木管楽器で篳篥のような音色のドゥドゥクはアルメニアのダブルリードの伝統楽器です。二枚の重なったリードの隙間へ息を吹き込む事によって得る最初の振動が、杏の木で出来た管体に伝わる事で音程を伴った発音をする管楽器です。それほど有名な楽器とはいいがたいため、知られている楽器ではありません。しかし、映画やゲーム、テレビドラマ、アニメなどのサウンドトラックではよく出てくる楽器で、中には多用されている作品も見られている楽器です。
起源と歴史
アルメニアでこの楽器は生まれました。dudukの詳細の情報をこのページで紹介します。トルコなどの地域ではオーボエやヴァイオリンと合わせてコンサートなどでよく使われます。
1. 起源
- 出身地:アルメニア
- 起源時期:少なくとも 1,500年以上前、古代アルメニア時代に誕生。
- 目的:祭礼、宗教行事、結婚式、葬儀などで使用され、民族の精神や感情を表現する楽器として発展。
2. 歴史的背景
- 古代アルメニアの民俗音楽において、ドゥドゥクは「人間の声に最も近い木管楽器」として重宝された。
- アプリコットの木材から作られることが多く、その材質が温かみのある音色を生む。
- 中世〜近代:アルメニア国内で広く演奏され、地域ごとに微妙な形状や音色の差が発生。
- 近代以降:アルメニア国外でも注目され、映画音楽やワールドミュージックに取り入れられるようになった。
- 映画例:「グラディエーター」「ミッション」「サハラ」など
- 文化的価値:アルメニアの民族楽器として、ユネスコの無形文化遺産にも匹敵する伝統的音楽の象徴とされる。
3. 特徴的な歴史的変遷
- 材質やリードの形状の工夫により、古代から現代まで 音色の深みと表現力を保つ。
- 民俗音楽だけでなく、現代音楽・ジャズ・映画音楽など多ジャンルで活用されるようになった。
特徴と構造、サイズ
1. 特徴
- 音色:柔らかく温かみのある哀愁を帯びた音色。「人間の声に最も近い楽器」と評される。
- 演奏表現:ビブラートや音量の微妙な変化で感情を豊かに表現できる。
- 用途:アルメニア民俗音楽、宗教音楽、映画音楽、ワールドミュージックで幅広く使用。
2. 構造
- 材質:主にアプリコット(杏)材。木材の質により音色が変化。
- 形状:円筒状の胴に二重リード(double reed)を装着。
- リード:取り外し可能で、演奏者が湿度や息の強さに応じて調整。
- 穴(指穴):7〜8個が前面に配置され、音階を操作。
- 内部構造:管内はほぼ均一の円筒形で、シンプルながらリードと管長の組み合わせで独特の音色を作る。
3. サイズ
- 長さ:約28〜40 cm(モデル・用途により変動)
- 直径:約1.5〜2.5 cm
- 音域:1オクターブ半程度(演奏者の息やリード調整で多少変化)
- 重量:非常に軽量で、長時間の演奏も可能
4. 補足
- 材質やリードの製作方法により、音の深さ・表現力・持続時間が大きく変わる。
- 小型のものは携帯性が高く、演奏者や地域のスタイルに応じたカスタマイズが可能。
奏法、難易度
1. 基本的な奏法
ドゥドゥクは 二重リードを使用する木管楽器 で、息の使い方と指使いが音色に直結します。
(1) 息のコントロール
- リードを口にくわえ、息の圧力で音を出す。
- 微妙な息の強弱で音量・音色・ビブラートを表現。
- 「持続音(サステイン)」を長く保つには腹式呼吸と肺活量が必要。
(2) 指使い
- 7〜8個の指穴を使い音階を操作。
- 微妙な指のずらしで半音や装飾音を作ることができる。
- 民族音楽特有のグリッサンドやスライド奏法も使用。
(3) ビブラート
- 唇や息の圧力で揺らす表現技法。
- ドゥドゥク特有の「哀愁感」を出す重要な奏法。
(4) ダブル奏法(アンビル奏法)
- 伝統的には 二重奏(2本のドゥドゥクを同時演奏) で和音的表現を行う。
- 低音とメロディを同時に鳴らすことで独特の奥行きが生まれる。
2. 難易度
| 技術項目 | 難易度 | 説明 |
|---|---|---|
| 基本の音を出す | ★★☆☆☆ | 初歩的な息のコントロールで音は出せる |
| 指穴で音階演奏 | ★★★☆☆ | 正確な音程と指の移動が必要 |
| ビブラート・装飾音 | ★★★★☆ | 息圧・唇の微調整が要求される |
| 長時間の持続音 | ★★★★★ | 腹式呼吸と持久力が必要 |
| 二重奏(アンビル奏法) | ★★★★★ | 2本のドゥドゥクを同時に扱う高度技術 |

ドゥドゥクの曲
ドゥドゥクの音楽は、多くの映画、特にロシアハウスとグラディエーターで使用されています。ポップスとというよりもBGMにぴったりの楽器です。
有名な奏者
ドゥドゥクはアルメニアの民族楽器として、世界的に高い評価を受けています。映画音楽やワールドミュージックでも活躍する奏者が多くいます。
1. レヴォン・ミナシアン(Levon Minassian)
- フランス在住のアルメニア系奏者。
- 映画音楽やワールドミュージックで幅広く活動。
- 映画『グラディエーター』などのサウンドトラックでも演奏。
2. ハルート・スアラ(Harout Bedrossian)
- 世界各地で演奏活動を行うアルメニア系奏者。
- 民族音楽に加え、ジャズや現代音楽とのコラボレーションも実施。
3. アラ・ジャマリャン(Ara Janjalian)
- 伝統音楽から現代音楽まで幅広く演奏。
- ドゥドゥクの音色の表現力を追求し、アルバムや公演でも活躍。
新品と中古の製品ラインナップと価格相場
「ドゥドゥク(Duduk)」の 新品・中古の製品ラインナップと価格相場をお伝えします。購入を検討されている場合の参考としてご覧ください。
それぞれ簡単に解説します:
- Special Electric Acoustic Armenian Duduk EDK‑4:電気/アコースティック兼用のモデル。価格例として約 ¥36,797。
- Woodwind Plum Duduk Balaban w/Reed:プラム(梅)木材使用のモデル。価格例は約 ¥12,473。
- Vienna Synchron Duduks (sample‑library):物理製品ではなくサンプル音源ライブラリですが「Duduk」音色として購入可能。価格例 約 ¥14,410。
- NUVO Duduk Instrument:非常に廉価な初心者用モデル。価格例 約 ¥5,058。
- Impact Soundworks Ventus Winds Duduk (virtual instrument):こちらもバーチャル音源。価格例 約 ¥14,952。
- Armenian Duduk Professional Apricot Wood (basic model):本格派アプリコット材仕様。販売例で「$150.67+」(円換算でおおよそ¥20,000〜30,000)あり。
- Plum Wood Duduk Apricot Wood Key A:木材・キー指定付きモデル。ETSYでは$150〜$213程度。
- Duduk Beginner Set with Reeds & Case:入門セット(本体+リード+ケース)で$50〜$100台のものも。 eBay情報。
📊 価格相場の目安
Web上の出品や販売例から整理すると:
- 入門〜エントリーモデル:US$ ≈ 50〜100(日本円でおおよそ ¥7,000〜¥15,000程度)のものが多数あります。 例:eBayでは「Brand New Armenian Duduk… $65.00〜$99.00」。
- 標準モデル/木材仕様あり:US$ ≈ 150〜300(日本円で約 ¥20,000〜¥40,000前後)。 例:ETSYで「Professional Armenian Duduk instrument Apricot Wood … $150.67〜$213.75」。
- プロ仕様・高級モデル:US$ ≈ 330〜450(約 ¥50,000〜¥70,000以上)も確認されています。 例:EthnicMusicalで「Professional Armenian Pku by Master Galstyan $449.00」。
- 中古/ヴィンテージ・スペシャル仕様:流通が少ないため価格幅が広く、状態・材質・職人による価値が大きく影響。 Redditでは「You can get a professional Duduk … for $100‑$150」などの報告あり。
📝 購入時のチェックポイント
- 材質(アプリコット木材=伝統的仕様、プラム材・梅材などバリエーション有り)を確認。
- キー(調=Key A, Key G, Key Fなど)や音程仕様:演奏用途に応じて選ぶ。
- リード(吹き口部)付属か、別途準備が必要か。リードの質が音色に大きく影響。
- ケース・アクセサリー付きかどうか(輸送・保管用に重要)。
- 中古の場合、木材の割れ・反り・リードの消耗・音色の劣化をチェック。
- 音響・演奏用途(録音・ライブ・民族音楽等)によって仕様を選ぶ。
- 海外製品の場合、送料・為替・関税・保証の有無を含めて総コストを考慮。
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