フラメンコギターはナイロン弦のアコースティックギターです。種類としてクラシックギターの音楽と違いフラメンコギターは、ムーアとスペイン両文化から生まれたものと言われています。フラメンコはスペイン南部のアンダルシア地方に、古くからある民族芸能です。ヨーロッパで広がりを見せたのは、ジプシーたちが15世紀の中頃にイタリア、フランスなど色々な国々に住み着いたことにあります。いまではヨーロッパでも有名な楽器になりました。
起源と歴史
スペインでこの楽器は生まれました。フラメンコギターは大きなアコギのような音質で軽いシープレスと呼ばれる糸杉が使われているためそれ用の明るくて歯切れの良いする鋭い音がでます。弾いて使ってみると表面のサウンドがクラシックギターとは違うわけです。木材のボディに違いあります。動画なども出ておりますのでジャンルや種類、リズムに合わせて使い分けが好ましいです。体験して練習してみることをおすすめします。youtubeや教室で名曲を練習する方も多いです。
1. 発祥の地と音楽的背景
- フラメンコギターはスペイン南部のアンダルシア地方で発展。
- 伴奏対象はフラメンコ音楽(歌・踊り)で、特に踊り(バイレ)や歌(カンテ)のリズム・表現を支える役割が中心。
- 起源は19世紀以前の民族音楽にまでさかのぼるが、現在のフラメンコギターとしての形が確立したのは19世紀後半~20世紀初頭。
2. ギター製作家による進化
- **Antonio de Torres(1817–1892)**が近代クラシックギターの基本構造を確立。
- Torresの設計はフラメンコギターにも影響を与え、表板・裏板・ブレイシング構造・スケール長の基準が定まる。
- フラメンコ用はクラシックギターよりも軽量・薄胴・低アクションに改良され、打楽器的伴奏や高速演奏に適した仕様となる。
3. 20世紀の発展
- フラメンコ音楽の国際的普及と共に、専用のフラメンコギター製作工房が増加。
- 材質としてはスプルースや杉の表板、サイプレスや柳の裏板・側板が多く用いられ、音の立ち上がりの速さや明るさを重視。
- 技術面では、ラズゲアード(指をはじく)、ゴルペ(ボディを叩く)、アルペジオや複雑な装飾音に適応する設計が発展。
4. 現代のフラメンコギター
- スペイン製の手工ギター、ブランドとしては Cordoba, Raimundo, Martinez, Admira などが世界的に有名。
- 国内外のフラメンコ奏者が使用し、演奏スタイル・ジャンルに応じて入門用からプロ仕様まで多様なモデルが存在。
- 現在でも、フラメンコ特有の打楽器的表現・スピード感・リズムの正確さを重視した設計が続いている。
クラシックギターとフラメンコギターの違い
クラシックギターはローズウッドやハカランダなどの木材が使われており、丸くふくよかな音がでます。 フラメンコギターは糸杉が使われているため明るくて歯切れの良いする鋭い音がでます。 そのため音色に違いがあります。
特徴と構造、サイズ
1. 特徴
- 音色:明るく、パーカッシブ(打楽器的)、アタックがはっきりしている。
- 演奏性:弦の反応が速く、ラズゲアードやゴルペなどの特殊奏法に適している。
- 用途:フラメンコの踊り(バイレ)や歌(カンテ)の伴奏に特化。
- 外観:ゴルペ(叩き板)が貼られているモデルが多く、指の打撃による傷や振動に耐える設計。
2. 構造
- 表板(トップ):スプルースや杉材。軽量で振動が速く、音の立ち上がりが早い。
- 裏板・側板:サイプレスや柳材が主流。クラシックギターより軽量で、打楽器的音色を強調。
- ネック・指板:クラシックギターと同じくエボニーやローズウッド。弦高(アクション)が低めでスピーディな演奏が可能。
- ボディ形状:クラシックギターとほぼ同じだが、浅胴で軽量。
- ゴルペ板:打撃用の補強板。弾き手が叩いても傷つきにくい仕様。
3. サイズ
- スケール長(弦長):約650 mm(クラシックギターと同じ標準サイズ)。
- ボディの深さ:やや浅め(クラシックギターより5〜10 mm程度浅い場合が多い)。
- 全長:約1000 mm前後(フルサイズ)。
- 弦高:クラシックより低めで、素早い運指・打撃奏法に適する。

奏法、難易度
1. 基本的な奏法
(1) ラズゲアード(Rasgueado)
- 指を立てて弦を弾くストローク技法。
- フラメンコ特有の伴奏リズムで使われる。
- 指のスピード・正確なタイミングが必要。
(2) ピッツィカート(Pizzicato)・アルペジオ
- 弦を指で弾く奏法。
- クラシックギターと似ているが、フラメンコではリズムのアクセントとしても使用。
(3) ゴルペ(Golpe)
- ボディ(表板)を叩く打楽器的奏法。
- 足踏みやパルマス(手拍子)と組み合わせてリズムを強調。
(4) ポルタメント(滑音)・ビブラート
- 滑らかな音の連続、弦を押さえる指の微細な動きで表現。
- 感情表現やフラメンコ歌のニュアンスに不可欠。
2. 難易度
| 技術項目 | 難易度 | 説明 |
|---|---|---|
| 基本的なメロディ演奏 | ★★☆☆☆ | 弦の反応が速く、初心者でも音が出しやすい |
| ラズゲアード | ★★★★☆ | 指のスピード・正確さが求められ、初心者には習得が難しい |
| ゴルペ(打楽器的奏法) | ★★★★☆ | 打撃の力加減・リズム感が必要 |
| 高速アルペジオ・装飾音 | ★★★★☆〜★★★★★ | 高度な指運び・右手のコントロールが重要 |
| ソロ演奏・プロ表現 | ★★★★★ | 音色・リズム・ニュアンスを総合的に表現する技術が必要 |
3. 総合評価
- 初心者向け:軽量・低アクション設計で音を出しやすいが、リズム表現やラズゲアードは習得に時間がかかる。
- 中級者向け:ゴルペや高速アルペジオなど、フラメンコ特有の技術に挑戦できる。
- 上級者向け:演奏会やプロレベルでは、スピード・打楽器的表現・リズムの正確性が必須。
フラメンコギターは単なるメロディ演奏だけでなく、打楽器的要素・リズム・表現力が加わるため、クラシックギターよりも習得
フラメンコギターの曲
フラメンコギターはフラメンコの伴奏という役割があったことからフラメンコの印象がとても強いですが、歌謡曲やバンドなどでも多用される楽器になってきています。フラメンコギター専門のギタリストも存在し、より一般化してきています。さらにBGMなどでも使われており、テレビや映画などでよく出てくる楽器でもあります。
有名な奏者
フラメンコギターは、歌(カンテ)や踊り(バイレ)の伴奏だけでなく、ソロ演奏家としても国際的に活躍する奏者が多いです。以下は代表的な著名ギタリストです。
1. パコ・デ・ルシア(Paco de Lucía, 1947–2014)
- スペイン・アルヘシラス出身。
- モダン・フラメンコギターの革新者であり、世界的に最も有名なフラメンコギタリスト。
- ラズゲアード、ゴルペ、複雑なリズム・アルペジオの技術を極めた。
- フラメンコのソロ演奏だけでなく、ジャズやクラシックとのコラボレーションでも知られる。
2. トマティート(Tomatito, 1958–)
- パコ・デ・ルシアの弟子であり、現代フラメンコを代表するギタリスト。
- 現代的なフラメンコスタイルを確立し、ソロ・伴奏双方で活躍。
3. ビセンテ・アミーゴ(Vicente Amigo, 1967–)
- スペイン・コルドバ出身。
- 美しいメロディと高度な技巧、豊かな表現力で世界的に評価される。
- ソロアルバム・伴奏ともにトップレベルの演奏家。
4. その他注目奏者
- ニーニョ・リカルド(Niño Ricardo):フラメンコギターの伝統を確立した20世紀初期の巨匠。
- ペペ・ロメロ(Pepe Romero):クラシックとフラメンコの両方を演奏。
新品と中古の製品ラインナップと価格相場
フラメンコギターの 新品/中古の代表的なモデルと価格相場を整理します。以下は日本国内での参考価格も含めています。
🎸 主な新品モデル
Cordoba F7 Flamenco Guitar:スペインブランドの定番入門仕様。価格例 約 ¥99,000。
RAIMUNDO 145 Flamenco C:スペイン製中級仕様。価格例 約 ¥131,000。
ARIA A‑50F Flamenco Guitar:国内ブランドの入門モデル。価格例 約 ¥66,000。
Martinez MFG‑AS Flamenco:スペイン中級ブランド、価格例 約 ¥52,901(かなりお手頃な仕様)。
Yamaha CG182SF Flamenco Guitar:ヤマハのフラメンコ仕様、価格例 約 ¥43,451。
Admira Triana Flamenco Guitar:入門/廉価仕様として扱われるモデル。例として極めて低価格な見本あり(ただし仕様を確認要)。
また、同モデルの 別仕様/別店舗価格 も含まれ、価格帯の幅を感じられます。
📊 中古価格相場
- 中古のフラメンコギターでは、ブランド・仕様・モデル年式・素材(単板/合板)によってかなり価格が変動します。
- 例えば、日本国内の中古検索では「フラメンコギター 中古 20万円〜30万円未満」の流通品も確認されています。
- また、20万〜30万円以上の中古品カテゴリーも多数あります。
- 新品価格と似た仕様でも中古になると、状態・使用感・赤らみ・修理歴・演奏用途によって価格が下がるか保たれるかが分かれます。
📝 購入時のポイント
- ブランド・製造地・仕様(合板か単板か、材質/背側板材)を確認する。
- フラメンコ演奏では「打楽器的奏法(ラズゲアード、ゴルペ)」が多いため、弦高(アクション)・ボディ構造・打撃板(ゴルペ板)有無などが重要。
- 新品でも仕様によって「入門・中級・上級」で価格差が大きい。練習用ならお手頃モデル、演奏用や長く使うなら中級仕様以上を検討。
- 中古を選ぶ場合、傷・修理履歴・音色の劣化・使用感を実際に手に取って試奏できると安心。
- 日本国内の場合、価格表示・為替・輸入・保証の有無を確認。
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