ナーイはアラブ音楽で使われる無簧の葦の笛。アラブ古典音楽で使われる代表的な三種の楽器の一つと言われています。ノン・リードの管楽器でソロおよびアンサンブルで使われ独奏楽器として活躍する一方、華やかな装飾とともにアンサンブルの高音部を担うこともあります。奏法上の特徴に、尺八のメリ、カリのように頭の角度を変えて音程を低めたり、高めたりすることができ、癖のある楽器でもあります。
起源と歴史
中東でこの楽器は生まれました。
🔹 起源
- 「ナーイ(ナイ)」は中近東〜東南アジアで使われる 縦笛・管楽器 の一種を指すことが多いです。
- もともとは 古代ペルシャ(イラン)やアラブ地域の民族音楽 で使用されていた縦笛(リード楽器)に由来。
- 木や竹を材料に、リードをつけて息で振動させて音を出す形態が特徴。
🔹 歴史の発展
- 中東・ペルシャ起源
- 紀元前数千年の遺跡から管楽器の形跡が確認されており、民族舞踊や宗教儀式で演奏されていた
- 東南アジアへの伝播
- インドシナ半島、タイ、ベトナム、インドネシアに伝わり、各地域で竹製や木製の独自の形に進化
- ベトナムの「ナイ(Nái)」、タイの「ピーナイ(Pi Nai)」などの名で知られる
- 近現代
- 民族音楽、舞踊伴奏、祭礼、教育用として広く使用される
- 西洋音楽や現代音楽でも民族的な音色として採用されることがある
特徴と構造、サイズ
ナーイは中東〜東南アジアに広く伝わる 縦笛タイプの管楽器 で、独特の柔らかく哀愁のある音色が特徴です。
🔹 特徴
- 音色
- 柔らかく、温かみのある音
- 哀愁や旋律的なニュアンスが出やすく、宗教音楽や民俗舞踊で重用
- 息の強弱・角度・リードの振動で微妙な音色変化が可能
- 演奏方法
- 唇でリードを振動させて息を吹き込み、音を出す
- 指穴を押さえて音程を変える
- ビブラートや装飾音も比較的容易に演奏できる
🔹 構造
- 本体(管)
- 主に 竹や葦(あし)、時に木製やプラスチック製
- 内径・長さ・厚みによって音程・音色が変わる
- リード部分
- 唇で振動させるシンプルなオープンリード式
- 一部では 金属リードや小型の振動膜 が用いられることもある
- 指穴
- 6〜9個程度が一般的で、音階を調整
- リズムや旋律の装飾に使用
🔹 サイズ
- 長さ:約40〜70 cmが標準(地域や音域によって変動)
- 直径:約1.5〜3 cm
- 重量:軽量(竹製なら約50〜150 g程度)
- 小型で持ち運びやすく、演奏者の唇・指のサイズに合わせて調整可能
種類について詳細
ナーイは地域や音域、素材、演奏用途によって多くのバリエーションがあります。以下に整理します。
1. 材質による分類
| 種類 | 特徴 | 音色 |
|---|---|---|
| 竹製ナーイ | 最も伝統的、軽量で持ち運びやすい | 柔らかく温かみのある音 |
| 葦(あし)製ナーイ | 細く軽い、民俗音楽向け | やや澄んだ高音、柔軟なビブラートが可能 |
| 木製ナーイ | 丈夫で耐久性あり | 太く落ち着いた音色 |
| プラスチック/合成素材 | 教育用・初心者向け | 音色は人工的だが耐久性・軽量性が高い |
2. 地域・文化による分類
| 地域 | 呼称・種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 中東(ペルシャ・トルコ) | Nay / Ney | 長さが長く、低音域が豊か。宗教音楽やクラシック伝統音楽で使用 |
| エジプト | Riq-Nay | 短めで高音域向き、舞踊伴奏に適する |
| トルコ | Kaval | ブルガリア・トルコ周辺でも同様の縦笛が存在 |
| 東南アジア(ベトナム・タイ) | Nái / Pi Nai | バンブー製で民族舞踊・民俗音楽用。音色は柔らかく装飾が多い |
3. 音域・サイズによる分類
| タイプ | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ソプラノナーイ | 短く高音域 | メロディ主役、舞踊伴奏向き |
| アルトナーイ | 中音域 | 合奏・旋律のサポート |
| バスナーイ | 長く低音域 | 宗教音楽・重厚な旋律 |
4. 特殊バリエーション
- 装飾穴付きナーイ:微分音や装飾音を出す穴が追加
- 二重管ナーイ:2本の管を組み合わせ、オクターブや倍音を同時に演奏可能
- 現代音楽用改良型:材質・指穴を改良して音域を広げたモデル

ナーイの曲
ナーイは中東の伝統音楽で使われることが多いです。
奏法、難易度
ナーイは中東〜東南アジアに伝わる 縦笛タイプの管楽器 で、息と唇のコントロールが非常に重要です。初心者から上級者まで、奏法の幅は広いです。
🎵 基本奏法
- 唇の使い方
- リード部分(唇と管の隙間)に息を吹き込み振動させて音を出す
- 唇の角度・圧力・息の速度で音程や音色を微調整
- 指穴の操作
- 6〜9個の指穴で音階を調整
- 半音や装飾音は指の微妙なずらしで実現
- 息のコントロール
- 強く吹く → 音が大きく明瞭に
- 弱く吹く → 柔らかく遠くまで響く音
- ビブラートやトリルも息と唇で表現可能
🎯 応用奏法
- ビブラート:唇や息の振動で音を揺らす
- グリッサンド:指穴を滑らせて音程を滑らかに変化
- 装飾音:民族音楽で多用される旋律の装飾
- 倍音の利用:息の圧力で倍音を強調し、複雑な音色を出す
🎯 難易度
| レベル | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| 初心者 | 単音の演奏、基本的な音階練習 | ★★☆☆☆ |
| 中級者 | ビブラート、装飾音、旋律演奏 | ★★★★☆ |
| 上級者 | 高速フレーズ、倍音操作、複雑な旋律表現 | ★★★★★ |
有名な奏者
ナーイは中東〜東南アジアの民族音楽で重要な楽器であり、多くの著名な奏者が存在します。以下に代表的な人物を紹介します。
🔹 中東(ペルシャ・トルコ)系
- ハッサン・カミー (Hassan Kamyabi)
- イラン出身のナーイ奏者
- ペルシャ古典音楽を中心に演奏し、ソロ・アンサンブル両方で活躍
- ホセイン・アリザーデ (Hossein Alizadeh)
- 主に作曲家・演奏家として有名
- ナーイやタールなどのペルシャ音楽楽器を駆使
- ハリル・カラ (Khalil Kar)
- トルコの伝統音楽で活躍
- クラシック・民俗音楽双方に精通
🔹 エジプト系
- モハメド・フセイン (Mohamed Hossam)
- エジプト・イスラム音楽でのナーイ奏者
- 民俗舞踊伴奏や宗教音楽で著名
- アブドゥル・ラフマン・エル・カミリ (Abdel Rahman El-Kamili)
- ナーイを使った現代エジプト音楽で国際的に活動
🔹 東南アジア系
- チャーン・フォン (Chan Phong)
- ベトナムのナイ奏者
- 民族舞踊や祭礼音楽で活躍
- ピマイ・シリポーン (Pimai Siriporn)
- タイの民族音楽アンサンブルでのナーイ奏者
- 伝統舞踊伴奏として広く知られる

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
「ナーイ(Ney/ナイ)」の新品・中古製品ラインナップと価格相場を整理します。素材・製作品質・用途・ブランドなどによって価格差が大きいため、あくまで 目安 としてお読みください。
🎯 製品ラインナップ例
以下は流通しているナイのモデル・価格の一例です(日本円換算は概算)
それぞれ詳しく:
- Professional Persian Ney PNM‑5:高品質ペルシャネイ。価格例として「US $249」程度の新品記載あり。
- Turkish Made Quality Woodwind Ney:トルコ製ネイのクオリティモデル。製品例でUSD $199程度の新品あり
- Turkish Woodwind Ney (Entry):トルコ製の比較的廉価モデル。USD $29.90〜$49.90のプラスチック・簡易仕様あり。
- Turkish Woodwind Plastic Ney Set 13pcs:13本セット・プラスチック仕様。価格例でUS $249.99(約円換算)あり。
- Plastic Beginners Ney (very low cost):極めて廉価な入門モデル。USD $35程度のものも存在。
- (同モデル重複しますが手工芸仕様・中級・高級モデルも他に複数あります)
💰 価格相場の目安
新品の場合
- 入門〜教育用(プラスチック・簡易仕様):「USD $30〜$50」程度(日本円で約 ¥4,000〜¥7,000)の例あり。
- 標準良質モデル(リード材使用、手工品または上質仕様):「USD $100〜$250」(約 ¥15,000〜¥40,000)の例多数。
- プロ仕様・手工芸・素材にこだわったもの:それ以上(USD $300〜以上、約 ¥50,000〜¥100,000+)という製品もあり。
中古の場合
- 中古市場では入門モデルが「USD $50〜$150(約¥7,000〜¥20,000)」程度で出ている例あり。
- 手工芸・高級材モデルの中古では、それぞれの仕様により価格変動が大きく、状態・製作者・材質をよく確認する必要があります。
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