比較すると、その特徴や魅力がよりわかりやすくなります。ここではディスコ、ハイエナジー、EDM(現代のダンスミュージック)と比較してみます
1. ユーロビート vs ディスコミュージック
| 項目 | ユーロビート | ディスコミュージック |
|---|---|---|
| 起源 | 1980年代イタリア | 1970年代アメリカ |
| テンポ | 140〜160 BPM(速い) | 100〜130 BPM(踊りやすい) |
| ビート | 4つ打ち+高速シンセアルペジオ | 4つ打ち+ベース主導のグルーヴ |
| サウンド | 電子的で派手、疾走感重視 | 生演奏感+華やかなストリングス・ホーン |
| 歌唱 | 英語、テンション高め | 英語・感情的、コーラス多め |
| 用途 | ダンス、ドライブ、アニメ文化 | クラブ・ディスコパーティ |
ポイント:ユーロビートはディスコより速くてエネルギッシュ、疾走感を重視している
2. ユーロビート vs ハイエナジー(Hi-NRG)
| 項目 | ユーロビート | ハイエナジー |
|---|---|---|
| 起源 | イタリア発 | 1970年代後半アメリカ・ヨーロッパ |
| テンポ | 140〜160 BPM | 130〜150 BPM |
| リズム感 | 疾走感・ドライブ感 | 踊りやすいがユーロビートより落ち着く |
| サウンド | 高速シンセ、強烈なメロディ | シンセ主体、エネルギー重視だが少し抑えめ |
| 用途 | クラブ、ドリフト・アニメ文化 | クラブダンス中心 |
ポイント:ハイエナジーはユーロビートの前身・兄弟的ジャンル。ユーロビートはより高速・派手になった進化系。
3. ユーロビート vs EDM(現代ダンスミュージック)
| 項目 | ユーロビート | EDM(現代) |
|---|---|---|
| テンポ | 140〜160 BPM | 120〜140 BPM(ジャンルによる) |
| 構造 | イントロ→ビルドアップ→サビ | ビルドアップ→ドロップ→サビ |
| サウンド | 高速シンセ+疾走感 | シンセ+サンプル多用、低音ドロップ重視 |
| 歌唱 | 英語ボーカル、キャッチー | ボーカルあり/なし両方、幅広い |
| 文化 | ドライブ・アニメ・クラブ | フェス・クラブ・SNS文化中心 |
ポイント:EDMは現代的で低音重視、演出として「ドロップ」を使うことが多い。ユーロビートはテンションをずっと維持する疾走感重視。
ユーロビートの未来と展望
ユーロビートの未来と展望を考えると、過去のレトロ感と現代の音楽技術を融合させた進化がポイントになります。以下に整理しました。
1. 過去の人気を支えた要素の継続
- 高速でキャッチーなメロディ、テンションを維持するリズムは今後も魅力。
- ドライブやクラブ、アニメ文化での用途は根強く残る。
- 日本では『頭文字D』の影響で、ユーロビート=ドライブ音楽のイメージが定着しており、今後もニッチな需要が存在。
2. 現代ポップ・EDMとの融合
- 現代のポップやEDMにユーロビート風の高速メロディやシンセを取り入れることで、新たなファン層を獲得。
- SNSやTikTokでの拡散により、若い世代への再評価も可能。
例:
- デュア・リパ、シーア、カイリー・ミノーグなどの楽曲でディスコ・ユーロビートの要素が取り入れられている。
3. 技術進化による音楽制作の容易化
- DAWやシンセサイザーの発展により、誰でもユーロビート風楽曲を制作可能。
- インディーズアーティストや同人音楽で新しいユーロビート作品が増加する可能性。
4. ゲーム・アニメ・メディアとの親和性
- 『頭文字D』やリズムゲームの影響で、ユーロビートは**「熱く盛り上がるBGM」として最適**。
- VRやメタバースでのクラブイベントやゲーム内BGMとしても活用可能。
5. 未来展望のまとめ
- ニッチだけど熱狂的なファン層は維持
- 現代ポップやEDMとの融合で新しい形が生まれる
- テクノロジーの進化で制作や拡散が容易になる
- アニメ・ゲーム・ドライブ文化との結びつきで新世代に浸透
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