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揚琴(ヤンチン): 民族楽器の特徴、価格、歴史について最新版を解説

Instrument

揚琴は中国の伝統楽器の一つです。最初は広東一帯で流行し、局地的にしか知られていない楽器でしたが、今では中国全体に知れ渡っている楽器として有名です。楊琴の共鳴箱は木製、台形で、硬木でつくられ、胴部はキリの木でつくられ、表面に鋼絲弦を張ります。この楽器は今では中央アジアから東アジア、東南アジアまで広くアジア大陸に伝わり演奏されている民族楽器です。アジアを代表する楽器の一つです。

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起源と歴史

中国でこの楽器は生まれました。ヤンチンは地域では洋琴とも表記されて書かれ、民族の楽器とされています。

1. 起源

  • 揚琴の直接のルーツは中央アジアや西アジアのチター属楽器とされています。
  • 「揚琴」という名前は中国語で「楊琴」とも書き、漢字の意味としては「揚(持ち上げる)」「琴(弦楽器)」という字が使われます。
  • 中国には、明末(16〜17世紀)に西域から伝来した楽器があり、これが中国風に改良・発展して揚琴になったと考えられています。
    • 西洋のダルシマー(Hammered Dulcimer)に似た構造で、打弦による演奏法を採用。

2. 中国での発展

  • 明末・清初(約400年前)
    • 中国南北で広まり、宮廷音楽や民間音楽で使用されるようになった。
    • 初期は高音域・低音域の区別がなく、弦数も少なめでした。
  • 清代(17〜19世紀)
    • 弦の数が増え、駒や音程調整機構が改良され、音域や表現力が広がった。
    • 民族音楽の伴奏や独奏用に普及。

3. 近現代

  • 20世紀初頭
    • 民族音楽の専門家や作曲家によって、オーケストラ編成に組み込まれるようになった。
    • 弦数の増加、駒の改良により、音程精度が高まり、より複雑な曲も演奏可能に。
  • 現代
    • ソロ、合奏、オーケストラの民族楽器パートで使用される。
    • 教育用・入門用の小型・廉価モデルも登場し、初心者でも入手しやすくなった。
    • 海外の民族音楽や現代音楽でも使用されるようになっている。

4. 特徴的な歴史的要素

  • 中央アジア起源 → 中国国内で独自に改良
  • 打弦式 → バチで叩く演奏法が特徴
  • 音域拡大・駒・弦構造改良により民族音楽のみならず現代音楽でも活用可能に
  • 民間・宮廷・現代音楽へと幅広く浸透

特徴と構造、サイズ

揚琴(ようきん/ヤンチン)は、中国の伝統的な打弦楽器で、見た目や構造が独特です。特徴・構造・サイズについて整理します。


1. 特徴

  • 打弦楽器:竹や木のバチで弦を叩いて音を出す。
  • 音色:澄んだ金属的な響きで、軽快な旋律から深みのある低音まで表現可能。
  • 音域:モデルによるが、入門用で約2オクターブ、プロ仕様で3オクターブ以上の音域を持つものもある。
  • 演奏方法:両手にバチを持ち、右手・左手で異なる旋律や和音を演奏できる。
  • 使用場面:民族音楽、オーケストラ、現代音楽、ソロ演奏など幅広い。

2. 構造

揚琴は台形の木製共鳴箱と金属弦を持ち、弦の下に駒(ブリッジ)が設置されているのが特徴です。

  1. 共鳴箱(木製)
    • 音を増幅する箱状の本体。材質は主に硬質木材。
    • 台形に近い形状で、低音側が広く、高音側が狭い。
    • 金属弦(スチールや合金)を複数列に張る。
    • 弦の列ごとに音階が分かれており、演奏しやすい。
    • 弦は通常、4〜5本ずつ組になっており、1音を出すために複数弦を同時に叩く。
  2. 駒(ブリッジ)
    • 弦を支える小さな橋。音程調整や共鳴の役割を持つ。
    • 駒の位置や高さを変えることで微調律が可能。
  3. バチ(撥・竹製)
    • 竹や木で作られたバチで弦を叩く。
    • 片手用2本(右手・左手)を使い、旋律と伴奏を同時に演奏することができる。
  4. 付属品
    • スタンド、ケース、調律用工具などが付属する場合がある。

3. サイズ・重量

  • 全長:50〜120cm前後(モデルや音域による)
  • :25〜60cm程度(低音側が広く、高音側が狭い台形)
  • 高さ:約10〜20cm
  • 重量:5〜15kg程度(小型入門モデルは軽量、プロ用は重め)

小型入門モデルは家庭や教育用に最適で、プロ仕様は音量や音域が広く、演奏会や録音用に適している。

種類について詳細

揚琴(ようきん/ヤンチン)は、音域や用途によっていくつかの種類に分かれます。ここでは音域・構造・用途別に整理して詳細に説明します。


1. 音域による種類

揚琴は主に**高音域(トレブル)・中音域・低音域(ベース)**に分かれます。

種類音域弦数・構造特徴・用途
高音揚琴(トレブル)約2〜3オクターブの高音域弦数少なめ、駒も小さめソロや旋律を担当。明瞭で軽快な音色。演奏会や独奏用に向く。
中音揚琴(スタンダード)標準的な民族音楽用弦数標準、台形サイズ中程度民族音楽やオーケストラでメインに使われる。入門用モデルもこの音域が中心。
低音揚琴(ベース/バス)約1〜2オクターブ低音域弦数多め、駒大きめ合奏の伴奏や低音補強用。大きく重いので持ち運びはやや大変。

2. 用途・演奏形態による分類

  1. 入門・学習用揚琴
    • 小型・軽量・低価格。
    • 音域は2オクターブ前後で家庭や学校での練習に適する。
    • 材質は簡易木材・合成弦を使用する場合あり。
  2. 民俗・民族音楽用
    • 中国の民族音楽オーケストラで使用される伝統的モデル。
    • 音域は3オクターブ程度、バチや駒も本格仕様。
    • 伝統的な旋律や合奏に適する。
  3. プロ・演奏会用
    • 音域が広く、音色の表現力が高い。
    • 駒の調整機構や弦の材質が高品質。
    • 録音やソロ、オーケストラ用に使用。
  4. 小型・ポータブルモデル
    • 旅行や持ち運び用に開発。
    • 音域は制限されるが、練習や軽い演奏に便利。

3. 現代的改良タイプ

  • カラフル・エントリーモデル
    • 学習用に樹脂や軽量材で作られ、価格も安価。
  • 多音階モデル
    • 弦を増やして3オクターブ以上の音域を確保。
  • 調律調整付きプロモデル
    • 駒の高さや角度を微調整可能で、音程精度が高い。

揚琴の曲

揚琴は中国だけでなく、モンゴル、中央アジアなど非常に広く使われています。主に民族音楽で使われることが多いです。

奏法、難易度

1. 基本奏法

(1) 打弦(主奏法)

  • バチ(撥)で弦を叩くのが基本。
  • 右手・左手にそれぞれバチを持ち、同時に異なる旋律や伴奏を演奏可能。
  • 弦を叩く位置で音色が変わる(弦の中心付近は太く、端は明るい音)。

(2) 旋律と和音の同時演奏

  • 右手で主旋律、左手で和音や伴奏を担当することが多い。
  • 左手の弦は通常、複数弦を同時に叩いて和音を出す。

(3) 装飾音・特殊奏法

  • 連打(トレモロ):同じ音を素早く連続して叩く。
  • 装飾音(グリッサンド):弦上をバチで滑らせるように叩き、音を滑らかにする。
  • 強弱・音色の変化:バチの打ち方や叩く位置で表現。

(4) その他

  • 弦の叩き方やバチの角度を変えて、柔らかい音や鋭い音を出せる。
  • 複数音の連打や和音を組み合わせると、複雑な合奏も可能。

2. 難易度

レベル内容ポイント
初心者単音で旋律を叩く練習音を正確に出す、リズムを安定させるのが最初の課題。
中級者両手で旋律+伴奏、簡単な和音演奏左手で和音を正確に叩く、右手とのリズム同期がポイント。
上級者高速連打、複雑な装飾音、プロ演奏連打の均一性、音色の表現、バチのコントロールが重要。
  • 初心者向け:入門モデルで単音や簡単な曲から始める。
  • 中級者向け:和音や簡単な合奏曲を練習。リズム感が重要。
  • 上級者向け:プロ演奏や録音に耐える表現力が求められる。

ポイント

  • 揚琴は両手の独立運動が求められるため、最初はリズムと音の安定が難しい
  • 打弦なので、アンブシュアのような口のコントロールは不要。その分、手指とバチの操作に集中できる。
  • 音の表現力は叩く位置・強さ・バチの角度で大きく変化するため、練習で繊細なコントロールが必要。

有名な奏者

揚琴(ようきん/ヤンチン)は、中国の伝統楽器の中では比較的新しい打弦楽器ですが、民族音楽や現代音楽で活躍する有名奏者がいます。代表的な人物を紹介します。

1. 中国国内の有名奏者

  • 李光羲(Li Guangxi)
    • 中国民族楽器界で非常に著名な揚琴奏者。
    • 独奏・合奏ともに活躍し、現代揚琴曲の演奏や作曲でも知られる。
  • 王丹(Wang Dan)
    • 中央音楽学院などで教鞭をとる。
    • 若手奏者への指導にも力を入れ、民族音楽オーケストラで活躍。
  • 趙海英(Zhao Haiying)
    • 揚琴のソロ演奏家として知られる。
    • 中国各地の民族音楽フェスティバルで演奏。
  • 王建民(Wang Jianmin)
    • 民族音楽オーケストラのプロ奏者。
    • プロ演奏会や録音で活躍。

2. 海外で活躍する奏者

  • 中国国外でも民族音楽や現代音楽の演奏で注目される奏者がいます。
  • Liang Tsai-Ping(梁在平)
    • 台湾出身で、海外で揚琴や中国伝統音楽の普及に貢献。
  • 国際的な民族音楽フェスティバルやワークショップで演奏・指導を行うケースも多い。

3. 特徴

  • 揚琴奏者は、ソロ演奏だけでなく民族音楽オーケストラや現代音楽アンサンブルでも活躍するのが一般的。
  • 高度な奏者は、連打・装飾音・和音表現を駆使して複雑な音楽を演奏できる。

新品と中古の製品ラインナップと価格相場

「揚琴(Yangqin/ヤンチン)」の新品・中古それぞれの製品ラインナップと価格相場を、可能な限り整理しました。購入を検討される際の参考になれば幸いです。


製品ラインナップ(新品)

以下は代表的な機種・価格帯の例です。

それぞれ簡単にご説明します:

  • ログカラーダルシマー楽器 Yangqin プロ向け:非常に本格仕様。木材・駒・弦・仕上げともに上位クラスのモデル。価格例:日本円で 約¥140,000 以上
  • EVOLUTION SERIES WORLD COLORS Yangqin(入門モデル):入門用モデル。比較的価格が抑えられており、最初に手を出しやすい。価格例:約¥6,000 前後
  • 小さなダルシマー Yangqin トレブルモデル:高音域(トレブル)仕様のコンパクト版。価格例:約¥26,000
  • EVOLUTION SERIES WORLD COLORS Yangqin(別仕様):同シリーズの別仕様/若干仕様アップモデル。価格差少なめ。
  • EVOLUTION SERIES WORLD COLORS Yangqin(オンライン納品版):オンライン販売仕様。特売・限定仕様等。価格例:同く約¥6,000台。
  • How to Play Yangqin 教則本(付属品扱い):本体ではなく教則本ですが、関連商品として。価格:約¥1,500
  • (海外仕様も含めて、海外店舗でのプロ仕様価格が USD $1,350〜$2,000クラスという例もあり

新品価格相場(整理)

  • 入門~学生用モデル:おおよそ ¥5,000~¥30,000 程度。
  • 中級~演奏会用モデル:おおよそ ¥100,000~¥200,000超 のレンジ。例:国内ブランド「402型」演奏用モデルが価格「15980元(中国元)=¥約25万円前後」も。
    • なおこの例「15980元」は国内価格で、為替・輸入関税・送料等で日本国内価格は更に変動します。
  • 海外プロ仕様/高級仕様:USD $1,143〜$1,950(日本円で約¥170,000〜¥300,000程度)という例あり。

中古・リユース品の価格相場

中古市場についての具体的データは少ないですが、いくつかの参考情報があります。

  • マレーシアの中古掲示板に「Vintage Chinese Yangqin(中古) RM1,200(マレーシアリンギット)=約¥30,000前後」の例があり。
  • 中国国内オンラインでは、新品演奏用モデル「15980元(約¥250,000)」。中古となるとこの価格よりかなり下がると考えられます。
  • 海外ショップでは「Beginner Mini Yangqin 318 USD=約¥45,000程度」などの新品例あり。中古ならこの辺よりもっと低くなる可能性。

中古価格の目安

  • 軽度使用・入門モデル:数万円台(例:¥20,000~¥50,000)になることも。
  • 良好状態・中級モデル:中古でも数十万円になることあり(新品価格の半額~7割程度)と推定。
  • かなり使用感あり・ジャンク品扱い:さらに安く数万円以下のケースもあり。

中古購入時の注意点

  • 弦の消耗/駒の摩耗/木材のひび割れなどがあるか。
  • 調律・整備されているか。特に揚琴は調律が複雑という報告あり。
  • 付属品(バチ、スタンド、ケース)や、運搬時のダメージがないか。
  • 音質・音量・響き等、使用目的に見合っているか確認。
  • 出品者・販売店の保証/返品条件もチェック。

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