オルガンは紀元前3世紀に北アフリカ地方で発明された水圧オルガンにさかのぼります。非常に歴史の長い楽器であり、オーケストラで使われる楽器として知られています。オルガンはピアノと違って、鍵盤を押すだけでは音が鳴りません。音を奏でるためには、足でペダルを踏んで空気を送る必要があります。そのため奏者は鍵盤を弾くだけではなく、足でペダルを踏んで操作しなければならないのです。
起源と歴史
ヨーロッパでこの楽器は生まれました。弾きながらスイッチでき、両足のボタンひとつで大きく音が鳴ります。動画などもYoutubeでたくさんみれます。フルートやクラリネット、弦楽器などとともにコンサートでメインとなる楽器です。
1. 古代の起源(紀元前3世紀頃)
- 発祥地:古代ギリシャ
- 原型楽器:水オルガン(ハイドラウリス)
- 水圧で空気を送り、パイプを鳴らす仕組み
- スポーツ競技場や宮廷で使用
- 名称の由来:ギリシャ語「organon(器具・道具)」
- 音を出す装置としての意味
2. 中世(9〜15世紀)
- 用途:主に教会で宗教音楽に使用
- 特徴:
- 初期のパイプオルガンは小型で単音のみ
- 鍵盤操作の導入により複数音の同時演奏が可能に
- 発展:
- ヨーロッパ各地の大聖堂で設置されるようになる
- 音色や音量を調整するストップ機構の原型が登場
3. ルネサンス〜バロック期(16〜18世紀)
- パイプの増加と音色の多様化
- 用途:教会音楽、宮廷音楽、ソロ演奏
- 有名奏者・作曲家:
- ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685–1750):前奏曲、フーガ、トッカータなど
- ディートリヒ・ブクステフーデ(1637–1707):北ドイツ・オルガン楽派
4. 近代(19〜20世紀)
- 大型化:教会・劇場・コンサートホール向けのパイプオルガン
- 電気・電子オルガンの登場
- 音源を電気的に再現
- 小型化や価格低下を実現
- 教会や家庭でも利用可能に
5. 現代
- 用途:教会・コンサートホール・学校・家庭など
- 種類:パイプオルガンと電子オルガンが併存
- 古楽復刻演奏:ルネサンス・バロック期の楽器を復元して演奏される
開発会社
現在世界では多数のオルガン製造メーカーが存在します。
| 社名 | 国 | 特徴 |
| Allen Organ | United States | 電子オルガンではパイオニア的存在の老舗メーカー。 |
| Earl Bone | Germany | オルガン奏者にとても支持されているメーカー。 |
| YAMAHA | Japan | 日本の総合楽器メーカーでとても品質の高い製品を作っています。 |
| Hammond Organ | United States | パイプ・オルガンの代用品として世に現れ、世界中で礼拝などに活躍した楽器。 |
| Hofrichter | Germany | 教会でもかなり設置されているオルガン。 |
特徴と構造、サイズ
1. 音色
- 音域が非常に広く、低音から高音まで多彩な音色を持つ
- パイプやストップにより、金管風・弦楽風・フルート風など様々な音色を再現可能
- 音量は柔らかいものから非常に大きいものまで対応
- 教会音楽やコンサートホール音楽で、伴奏・独奏・合奏どれにも使用可能
2. 用途
- 宗教音楽:ミサ・礼拝での伴奏
- コンサート:ソロ曲やオーケストラとの共演
- 教育:学校や音楽院での演奏・教育
A. 基本構造
| 部位 | 特徴 |
|---|---|
| 鍵盤(マニュアル) | 人間が操作する鍵盤、一般的に2〜4段のマニュアルがある |
| ペダル鍵盤 | 足で演奏する鍵盤、低音域を担当 |
| パイプ | 音源となる管、材質や形状で音色が変化 |
| ストップ | 音色を切り替える操作レバー、各パイプの組み合わせを調整 |
| 風箱(ブロワー) | 空気をパイプに送り込む装置、手動または電動 |
| アクション | 鍵盤とパイプを連結する仕組み(機械式、電気式など) |
B. パイプの種類
- フルート系:柔らかい音色
- リード系:オーボエやクラリネットのような音色
- 弦楽風:弦のように明るい倍音を持つ音色
- ティンパニやファンファーレ風:劇場・オルガン用の特殊パイプ
📏 サイズ
1. 教会・コンサート用パイプオルガン
- 高さ:2〜20 m以上(大規模な教会・ホール)
- パイプ数:数百本〜数千本
- 音域:ペダル鍵盤含め、低音C1〜高音C7まで可能
- マニュアル:2〜4段が一般的
2. 家庭用電子オルガン
- 高さ:約1 m
- 鍵盤:1〜2段、ペダル鍵盤はオプション
- パイプは電子音源で再現
- 音色や音量はボリューム・スピーカーで調整可能
種類について詳細
「オルガン」の種類について詳しく整理します。オルガンは構造や用途、音源方式によって多様な種類があります。
1. パイプオルガン(Pipe Organ)
- 概要:空気をパイプに送り込んで音を出す伝統的なオルガン
- 特徴:
- 音色が豊かで表現力が高い
- 教会・大ホールなどの大規模演奏に最適
- 鍵盤の段数やペダル鍵盤の有無で多様な音楽表現が可能
- サブタイプ:
- 教会オルガン(Church Organ):礼拝や宗教音楽用、大型で荘厳な音色
- コンサートオルガン(Concert Organ):演奏会用に設計、音量・音色が多彩
- 小型ポジティフ・オルガン(Positive Organ):小規模教会・家庭用、移動可能
2. 電子オルガン(Electronic Organ)
- 概要:電子音源やスピーカーでオルガン音を再現
- 特徴:
- 小型・低価格で家庭や学校で使いやすい
- 音色や音量の切替が容易
- ペダル鍵盤はオプションのことが多い
- 用途:教育・練習・小規模演奏
3. ハイブリッドオルガン(Hybrid Organ)
- 概要:パイプオルガンと電子音源を組み合わせたモデル
- 特徴:
- パイプオルガンの自然な音色と電子オルガンの操作性を両立
- 大ホールや教会での使用に最適
4. リードオルガン(Harmonium / Reed Organ)
- 概要:風箱から空気を送り込み、リード(金属板)を振動させて音を出す
- 特徴:
- 小型で持ち運び可能
- 教会や家庭での伴奏に使用
- 音色は柔らかく温かみがある
5. その他の特殊オルガン
- ポジティフオルガン(Portative Organ):小型で携帯可能、ルネサンス期に使用
- チェンバーオルガン(Chamber Organ):室内用、コンサートやアンサンブル用
- バロックオルガン(Baroque Organ):ルネサンス〜バロック期の様式を再現

オルガンの曲
オルガンはクラシック音楽や教会音楽における定番の楽器です。またアニメや映画、ゲームなどでも頻繁に使用されることから広く知られている楽器なのです。
奏法、難易度
1. 基本奏法
- 鍵盤操作
- 両手でマニュアル鍵盤(手用)を演奏
- 足でペダル鍵盤(低音用)を操作
- ストップ操作
- ストップ(レバー・ボタン)でパイプや音色の組み合わせを選択
- 音色や音量を調整して表現力を変える
- 音量・強弱
- パイプオルガンは鍵盤の打鍵力で強弱を変えられない場合が多い
- 表現は主にストップの切り替えやリズム・アーティキュレーションで行う
2. 表現技法
- フレージング:旋律の区切りやつなぎ方を意識
- アーティキュレーション:音を短く切る、滑らかにする
- ペダルとの連携:低音をペダルで補強、両手と両足の独立演奏
- 装飾音:トリル、モルデントなどのルネサンス・バロック技法
3. 難易度
| レベル | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| 初級 | 単純なメロディ演奏、片手鍵盤のみ | ★☆☆☆☆ |
| 中級 | 両手鍵盤+簡単なペダル演奏、基本的なストップ操作 | ★★☆☆☆ |
| 上級 | 複雑なマニュアル+ペダルの同時演奏、ストップの切り替えによる音色操作 | ★★★★☆ |
| プロフェッショナル | バロック・古典曲の完全再現、表現豊かなペダル演奏、複数マニュアルの操作 | ★★★★★ |
ポイント
- 両手両足の独立操作がオルガン最大の難関
- 表現は鍵盤の強弱ではなく、音色(ストップ)と演奏技術で行う
- 大型パイプオルガンほどストップやマニュアルが増え、操作の複雑さが増す
💡 習得のコツ
- 片手ずつ練習 → 両手演奏 → ペダル連携
- ストップの組み合わせを覚え、音色の変化を理解
- フレーズとリズムに注意し、足鍵盤とのタイミングを正確にする
- 古楽曲は装飾音やアーティキュレーションに慣れる
有名な奏者
1. バロック〜古典期の作曲家兼奏者
- ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685–1750)
- ドイツ・バロック期
- オルガン作品の作曲家として世界的に有名
- 「前奏曲とフーガ」「トッカータとフーガ ニ短調」など多数
- 教会オルガン奏者としても活躍
- ディートリヒ・ブクステフーデ(1637–1707)
- 北ドイツ・オルガン楽派の代表
- 後のバッハに大きな影響を与えた
- ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685–1759)
- オルガン協奏曲を作曲
- 作曲家としてもオルガン演奏の名手
2. 近現代の著名奏者
- マルセル・デュプレ(Marcel Dupré, 1886–1971)
- フランス・パイプオルガン奏者
- 卓越した即興演奏と高度な技術で知られる
- ルイジ・フェルランディ(Luigi Ferdinando Tagliavini, 1929–2017)
- イタリア・古楽オルガン奏者
- 古典オルガン作品の復元演奏で有名
- ギルバート・フランソワ(Gilbert Francois)
- 現代フランスのコンサートオルガン奏者
- 教会音楽・コンサート両方で活躍

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
「オルガン(パイプオルガン/デジタルオルガンを含む)」の新品・中古の製品ラインナップと価格相場を整理します。かなり価格帯の幅が広く、用途・仕様・規模(マニュアル数/ストップ数/パイプ数など)によって大きく変動します。
🛒 製品ラインナップ/価格例(新品・デジタル含む)
いくつか実例を出します。
- 新品デジタルオルガン:英国の楽器店で「2マニュアル/24ストップ」仕様のデジタルクラシカルオルガンが £ 3,579~(約 ¥60万円前後)で出ています。
- もう少し仕様を上げたデジタルモデルで「2マニュアル/36ストップ」仕様が £ 10,999(約 ¥180万円前後)で出ています。
- デジタルオルガン・ホーム用モデルとして、英国メーカーの 「Sonus 40」仕様が £ 12,900(約 ¥210万円前後) など。
- パイプオルガン新品・中規模教会向けとして、数十万ドル/数百万円~という記載もあります。例えば「小〜中規模教会用のパイプオルガンで $200,000 ~ $850,000 程度」という目安あり。
- 中古パイプオルガンの出品例として、米国の中古オルガンが “$20,000”~ “$100,000” 程度という価格帯も。
📊 価格相場の目安
| 用途・仕様 | 目安価格(新品/導入コスト) | 備考 |
|---|---|---|
| 小規模/入門デジタルオルガン(1〜2マニュアル/少ストップ) | 約 ¥100万円~¥300万円 程度 | 仕様を抑えたデジタルモデル |
| 中規模デジタルオルガン(2〜3マニュアル/中ストップ数) | 約 ¥300万円~¥500万円 程度 | 上位仕様モデル |
| 中規模教会用パイプオルガン(相当な仕様) | 約 $200,000~$850,000(約 ¥3000万円~¥1億円弱) | パイプ式、かなり大規模仕様 |
| 大規模/特注パイプオルガン | 数百万ドル(数億円)にも及ぶケースあり | 建築規模・音響・パイプ数で価格急増 |
| 中古パイプオルガン | “$20,000~$100,000”(約 ¥300万円~¥1500万円)程度から | 状態・移設・仕様により幅大 |
✅ 購入時の注意点
- パイプ式オルガンは設計・施工・場所の音響・インストール費用も含めるとかなりのコストになる。
- デジタルオルガンは本体価格に加え、スピーカー・アンプ・音響設備・納入設置費用が必要。
- 中古の場合、移設費・調整費・修理・コンソールの更新など追加コストあり。
- 導入後の維持費(パイプの調律・風箱や機構のメンテナンス)にも注意。
- 用途(教会・ホール・家庭)・予算・仕様(マニュアル数・ストップ数・パイプ数など)を明確にすることが重要
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