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ハーディングフェーレ : ノルウェーの伝統的な民族楽器の特徴、価格、歴史について最新版を解説

Instrument

ハーディングフェーレは北欧・ノルウェーの民俗楽器で17世紀に西ノルウェーのハルダンゲル地方で生まれ、世界に伝播した楽器です。4本の弦がありバイオリンによく似ていますが、実際はバイオリンと違うところがあります。4本~5本の共鳴用の弦が指板の裏に張られていて楽器全体に装飾が施されています。現存する最古の楽器は1651年頃にハルダンゲルで作られたと考えられています。この楽器は古くからダンスの為にソロで演奏されていました。

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起源と歴史

ノルウェーでこの楽器は生まれました。

1. 起源

  • 発祥地:ノルウェー西部、特にハルダンゲル(Hardanger)地方
  • 時代:17世紀中頃(1600年代半ば)
  • 原型:ヴァイオリンに似た弦楽器に、共鳴弦(sympathetic strings)を追加した形
  • 特徴的要素
    • 追加の共鳴弦による豊かな共鳴音
    • 装飾的な彫刻や母貝象嵌(inlay)

2. 発展の歴史

  • 17世紀後半〜18世紀
    • 民俗舞踊音楽(例えばスプリングル、ラッズ、ガングラなど)の主要伴奏楽器として使用
    • 木工・彫刻技術が発展し、装飾の美しい楽器が作られる
  • 19世紀
    • ノルウェー国内で「民族楽器」として広く認識される
    • 装飾技術がさらに洗練され、スクロール部分にドラゴンや獅子の彫刻を施す例が増加
  • 20世紀以降
    • ノルウェー民俗音楽保存の動きの中で、ハーディングフェーレの演奏技術が体系化
    • 現代作曲家や演奏家によるソロ演奏、現代音楽への応用も行われるようになる

3. 文化的意義

  • ノルウェーの国民的伝統楽器の一つとして位置付けられる
  • 民俗舞踊・儀式・祝祭における重要な伴奏楽器
  • 近年ではコンサートや録音、世界的なフォーク音楽シーンでも演奏される

特徴と構造、サイズ

ハーディングフェーレ(Hardanger Fiddle)の特徴・構造・サイズについて整理します。

1. 特徴

  • ヴァイオリンに似た形状ながら、独自の共鳴弦を持つ
  • 共鳴弦(Sympathetic strings):通常4本の演奏弦に加えて4〜5本(モデルによっては6本)の弦がボディ内で共鳴し、豊かで複雑な音色を生む
  • 装飾が非常に華やか
    • スクロール(頭部)にドラゴンや獅子などの彫刻
    • 本体に黒インクや母貝象嵌(inlay)を施す
  • 音色:やや暗めで柔らかく、共鳴弦の残響により「倍音豊か」「独特の幽玄な響き」を持つ

2. 構造

部分説明
演奏弦通常4本。ヴァイオリンと同様に弓で演奏する。
共鳴弦4〜5本(場合により6本)。弓で弾かなくても、演奏弦の振動によって共鳴する。
ボディ胴部はヴァイオリンよりやや長め・薄め。共鳴弦用の特別な構造で振動が増幅される。
ネック・指板ヴァイオリンと似ているが、指板は若干細めで演奏弦との距離感が微妙に調整されている。
スクロール彫刻・象嵌が施されることが多い。装飾は地域・作家によって異なる。
テールピース・あご当て共鳴弦を支持する特殊な構造を持つモデルもあり、音響効果を強化。

3. サイズ

  • 全長:約 90〜95 cm
  • ボディ長:約 35〜38 cm
  • ボディ幅:上部約 17 cm、下部約 22 cm
  • ボディ厚:約 1.8〜2.2 cm
  • 弦長(演奏弦):約 35 cm前後

注:サイズは製作者や年代によって多少変動します。共鳴弦の数や装飾の有無により、重量やバランスも異なることがあります。

種類について詳細

ハーディングフェーレ(Hardanger Fiddle)の種類・バリエーションについて整理します。


1. 弦の構成による種類

種類説明特徴
標準型(4演奏弦+4共鳴弦)最も一般的な構成豊かな倍音と典型的なハルダンゲル地方の音色
拡張型(4演奏弦+5〜6共鳴弦)共鳴弦が多め残響・倍音がさらに豊かで、音色がより複雑
簡易型/教育用共鳴弦なしまたは2本のみ学習用、演奏の入門向き、軽量化され扱いやすい

2. 装飾・地域差によるバリエーション

  • ハルダンゲル地方スタイル
    • 黒インクで模様を描く伝統的装飾
    • スクロールにドラゴンや獅子の彫刻
  • 他地方スタイル
    • 装飾を控えめにしたモデル
    • 近代作曲用やコンサート向けにデザイン調整されたタイプ

3. 現代・特殊用途型

  • コンサート・現代音楽用
    • 共鳴弦のチューニングを変更可能
    • 演奏弦・共鳴弦ともにモダンな弦材(ナイロンやスチール)を使用
  • 電子増幅・マイク付きモデル
    • ステージ演奏用にピックアップ搭載
    • 電気的に音量や音色を拡張可能

4. 選び方のポイント

  • 伝統音楽演奏:標準型(4+4弦)+装飾付き
  • 学習/入門:簡易型(共鳴弦少なめ)+軽量
  • 現代音楽/ライブ演奏:拡張型やピックアップ付きの現代仕様

ハーディングフェーレの曲

ハーディングフェーレは主に伝統音楽で使われることが多い楽器です。

奏法、難易度

ノルウェーの伝統的な民族楽器、いわゆるノルウェーの「ハードング・フィドル(Hardanger fiddle)」のことです。ヴァイオリンに似ていますが、独特の共鳴弦(裏面にある4本の共鳴弦)があり、装飾的な彫刻や独特の装飾が施されていることが多い楽器です。

1. 基本的な奏法

ハーディングフェーレはヴァイオリンと似ていますが、独特の奏法があります。

  • ボウイング(弓の使い方)
    • 弓の角度や力の加減で、共鳴弦を含めた豊かな音色を出します。
    • 「ドローン奏法(持続音)」:共鳴弦や開放弦を響かせ、背景に持続音を作る奏法。
  • フィンガリング(左手の押さえ方)
    • ヴァイオリンと同じくフレットはありません。
    • 装飾音(トリル、スライド、ポルタメント)が多用されます。
  • 装飾音とスラー
    • 伝統曲(スプリングアール、ガングラールなど)では、装飾音が曲の雰囲気を決定します。
  • 共鳴弦の活用
    • 弓で直接触れなくても、押さえた弦の振動で裏面の共鳴弦が鳴ります。
    • 音楽に独特の「空間的な響き」を与えるのが特徴。

2. 難易度

  • 初級~中級
    • 弓の基本操作や左手のポジションはヴァイオリンとほぼ同じなので、ヴァイオリン経験者は入りやすい。
    • ただし、共鳴弦を意識した響きのコントロールは初心者には少し難しい。
  • 上級
    • 正確な装飾音、スプリングアール特有のリズムやアクセントをマスターする必要があります。
    • 民族音楽独特の揺らぎやフレーズ感を表現するのは非常に難しい。
    • 伝統曲を正確に再現するだけでなく、自分の表現を加えるのも高い技術が要求されます。

総合的には、ヴァイオリン経験者でも「独特の響きと装飾」をコントロールするには練習が必要で、難易度は中~上級に位置します。民族音楽のニュアンスを出すには、聴覚を鍛えることも重要です。

有名な奏者

ハーディングフェーレ(Hardingfele)の有名な奏者は、ノルウェーの民族音楽界で非常に尊敬されている人たちが多いです。特に伝統音楽の保存・演奏で知られる方々が中心です。いくつか代表的な奏者を挙げます。

1. Ånon Egeland(オーノン・エゲランド)

  • ノルウェーの伝統曲をベースに独自の解釈で演奏する奏者。
  • 伝統的なスプリングアール(Springar)やガングラール(Gangar)の名手。

2. Annbjørg Lien(アンビョルグ・リエン)

  • ハーディングフェーレを世界的に広めた女性奏者。
  • フォークと現代音楽、ジャズなどを融合した独自のスタイルで国際的にも活躍。
  • ソロアルバムや他ジャンルとのコラボが多数。

3. Vegar Vårdal(ヴェガー・ヴォールダル)

  • 若手の代表的奏者。伝統音楽と現代音楽をつなぐ活動が特徴。
  • さまざまなフェスティバルで演奏し、国際的な注目も高い。

4. Sverre Indris Joner(スヴェレ・インドリス・ヨネール)

  • ハーディングフェーレ奏者としても知られる作曲家・ピアニスト。
  • フォーク音楽の伝統を取り入れた編曲で有名。

5. Hallvard T. Bjørgum(ハルヴァルド・T・ビョルグム)

  • 伝統的なノルウェーのハーディングフェーレ奏法を継承。
  • 民族音楽コンクールで多数の受賞歴がある。

新品と中古の製品ラインナップと価格相場

こちらは ハーディングフェーレ(Hardanger fiddle/ノルウェーのハードング・フィドル)の 新品および中古の価格相場と製品ラインナップ です。日本から購入を検討される際の参考になればと思います。なお、楽器という性質上、「状態」「製作者」「時期」「装飾/共鳴弦の数」などによって価格幅が非常に大きいことをご承知おきください。


✅ 製品ラインナップ(例)

以下、実際に出品されているモデルをいくつか挙げます。

各モデルの簡単な説明

  • Hardanger Fiddle White Model #3:白塗装またはホワイト系仕上げのハーディング・フィドル。比較的高め価格帯。
  • Hardanger Norwegian Fiddle 4/4 (Song brand):4/4サイズ(フルサイズ)の手頃なモデル。初心者~中級者向けかもしれません。
  • Hardanger Fiddle White Model #3 (Alternate Listing):同じ白モデルの別出品。モデルバリエーションあり。
  • Deluxe Fancy Hardanger Norwegian Fiddle 4/4 9‑String:4/4サイズで9弦仕様(通常のハーディング・フィドルは裏面に共鳴弦を持つことが多いですが、弦数仕様が多様なタイプ)で、装飾も豪華。プロ仕様の価格帯。
  • Pirastro‑Hardanger‑Fiddle String Set:楽器そのものではなく、ハーディング・フィドル用の弦セット。購入後の維持・交換用アクセサリーです。
  • Resonance 弦セット Pirastro Hardanger‑Fidel:上記と同じくアクセサリーの弦セット。
  • (上記に重複出品あり)

📊 価格相場(一例・参考)

以下、ウェブ上で確認できる価格情報を基に「新品/中古」のおおよその相場レンジを整理します。あくまで目安です。

新品・比較的新しい製作の楽器

  • ノルウェーの専門工房(例: Felemakeriet)では、「新しいハーディング・フィドル」の価格が NOK 80,000~120,000+VAT と案内されています。
    • NOK80,000を日本円換算(1NOK ≈ 20~25円として)すると、約 160万~240万円 程度と考えられます。
  • 海外のマーケットでは「本物のノルウェー製/手作り」の新機種は約 US$6,000前後(=日本円でおおよそ80~90万円+) という意見もあります。
  • オンライン出品価格では、中国系製作と思われるハーディング・フィドルが「US$700~1,200程度(=日本円で10~20万円台)」という例も見られます。

中古・ヴィンテージ・伝統工房製の高級品

  • 古い名工の作品や伝統工房の手工品の場合、オークション実績などが少ないため「価格相場」が明確には定まっていません。
  • フェイスブック投稿では「USD 4,500」での査定例もあります。
  • レディットの投稿では「$2,000はハーディングでは低めのレンジ」という声もあります。

🎯 当面の目安として

  • 入門~比較的手に入りやすいモデル:日本円で 10~30万円台 が実例あり。
  • 手工/良質/ノルウェー製などを意識したモデル:日本円で 100万円~200万円以上 が現実的。
  • 伝統工房の名品・ヴィンテージ:さらに価格が跳ねる可能性あり。

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