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ウード(oud) : 民族楽器の特徴、価格、歴史(history)について

Instrument

ウード(oud)は中東地域で生まれたギターのinstrumentです。アラブ世界で「楽器の女王」といわれる弦楽器で木製共鳴胴に弦を張った楽器です。古代ササン朝ペルシアが起源でペルシアの楽器「バルバト」が起源とされています。様々な種類の木で作られ、ドームの部分は木片を貼り合わせてできています。この楽器は今では中東地域に広く伝わっており、民族音楽ではよく使用されます。歌謡曲よりはBGMでよく使用される楽器です。

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起源と歴史

oudはササン朝ペルシアでこの楽器は生まれました。アラブ的な音色で北アフリカ、シリアやヨーロッパなど世界でも使われていますが装飾や素材などに違いがあります。響きはとても湿っており古典や伝統の音楽などのコンテンツでは今日よく使われてます。ボディなど独特の特徴を持ちます。

1. 起源

  • ウードは中東・北アフリカを代表する撥弦楽器で、リュート系楽器の祖先とされます。
  • その起源は**古代ペルシア(イラン)**にさかのぼり、当時の短頸リュート「バルバト(barbat)」が原型。
  • メソポタミア地方(紀元前3000年〜2000年頃)の壁画や彫刻にも、ウードに似た形状の楽器が描かれており、長い歴史があります。

2. アラブ世界への伝播

  • イスラム黄金時代(8〜13世紀)にペルシアからアラブ世界へ広がり、現在の「ウード」の形に近い楽器として発展。
  • アンダルシア(現スペイン南部)にも伝わり、後にヨーロッパの**ルート(lute)**の原型となった。

3. 地域ごとの発展

  • トルコ・オスマン帝国:形状や音色が変化し、ウード専用の演奏様式や調弦法が発展。
  • 北アフリカ:マグレブ音楽に合わせた改良や装飾が加わる。
  • 名称「ʿūd(العُود)」はアラビア語で「木・杖・薄板」を意味し、背面の薄い板を指す説がある。

4. 西洋への影響

  • 8〜9世紀、ムーア人のスペイン侵入により、ウードはヨーロッパに伝わり**ルート(lute)**に進化。
  • そのため、現代のクラシックギターやルネサンス期のリュートの系譜ともつながる重要な楽器

特徴と構造、サイズ

1. 特徴

  • 撥弦楽器:指やピックで弦を弾くことで音を出す。
  • 音色:深みのある低音と柔らかい高音が特徴。メロディを豊かに表現できる。
  • フレットなし(ノンフレット):微妙な半音・装飾音(グリッサンドやポルタメント)を演奏可能。
  • 演奏スタイル:中東、北アフリカ、トルコの伝統音楽で主にメロディ・伴奏に使用される。

2. 構造

部位説明
ボディ(共鳴胴)洋ナシ型または半球形。薄い板を積層または単板で構成し、共鳴させる。
表板(トップ)松(スプルース)や杉が多く、音の立ち上がりや明瞭さに影響。
裏板(バック)薄い板を複数枚で張り合わせるか、単板で製作。音の深みを調整。
ネック木材で作られ、フレットなし。指板は表板と一体化することが多い。
ペグ(弦巻き)木製または金属製のローリングペグ。張力調整用。
11〜13弦(5〜6コース×2本のペア、シングル弦1本の場合もあり)。

3. サイズ

  • 全長:約 78〜90 cm
  • ボディ幅:約 30〜40 cm
  • ネック長:約 35〜40 cm
  • 弦長(スケール長):約 60〜65 cm
  • 重さ:約 1.5〜2.5 kg

※地域や製作者によりサイズは変動。トルコ型、アラブ型、イラク型など、形状や弦数に差がある。

種類について詳細

ウードは長い歴史を持つため、地域や製作者によって形状や音色、弦数が異なる多様な種類があります。以下に代表的な分類を整理します。

1. 地域別タイプ

種類特徴弦数音色・用途
アラブ型(Arabic Oud)背が丸く、共鳴胴が大きい。ネックは短めでフレットなし。11〜13弦(5〜6コース+単弦)豊かで温かみのある低音。中東音楽全般、伴奏やソロに適する。
トルコ型(Turkish Oud)ネックはやや長く、ボディはアラブ型よりやや小さめ。11〜13弦(5コースペア+シングル弦)明るく軽やかな音色。トルコ音楽、マカーム演奏に向く。
イラク型(Iraqi Oud / Baghdadi Oud)背板はやや平らで、弦長が長め。11〜13弦重厚で深みのある音色。古典的アラブ音楽やオーケストラ演奏に好まれる。
北アフリカ型(Maghreb / Moroccan Oud)背が丸く大きい。装飾が華やか。11〜13弦カサブランカやマグレブ音楽に適する。民族音楽向け。

2. 弦数・コース別タイプ

  • 5コース×2弦ペア + 1単弦(一般的なアラブ・トルコ型)
    • 標準的で、ソロ・伴奏の両方に使用可能。
  • 6コース以上のペア弦
    • ソロ演奏向けや現代音楽用に製作されることがある。
  • シングル弦タイプ
    • 北アフリカ型や特注モデルに見られ、微細な音程表現を重視。

3. 製作素材・仕様の違いによる分類

素材・仕様特徴音色への影響
トップ材(表板)スプルース/杉明瞭なアタック、柔らかい倍音
バック材(裏板)マホガニー/ローズウッド/ウォルナット音の深みや低音の豊かさ
装飾(ロゼット・インレイ)中央のサウンドホール周りに木細工や貝細工音量や音質に僅かな影響。美観重視

4. 現代ウードの派生型

  • エレクトリックウード(Electric Oud)
    • ピックアップを内蔵し、アンプ接続可能。
    • ライブ演奏や現代音楽向き。
  • 小型/ミニウード(Student / Travel Oud)
    • サイズを小さくして演奏しやすくした入門用モデル。
  • カスタム・ハンドメイドウード
    • 弦数、ネック長、装飾、材質を個別指定可能。

ウードの曲

ウードの曲は歌謡曲というよりは民族音楽やヒーリング、アンビエントに多く見られます。またBGMとも相性がよく、ゲームや映画、テレビ音楽にもよく出てきます。

奏法、難易度

ウードはフレットのない撥弦楽器で、微妙な音程や装飾音が豊富に表現できるため、奏法と習得の難易度には独特の特徴があります。

1. 基本奏法

① 弾き方

  • ピック(ラミック/リック)使用
    • ウード専用の三角形ピックで弦を弾く。
  • 指弾き
    • 親指や人差し指で弦を弾き、柔らかい音色や微妙なニュアンスを表現。

② 右手奏法

  • ダウンストローク/アップストローク
    • 弦を弾く方向で音の強弱やアクセントを調整。
  • トレモロ(Tremolo)
    • 同一弦を高速で繰り返し弾き、持続音や装飾音を作る。
  • 装飾音
    • スライド(Glissando)、グリッサンド、ハンマリング、プルオフなど。

③ 左手奏法

  • ポジション操作
    • フレットがないため、指の位置で微妙な音程調整。
  • ベンド/半音移動
    • 西洋音楽では表現できない微細な音程の変化を演奏可能。

2. 難易度

初級

  • 基本的なメロディを弦上で弾くことが可能。
  • 単音演奏や簡単な伴奏パターンが中心。

中級

  • 装飾音(トレモロ・スライド・ハンマリング)を自在に使用。
  • 右手と左手の協調による音のニュアンス表現ができる。
  • 曲の表現力を向上させるために、リズムのバリエーションも習得。

上級

  • マカーム(中東独自の旋律体系)を正確に演奏。
  • 左右の手で複雑な装飾音・トリル・微妙な音程調整を同時に操作。
  • 即興演奏(タクシーム)や、オーケストラ・アンサンブルでの表現も可能。
  • フレットなし特有の音程の自由度を活かした高度な表現力が必要。

3. 総合ポイント

  • ウードは フレットなし・多弦・微妙な音程表現 が特徴のため、最初は正確な音程や装飾音の習得が難しい。
  • 右手と左手の協調、弦の押さえ方・ピッキング技術の習得が鍵。

有名な奏者

ウードは中東・北アフリカを中心に発展してきた楽器で、ジャンルを問わず世界的に高く評価されている奏者が多くいます。伝統音楽だけでなく、ジャズや現代音楽との融合にも挑戦しています。

1. 中東・アラブ世界の伝統派

  • ムハンマド・アブデルワハーブ(Muhammad Abdel Wahab)
    • エジプトの音楽家・作曲家。ウード演奏と歌唱で知られる。
    • ウードの伝統的演奏技術を広め、アラブ音楽の近代化に貢献。
  • サマハン・バシャ(Samih Bashir)
    • シリア出身のウード奏者。クラシック・アラブ音楽の演奏に定評。
  • アヌワル・ブラヒム(Anouar Brahem)
    • チュニジア出身。ジャズとアラブ音楽の融合を試みる現代派。
    • ウードのソロアルバム多数、国際的に高い評価。

2. トルコ・地域派

  • メフメット・エルドゥアン(Mehmet Erduan)
    • トルコ音楽の伝統的奏法を継承する現代ウード奏者。
    • トルコ型ウードの明るく軽やかな音色を特徴とする。

3. 世界的に活躍する現代派・融合派

  • ラマダン・アブデルアジズ(Ramadan Abdel Aziz)
    • 中東伝統音楽と西洋ジャズの融合を積極的に行う。
  • ジョー・モレロ(Joe Morello)とのコラボ歴はないが、現代ジャズ融合派は多数存在
    • アラブ・ジャズ・ワールドミュージックでウードを使用。
    • 電子楽器やギターと組み合わせたライブパフォーマンスも盛ん

新品と中古の製品ラインナップと価格相場

ウード(ウード)の新品および中古の製品ラインナップと価格相場について、以下に整理します。材質・仕様・手作り度・ブランドによってかなり幅がありますので、あくまで目安としてご覧ください。


🎯 代表モデル例

それぞれのモデルについて簡単に補足します:

  • Turkish Oud UNQ‑5:トルコ型の上位手工モデル。Amazon等で「¥707,058」という価格設定もあります。
  • Arabic Oud CM‑5 Special Ebony/Rosewood:アラビア型、エボニー+ローズウッド材仕様。Amazon公式で「¥470,589」などの価格例あり。
  • Arabic Handmade Walnut Oud Ud AAO‑108G:ウォールナット材の手作り仕様。価格例「¥73,450」。
  • Arabic Handmade Walnut Oud Ud Aao‑108:同じくウォールナット仕様で「¥58,730」という価格例。
  • Quality Floating Bridge Arabic Oud Ud ARO2:浮きブリッジ仕様アラビアモデル。価格「¥99,791」例。
  • (placeholder) Professional Arabic Oud ZERYAB Nahat Style:専門工房製プロ仕様モデル。海外で「€500〜650(約¥80,000〜¥100,000以上)」で出ている例あり。
  • (placeholder) Electric Turkish Oud 025D:電気仕様トルコ型オウド。価格例「US $699(約¥110,000前後)」あり。
  • (placeholder) Entry Level Arabic Oud:入門廉価モデル。Etsy等で「US $348.50(約¥55,000前後)」の例あり。

📊 価格相場の目安

  • 入門〜初心者モデル:数万円〜10万円前後。例:ウォールナットの手作り入門仕様「約 ¥58,730」など。
  • 中級モデル:素材・仕様が上がると10万円〜30万円程度。例えば浮きブリッジ仕様「約 ¥99,791」。
  • 上級〜プロ仕様モデル:30万円以上〜50万円、あるいはそれ以上。例:エボニー/ローズウッド仕様「¥470,589」など。
  • 特殊仕様・電気仕様・工房手工モデル:10万円〜20万円前後から、100万円を超えることも。中古市場では使用状況・作家・材によって価格の幅が大きい。
  • 中古では「US $980(約¥150,000前後)」で出品されているケースもあります。

🧐 購入時のチェックポイント

  • 材質:表板/裏板/胴体材(スプルース/ウォールナット/マホガニーなど)によって音色・価格が変動。
  • 弦数・コース数:例えば5コース×2弦/6コース+単弦など仕様により価格変わります。
  • 製作工房・手工度:手作り工房品や母貝装飾入りなどは価格高め。
  • 電気仕様か否か:ピックアップ付き・エレクトリック対応モデルは価格が上がる。
  • 中古時:状態(割れ・ひび・ネックの狂い・弦の消耗)を必ず確認。
  • 送料・輸入関税・ケース・弦・アクセサリーも含めて総費用を押さえておきましょう。

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