マリンバは大昔のアフリカで、地面に穴を掘って木の板を渡し、たたいて音を出したことから始まったと伝えられています。アフリカのバントゥー語群で、「リンバ」は木の棒を意味し、「マ」が複数の名詞クラス接頭辞であるから、「マリンバ」は、多数の木の棒から成る楽器を意味します。マリンバの原型となった楽器は、アフリカの人々とともに海を渡り、中南米にたどり着きました。そこで、ひょうたんが木の共鳴パイプに変わります。
起源と歴史
アフリカでこの楽器は生まれました。グロッケンシュピール、ビブラフォン、シロフォンなどと他と並んでパーカッションとして使われます。コンサートでは鍵盤打楽器としてよく登場します。奏法もたくさんあります。基本は配列から大きな柔らかい音が出ます。長く叩き、変化も与えられます。
1. アフリカ起源
- マリンバは元々アフリカの木製打楽器が起源と考えられています。
- 初期の形は「木の棒や板(バー)を土台やくぼみに置いて打つ」単純な構造でした。
- アフリカでは、音の共鳴を高めるためにひょうたんや空洞の器を共鳴箱として使用する文化がありました。
- 名前の「マリンバ」は、アフリカのバントゥー語系の言葉に由来するとされ、元々は「木のバーを打つ楽器」の総称でした。
2. 中南米への伝播
- 16世紀以降、アフリカ系住民とその文化が**中南米(特にグアテマラ、メキシコ、コスタリカなど)**に伝わりました。
- そこで現地の材料(マホガニーやローズウッドなど)や工法を取り入れ、マリンバとしての形が完成。
- グアテマラでは、1550年代にはマリンバが記録されており、教会や祝祭で演奏される重要な楽器になりました。
- 中南米では民俗音楽として地域ごとに発展し、鍵盤を備えた木製バーに共鳴管(レゾネーター)を加える形が定着しました。
3. 近代マリンバの発展(アメリカ・ヨーロッパ)
- 19世紀末〜20世紀初頭、アメリカ合衆国でクラシック音楽用・演奏会用のマリンバとして改良が進みました。
- 特徴的な改良点:
- 共鳴管(レゾネーター)の追加で音量・響きを増幅
- 低音域を拡張するための長いバーや大型レゾネーターの採用
- 標準鍵盤の設置(C音基準の音階対応)
- これにより、オーケストラや室内楽、ソロ演奏に対応できる楽器として世界的に広まりました。
4. 現代のマリンバ
- 現在の演奏会用マリンバは、4オクターブ半〜5オクターブ以上の音域を持つことが一般的です。
- 材質はホンジュラス・ローズウッドやメープルなど高級木材を使用することが多く、音板と共鳴管の組み合わせで温かみのある豊かな音色を生みます。
- 学校教育用やエントリーモデルでは、合板や樹脂製のバーも用いられ、教育・練習用として普及しています。
開発会社
現在世界では多数のマリンバ製造メーカーが存在します。
| 社名 | 国 | 特徴 |
| YAMAHA | Japan | 日本の有名なメーカーで多くのプレイヤーに愛されています。 |
| Adams | Nether Land | オランダにある管楽器・打楽器専門メーカーです。ベルギーにも支社があります。 |
| Marimba one | United States | アメリカ/カリフォルニア州アルカタにあります。 |
| Musser | United States | Clar Omar Musserというマリンバの第1人者によって作られたアメリカの楽器メーカーです。 |
| Malletech | United States | アメリカで作られた楽器メーカーです。 |
特徴と構造、サイズ
では、マリンバの特徴・構造・サイズについて詳しく整理します。
🎵 1. 特徴
マリンバは木製の鍵盤打楽器で、打鍵によって音を出す楽器です。
- 音色の特徴
- 木の温かみがある柔らかい音色
- 低音域は深く、低音から高音まで幅広く響く
- 打点によって音色を微妙に変化させられる(中央付近で明瞭、端に近いと柔らかく)
- 演奏スタイルの特徴
- 立って演奏することが多い
- マレット(バチ)を片手1本または2本使って演奏
- 両手で複数マレット(4本奏法)を使う高度な技法も存在
🛠 2. 構造
マリンバはシンプルに見えますが、細部の構造が音色に大きく影響します。
2-1. 音板(バー)
- 材質:ホンジュラス・ローズウッド、メープル、樹脂など
- 役割:打鍵によって振動し、音を出す
- 長さ・厚み・幅で音の高さや音色が変化
- 低音バーは長く太く、共鳴管も長い
- 高音バーは短く細く、音が明るくなる
2-2. 共鳴管(レゾネーター)
- 音板の下に取り付けられた空洞の管
- 音板の振動を増幅し、響きを豊かにする
- 材質:アルミニウムや木材が多い
- 長さは低音用が長く、高音用が短い
2-3. フレーム(支柱・台)
- 音板と共鳴管を支える木製または金属製の台
- 高さ調整や移動がしやすい設計もある
📏 3. サイズ・音域
マリンバは用途や演奏者によってサイズが変わります。
| 種類 | 音域(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| 教育用 / 学校用 | 3〜4オクターブ | 音域が狭く軽量、価格も手頃 |
| 中級 / 練習用 | 4オクターブ半 | 標準的な音域、学校〜アマチュア向き |
| 演奏会用 / プロ仕様 | 4.5〜5オクターブ以上 | 低音が豊か、木材・共鳴管の品質が高い |
| バスマリンバ(低音拡張) | 4〜5オクターブ+低音 | さらに深い低音域が特徴、特殊用途向け |
- 音板の長さは低音域ほど長くなり、共鳴管も比例して長くなる
- 高さは立奏時に演奏しやすいように調整可能
- マレットの種類や硬さで音色の微調整も可能
種類について詳細
1. 用途別の分類
🎵 1-1. 教育用・学校用マリンバ
- 音域:3〜4オクターブ
- 特徴:
- 軽量で移動がしやすい
- 材質は合板や安価な木材が多い
- 音色は柔らかく、演奏会用ほど豊かな響きはない
- 対象:小中学校、高校の音楽教育、入門者
🎵 1-2. 練習用 / 中級マリンバ
- 音域:4オクターブ半程度
- 特徴:
- 標準的な音域でクラシック曲の演奏が可能
- 材質はホンジュラス・ローズウッドやメープル
- 共鳴管も十分に長く、響きが豊か
- 対象:アマチュア演奏者、大学・専門学校の音楽学部
🎵 1-3. プロ・演奏会用マリンバ
- 音域:4.5〜5オクターブ以上
- 特徴:
- 高品質の木材(ローズウッドなど)使用
- 共鳴管の精度が高く、豊かで均一な音色
- 高度な演奏に対応する設計(フレームの安定性・マレット操作の自由度)
- 対象:プロ奏者、オーケストラ、ソロ演奏
🎵 1-4. バスマリンバ(低音拡張型)
- 音域:通常のマリンバよりさらに低音を拡張
- 特徴:
- バス音域が豊かで迫力のある響き
- 音板と共鳴管が非常に大きく、重量がある
- 一般的には特殊用途、現代音楽、オーケストラ用
- 対象:プロ・特殊演奏向け
2. 材質・構造による分類
| 種類 | 材質 | 特徴 |
|---|---|---|
| 木製バー(伝統) | ホンジュラス・ローズウッド、メープル | 音色が温かく、演奏会用の標準。低音から高音まで幅広く響く |
| 合板バー | 合板材 | 教育用・廉価モデル、軽量で移動が簡単。音色は控えめ |
| 樹脂バー | プラスチック系 | 教育用・屋外演奏向け。耐久性高いが音色は人工的 |
| 共鳴管材 | アルミ・木材 | 音量・響きを調整する重要部分。材質で音色が変化 |
3. 音域・サイズによる分類
- 3オクターブ:小型、教育・入門用
- 4オクターブ半:練習用、クラシック曲対応
- 5オクターブ以上:演奏会用・プロ仕様
- 低音拡張型(バスマリンバ):特殊演奏用
4. 特殊タイプ
- モジュラー型マリンバ
- 低音部・高音部を別に分けて持ち運びやすくしたタイプ
- 電子マリンバ / バーチャルマリンバ
- MIDIやサンプラーで音を出すタイプ
- 練習や録音、作曲用途に便利

マリンバの曲
マリンバはオーケストラを筆頭に民族音楽でもよく使用されている楽器の一つです。また、BGM音楽でも使われることがあります。テレビ、映画、ゲームなどで使用されています。
奏法、難易度
🎵 1. 基本奏法
1-1. 打鍵方法
- マレット(マリンバ用バチ)で木のバーを打つことで音を出す。
- 打つ位置による音色の違い:
- バー中央:基本音、明瞭で安定
- バー端付近:柔らかく繊細な響き
- 音の強弱や音色を変えるために、打鍵の角度や速度、手首の使い方を調整する。
1-2. マレットの持ち方・種類
- 1本マレット(片手):簡単な練習・初級用
- 2本マレット(片手2本、両手合計4本):一般的な演奏方法
- 硬さの違うマレット:
- 軟らかいマレット:柔らかく温かい音色
- 硬いマレット:明瞭で響きのある音
- 曲や表現に応じてマレットを使い分ける
🎵 2. 高度な奏法
2-1. 4本マレット奏法
- 両手で2本ずつ持ち、同時に複数の音を演奏
- 和音、アルペジオ、同時打鍵など表現力が格段に広がる
- 手の運動範囲、視野、打鍵位置の正確さが要求される
2-2. 特殊奏法
- グリッサンド:マレットを滑らせて音を連続的に演奏
- ロール奏法:マレットを高速で往復させ、音を持続させる
- ダンピング:手やマレットで音を止めて、音の長さや表情をコントロール
2-3. 演奏表現
- 音の強弱、打点、マレットの種類、手首の角度を組み合わせることで、柔らかい響きから迫力のある低音まで多彩な表現が可能
🎵 3. 難易度
初級者向け
- 音を出すこと自体は比較的容易
- 片手1〜2本マレットで簡単なメロディを演奏可能
- 音程やリズムを正確にする練習が主
中級者向け
- 4本マレット奏法で和音・アルペジオ演奏
- ロールやグリッサンドを取り入れた表現
- 低音と高音をスムーズに演奏するための手の運動範囲の習得
上級者・プロ向け
- 大型マリンバでの複雑な和音・連打・アルペジオ演奏
- 高度な表現力:音量・音色・持続時間を正確にコントロール
- オーケストラやソロ演奏での演奏表現力
- 長時間演奏での体力・手首・腕の負担も考慮する必要
有名な奏者
1. クラシック・現代音楽で活躍する奏者
🎵 1-1. ケネス・コルボーン(Kenneth C. K. Corbin)
- 国籍:アメリカ
- 特徴:マリンバのソロ奏者として有名、幅広いクラシック曲・現代作品を演奏
- 活動:国際マリンバコンクールの審査員、教育者としても活躍
🎵 1-2. サンドラ・ネルソン(Sandra Nelson)
- 国籍:アメリカ
- 特徴:ソロ・室内楽・オーケストラの演奏に精通
- 活動:教育機関で後進育成、国際的なマリンバコンクールで活躍
🎵 1-3. カルロス・ニノ(Carlos Nino)
- 国籍:メキシコ
- 特徴:現代音楽、民俗音楽の融合演奏で知られる
- 活動:国際的コンサートツアー、録音多数
2. ジャズ・ポピュラー音楽で活躍する奏者
🎵 2-1. ガボール・ザボ(Gabor Szabo)
- 国籍:ハンガリー
- 特徴:ジャズ、ラテン音楽、即興演奏でマリンバを活用
- 活動:ジャズコンボや録音で幅広く活躍
🎵 2-2. ローレンス・ウィンター(Lawrence Winter)
- 国籍:アメリカ
- 特徴:マリンバをジャズやフュージョンのリズム楽器として使用
- 活動:即興演奏、現代音楽との融合プロジェクト

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
マリンバの 新品/中古モデルのラインナップと価格相場 を整理しました。楽器選びのご参考になれば幸いです。
✅ 代表的な新品モデル(参考価格付き)
以下、各モデルの特徴と価格感です:
- YAMAHA Concert Marimba YM‑6100:プロ仕様の5オクターブ・ローズウッド材モデル。価格は 約 ¥2,337,500 という国内販売例があります。
- ADAMS Concert Marimba AD‑MCKF43:コンサートシリーズ。価格例として 約 ¥2,003,100 という日本国内販売も確認されています。
- Korogi Marimba UM3000CF:国内ブランド中級〜プロ仕様の例。価格の参考値は 約 ¥1,711,050 です。
- Korogi 教育用マリンバ 650R:教育用・入門モデルの代表。価格 約 ¥372,000 という例があります
- Saito マリンバ MS3300 C‑C4オクターブ:やや音域が狭めの中級モデル。価格の掲示例で 約 ¥280,000 がありました(中古掲示価格)ですが、新品としてもこのあたりの価格帯からブランド・仕様で上がることがあります。
- Soniccouture GRAND MARIMBA (ソフト音源):実物ではなく、マリンバの音色を収録した「ソフト音源」。価格 約 ¥19,000。実物楽器の代わり・練習用など補助的な用途です。
📊 中古・市場全体の価格相場傾向
- 国内新品価格を見てみると、高級・プロ仕様では ¥1,000,000〜¥3,000,000超 が普通の価格帯です。
- 教育用・入門モデルでは 数十万円〜数百万円 の範囲。例えば ¥372,000 の教育用モデル例あり。
- 中古市場では、ブランド・仕様・状態によってかなり価格帯が広がっています。例えば、ある中古品では 約 ¥330,000 という例もあります
- 海外ブランドのセール例では「5オクターブモデルで US$15,000 程度(為替や輸入費用別)」。
🧐 購入時のチェックポイント・価格差が出る理由
- 音域・鍵盤数/オクターブ数:音域が広いモデル(4.5〜5オクターブ以上)は価格が上がります。
- 材質/音板材・共鳴管材質:ホンジュラス・ローズウッド等高級木材を使った音板・高品質共鳴管を備えたモデルは価格が高くなります。
- ブランド/製造国/仕様:国内ブランド/海外ブランド、輸入仕様、カスタム仕様などが価格に影響。
- 状態/メンテナンス歴(中古):中古品ではバーの摩耗・共鳴管やフレームの状態・音質劣化・整備歴が価格に反映されます。
- 付属品・輸送・設置費用:大型楽器ゆえに運搬・設置費用も無視できません。
- 用途:学校用・家庭用とプロ用では要求仕様が異なり、仕様を満たすものほど価格が高くなります。
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