スポンサーリンク

コラ : アフリカの民族楽器(弦楽器)の特徴、価格、歴史について最新版を解説

Instrument

コラは西アフリカの代表的な弦楽器。ハープのように弾くリュート型をした楽器です。セネガル、ガンビア、マリ、ギニア、ブルキナファソなどの国々で300年以上に渡って受け継がれてきた伝統的な民族楽器です。もともとはジャリという伝承音楽家が代々引き継ぎ、弾くことを許された楽器でした。ハープやギターの原型ともいわれるがコラです。アフリカの伝統音楽において出てくる有名な楽器の一つです。

スポンサーリンク

起源と歴史

西アフリカ地域でこの楽器は生まれました。

🌍 起源

  • 地域:西アフリカ(特に現在のマリ、セネガル、ガンビア、ギニア)
  • 民族:マンディンカ族(Mandinka)、マリンケ族(Malinke)など
  • 時期:正確な起源は不明ですが、少なくとも 15世紀〜16世紀頃には現在の形に近い楽器として存在していたとされます。
  • 文化的背景
    • コラは伝統的に グリオ(Griot/ジェリ) と呼ばれる口承史家・音楽家階層のための楽器。
    • 歴史的・神話的物語、王族の系譜、民族の英雄譚などを語る伴奏楽器として使用されてきました。

📜 歴史の流れ

  1. 初期の発展
    • コラの原型は、西アフリカの 弦楽器・ハープ系楽器から進化。
    • カラバッシュ(ひょうたん)を共鳴胴として利用し、弦は動物の腸や皮で作られていた。
    • グリオたちは村や王宮で演奏し、社会的役割と文化伝承の両方を担っていました。
  2. 植民地時代〜近代
    • 19世紀〜20世紀初頭にかけて、植民地支配下でもコラは演奏され続け、民族音楽の象徴として存続。
    • 弦の材質や形状の改良が行われ、ネックが長くなる、弦数が増える(21弦が標準)などの変化があった。
  3. 現代
    • 世界的に知られる西アフリカ音楽やワールドミュージックの中で演奏されるようになり、録音・国際コンサートでも使用される。
    • ナマディ・コナテ(Mali)、バボ・ジョバルテ(The Gambia)、アリ・ファウリ(Senegal)など、国際的に有名なコラ奏者が登場。
    • 材質の多様化(ナイロン弦、合板材など)や現代音楽との融合も進む。

特徴と構造、サイズ

それでは、コラ(Kora)の特徴・構造・サイズについて整理します。

🎯 特徴

  1. 弦数・音域
    • 標準的には 21本の弦(左右の手で分けて演奏)
    • 音域は 3オクターブ以上 が可能
    • ナチュラルなハープ音色で、メロディと伴奏を同時に演奏可能
  2. 演奏性
    • 左右両手で弦を弾く「ハープスタイル」の演奏
    • グリオ(口承史家)が物語を語る際の伴奏として最適
    • メロディ+ベースライン+リズムを一人で表現可能
  3. 文化的特徴
    • 西アフリカの民族音楽・儀礼・王族伝承で使用
    • 弦の配置や演奏法には世襲的な伝統がある
    • 村や王宮での演奏に限られることが多く、社会的な役割を持つ

🛠 構造

部位特徴
共鳴胴大きなカラバッシュ(ひょうたん)を半分に切り、中に山羊や牛の皮を張る
ネック長い木製ネック、弦を通すために固定
動物の腸や皮、現代ではナイロンやハープ弦を使用
橋(ブリッジ)弦を立ち上げ、共鳴胴へ振動を伝える「ノッチ付きブリッジ」
調弦リング(Konso)革紐のリングで弦の張力を変え、手でスライドさせて調律

コラは「ダブル・ブリッジ・ハープ=リュート」とも分類され、ハープとリュートの特徴を併せ持っています。

📏 サイズ・寸法

  • 全長(演奏時):約 100 cm前後
  • 弦数:左右合わせて 21本 が標準
  • 共鳴胴直径:約 30〜40 cm
  • 音域:おおよそ 3オクターブ以上
  • 左手10本、右手11本など左右分割で演奏

種類について詳細

コラは基本構造は同じですが、地域・用途・弦の材質・現代化の度合いによっていくつかの種類に分類できます。

① 伝統コラ(Traditional Kora)

  • 概要:最も古典的な形のコラ。カラバッシュと動物の皮で作られる。
  • 弦材:馬や牛の腸、またはヤギの腸。
  • 弦数:21本が標準(左右分けて演奏)
  • 用途:王族伝承、儀礼、口承史家(グリオ)の演奏
  • 特徴
    • 純粋な民族音色
    • 弦のテンションが高く、調律が微妙に変わりやすい
    • 演奏には高度な手指技術が必要

② モダンコラ(Modern Kora / Contemporary Kora)

  • 概要:伝統コラをベースに現代的素材や改良を加えたもの。
  • 弦材:ナイロン弦やハープ弦など、西洋製の安定した素材を使用
  • 改良点
    • 弦のテンションが安定し、音程が一定
    • 一部モデルは金属リングや調整ネジを追加
  • 用途:現代ワールドミュージック、録音、コンサート用

③ ミニコラ(Small / Travel Kora)

  • 概要:小型化されたコラ。旅行や練習用に設計
  • 特徴
    • 高さ:約70〜80cm前後
    • 共鳴胴も小型化し軽量
    • 弦数は伝統の21本から少なくなることもあり
  • 利点:持ち運びや家庭練習に便利

④ アーティスト・シグネチャーコラ

  • 概要:特定の奏者・グリオが監修したモデル
  • 特徴
    • 音色や材質、装飾が特別仕様
    • 一般の伝統モデルより弾きやすさや耐久性を重視
  • :バボ・ジョバルテ(Boubou Jobarteh)監修モデル、ナマディ・コナテ(Mali)モデルなど

⑤ 電気コラ(Electric Kora / Electro-Acoustic Kora)

  • 概要:エレクトリック・ピックアップ付きでアンプに接続可能
  • 用途:ライブ演奏や録音で音量を拡張
  • 特徴
    • 音量や音色のコントロールが可能
    • モダン音楽やジャズ・ワールドミュージックで活用
    • 弦やボディ材は伝統コラより耐久性重視

🔹 まとめ(種類比較)

種類弦材・材質用途特徴
伝統コラ腸弦、カラバッシュ共鳴胴儀礼、グリオ演奏純民族音色、調律不安定
モダンコラナイロン弦、安定材質現代音楽、録音音程安定、耐久性向上
ミニコラ小型・軽量練習・携帯弦数少なめ、持ち運び便利
アーティストモデル監修特注材コンサート、録音演奏性・装飾に特化
電気コラピックアップ装備ライブ、録音音量拡張、エフェクト使用可能

コラの曲

コラはアフリカの伝統音楽で使用されることが多いです。

奏法、難易度

それでは、コラ(Kora)の奏法と難易度について整理します。

🎸 奏法

① 基本奏法(伝統的手法)

  • 左右両手で弦を弾くハープスタイル
    • 左手は主に低音(ベースライン)
    • 右手は高音(メロディ)
  • 親指と人差し指で弦をはじく
    • 中指以上は通常使わない
    • 両手の独立した動きで複雑なリズムを作る

② メロディ+伴奏の同時演奏

  • 伝統的なグリオ演奏では、左手ベース+右手メロディで一人で多声部演奏
  • リズムやアクセントは右手・左手を交互に操作して表現

③ 高度なテクニック

  • 装飾音(Grace notes):隣接する弦を素早く弾く
  • トレモロ奏法:同じ弦を繰り返し弾いて音を伸ばす
  • ポリリズム演奏:左右の手で別々のリズムを同時演奏

④ モダン/電気コラ奏法

  • エレクトリック・アンプやエフェクトを使用した演奏
  • ジャズやワールドミュージックの編曲にも対応可能

⚡ 難易度

初心者

  • 難易度:高め(伝統コラ)
  • 左右の手を独立させるのが難しい
  • 音程や弦の押さえ方も慣れが必要
  • 習得目安:数か月で簡単なメロディ+伴奏を演奏可能

中級者

  • 難易度:上級〜専門
  • ポリリズムや装飾音を取り入れた演奏が可能
  • 左右の独立性を確立し、伝統曲の伴奏を再現できる

上級者

  • 難易度:非常に高い
  • グリオ流儀に則った複雑なリズム・装飾音・物語伴奏
  • モダン編曲やエレクトリック演奏も自在に扱える

有名な奏者

それでは、コラ(Kora)の有名奏者・演奏家を整理して紹介します。西アフリカ伝統音楽の中心的存在であり、世界的に知られる奏者も多いです。

① バボ・ジョバルテ(Boubou Jobarteh)

  • 国籍:ガンビア
  • 特徴
    • グリオの伝統家系出身
    • 伝統的コラ演奏の第一人者
    • 王族伝承曲や民族音楽を後世に伝える役割を担う
  • 活動:演奏・教育・国際コンサート

② ナマディ・コナテ(Namadi Konate)

  • 国籍:マリ
  • 特徴
    • 現代ワールドミュージックでも活躍
    • 伝統的奏法にジャズやフュージョンを融合
    • エレクトリック・コラの導入例もある

③ アリ・ファウリ(Ali Farka Touré, コラ演奏も兼任)

  • 国籍:マリ
  • 特徴
    • ギターとコラを併用するスタイル
    • 国際的にマリ音楽を広める活動で有名

④ タマニ・ディアバテ(Tamaani Diabaté)

  • 国籍:マリ
  • 特徴
    • ディアバテ家(伝統グリオ家系)出身
    • 若手演奏家の指導や国際公演にも積極的
    • コラを中心に民族音楽の保存と普及

⑤ シーシャ・ディアバテ(Sidiki Diabaté)

  • 国籍:マリ
  • 特徴
    • 世界的に活躍するコラ奏者
    • ジャズ、ポップ、ワールドミュージックとの融合演奏で有名
    • コラの技術・表現力を現代音楽に適応

新品と中古の製品ラインナップと価格相場

「コラ(Kora)」の 新品・中古の製品ラインナップと価格相場を調べました。おおまかな範囲としてご参考ください。モデルによって素材・仕様・製作地が大きく異なるため、価格もかなり幅があります。


✅ 新品ラインナップの例・価格

以下は新品または新品に近い状態で購入可能なコラのモデル例です。

少々冗長になっていますが、要約します:

  • Deluxe Kora (with pickup):電気ピックアップ付きのハイエンド仕様。価格例:¥264,801(円表示例)
  • ガンビア コラ (21弦モデル):伝統仕様のコラ21弦モデル。価格例:¥19,000(メルカリ掲載)

🧮 新品価格の目安

  • 伝統仕様の21弦モデル:おおよそ £375(約¥60,000前後) から。
  • より高仕様(クロマティック仕様・電気仕様付きなど):約 €875〜€1,950(約¥140,000〜¥300,000以上)
  • 通販サイトでは「$1,150〜$1,650(約¥150,000〜¥230,000)程度」の例もあり。

中古/安価ラインナップ・価格傾向

中古や装飾用・簡易仕様のコラに関して、以下のような例があります:

  • eBayでは「African Carved Wood And Cowry Shell Stringed Kora Instrument」が**US$134.99(約¥20,000〜¥30,000)**で出品されていました。
  • Wall/装飾用に「Decorative Kora」が**US$30(約¥4,000〜¥5,000)**という例もあります

🧮 中古/安価モデルの目安

  • 装飾用・演奏用でない簡易モデル:¥5,000〜¥30,000程度。
  • 伝統的な演奏用中古モデル・使用状態良好なもの:¥70,000〜¥150,000程度という範囲も想定できます(明確なデータ少なめ)。
  • 高仕様・希少材・限定仕様の中古:新品価格に近いかそれ以上になる場合もあります。

📝 購入時の注意点・アドバイス

  • 弦数(21弦が標準)、弦材・共鳴胴素材・調弦方式(革リングかマシンペグ)で価格が大きく変わります。
  • 電気/エレクトロアコースティック仕様(ピックアップ付き)では価格が上がる傾向です。
  • 海外製作・輸入品では送料・関税・輸送リスクも考慮すべきです。
  • 中古購入時は「弦の摩耗」「皮貼りの状態」「割れ・ひび」「調律機構の有無」などをチェック。
  • 装飾用モデル/壁掛け仕様と、本格演奏仕様の違いを理解して用途を明確に。

これから楽器を買いたいなら

これから楽器を買いたいなら以下の記事を参考にしてみてください。オンラインと店頭いずれの対応もしており、登録はすぐにできます。案内に沿って登録しましょう。

中古楽器を売りたいならどうする?

中古楽器を売りたいなら中古の買い取り業者で買い取ってもらうことがおすすめです。パーツや部品での買取もあります。無料査定がありますのでまずは相談してみてはいかがでしょうか?

これからレッスンをしたい方は?

これからレッスンをして楽器が上手くなりたい、楽しみたいと言う方には音楽教室がとてもおすすめとなります。以下の記事で紹介していますので参考にして申し込みをしてみましょう。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました