琵琶は日本の伝統楽器です。この楽器は中国にも伝播しておりPipaと呼ばれています。弾いて鳴らす弦楽器のことで、中国と日本でそれぞれ独自の進化を遂げました。琵琶はイランやインドなど中国の西からやってきています。西アジアのウード、ヨーロッパのリュートと共通の起源を持ち、形もよく似ています。伝統音楽でしか使われない楽器ですが、それぞれの地域ではとても有名な楽器で知られています。
起源と歴史
日本でこの楽器は生まれました。
🔹 起源
- 琵琶は リュート系の弦楽器 の一種で、インドから中国を経て日本に伝来したとされる
- 元々は インドのヴィーナ(Veena) に由来し、中国で「琵琶」として発展したものが日本に伝わった
- 日本では奈良時代(8世紀)に宮廷音楽や仏教儀式に導入されたと記録されている
🔹 日本での発展
- 奈良〜平安時代
- 「楽琵琶」として宮廷の雅楽や仏教音楽に使用
- 宮廷や貴族の教養として演奏され、主に旋律の伴奏として使われた
- 鎌倉〜室町時代
- 武士の間で物語を語る伴奏楽器として普及
- 「平家物語」の語りに用いられるようになり、演奏技術や楽譜も発展
- この時期に 平家琵琶、筑前琵琶、薩摩琵琶 など地域別・用途別の形式が確立
- 江戸時代
- 芸能・民間伝承として普及
- 民謡や舞踊の伴奏、語り物の伴奏として庶民にも浸透
- 明治以降
- 西洋音楽やピアノの普及に伴い、演奏人口は減少するが
- 伝統芸能・邦楽の教育や演奏会で維持・発展
特徴と構造、サイズ
琵琶は日本の伝統的な撥弦楽器で、物語語りや雅楽の伴奏に用いられることが多く、地域や用途によって形状・音色・サイズが異なります。
🔹 特徴
- 音色
- 低音から中音域が中心で、落ち着いた深い響き
- 語り物の伴奏や民謡・雅楽に合う叙情的な音色
- 演奏方法
- 撥(ばち)で弦を弾く「撥弾き」
- 左手で弦を押さえたり、抑えたりして音程や装飾音を調整
- 物語の語りに合わせた演奏に特化
- 表現力
- 弦の押さえ方や撥の角度で微妙なニュアンスを表現
- 演奏者の技量によって音色や響きが大きく変わる
🔹 構造
| 部位 | 特徴 |
|---|---|
| 胴体(共鳴胴) | 木製で縦長。材質は桐・桑・欅など。平家琵琶は楕円形、薩摩琵琶は長方形に近い |
| 棹(ネック) | 長くて細い。指板がなく、左手で直接弦を押さえる |
| 弦 | 3〜4本が基本。種類によって5〜7本もある。絹・ナイロン・金属線など |
| 撥(ばち) | 木製・象牙・プラスチック製。弦を弾く専用の道具 |
| フレット(押さえる目印) | ほとんどなく、左手の押さえ方で音程を決める |
| 胴の裏・表板 | 胴の表板は薄く、共鳴しやすい設計。裏板は厚めで安定性を確保 |
🔹 サイズ
- 全長:約90〜100cm(平家琵琶、筑前琵琶)
- 胴幅:約20〜25cm
- 弦長:約60〜65cm
- 撥の長さ:約15〜20cm
- 特徴:
- 平家琵琶:やや小ぶりで低音が豊か
- 薩摩琵琶:太棹で力強い音、ステージ向き
- 筑前琵琶:中型、表現力豊かで語り物に適する
種類について詳細
琵琶は、地域や用途によって形状・弦数・音色・奏法が異なる伝統楽器です。大きく分けると 平家琵琶・筑前琵琶・薩摩琵琶・楽琵琶・民琵琶 の5種類があります。
1. 平家琵琶(へいけびわ)
- 用途:平家物語の語り伴奏
- 特徴:
- 弦:3〜4本
- 胴:楕円形で小ぶり
- 撥:細めで軽量
- 音色:落ち着いた中低音で叙情的
- 奏法:
- 物語の語りに合わせて弦を弾き、抑音や装飾音を多用
2. 筑前琵琶(ちくぜんびわ)
- 地域:福岡県など九州地方
- 用途:語り物や民間の演奏
- 特徴:
- 弦:4本
- 胴:中型で軽く持ちやすい
- 撥:やや太めで力強く弾く
- 音色:明瞭で表現力豊か
- 奏法:
- 物語語り・民謡伴奏向き
- 左手の装飾音が豊富
3. 薩摩琵琶(さつまびわ)
- 地域:鹿児島県
- 用途:武士の教養・戦記物語の語り
- 特徴:
- 弦:4本
- 胴:太棹で大型
- 撥:重く、力強い音が出る
- 音色:力強く、低音が豊か
- 奏法:
- 強く撥を弦に当て、力強いリズムで物語を伴奏
4. 楽琵琶(がくびわ)
- 用途:雅楽・宮廷音楽
- 特徴:
- 弦:5本前後
- 胴:薄く繊細で装飾的
- 音色:華やかで繊細、雅楽に適する
- 奏法:
- 儀式・祭祀向けの旋律伴奏
- 左手で弦を押さえて音色を微妙に変化

琵琶の種類
琵琶と言えば盲僧琵琶が有名でしょう。盲人の琵琶法師で古代からある言葉で、琵琶は長い歴史を持っています。日本では雅楽でも利用されます。中国から伝来されたといわれており、平家物語でも明記されています。最初は語り物としてでしたが、室町時代、江戸時代、明治時代になると楽曲も多く登場。リズムよく絃を用い、現在は三味線などと合奏したり伴奏としても利用されます。全国で独奏なども大きく取り入れられ、発展して変化しています。女性なども初めてやる方が増えています。大きな流派も増えており、さまざまです。
China Pipa
Japan Biwa
奏法、難易度
琵琶は 撥で弦を弾き、左手で音程や装飾音を調整する伝統弦楽器 で、演奏技術や難易度は種類や用途によって異なります。
🎸 奏法
1. 撥弾き(基本)
- 概要:撥(ばち)で弦を弾いて音を出す
- 特徴:
- 右手で撥の角度や力を変えることで音色を調整
- 強く弾けば力強い音、弱く弾けば柔らかい音
- 用途:全種類の琵琶で共通、旋律・リズムの基礎
2. 左手の抑音・装飾音
- 弦を押さえたり軽く触れたりして音の高さやニュアンスを変化
- 装飾技法:
- こすり(スライド)
- はじき(トレモロ的な揺らし)
- 抑え弾き(音を切る)
3. 語り伴奏
- 平家琵琶・筑前琵琶・薩摩琵琶で使用
- 語り手の声や物語の場面に合わせてテンポ・強弱・抑揚を演奏
- 表現力が問われる奏法で、演奏と語りの両方の連携が必要
4. 雅楽伴奏(楽琵琶)
- 儀式・宮廷音楽で旋律を奏でる
- 精密で装飾的な音色が求められ、テンポや音色を統制する技術が必要
🎯 難易度
初心者向け
- モデル:民琵琶、小型琵琶
- 習得内容:簡単な旋律やリズム
- 難易度:★☆☆☆☆
- 基本の撥弾きや簡単な旋律は短期間で習得可能
中級者向け
- モデル:筑前琵琶、平家琵琶
- 習得内容:
- 左手の抑音・装飾音
- 語り伴奏の基礎
- 難易度:★★★☆☆
- 表現力や抑揚の調整、語りとの連動が必要
上級者向け
- モデル:薩摩琵琶、楽琵琶
- 習得内容:
- 武士物語や平家物語の完全な伴奏
- 雅楽演奏の精密な音律・装飾
- 難易度:★★★★☆〜★★★★★
- 左右手の独立性、撥の角度や力加減、語り・旋律の同期が求められる
有名な奏者
琵琶は伝統楽器のため、各種類ごとに専門の奏者が存在します。ここでは 国内外で著名な琵琶奏者 を整理します。
🔹 平家琵琶の奏者
- 中島 靖子(なかじま やすこ)
- 平家物語の語り伴奏の名手
- 伝統的な演奏技法を現代に継承
- 神原 英雄(かんばら ひでお)
- 平家琵琶保存会に所属
- 教育・演奏活動を通じて普及に貢献
🔹 筑前琵琶の奏者
- 西村 久志(にしむら ひさし)
- 九州出身、筑前琵琶の代表的奏者
- 民間伝承や語り物の演奏を多く手掛ける
- 三味線・琵琶の融合演奏家
- 現代では筑前琵琶と三味線を組み合わせた舞台演奏も実施
🔹 薩摩琵琶の奏者
- 松本 源之助(まつもと げんのすけ)
- 鹿児島伝統の薩摩琵琶を継承
- 力強い演奏と戦記物語の表現力が特徴
- 川内 俊介(かわうち しゅんすけ)
- 武士の物語の伴奏で高名
🔹 楽琵琶(雅楽用)の奏者
- 河合 竹邦(かわい ちくほう)
- 雅楽の専門家、宮廷音楽の演奏家
- 精密な装飾音と旋律表現が特徴

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
「琵琶」の新品・中古の製品ラインナップと価格相場について、国内の情報をもとに整理します。楽器ならではの個体差・状態差が大きいため、あくまで目安としてご覧ください。
🎯 製品ラインナップ例
なお、以下は「本体」の価格ではなく「部品・付属品」「廉価品」の例も含まれており、必ずしも演奏用の本格モデルではないものも混じっています。
各製品の解説
- BIWA: 楽器「琵琶」の名称そのものを商品化している例(装飾品・インテリア扱い)なので、演奏用本格モデルではない可能性あり。
- Biwa String Set (Five) Satsuma: 薩摩琵琶用の「弦セット(5本仕様)」という部品例。楽器本体ではなく部品価格の参考になります。
- Biwa String Set (Four) Gaku Biwa: 楽琵琶用の4本弦セット。こちらも本体ではなく付属部品。
- BIWA (書籍): 楽器そのものではなく、琵琶に関する書籍。価格帯が低めなので参考として掲載。
- Japan’s Musical Tradition: Hogaku from Prehistory to the Present: 邦楽史の解説書。演奏用楽器とは異なりますが、関連商品の価格帯を知る手がかり。
- 他にもそれぞれ「弦セット別仕様」「部品/代替品」などが混ざっています。
注意:本格的な琵琶本体で「新品/中古」の販売実例を網羅的に収集できる公開データは少なく、ネット掲載価格は部品・装飾品・代替品を含んでいます。そのため、上記は「本体以外」の参考例が多いです。
💰 価格相場(国内:本体・部品両方を含む目安)
新品本体(参考値)
- 一般的に、本格的な琵琶本体の新品価格の目安として、記事では「80万円~130万円」の範囲が紹介されています。
- また、中・入門用仕様でも「40万円程度」という記述あり。
- 例えば、和楽器通販で「楽琵琶 825,000円」という本体価格例が確認されています。
中古本体の相場
- オークション平均落札価格として、和楽器「琵琶」カテゴリで約 ¥25,000〜¥30,000 程度という統計もありますが、これは本格楽器本体ではなく「部品・代替品・状態不明」品が多く含まれている可能性があります。
- 専門和楽器買取店の参考買取価格として、例えば「薩摩琵琶作家作/中古良品」で ¥180,000 程度という実例あり。
- また、廉価な中古品を「¥10万~20万程度」で購入できたというレビューもあります。
部品・入門代替品の価格帯
- 弦セット、撥(ばち)、ケースなど部品・アクセサリー価格:弦セットで ¥6,000〜¥10,000 程度。
- 楽器代替・廉価版・輸入品などでは数万円台という例もあり(ただし演奏用としての機能・音質保証は低め)
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