ヴィオラ（ビオラ）: オーケストラ弦楽器の特徴、価格、歴史について最新版を解説魅力はある？

バイオリン、ヴィオラについて見た目など記事で魅力を紹介します。弦楽器の中で、もっとも人間の声の高さに近いと言われる楽器です。ヴィオラは西洋の弦楽器で中音部を受け持つ楽器です。オーケストラにおける主力楽器の一つではあるのですが、ヴァイオリンやチェロに比べると地味な印象もあります。ヴィオラが誕生した場所と時期は正確にはわかっていませんが、同じヴァイオリン属のヴァイオリンと同じ頃、すなわち16世紀前半に北イタリアで使用されはじめた楽器です。

起源と歴史

ヨーロッパでこの楽器は生まれました。バイオリンより大きいのが特徴で他よりも音色が魅力。ピアノ、コントラバスやオーケストラの練習などでアンサンブル、伴奏としても利用されます。高い価格がしますが、講師も多いです。ビオラはバイオリンより厚みがあり、音程は低いです。完全な低音のハーモニーが魅力で大きなスタジオでも奏者は落ち着いて気軽に演奏できます。

🔹 起源

ビオラは ヴァイオリン科の中音域弓弦楽器 で、16世紀初頭の北イタリアで誕生しました。
初期には「ヴィオラ・ダ・ブラッツォ（viola da braccio）」と呼ばれる、腕に担いで演奏するタイプが一般的でした。
ヴィオラ・ダ・ガンバ（viola da gamba）という、脚の間に置いて演奏する弦楽器とは区別されていました。

🔹 歴史の発展

ルネサンス期（16世紀）
- ヴィオラ・ダ・ブラッツォとして弦楽アンサンブルで使用
- 中音域を補う役割が中心
バロック期（17〜18世紀）
- 弦楽四重奏やオーケストラで必須の中音楽器として定着
- ビオラ用のソロ曲も徐々に増加
クラシック期以降（18〜19世紀）
- 演奏技術が向上し、音量・音色の改善が進む
- ソロ作品や室内楽における独自の役割が明確化
現代（20世紀〜）
- オーケストラ、室内楽、ソロ演奏のいずれにも不可欠
- 伝統的な木製製法に加え、現代では素材・形状の工夫により演奏の幅が広がる

開発会社

現在世界では多数のヴィオラ製造メーカーが存在します。

社名	国	特徴
Suzuki	Japan	日本のヴァイオリン・メーカーの筆頭。
Joseph Lorenz	Germany	３世代にわたって優れたヴァイオリンを作り続けているメーカーです。
Carlo Giordano	Italy	マックコーポレーションのオリジナルブランド。
Karl Hofner	Germany	ドイツを代表する弦楽器メーカーです。
San Antonio	United States	アメリカの弦楽器メーカーです。

特徴と構造、サイズ

ビオラはヴァイオリンより大きく、チェロより小さい 中音域の弓弦楽器 で、オーケストラや室内楽で独特の温かみのある音色を担います。

🔹 特徴

音色
- 暖かく深みのある中音域
- ヴァイオリンより低く柔らかい音、チェロよりは軽やか
- ソロでも伴奏でも中音域のハーモニーを豊かに補強
用途
- オーケストラの内声パート
- 室内楽（弦楽四重奏など）の中音楽器
- 近現代のソロ作品や現代音楽

🔹 構造

ヴァイオリンと同様の構造を持つが やや大型
- 表板・裏板・側板（側面）で共鳴箱を形成
- 弦は4本（C, G, D, A）
- 弓で弦を弾く（ボウイング）
指板はやや長く、ネックも幅広
弓はヴァイオリン弓より少し重めで、弦の太さ・長さに対応

🔹 サイズ

全長：約 38～43 cm（ヴァイオリンは約35 cm、チェロは約75 cm）
ボディ（胴体）長：約 35 cm前後
弦長（指板上での弦の長さ）：約 32～34 cm
ヴァイオリンより大きく、音量と共鳴が増すが、手に持って演奏可能

種類について詳細

ビオラは基本構造はヴァイオリンと同じですが、サイズや材質、用途によっていくつかのバリエーションがあります。

1. サイズによる種類

ビオラには統一された標準サイズはなく、演奏者の体格や音楽スタイルに応じて選ばれます。

小型ビオラ（約35〜38 cm）
- 子どもや小柄な演奏者向け
- ヴァイオリンに近い操作感で扱いやすい
標準サイズ（約38〜41 cm）
- 成人向けで最も一般的
- 音量・音域のバランスが良い
大型ビオラ（約42〜43 cm以上）
- 音量・低音域を重視するプロ用
- 小柄な演奏者にはやや扱いづらい

2. 材質・製法による種類

材質	特徴	用途
スプルース（表板）、メイプル（裏板・側板）	伝統的木材、音色が豊かで温かみがある	オーケストラ・室内楽・ソロ演奏
フェノール樹脂・カーボンファイバー	耐久性が高く軽量、湿度変化に強い	屋外演奏・学生用・輸送用
合板	コストが低く軽量、音質はやや控えめ	初心者・教育用

3. 用途による種類

オーケストラ・室内楽用ビオラ
- 音量と共鳴を重視
- 標準〜大型サイズが多い
ソロ用ビオラ
- 音色の透明感・表現力を重視
- プロ用の高級材・ハンドメイド製作が多い
学生・教育用ビオラ
- 扱いやすさと耐久性重視
- 合板や樹脂製が中心

4. 弦・弓の違いによるバリエーション

弦の種類：ガット弦、スチール弦、合成弦
弓の重さ・材質で演奏感や音質が変化
プロ用はガット弦や高級フェルナンブコ弓を使用することが多い

ヴィオラの曲

ヴィオラはバイオリンやチェロと比べると地味ですが、オーケストラでは絶対に必要な楽器です。

奏法、難易度

ビオラはヴァイオリンと基本的な演奏法は同じですが、音域が低く、弦が長く太いことから独自の奏法上の特徴があります。奏法と難易度を整理します。

🎵 奏法

1. 基本奏法

ボウイング（弓の操作）
- 弓で弦を擦って音を出す
- 音の強弱や表現力は弓圧、速度、弓の位置で調整
左手操作（指使い）
- 弦を押さえて音程を出す
- 指の幅が広く、手の形・指のストレッチがヴァイオリンより必要

2. 特有の奏法

アルコ（弓弾き）
- 長音や和音演奏、表現豊かなフレージングが求められる
ピッツィカート（弦を指で弾く）
- オーケストラや室内楽でアクセントやリズムをつける
ボウイングテクニック
- スピッカート（跳ね弓）、サルタンド、レガートなど、ヴァイオリンと同じ技術を応用
オクターブ移動・ポジション移動
- 太く長い弦に対応するため、左手の移動が大きく、音程精度が重要

3. 表現上の工夫

音色を暖かくするため、弓圧と速度のコントロールが重要
オーケストラや室内楽では アンサンブルの中でのバランス感覚 が必要

🎯 難易度

初心者向け

基本的な音を出す、簡単なスケール演奏
弓と左手の基本操作を覚える段階
難易度：★☆☆☆☆

中級者向け

左手のポジション移動、ピッツィカート、アルコ・弓の表現を練習
弦の太さによる音程調整や表現力を身につける
難易度：★★★☆☆

上級者向け

高度な技巧（スピッカート、跳弓、長音表現など）
アンサンブルでの音量・音色の調整
ソロ作品での表現力や微妙な音色の変化
難易度：★★★★☆〜★★★★★

有名な奏者

ビオラはソロ、室内楽、オーケストラで重要な役割を担うため、世界的に高く評価されている奏者がいます。以下に代表的な人物を挙げます。

🔹 歴史的・伝統的奏者

ウィリアム・プリムローズ（William Primrose, 1904–1982）
- スコットランド出身の伝説的ビオラ奏者
- ビオラのソロ楽器としての地位を確立
- ウィーン・フィル、ロンドン交響楽団などで活躍
ローランド・ダ・ルース（Lionel Tertis, 1876–1975）
- ビオラのソロ演奏の発展に大きく貢献
- ビオラ専用作品を多数委嘱・演奏

🔹 現代の著名奏者

ティモシー・レイ（Timothy Ridout）
- イギリス出身の若手ビオラ奏者
- 国際コンクールで多数受賞、ソロ・室内楽で活躍
キース・グリーン（Kim Kashkashian）
- アメリカの女性ビオラ奏者
- 現代音楽、ソロ作品、室内楽で高く評価
ノーマン・レーン（Nobuko Imai）
- 日本出身、ヨーロッパを拠点に世界的に活躍
- 教育・指導活動も盛んで、後進の育成にも貢献

新品と中古の製品ラインナップと価格相場

「ビオラ（viola）」の新品・中古の製品ラインナップと大まかな価格相場を、入門～プロ仕様まで整理します。サイズ・材質・ブランド・状態で価格は大きく変わるため、あくまで目安としてご覧ください。

✅ 代表的な製品ラインナップ

以下、実際に流通しているモデル・セット品の例です。

それぞれ簡単に解説します：

DZ Strad Model 120 Viola (with Case & Bow): 約 ¥100,900 で出品されているフルサイズ・セットモデル。
Cremona Premier SVA‑130 15″ Viola Set: 約 ¥71,442。学生・15″サイズ用セット。
YAMAHA Braviol VA7SGJ16 Viola 16″: 約 ¥126,000。16インチ・ブランドモデル。
Nicolo Santi NSA80/S Viola Set: 約 ¥121,000。ブランド・セット仕様。
Luthier Series Tonewood Viola Set 15.5″: 約 ¥121,000。木材仕様にこだわった中級セット。
PVA Student Viola Set (初心者向け): 約 ¥17,800。超入門モデル。
DZ Strad Viola Model 120 (別仕様): 約 ¥144,863。別仕様・仕様アップ版。
Viola Neck 16.5″ (パーツ): 約 ¥4,950。本体ではなく、パーツ単品例。参考として掲載。