伝統的な三味線のジャンル、演奏、種類、弾き方について紹介、解説します。は日本の伝統楽器と言われる三味線ですが、そのルーツを辿っていくと紀元前の中国にまで遡ります。三味線は400年の歴史があり基本設計がほとんど変化していない楽器として有名です。弦を弾いて演奏される撥弦楽器である。四角状の扁平な木製の胴の両面にネコやイヌの革を張り、胴を貫通して伸びる棹に張られた弦を、通常、イチョウ形の撥で弾き演奏するものです。今では日本で有名な楽器となりました。
起源と歴史
日本、琉球でこの楽器はそれぞれ作られて生まれました。糸(糸巻き)で人は細かな演奏をします。細棹・中棹・太棹に大きく分かれており、音色は似ています。歌舞伎などで必要な時に用います。太鼓、箏、琴など異なる楽器と同じで調弦して使うことになります。津軽などの唄や曲が有名です。初心者でも使いながら張って表現を変えられます。練習すれば要点を押さえられるようになります。最近は紫檀で実際歌う奏者が多いです。
🐉 【1】原型は中国の「三弦(さんげん)」
三味線の源流は、中国の弦楽器「三弦」にあります。
三弦は、3本の絹糸を張った細長い棹に、蛇の皮を張った胴体を持つ楽器で、約2000年前から中国で演奏されていました。
撥で弾くスタイルも三味線と共通しており、音の響きや構造の面で「祖先」といえる存在です。
🏝️ 【2】琉球での発展:「蛇皮線(じゃびせん)」の誕生
14〜15世紀、中国と活発に交流していた**琉球王国(現在の沖縄)に三弦が伝わりました。
ここで、三弦は「蛇皮線(じゃびせん)」**へと変化します。
- 胴に蛇の皮を張る
- 弦は絹糸
- 棹は黒檀(こくたん)など硬い木材
琉球では、蛇皮線は宮廷音楽や祝いの席で使われるなど、上流階級の楽器として愛されていました。
これが、現在の沖縄で演奏される**三線(さんしん)**の直接の祖先です。
⚓【3】日本本土への伝来(16世紀中頃)
16世紀の半ば、琉球を経由して**堺(大阪)**に蛇皮線が伝わりました。
堺は当時、アジア貿易の中心都市で、南蛮文化や中国文化が集まる国際的な港町でした。
しかし日本の湿気や気候では、蛇の皮が破れやすく長持ちしなかったため、猫や犬の皮を使うように改良されました。
また、音色や響きを日本人の感性に合わせて変化させた結果、**「三味線」**という新しい楽器が誕生しました。
🎼 「三味線」という名前の「三」は弦の数、「味線」は「音の味わい」を表すともいわれます。
🏮【4】江戸時代:大衆音楽としての黄金期
江戸時代に入ると、三味線は一気に庶民の間に広まりました。
寺子屋や町人文化が発展した時期で、娯楽としての音楽が多様化していきます。
三味線は、さまざまな音楽ジャンルの中心となりました👇
| 音楽ジャンル | 特徴 | 使用される三味線の種類 |
|---|---|---|
| 義太夫節(浄瑠璃) | 物語を語る音楽。人形浄瑠璃(文楽)の伴奏。 | 太棹(ふとざお) |
| 長唄(ながうた) | 歌舞伎の伴奏音楽。華やかでリズミカル。 | 細棹(ほそざお) |
| 端唄・小唄 | 庶民の唄。酒席や芸者遊びに使われる。 | 中棹(ちゅうざお) |
| 津軽三味線 | 東北地方の民謡から発展した独奏型。力強く即興的。 | 太棹 |
この時代に、三味線は「日本の音楽の心」としての地位を確立しました。
🪶【5】明治~昭和時代:芸術としての確立
明治時代になると、西洋音楽が導入されますが、三味線は依然として日本の伝統音楽の中心でした。
- 芸者文化の象徴として、三味線は花街で重要な存在に。
- 学校教育にも取り入れられ、「邦楽」としての地位を確立。
- 昭和期には、津軽三味線が独奏楽器として進化し、コンサートホールでの演奏も盛んに。
津軽三味線の**高橋竹山(初代)**はその代表的存在で、三味線を民謡の伴奏から「芸術音楽」へと引き上げた人物です。
🌏【6】現代:伝統と革新の融合
現代では、三味線は伝統芸能だけでなく、ポップスやロック、アニメ音楽などにも使われています。
- 吉田兄弟や上妻宏光などの若手奏者が世界的に活躍。
- 海外でも「Shamisen」として注目され、演奏家が増加。
- 合成皮・カーボン棹などの現代素材の導入により、扱いやすく進化。
- 一方で、伝統的な演奏法も学校や地域団体を通じて継承されています。
特徴と構造、サイズ
三味線(しゃみせん)は、シンプルな見た目ながら、素材・形・サイズの違いで音色が大きく変わる繊細な楽器です。
以下で、三味線の特徴・構造・サイズの種類をわかりやすく説明します
🎋 1. 三味線の基本的な特徴
三味線は日本独自に発展した**撥弦楽器(はつげんがっき)**です。
つまり、「弦をはじいて音を出す」タイプの楽器で、音の響きがとても独特です。
🔸 特徴まとめ
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 弦の数 | 3本(=三味線の「三」) |
| 音の特徴 | 張りのある明るい音から、深く力強い低音まで幅広い |
| 演奏方法 | 「撥(ばち)」で弦を叩いたり弾いたりする |
| 音階 | 西洋音楽とは異なる、日本的な旋律(五音階) |
| 素材 | 木・皮・絹糸など、自然素材を使用(近年は合成素材も) |
三味線は「叩く」「はじく」「擦る」など、多彩な音色表現ができることが大きな魅力です。
🪶 2. 三味線の構造
三味線は大きく分けて、次の3つの主要部分で構成されています。
🪵 (1)棹(さお)
- 弦を張る細長い木の部分。
- 紅木(こうき)・花梨(かりん)・紫檀(したん)などの硬い木を使用。
- 高級品ほど木目が詰まっており、音の伸びがよい。
- 棹は3分割(糸倉・中棹・下棹)に分かれており、分解・持ち運びが可能。
🔸 棹の太さで「細棹」「中棹」「太棹」の3種類に分かれます(→後述)。
🪶 (2)胴(どう)
- 共鳴箱の部分。
- 木製の枠に、表と裏の両面に**動物の皮(猫または犬の皮)**を張る。
- 音を響かせる要となる部分で、皮の張り具合で音色が変化。
現在では、環境保護や耐久性の観点から**合成皮(人工皮革)**を使う三味線も増えています。
🎸 (3)糸(いと)
- 弦のこと。絹糸またはナイロン糸を使用。
- 3本の弦の太さは異なり、**一の糸(太)・二の糸(中)・三の糸(細)**と呼ばれます。
- 弦は棹の上を通り、糸巻きで張力を調整します。
🎼 (4)撥(ばち)
- 弦を弾くための道具。
- 素材は象牙・木・プラスチックなど。
- 演奏ジャンルによって形や重さが違い、津軽三味線では非常に大きな撥を使います。
🧵 その他の部品
| 名称 | 役割 |
|---|---|
| 糸巻き(いとまき) | 弦の張りを調整する(ギターのペグに相当) |
| 駒(こま) | 弦を支え、胴に音を伝える |
| 天神(てんじん) | 棹の先端部分。糸巻きを差し込む部分 |
| さわり | 弦が軽く触れて「ビーン」と共鳴する仕掛け(独特の響きを生む) |
📏 3. 三味線のサイズと種類
三味線は、棹(さお)の太さ・長さ・重さによって3種類に分類されます。
サイズが違うと、音の性質も大きく変わります。
| 種類 | 棹の太さ | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 細棹(ほそざお) | 約2.5〜2.7cm | 軽くて華やか。高音が美しい | 長唄・端唄・小唄など |
| 中棹(ちゅうざお) | 約2.7〜3.0cm | バランスがよく、柔らかい音 | 地唄・民謡・小唄など |
| 太棹(ふとざお) | 約3.0〜3.5cm | 重厚で力強い音 | 義太夫節・津軽三味線など |
🎶 津軽三味線は太棹をさらに改良し、強い打音を出せる構造になっています。
📐 4. 標準サイズ(全長・重量の目安)
| 部位 | おおよその寸法 | 備考 |
|---|---|---|
| 全長 | 約95〜105cm | 太棹の方がやや長い |
| 胴の幅 | 約20〜23cm | 太棹では大きめ |
| 重さ | 約1.5〜3kg | 棹や皮の素材で変動 |
三味線は分解できるため、専用の桐箱や袋で持ち運びも可能です。
🌸 5. 音の違い(サイズ別)
- 細棹:軽やかで明るい。歌舞伎や舞踊向き。
- 中棹:柔らかくしっとり。民謡や端唄に最適。
- 太棹:迫力と重み。津軽三味線のようなソロ演奏向き。
種類について詳細
三味線は一見どれも似ていますが、棹の太さ・音色・演奏スタイルなどによって明確に分類されます。
この「種類の違い」を理解すると、三味線音楽の世界がぐっと深く見えてきます。
以下では、三味線の代表的な種類とその特徴・使われる音楽ジャンル・音の違いを詳しく解説します
🎋 1. 細棹(ほそざお)三味線
🪶 特徴
- 棹が細く、軽量。胴も小さめ。
- 音色は明るく軽やかで、繊細な響き。
- 高音域がよく通り、華やかな雰囲気が出せる。
🎭 主な用途
- 長唄(ながうた):歌舞伎の伴奏音楽として発展。
- 端唄(はうた)・小唄(こうた):江戸時代の庶民が楽しんだ唄。
- 舞踊伴奏:日本舞踊や芸者の演奏で使用。
🎼 演奏スタイル
- 撥は小ぶりで軽く扱いやすい。
- 繊細な撥さばきが求められる。
- 音を「叩く」というより「はじく」ように弾く。
💡 有名な流派
- 長唄三味線(ながうたしゃみせん)
- 小唄三味線
- 端唄三味線
🌸 2. 中棹(ちゅうざお)三味線
🪶 特徴
- 細棹よりやや太め。棹の強度と音のバランスが良い。
- 音色は柔らかく、しっとりとした深みがある。
- 太棹ほど重厚ではないが、低音の響きも感じられる。
🎭 主な用途
- 地唄(じうた):上方(京都・大阪)で発展した、静かで叙情的な三味線音楽。
- 民謡(みんよう):各地の伝統民謡の伴奏。
- 小唄・端唄にも使われる場合がある。
🎼 演奏スタイル
- 細棹よりも力強く、太棹よりも繊細。
- 弾き語りにも向いており、女性奏者にも人気。
- 優雅で流れるようなフレーズが多い。
💡 有名な流派
- 地唄三味線
- 民謡三味線
🎵 3. 太棹(ふとざお)三味線
🪶 特徴
- 棹が太く、胴も大きく重い。
- 弦も太く、音色は力強く、重厚で迫力がある。
- 音量が大きく、ホールなどでも響きやすい。
🎭 主な用途
- 義太夫節(ぎだゆうぶし):人形浄瑠璃(文楽)などの語り物音楽の伴奏。
- 津軽三味線(つがるしゃみせん):青森発祥の独奏スタイル。
- 浪曲(ろうきょく):語りと伴奏を組み合わせた演芸。
🎼 演奏スタイル
- 撥を強く叩きつけるように弾く。
- 音の強弱・間の取り方で情感を表現する。
- 津軽三味線では「叩く・擦る・はじく」を組み合わせた独特のリズムを持つ。
💡 有名な流派
- 義太夫三味線(文楽)
- 津軽三味線
🎶 各種類の比較表
| 種類 | 棹の太さ | 音の特徴 | 主なジャンル | 奏法の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 細棹 | 約2.5〜2.7cm | 明るく軽やか・高音がきれい | 長唄・小唄・端唄 | 繊細で華やか、軽い撥使い |
| 中棹 | 約2.7〜3.0cm | 柔らかく上品・中低音が豊か | 地唄・民謡 | 優雅で滑らか、弾き語り向き |
| 太棹 | 約3.0〜3.5cm | 力強く重厚・音量が大きい | 義太夫・津軽・浪曲 | 激しく叩く、迫力の演奏 |
🪕 津軽三味線の特別な位置づけ
津軽三味線は、太棹三味線の中でも特別な進化形です。
江戸末期に青森県の盲目の門付芸人(旅芸人)たちが発展させたもので、即興性と力強さが特徴です。
- 弾き語りではなく独奏中心。
- 撥を強く叩きつけ、リズムと打音を活かす。
- 世界でも「Japanese rock instrument」として人気が高い。
🎭 音楽ジャンルごとの三味線対応表
| 音楽ジャンル | 使用される三味線の種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 長唄 | 細棹 | 歌舞伎伴奏。華やかで技巧的。 |
| 地唄 | 中棹 | 上方の室内音楽。情緒豊か。 |
| 義太夫節(文楽) | 太棹 | 劇的で迫力ある語りの伴奏。 |
| 津軽民謡 | 太棹(津軽三味線) | 即興演奏。リズム重視。 |
| 端唄・小唄 | 細棹または中棹 | 庶民の唄。軽快で親しみやすい。 |

三味線の種類ごと音色
Futozao
Chuzao
Hosozao
奏法、難易度
三味線の奏法(そうほう)=演奏方法と難易度(学びやすさ・技術的レベル)は、種類(細棹・中棹・太棹)によってかなり違います。
以下では、三味線の基本的な弾き方・代表的な奏法・種類別の難易度を、初心者にもわかりやすく整理して解説します
🎋 1. 三味線の基本的な弾き方(共通)
三味線は**撥(ばち)**で弦を弾いて音を出す楽器です。
しかし、ただ「弾く」だけでなく、「叩く」「擦る」「はじく」など、音の出し方のバリエーションが豊富です。
🎼 基本動作
| 奏法 | 説明 |
|---|---|
| 打つ(うつ) | 撥を弦に叩きつけて音を出す。津軽三味線ではこの動作が中心。 |
| 弾く(はじく) | 弦を撥で軽く弾く。細棹など繊細な音色に向く。 |
| 擦る(こする) | 弦の上を滑らせて独特の響きを出す。 |
| 押さえる(おさえる) | 左手で棹上の弦を押さえて音の高さを変える。 |
| はずす(開放弦) | 弦を押さえずに鳴らす。三味線独特の「余韻」を出せる。 |
🪶 2. 代表的な奏法
ここからは、三味線の演奏でよく使われる主要な奏法を紹介します。
| 奏法名 | 説明 | 使用ジャンル |
|---|---|---|
| 叩き(たたき) | 弦を強く打ちつけ、打楽器のような音を出す。 | 津軽三味線・義太夫 |
| はじき(弾き) | 軽やかに弾いて明るい音を出す。 | 長唄・小唄 |
| すり(擦り) | 弦を滑らせて音をつなげる。情感表現に使う。 | 地唄・民謡 |
| トレモロ(バチ連打) | 撥を細かく連続して動かす。リズム感を出す。 | 津軽三味線 |
| スリ上げ・スリ下げ | 左手で弦を押さえながら滑らせて音程を変える。 | 地唄・端唄 |
| さわり音 | 弦が棹に軽く触れて「ビーン」と響く独特の共鳴音。 | 全流派共通 |
| チン・トン・カラ | 三味線特有のリズム構成。拍の取り方が独自。 | 長唄・端唄・義太夫 |
特に「さわり音(共鳴音)」は三味線特有の美学で、少しビリついたような響きが「情緒(じょうちょ)」を生みます。
🎭 3. ジャンル別の奏法の特徴
| ジャンル | 使用される三味線 | 奏法の特徴 |
|---|---|---|
| 長唄三味線(細棹) | 華やかで繊細な撥さばき。小刻みなリズムが多い。 | |
| 地唄三味線(中棹) | 滑らかな音のつなぎとビブラート。情緒重視。 | |
| 義太夫三味線(太棹) | 力強く叩きつけ、語りの抑揚を支える。 | |
| 津軽三味線(太棹) | 打音とリズム重視。即興性が高い。迫力ある撥さばき。 | |
| 民謡三味線(中棹) | 歌に合わせた安定したリズム。伴奏重視。 |
🧭 4. 種類別の難易度(学びやすさ)
| 種類 | 難易度 | 理由・特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 細棹(長唄・小唄) | ★★☆☆☆(やや易しい) | 軽く扱いやすいが、繊細な撥使いが必要。 | 初心者〜女性奏者・舞踊伴奏志向 |
| 中棹(地唄・民謡) | ★★★☆☆(中程度) | 音色表現が広く、左手の繊細な操作が多い。 | 弾き語り・情感表現が好きな人 |
| 太棹(義太夫・津軽) | ★★★★☆〜★★★★★(難しい) | 力強い撥さばき・打音・即興力が要求される。 | 演奏を主役にしたい人・体力に自信のある人 |
💪 5. 習得にかかる期間の目安
(個人差はあります)
| レベル | 習得期間の目安 | できること |
|---|---|---|
| 初級(6か月) | 基本の構え・調弦・簡単な曲 | 「さくら」などの童謡が弾ける |
| 中級(1〜2年) | 左右の手の動きが安定し、曲の表情を出せる | 簡単な長唄や民謡を演奏できる |
| 上級(3年以上) | 即興・アンサンブル・舞台演奏が可能 | 津軽曲・義太夫・地唄の複雑な曲にも対応 |
有名な奏者
三味線には、古典芸能から現代の舞台・世界音楽シーンまで、多くの有名な奏者(そうしゃ)がいます。
ここでは、ジャンル別に分けて、歴史的名人から現代の人気演奏家までを詳しく紹介します
🎭 【1】古典・伝統芸能の名人たち
■ 鶴澤寛治(つるざわ かんじ)
- 時代:江戸後期〜明治時代
- ジャンル:義太夫三味線(文楽)
- 特徴:文楽(人形浄瑠璃)の名手で、三味線を物語の「感情の声」として確立。
- 義太夫節の基礎を築き、後世の演奏スタイルに大きな影響を与えました。
■ 鶴澤清六(つるざわ せいろく)
- 時代:明治〜昭和初期
- ジャンル:義太夫節
- 特徴:太棹を使いこなし、力強く情感豊かな演奏で知られる。
- 文楽界では「三味線の神様」とも呼ばれた存在。
■ 杵屋六左衛門(きねや ろくざえもん)
- 時代:江戸時代〜現代まで代々続く家元
- ジャンル:長唄三味線
- 特徴:歌舞伎の伴奏で知られる長唄の大御所。
- 現在も杵屋六左衛門家が代々、東京の歌舞伎座などで活躍。
- 長唄の代表曲「勧進帳」「京鹿子娘道成寺」などに深く関わる。
■ 富士田吉治(ふじた よしはる)
- ジャンル:地唄三味線
- 特徴:京都を中心に活動した地唄の名手。
- 柔らかく深い音色で、地唄三味線の「情緒表現」を極めた人物。
🪕 【2】津軽三味線の名手たち(近現代)
津軽三味線は、明治期の東北の民謡伴奏から生まれ、戦後に独奏芸として発展しました。
ここではその歴史を作った名人たちを紹介します。
■ 初代 白川軍八郎(しらかわ ぐんぱちろう)
- 時代:明治末〜昭和初期
- 特徴:津軽三味線の祖といわれる人物。
- 農村の座敷芸を舞台芸術に高め、津軽独特の「叩き奏法」を確立。
■ 高橋竹山(たかはし ちくざん)
- 時代:昭和(1910〜1998)
- 特徴:盲目の津軽三味線奏者。
- 即興的で力強い演奏が特徴。津軽三味線を全国に広めた第一人者。
- 「津軽じょんから節」で知られ、国内外で演奏活動を行う。
- NHKなどでも取り上げられ、「魂の三味線」と称された。
■ 初代 木田林松栄(きだ りんしょうえい)
- 時代:昭和初期
- 特徴:竹山の師匠格の一人。津軽民謡の伴奏から独奏へ発展させた功労者。
- 弾き語りの伝統を守りつつ、技術的にも革新をもたらした。
■ 吉田兄弟(よしだ きょうだい)
- 時代:平成〜令和
- 本名:吉田良一郎・吉田健一
- 特徴:津軽三味線をポップス・ロックと融合させ、世界的に人気を獲得。
- 代表曲:「RISING」「STORM」「Kodo」など。
- 海外ツアーも多く、「津軽三味線=クールな和楽器」として若者に広めた。
■ 上妻宏光(あがつま ひろみつ)
- 時代:現代(1973年〜)
- 特徴:津軽三味線のテクニックと現代音楽を融合。
- クラシック・ジャズ・ロックなど異ジャンルとのコラボが多い。
- NHK大河ドラマやアニメ音楽にも参加。
- 「伝統を継承しつつ進化させる」現代三味線の代表的存在。
■ はなわちえ
- 時代:現代
- 特徴:女性津軽三味線奏者として注目。
- 海外公演多数。伝統曲と現代曲を融合させ、若い世代に人気。
- 華やかで力強い演奏が特徴。

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
三味線(しゃみせん)の「新品/中古」の価格相場と、それに見合った製品ラインナップを整理します。ご自身の目的(入門用・趣味用・演奏家用)に応じて、どのレンジを狙うか参考になると思います。
✅ 価格相場の概要
まず、相場としてどれくらいの価格帯があるかを整理します。
新品の相場
- 量産・入門用(人工皮・廉価材):10 万円以下~20万円台。
- 本格仕様(良材・天然皮・紅木など使用):30万円以上~。例えば「特上 紅木 金細仕様」の新品で30〜40万円以上という例もあります。
- オーダーメイド・最高級仕様(材料・職人技・希少材使用)では100万円以上になることもあります。
中古の相場
- 中古・並仕様品であっても良材を使ったものでは30万円以上という例あり。
- オークション等をみると、状態や仕様・ブランドによってかなりばらつきがあり、数万円~数十万円となっています。例えば「落札平均価格10,000円前後」というデータもありますが、これは状態・仕様がかなり低め・部品取り・簡易仕様なども含んでいるため、演奏用として十分な状態とは限りません。
留意点
- 材料(紅木・紫檀・花梨など)、皮の種類(犬皮・猫皮・人工皮)、棹の仕様、胴の構造、付属品(撥・ケースなど)によって価格が大きく異なります。
- 新品でも「入門用」「教室用」「演奏家仕様」で価格帯が大きく違います。
- 中古は「状態」「修理歴」「使用頻度」「付属品」の影響を大きく受けるため、見た目以上にチェックが必要です。
🛒 製品ラインナップ(新品推奨)
以下、具体的な新品モデルをいくつか挙げて「どういう価格帯・仕様か」の参考にしてもらえます。
(※中古も同じ仕様のものが出る場合ありますが、あくまで新品としての参考です)
そして、各製品の簡単な紹介:
- Classic Shamisen made of Kouki (New):高級材「紅木(こうき)」使用。仕様が上位なので価格も高め(十数万円以上を想定)。
- Tsugaru Shamisen with synthetic skin (New):津軽三味線仕様、人工皮利用。中級〜演奏向けだが天然皮よりは廉価になっているモデル。
- Classical Shamisen with short specs (New):仕様を少し抑えたモデル。入門〜中級向け。
- SUZUKI Hosozao Shamisen Set Kaede + Resin Bess:細棹(ほそざお)仕様、入門用セット。材質も比較的手頃なので、初心者向き。価格帯も比較的低め(数万円〜十万円台前半)です。
- Sonica Instruments Tsugaru Shamisen (New):現代ブランドによる津軽仕様モデル。価格帯・仕様とも中〜上級。
- Tsugaru Shamisen – Virtuoso Japanese Series:演奏家仕様、仕様・材質ともに高め。
- その他のリスト(別出品)も参考に、価格・仕様の選択肢が多くあることが分かります。
🔍 新品 vs 中古、それぞれチェックすべきポイント
新品購入時の注意点
- 素材(棹・胴・皮)が何か:紅木・紫檀・花梨など硬木材の仕様かどうか。
- 皮が天然(犬皮・猫皮)か人工皮か。天然皮のほうが音が深いが価格も高く、湿気・手入れに注意。
- 棹の太さ・種類(細棹/中棹/太棹)=用途(長唄・地唄・津軽)との整合性を確認。
- セット内容(撥・駒・ケース・調整品)が揃っているか。
- お店の調整・保証・メンテナンス体制。
中古購入時の注意点
- 皮の状態:裂け・劣化・張り直しが必要か。
- 棹・胴の破損/ひび割れ・継ぎ目の変形。
- 弦・駒・糸巻きなど消耗品の状態。これら交換コストも見込む。
- 付属品・ケースの有無。特に演奏使用目的なら付属品が揃っているほうが安心。
- 使用年代・修理歴・音出しの状態を確認。中古として安くても「使えないレベル」なら逆にコストになる。
- 型番・仕様・流派対応(長唄用・津軽用など)とのマッチング。
これから楽器を買いたいなら
これから楽器を買いたいなら以下の記事を参考にしてみてください。オンラインと店頭いずれの対応もしており、登録はすぐにできます。案内に沿って登録しましょう。
中古楽器を売りたいならどうする?
中古楽器を売りたいなら中古の買い取り業者で買い取ってもらうことがおすすめです。パーツや部品での買取もあります。無料査定がありますのでまずは相談してみてはいかがでしょうか?
これからレッスンをしたい方は?
これからレッスンをして楽器が上手くなりたい、楽しみたいと言う方には音楽教室がとてもおすすめとなります。以下の記事で紹介していますので参考にして申し込みをしてみましょう。





コメント