音やボディが特徴で愛用されているRickenbacker(リッケンバッカー)はアメリカのサウンド楽器メーカーです。ジャンルは主にアコースティックギターやエレキギターの製造メーカーで、歴史があり世界的にも認知されています。個性的な外見のRickenbackerは1960年代のロック黎明期から1970年代のハードロック全盛期、1980年代のニュー・ウェイブ、近年のオルタナティブに至るまで、ギタープレイヤーに愛されています。仕様も独特で他社にはないノウハウを持っている会社でもあるのです。
起源と歴史
アメリカのカリフォルニアでこの楽器は生まれました。有名なメーカーなので情報はネットなどで通常みることができますし、特集やピックアップも良くされています。12弦ギターなどが搭載されており、バンドに需要が高いです。出力時にはかっこいいサウンドが出ます。基本、試しに使い、合うものを選んでいきます。最近は現代の好みに合う新しいモデルも出ています。ギターやベースのモデルはアーティストにも使用されており、コピーの製品も多数出ています。
1. 創業と初期の電気楽器
- 創業:1931年、アメリカ・カリフォルニア州で Adolph Rickenbacker(元名 Adolf Rickenbacher) と George D. Beauchamp により設立。
- 初期社名は Ro‑Pat‑In Corporation(ElectRo‑Patent‑Instruments)。
- 主に ハワイアンギター/ラップスティールギター を製作していた。
- 世界初期の電気ギターとして有名な “Frying Pan(フライパン)” を1930年代に開発。
- これは丸いフライパンのような形状の電気スチールギターで、磁気ピックアップを搭載した最初期の実用電気ギター。
2. 1950年代〜1960年代:エレクトリックギター/ベース市場への参入
- 1950年代以降、リッケンバッカーは エレクトリックギターとベースの製造に本格参入。
- 「360」「330」「4001」「4003」などのモデルを展開。
- 独特のジャングル・ジングルサウンド(シャープでクリスプな中高音の響き)が特徴となり、1960年代のロック・ポップスシーンで人気に。
3. 1960年代:英国インヴェイジョンと世界的知名度
- The Beatles のメンバー(ジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニーなど)が使用し、世界的知名度を獲得。
- 12弦ギターやステレオ出力ベースなど、独自の仕様で差別化。
- この時期にリッケンバッカーの音色は、特に ビートルズのサウンドに象徴される「ジャングル・ジングル」 として知られるようになった。
4. 現代
- 現在もカリフォルニアで製造を続け、ギターとベースの両方で世界的なファン層を持つ。
- ビンテージ市場でも高い人気があり、希少モデルは数百万円以上で取引されることもある。
- 独自のデザインとサウンド、歴史的価値から、ブランドとしての象徴性が非常に高い。
開発会社
Rickenbacker International Corporation
3895 S Main St, Santa Ana, CA 92707, United States
創業者
George Delmetia Beauchamp 1899年3月18日 – 1941年3月30日
George Delmetia Beauchampはテキサス州コールマン郡に生まれました。ヴォードヴィルでヴァイオリンやラップスティール・ギターを演奏していた時期を経て、カリフォルニア州ロサンゼルスに移住しました。1920年代を通して、電気増幅するラップスティール・ギター、エレクトリック・ギター、エレクトリックベース、エレクトリック・ヴァイオリン、楽器用アンプなどを開発していました。1931年Adolph Rickenbackerとともに共同創業。1937年、エレクトリック・ギターの合衆国特許を取得しました。1941年にロサンゼルス沖で海釣りをしている最中に心筋梗塞で死去しました。
特徴と構造、サイズ
リッケンバッカーの特徴・構造・サイズについて整理します。
1. 特徴
- 独特なジャングル・ジングルサウンド
- シャープでクリスプ、ハーモニクスが豊富。特に中高音域の抜けが良く、ポップ/ロックに適した音色。
- 12弦ギターやステレオ出力ベース
- 12弦ギターは独自のコーラス感を生む。
- ベースはステレオ出力仕様のモデルもあり、前衛的サウンドを作れる。
- 独自デザイン
- ボディ形状は丸みを帯びたセミホロウやソリッドボディで、角ばった形状とは一線を画す。
- ヘッドストックやピックガードのデザインもブランド独自。
- ヴィンテージ人気
- 1960年代のモデルはビートルズなどの影響で非常に高い人気。
2. 構造
ギター(330/360シリーズなど)
- ボディ
- セミホロウ構造(360)やソリッド(330)。
- 木材はマホガニーやバスウッド、メイプルなどが使用され、材質によって音質が変化。
- ネック
- セットネックが基本で、サステインと安定性に優れる。
- メイプル材中心で、指板はローズウッドやエボニー。
- ピックアップ
- ハムバッカーに似たシングルコイル「Rickenbackerピックアップ」を搭載。
- 360/330は「トレブル・ブースト付き」ピックアップを装備し、中高音が強調される。
- ブリッジ/テイルピース
- 固定式ブリッジとトラスロッド付きでチューニング安定。
ベース(4001/4003シリーズ)
- ボディ
- セミホロウまたはソリッド、薄めのボディ設計。
- ネック
- ステレオ出力モデルあり。
- スルーネックやセットネックでサステインが長い。
- ピックアップ
- 独自設計のシングルコイル2基。高音域が強く、ハーモニクス豊富。
3. サイズ(おおよその目安)
| モデル | ボディ縦長 | ボディ横幅 | ネック長 | 重量 |
|---|---|---|---|---|
| 330/360 ギター | 約38〜40cm | 約32〜34cm | 約63cm | 約3.5kg |
| 12弦ギター 360/12 | 約40cm | 約34cm | 約63cm | 約4.0kg |
| 4001/4003 ベース | 約43cm | 約33cm | 約86cm | 約4.3kg |
- 330/360ギターはやや薄めのセミホロウ、軽量設計で演奏性が高い。
- 12弦モデルはボディ厚・重量がやや増える。
- ベースは標準的なロングスケール、重量感があり安定性とサステインが優秀。
まとめ
- 特徴:クリスプで中高音が特徴的な「ジャングル・ジングルサウンド」、12弦ギター・ステレオベースなど独自仕様。
- 構造:セミホロウ/ソリッドボディ、セットネック、Rickenbackerピックアップを搭載。
- サイズ:ギターは軽量・薄型、ベースはロングスケールで重量感あり。

全モデルのラインナップ
🎸 主なシリーズとモデル例
以下はブランド公式・流通上でよく言及されているシリーズと代表モデルです。
以下、それぞれのモデルを簡単に説明します:
- Rickenbacker 330 Guitar:300シリーズを代表するセミホロウ構造ギター。ジャングル・ジングル系の音色で1960年代以降多くのミュージシャンに使用。
- Rickenbacker 320 Guitar:300シリーズ中、320シリーズというバリエーション。ソリッドに近い仕様のものもあり、比較的入手しやすい。
- Rickenbacker 620 Guitar:600シリーズ「ソリッドボディ」タイプ。ネックスルー構造や“cresting‐wave”ボディ形状を持つ。
- Rickenbacker 950 Vintage Guitar:ヴィンテージ/プレミアム仕様モデル。生産年・仕様・限定モデルなどで価格が跳ね上がる。
- Rickenbacker 4003S Bass:4000シリーズベースの S 仕様(簡略仕様)版。多くのアーティストに使われる定番ベースモデル。
- Rickenbacker 4003 Bass:4001系から進化した、現行4000シリーズの代表ベース。
- Rickenbacker VINTAGE 950 (used model):上記のプレミアムギターの中古・ヴィンテージ版。参考用に。
- Rickenbacker 330/12 Guitar:300シリーズの12弦仕様。12弦ギター特有の「ジャングル・ジングル」音色を生む。
📌 各シリーズの特徴と用途
- 300シリーズ (例:330, 320, 325, 360/12):典型的なリッケンバッカーギター。セミホロウ構造やダブルカッタウェイボディ、ジャングリーなサウンドで、ロック・ポップに多く使われています。
- 600シリーズ (例:620, 660/12):ソリッドボディの仕様。ネックスルー構造などを備え、300シリーズとは少し異なるスタイル。
- 12弦仕様 (例:360/12C63):300系列の12弦ギター。歴史的にも有名で、特に1960年代に多用。
- 4000シリーズベース (例:4001, 4003, 4003S):リッケンバッカーを代表するベースライン。多くの著名ミュージシャンが使用。
- 限定・ヴィンテージモデル:過去の仕様やアーティストシグネチャー、限定生産モデルなど。コレクターズアイテムとしても高価。
- その他シリーズ・モデル:上記以外にも初期のハワイアン仕様、3/4スケールシリーズ、特殊仕様モデルなどが存在。
Rickenbackerギターモデル
多くのモデルが出ている中、機材、構造やポジション、ヴィンテージなど見て使うと良いでしょう。使ってみてコードなど練習で少しコントロールできるタイプの種類がおすすめです。youtubeなどで紹介しますので独自のシェイプなどチェックしましょう。バランスがよくベーシストがよくライブで使用します。これはエレキ、アコギもそうでソリッドでオリジナルなギターが多いことが理由のようです。
300 Series
330 Series
360 Series
600 Series
700 Series
奏法、難易度
リッケンバッカーの奏法と難易度について整理します。ギターとベースで少し違いがあります。
1. ギターの場合
基本奏法
- ピッキング/ストローク
- 典型的にはピックを使ったストローク演奏で、リッケンバッカー特有の「ジャングル・ジングル」サウンドを活かす。
- アルペジオやコードストロークでも中高音が際立つため、クリスプな音色を前面に出せる。
- 12弦ギター
- 12弦モデルは、同じコードを倍音付きで弾くため、コードワークやアルペジオの音量・バランス調整が重要。
- ハーモニクス/グリッサンド
- ネック上で軽く弦に触れて自然ハーモニクスを出すテクニックも有効。
難易度
- 初心者:基本的な6弦リッケンバッカーは、普通のエレキギターと同様に弾ける。
- 中級者:ジャングル・ジングル音を活かすストローク、コードバランス調整、12弦ギター演奏。
- 上級者:アルペジオ・ハーモニクス・速弾き・リズム・倍音のコントロールなどで表現力を追求。
2. ベースの場合(4000シリーズなど)
基本奏法
- 指弾き/ピック弾き
- 指弾きでクリアな音色、ピック弾きでアタック感を強調。
- 2つのシングルコイルピックアップにより、中高音が強調されるので、音の抜けを意識して弾く。
- スラップ/ポッピング
- モデルによっては可能だが、リッケンバッカー特有の音色は指弾きでのクリスプなサウンドが主流。
- ステレオ出力モデル
- 特殊な配線で左右に音を分けるステレオ出力が可能。ライブ演奏でのサウンド演出に使われる。
難易度
- 初心者:一般的なエレキベースと同じ指弾きで演奏可能。
- 中級者:ジャングル・ジングルサウンドを活かした演奏、コードライン・アルペジオ演奏。
- 上級者:ステレオ出力や倍音のコントロール、高速フレーズ、サステインの活かし方。
3. 総合ポイント
- リッケンバッカーは音色の特徴を活かす奏法が鍵。単純に弾くだけなら難しくないが、音色・倍音・ストロークバランスまで表現するとなると中〜上級者向け。
- 12弦モデル・ベースモデルは特に音のバランス調整が必要。
- ライブ演奏や録音での存在感を出すには、ストロークやアルペジオの微妙な強弱調整が重要。

有名な奏者
リッケンバッカーの有名な奏者と、代表的な使用モデル・奏法の特徴を整理します。ギター/ベース別に分けます。
1. ギター奏者
ジョージ・ハリスン(The Beatles)
- 使用モデル:Rickenbacker 360/12(12弦ギター)
- 特徴:
- ビートルズの楽曲で「ジャングル・ジングル」サウンドを多用。
- アルペジオ、コードストロークを活かした透明感のある中高音域。
- 影響:リッケンバッカーの12弦ギターを世界的に有名にした。
ジョン・レノン(The Beatles)
- 使用モデル:Rickenbacker 325
- 特徴:
- ショートスケール6弦ギター。
- ポップ/ロック両方でのリズムプレイに活用。
トム・ペティ(Tom Petty and the Heartbreakers)
- 使用モデル:Rickenbacker 360
- 特徴:
- クリーントーンでのリズム演奏。
- ジャングル・ジングルサウンドを活かしたコードワーク。
ピーター・バッジ(The Who)
- 使用モデル:Rickenbacker 360
- 特徴:
- パワーコード/ストロークで中高音を強調。
- ロック的アタック感のあるプレイが特徴。
2. ベース奏者
ポール・マッカートニー(The Beatles)
- 使用モデル:Rickenbacker 4001S
- 特徴:
- メロディックで歌うようなベースライン。
- クリスプな中高音が楽曲に明瞭さを加える。
クリス・スクワイア(Yes)
- 使用モデル:Rickenbacker 4001
- 特徴:
- プログレッシブロックで多彩なフレーズ。
- スラップ/ハーモニクスも活用。
ゲディー・リー(Rush)
- 使用モデル:Rickenbacker 4001
- 特徴:
- 高速フレーズ、シンセベースとの組み合わせ。
- ステレオ出力を駆使した立体的サウンド。
リッキー・フィリップス(The Rolling Stones)
- 使用モデル:Rickenbacker 4001/4003
- 特徴:
- ロック系ベースラインでクリスプな中高音を活かす
新品と中古の製品ラインナップと価格相場
以下は Rickenbacker(リッケンバッカー)のギター/ベースにおける 新品および中古モデルの代表ラインナップと価格相場 です。参考として日本国内の価格を中心に整理しています。
🎸 代表モデル(商品例)
それぞれ簡単に解説します:
- Rickenbacker Vintage Model 950:1960年代製ヴィンテージモデル。新同・極上中古という位置づけで、プレミア価格帯。
- Rickenbacker 330 FG:300シリーズ定番ギター。比較的流通量も多く、現行モデルにも近い仕様あり。
- Rickenbacker 620 Mapleglo:600シリーズソリッドボディ系のギター。300シリーズとは仕様が異なり、価格・仕様ともに中~上級帯。
- Rickenbacker 360/12 (ヴィンテージ中古):300シリーズの12弦仕様。12弦ギターということで価格がさらに高め。
- Rickenbacker 355JL:ジョン・レノン・シグネチャー仕様モデル。限定性が強く、価格もプレミアム。
- Rickenbacker 330 (現行):300シリーズ現行モデルの一例。比較的入手しやすめ。
💶 価格相場(日本国内を中心に)
新品/現行モデルの目安
- 例として「Model 360(日本国内新品価格)」が税込 ~¥378,000 程度というデータあり。
- 「Model 330(現行新品)」で “定価¥407,000(税込) 販売価格約 ¥308,000” という例あり。
- 正式な米国希望小売価格表において、600/350シリーズギターのリスト価格が $4,255 等と記載あり。
→ つまり、日本で新品を狙う場合、30〜40万円前後が少なくとも目安と言えます。
中古・ヴィンテージ市場
- 中古価格の一例:中古「620 Mapleglo」が¥175,100 程度で販売されていた例あり。
- 別の中古「325 JL John Lennon Limited Edition Jetglo」が¥397,800という例。
- また「360/12 FG 中古」が¥594,000という例も確認。
→ 中古では 10万円台後半~数十万円、希少仕様だと 数十万円~数百万円になるケースも。
おおまかな価格帯の目安まとめ
- 入手しやすい現行定番ギター:約¥30万〜40万程度
- 中級モデル・ソリッド仕様・12弦仕様:約¥40万〜60万程度
- ヴィンテージ・限定仕様・シグネチャーモデル:¥60万〜100万以上もあり得る
- 中古特価・流通の少ない仕様:**¥10万台中盤~**というケースもあり(ただし状態・仕様要注意)
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