琴は日本の伝統的な楽器です。「コト」には2種類あります。箏と琴があり、これは別の楽器なのです。古代の時代からあった楽器でしたが、9世紀ごろに明確な区分けがされ、現在の琴になりました。日本古来からある琴は日本ではとても有名な楽器で、日本人であればほとんどの人が知っている楽器です。琴は日本のポップスでもたまに見ることができます。さらに映画やテレビなどでも多用されている楽器です。
起源と歴史
日本でこの楽器は生まれました。情報では和楽器の総称として分類され、箏曲などを教える教室も多くあります。流派も多数あり、尺八などとそれぞれ協奏されています。
1. 起源
- 箏は中国の**古箏(Guzheng)**に由来します。
- 日本には**7〜8世紀(奈良〜平安時代)**に伝来し、当初は宮廷音楽(雅楽)で演奏されました。
- 当時は「楽箏(がくそう)」や「琴」と呼ばれ、貴族・宮廷の文化に根付いていました。
2. 奈良〜平安時代
- 宮廷や寺院での雅楽演奏に使用され、雅楽の伴奏楽器として発展。
- 弦は当初5〜7本程度で、手で弾く奏法が主流でした。
3. 江戸時代
- 八橋検校(1614–1685)が箏曲の革新を行い、今日の箏音楽の基礎を築きました。
- 弦数は13本に統一され、琴柱(ことじ)で調弦を変える方式が確立。
- 江戸期には庶民にも広まり、歌舞伎や浄瑠璃の伴奏にも用いられるようになりました。
4. 明治以降
- 西洋音楽の影響で作曲・演奏スタイルが多様化。
- 17弦箏、21弦箏、31弦箏など、拡張版の楽器も登場。
- 現代では邦楽だけでなく、ポップスやジャズ、現代音楽でも使用されるようになっています。
特徴と構造、サイズ
1. 特徴
- 音色
- 柔らかく澄んだ和音、滑らかなメロディ表現が可能。
- 弦を押したり弾いたりすることで**微妙な音程変化(抑揚・装飾音)**が表現できる。
- 演奏の多様性
- 伝統的な邦楽から現代音楽、ポップスやジャズまで対応可能。
- 曲に応じて複数の調弦が可能(本調子・一越調子・二越調子など)。
- 文化的価値
- 宮廷音楽や浄瑠璃、歌舞伎などの伴奏として発展。
- 日本の伝統美を象徴する楽器。
2. 構造
| 部位 | 説明 |
|---|---|
| 胴体(本体) | 桐材を中心に作られた長方形の木製ボディ。共鳴胴として音を増幅。 |
| 弦 | 標準は13本(伝統的箏)。素材は絹またはナイロン。現代では金属弦も使用。 |
| 琴柱(ことじ) | 弦の下に置き、弦の高さと調弦を調整。取り外し可能で位置を変えることで音階を変化。 |
| 撥(ばち) | 右手の指にはめて弦を弾く。人差し指・中指・親指を使うのが一般的。 |
| 左手の操作 | 弦を押したり引いたりして半音・装飾音を作る。 |
3. サイズ
- 全長:おおよそ 180〜190cm(13弦箏の場合)
- 幅:約 30cm
- 高さ(胴厚):約 10cm前後
- 弦間隔:約 2.5cm前後
- 弦の本数:標準は13本、17弦・21弦・31弦など拡張型も存在
- 重量:約 4〜5kg(材質や弦数により変動)
琴の種類について
箏には伝統的な13弦箏を基本に、用途や音域に応じてさまざまな種類があります。以下に代表的なものを整理します。
1. 弦数による分類
| 種類 | 弦数 | 特徴・用途 |
|---|---|---|
| 13弦箏(標準箏) | 13本 | 伝統的な邦楽に使用。尺八・三味線との合奏に最適。 |
| 17弦箏(十七弦箏) | 17本 | 低音域を強化した大型箏。現代邦楽・現代曲向け。 |
| 21弦箏 / 25弦箏 | 21本・25本 | 拡張型。音域が広く、オーケストラや現代音楽で使用。 |
| 31弦箏 | 31本 | 特殊用途、主に現代作曲家向け。非常に低音域までカバー。 |
2. 形状・材質による分類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 本箏(ほんこと) | 伝統的な桐製。音色が柔らかく深い。 |
| 合成材箏 / 現代材箏 | プラスチックや合板使用。軽量でメンテナンスしやすい。学校教育用や初心者向けに多い。 |
| 特注手工箏 | 木材・塗装・弦材・形状をカスタマイズ。演奏家向け。 |
3. その他の特殊タイプ
- 二十絃箏(20弦)
- 音域を拡張したり、和洋折衷曲で使用。
- 琴柱を固定した定尺箏
- 特定の調子(本調子、一越調子など)に固定。初心者・学校教育で使用。
- 電気箏(エレキ箏)
- ピックアップ付きでアンプに接続可能。現代音楽やライブ演奏向け。

琴の種類ごとの音色
古琴
中国の古い伝統楽器。七弦琴、瑶琴とも呼び、3000年の歴史がある撥弦楽器で、八音の「糸」に属し、7本の弦を持ちます。
一絃琴
モノコード系のシンプルな楽器であり、板琴、須磨琴などの別名があります。
二絃琴
明治初期に二絃琴を発展改良させた東流二絃琴が開発され、東京で流行した端唄や俗謡の伴奏楽器として、明治中期まで盛んに用いられました。
大正琴
木製の中空の胴に2〜12本の金属弦を張り、ピアノの様な鍵盤を備え、鍵盤を左手で押さえて右手の義甲で弾いて演奏。
奏法、難易度
1. 基本奏法
① 右手(撥による演奏)
- **撥(ばち)**を使い、弦を弾くことで音を出す。
- 基本ストローク:1本の弦を弾く「単音弾き」、複数弦を同時に弾く「和音弾き」。
- 強弱・速度調整:撥の角度や弾く力で音量・音色を変化。
② 左手(音程操作)
- 押弦・引き弦で半音や装飾音を表現。
- 摺り指(すりゆび):弦を押さえながらスライドさせ、音の変化を演出。
- 揉み(もみ):音を揺らしてビブラート効果を出す。
③ 調弦操作
- 琴柱(ことじ)の位置変更で調子を変える。
- 伝統曲では本調子・一越調子・二越調子など、曲に応じた調弦が必須。
2. 難易度
初級
- 13弦箏の単音弾き・簡単な和音が中心。
- 琴柱の基本的な調弦を覚え、右手で撥を使って弦を弾く練習から始める。
中級
- 左手による装飾音(押弦・揉み・摺り指)を取り入れる。
- 曲の調子に応じて琴柱を正確に移動し、演奏表現を広げる。
- 複数弦同時演奏やアルペジオも練習対象。
上級
- 拡張箏(17弦、21弦以上)の演奏。低音弦や高音弦の活用。
- 装飾音を駆使した高度な表現、曲想に応じた音色変化。
- 邦楽だけでなく現代音楽・ポップス・ジャズなど多ジャンルで演奏可能。
3. 総合ポイント
- 初心者でも扱いやすい:13弦箏で単音・簡単和音から入門可能。
- 中級になると表現力が拡張:左手操作、琴柱調弦、装飾音を取り入れる。
- 上級者は高度な技巧と多ジャンル対応:17弦以上の拡張箏や電気箏を駆使して演奏。
- 技術習得に時間がかかるが、右手・左手の動きの習熟で豊かな表現が可能。
有名な奏者
箏は伝統邦楽を代表する楽器で、多くの名奏者が歴史的にも現代にも存在します。ジャンル別に整理します。
1. 伝統邦楽・古典派
- 八橋検校(やつはし けんぎょう, 1614–1685)
- 江戸時代の盲目の箏奏者。箏曲「六段の調」を完成させ、現代箏音楽の基礎を築いた。
- 宮城道雄(みやぎ みちお, 1894–1956)
- 近代邦楽箏曲の確立者。作曲・演奏の両面で箏音楽を革新。
- 「春の海」「六段の調」などの名曲を作曲。
2. 現代邦楽
- 山本邦山(やまもと くにやま, 1933–2017)
- 尺八奏者だが箏との共演で有名。箏合奏のアレンジも多く手がけた。
- 藤原道山(ふじわら どうざん, 1971–)
- 現代邦楽とジャズ、ポップスで活躍。箏・尺八など伝統楽器と西洋楽器を融合。
- 宮城能鳳(みやぎ のうほう)
- 宮城道雄流の流派を継承し、現代の箏音楽普及に尽力。
3. 現代・クロスジャンル奏者
- 若林豪(わかばやし ごう)
- 電気箏や拡張箏を使い、現代音楽やジャズ・ロックで活躍。
- 宮田まゆみ
- ポップスや映画音楽にも箏を取り入れ、幅広いジャンルで演奏。

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
「箏(こと)」の新品・中古の製品ラインナップと価格相場を整理します。モデル・仕様・条件によってかなり価格幅がありますので、あくまで目安としてご覧ください。
✅ 代表モデル(新品/現行品)
簡単に各モデルを紹介します:
- 全音 箏セット ZKO‑K20(普及品):入門者向けセット仕様。新品価格「約 ¥176,550」程度。
- 日本和楽器製 箏用スタンド(関連アクセサリー):実質アクセサリーですが、価格帯「約 ¥22,000」程度として安価な関連機器もあります。
- 高級モデル(くり甲・紅木巻・玉縁)や拡張弦数モデル(21弦など)、電気仕様(エレキ箏)などでは、価格が新品で 数十万円〜百万円超 になることがあります。例:某ショップで新品「十三絃 クリ甲 柾目 紅木玉縁巻」価格が ¥1,155,000〜¥1,485,000 という例あり。
- 新品価格表でも「紫檀角巻 長さ6尺/糸:強力テトロン仕様」で “¥95,000〜125,000” 程度からスタートという記録あり。
📊 中古・参考買取・相場情報
- 中古・アウトレット品では、例えば「くり甲(玉縁紅木巻) 13弦 箏」などが WEB価格 ¥275,000〜¥750,000 程度という例が出ています。 和楽器市場
- 入門〜練習用の機種では、新品価格が「約 ¥63,000〜¥125,000」程度という例あり。
- 買取相場・中古価値としては、13弦お琴であっても「~30,000円前後」が多いという記録あり。
- 中古での比較的安価なものは、オークションで「平均落札価格 約 ¥7,738″という記録も存在します
🧭 価格帯の目安まとめ
- 入門/初心者仕様(13弦・練習用・合成材・付属品セット) → おおよそ ¥60,000〜¥150,000 新品。
- 中級仕様(17弦・20弦・木材アップ・演奏会用仕様) → 新品で ¥150,000〜¥300,000〜。中古で状態次第。
- 高級仕様(くり甲構造・紅木・玉縁巻・21弦以上・手工製) → 新品で 数十万円〜百万円以上もあり。中古も仕様・素材・作家で価格大きく変動。
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