チューバはオーケストラで使われる楽器の一つです。バルブのシステムによって、ピストン式とロータリー式に分かれ、さらにピストン式には、トップアクション式とフロントアクション式があります。金管楽器で長い歴史があります。金管楽器の中では最も大きく、最も低い音域を担う楽器です。この楽器を発明したのはドイツ人の軍楽隊長ヴィルヘルム・ヴィープレヒトと楽器製作者のヨハン・ゴットフリート・モーリツです。
起源と歴史
ヨーロッパでこの楽器は生まれました。ベルではなくクラリネット、ファゴット、ユーフォニアム、フルート、トランペットなどのパートの楽器の仲間。奏者は全体で最低の低音を活かす奏法をします。活躍できますが大きいので支えるのが大変です。バンドでも必要になることがあります。
1. 起源
- チューバは金管楽器ファミリーの中で、最も低音域を担当する楽器です。
- それ以前、オーケストラや軍楽隊では オフィクレイド(Ophicleide) や バス・トロンボーン が低音担当として使われていました。
- 19世紀初頭、低音金管の役割を果たす新しい楽器の必要性が高まります。
2. 現代チューバの誕生
- 1835年、ドイツで Wilhelm Friedrich Wieprecht(ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヴィープレヒト)と Johann Gottfried Moritz(ヨハン・ゴットフリート・モリッツ)が バスチューバ(Bass Tuba) を発明。
- これは現代のチューバの基礎となる設計で、管の巻き方やバルブ(ピストン/ロータリー)の構造が初めて実用化されました。
- バスチューバの登場により、オフィクレイドに代わって低音金管の主要な役割を担うようになります。
3. 発展と普及
- 19世紀後半:オーケストラや軍楽隊で広く採用されるようになり、ベルの向きや管体の巻き方、バルブ形式の改良が進む。
- 20世紀初頭:アメリカやフランスでも改良型チューバが開発され、クラシック音楽、吹奏楽、ブラスバンドなどで標準的な低音楽器となる。
- 現代では、F管、E♭管、B♭管、C管など用途に応じた多様なチューバが存在し、吹奏楽・オーケストラ・マーチングバンドなどで不可欠な楽器となっています。
開発会社
現在世界では多数のチューバ製造メーカーが存在します。
| 社名 | 国 | 特徴 |
| YAMAHA | Japan | 日本の有名なメーカーで多くのプレイヤーに愛されています。 |
| Alexander | Germany | 200年以上の歴史を誇るドイツの老舗メーカー。 |
| Willson | Switzerland | 精密な楽器を開発できるメーカーです。 |
| B&S | Germany | 世界最大級の楽器メーカーです。 |
| BESSON | United Kingdom | イギリスの伝統的なメーカー |
| Meinl Weston | Germany | 200年以上の歴史を誇るドイツの老舗メーカー。 |
特徴と構造、サイズ
1. 特徴
- 低音域担当
- 金管楽器の中で最も低音を担当。オーケストラや吹奏楽では音楽の土台・根音を支える重要な役割。
- 音色
- 太く豊かで深みのある音。柔らかく温かい響きから、パワフルな低音まで表現可能。
- 演奏方法
- マウスピースに唇を振動させて音を出す(バズ奏法)。
- ピストンバルブやロータリーバルブで音程を変える。
- 演奏感
- 大型のため、息の量と肺活量が重要。重量もあるので体格に応じた演奏姿勢が必要。
2. 構造
2-1. マウスピース
- 大口径で唇の振動をしっかり管内に伝える形状。
- 音色や吹きやすさに大きく影響する。
2-2. 管体(チューブ)
- 非常に長い管を複数巻いてコンパクト化。
- 管の形状は 円錐形(conical bore) が基本で、太く温かい音を生む。
2-3. バルブ
- ピストンバルブ:上下運動で管長を変え音程調整
- ロータリーバルブ:回転式で音程調整、ヨーロッパ系オーケストラで多用
- バルブの種類によって演奏感や音の反応速度が変わる
2-4. ベル
- 管の末端で大きく開いた部分。
- 音を響かせて放出する。ベルの直径が大きいほど低音の響きが豊かになる。
3. サイズ
| 項目 | 標準的な目安 |
|---|---|
| 管長 | 約5〜5.5 m(B♭管の場合)※巻き管でコンパクト化 |
| ベル直径 | 約40〜50 cm |
| 全高 | 座奏で約1.2 m〜1.4 m(マーチング用はコンパクトに設計) |
| 重量 | 約10〜15 kg(モデルにより軽量版もあり) |
| 調性(キー) | F管、E♭管、C管、B♭管など複数タイプ |
種類について詳細
1. 調性(キー)による種類
チューバは音域や用途に応じて、さまざまな調性(キー)があります。主な種類は以下の通りです。
| 調性 | 音域 | 用途・特徴 |
|---|---|---|
| B♭管(B♭ tuba) | 低音域で最も一般的 | 吹奏楽やブラスバンドで標準的に使用。初心者からプロまで幅広く利用 |
| C管(C tuba) | B♭管より半音高め | オーケストラで多く使用される。ピッチが安定しソロにも適する |
| E♭管(E♭ tuba) | B♭管より1オクターブ下寄り | 高音域をカバー、オーケストラや吹奏楽で使用されることが多い |
| F管(F tuba) | E♭管より高めで柔らかい音色 | クラシックオーケストラ向き。音が明瞭でソロやアンサンブルに向く |
| G管(G tuba) | 小型で高音域 | 学習用や小規模アンサンブル向き |
※調性が変わると管の長さや巻き方が異なり、音域や音色も微妙に変化します。
2. 構造・バルブ方式による種類
2-1. バルブ形式
- ピストンバルブ(Stempel valve / Piston)
- 上下運動で音程を変えるタイプ。主にアメリカやイギリスで多用。
- 反応が早く、吹奏楽やマーチングバンドに適する。
- ロータリーバルブ(Rotary valve)
- 回転運動で音程を変えるタイプ。ドイツ・オーストリア・フランスで多用。
- 音が滑らかで、クラシックオーケストラに適する。
2-2. ボディ形状・演奏スタイル
- コントラバスチューバ
- 非常に低音域のモデル。オーケストラで低音の土台に使用。
- マーチングチューバ(Sousaphone)
- 肩に担いで演奏可能な形状。マーチングバンドで使用。ベルが前方または上方に向く。
- コンパクト型 / 学習用チューバ
- 小型で軽量、学生向けのモデル。ピッチや音域は本物のチューバに近いが取り回しが楽。
3. 用途別の選び方
| 用途 | 推奨タイプ |
|---|---|
| クラシックオーケストラ | C管、F管、E♭管、ロータリーバルブ仕様 |
| 吹奏楽 | B♭管、E♭管、ピストンバルブ仕様 |
| ブラスバンド | B♭管、ロータリーバルブ/ピストンどちらでも可 |
| マーチングバンド | マーチングチューバ(Sousaphone) |
| 学習用・入門 | 小型B♭管、コンパクト型 |

チューバの音色について
Tenor tuba
テナー・テューバは比較的小型のテューバです。
Bass tuba
これらのテューバは管弦楽や吹奏楽における大編成の合奏から独奏に至るまで幅広い用途に用いられています。
Contrabass Tuba
一般的にテューバというとこのコントラバス・テューバを指します。
奏法、難易度
1. 基本奏法
1-1. バズ奏法(唇振動)
- 唇をマウスピースに当てて振動させることで音を発生させます。
- バズの強さや角度、唇の形で音色や音程が変化。
- 息の量・圧力・コントロールが演奏の基礎です。
1-2. バルブ操作
- ピストンバルブまたはロータリーバルブを操作して管長を変え、音程を調整。
- 正確なタイミングでバルブ操作を行うことが重要です。
1-3. アーティキュレーション
- タンギング:舌で音の立ち上がりをコントロール
- レガート:音を滑らかに繋ぐ奏法
- スタッカート:短く切る奏法
- 低音楽器ながら、表現力の幅は広い
1-4. 高度な奏法
- マルチファンガー奏法:複数のバルブを組み合わせ、半音や半音階を正確に演奏
- ハーモニクス奏法:倍音を利用して高音域を出す
- ピッチベンド/クレッシェンド:息圧で微妙な音程変化や音量変化を表現
2. 難易度
| レベル | 内容 |
|---|---|
| 初心者 | – 基本的な音の出し方(バズ奏法) – 1音〜2音での簡単な旋律や長音練習 – 基本的なタンギング・レガートの習得 |
| 中級者 | – スケールやアルペジオの演奏 – 正確なバルブ操作で低音域の安定 – 基本的なアーティキュレーション(スタッカート、レガート) |
| 上級者 | – 高度なテクニック(ハーモニクス、ピッチベンド、トリル) – オーケストラ・吹奏楽でのソロ演奏 – 音色やニュアンスのコントロールを高度に表現 |
有名な奏者
1. クラシック/オーケストラ系
- ロジャー・ビーヴァン(Roger Bobo)
- アメリカ出身の世界的チューバ奏者
- ソロ演奏、オーケストラ演奏両方で活躍
- 教育者としても有名で、多くのチューバ奏者を育成
- アーネスト・トムリンソン(Ernst Tomlinson)
- ドイツ出身のロータリーバルブチューバ奏者
- オーケストラでのクラシック演奏に精通
- ユルゲン・フリードリヒ(Jürgen Friedrich)
- ドイツ・オーストリアのオーケストラで活躍
- ロータリーバルブ式チューバの名手
2. ブラスバンド/吹奏楽系
- ユリウス・アイクル(Julius Eichler)
- ドイツ・ブラスバンドの第一人者
- ロータリーバルブチューバを駆使した技巧派
- サミュエル・グッドマン(Samuel Goodman)
- アメリカのブラスバンド・吹奏楽で活躍
- ピストンバルブチューバで多くの演奏を残す
3. ジャズ/ポピュラー系
- アービン・ウェブスター(Howard Johnson)
- ジャズやポップスで活躍するチューバ奏者
- ジャズオーケストラの低音担当として有名
- チューバをソロ楽器としても使用
- ドン・リチャードソン(Don Richardson)
- ジャズチューバのパイオニア
- 即興演奏に優れ、現代ジャズシーンに貢献

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
「チューバ(Tuba)」の 新品/中古製品のラインナップと価格相場 を、国内・海外の情報を整理してご紹介します。楽器選びの参考にしてください。
✅ 新品のラインナップと価格例
以下は国内で新品として流通しているモデルの一部です。
YAMAHA YBB‑641II:国内価格例で ¥881,100(税込)。国内正規新品価格として最上位クラス。
YAMAHA YBB‑321II/B:価格例 ¥613,800。プロ/セミプロ仕様として中上位モデル。
YAMAHA YBB‑201II:価格例 ¥475,200。演奏用途を想定したモデル。
YAMAHA YBB‑105:価格例 ¥386,100。より入門~中級者向けの新品モデル。
J.Michael TU‑2000:価格例 ¥184,800。コストを抑えた中級モデル。
PLAYTECH PTBB‑100GD:価格例 ¥158,000。プラスチック製で軽量、初心者・学生向け。
(参考モデル) ハイブリッド素材仕様やプラスチック素材仕様のモデルも見られ、価格はさらに手頃なものも存在。
新品相場の目安として:
- 初心者~入門モデル:約 ¥150,000〜¥300,000 程度
- 中級~セミプロ仕様:¥300,000〜¥600,000 程度
- プロ仕様・ハイエンド:¥600,000〜¥1,000,000以上も。 e.g., YBB‑641II が ¥881,100。
中古品のラインナップと価格相場
中古市場では、ブランド・仕様・状態・輸入/国内流通などで価格幅がかなりあります。
- 海外の楽器ブログでは「学生用チューバ(Student tubas)は $3,500〜$5,000 が典型的価格」という記述があります。
- 日本国内の中古楽器店では、かなり手頃な価格の入門・練習用モデルも出ており、「中古チューバでも数十万円〜」という実例があります。
- 例:国内通販サイトで新品新品価格として PLAYTECH のモデルが “¥128,000” という表記あり。
- 中古輸入情報:米国の中古/ユーズド市場では “Used Tuba” で$500〜$1000 程度の非常に安価なモデルもリストされています。
中古の価格目安
- 初心者・入門仕様中古:約 ¥100,000〜¥250,000 程度(海外換算だと数千ドルという例も)
- 中級仕様中古:約 ¥250,000〜¥500,000 程度
- プロ仕様・ブランド仕様中古:**¥500,000以上〜**ということも。
- 状態・付属品・メンテナンス歴が価格に大きく影響。バルブ動作・ロータリー/ピストンの調整具合・管体・ベルの傷・修理歴などを要チェック。
これから楽器を買いたいなら
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