ネオソウルとは?日本人アーティストは?おすすめ音楽ジャンルの最新版をまとめて解説.ネオソウルミュージックは特徴としてソウルミュージックの要素があり1980年代から1990年代音楽で流行するようになっている新ジャンルです。
ネオソウルとは?
ネオソウルは1970年代あたりに発祥したR&Bの派生ジャンルとされています。アメリカやイギリスでは1980年代から1990年代ごろにとてもヒットしました。ネオソウルの音楽性は幅広く、R&B以外にもジャズやファンク、ヒップホップやキーボードなども融合されており、多数のジャンルがミックスされています。
エレクトロニック音楽、さらにはフュージョンやアフリカン・ミュージックの要素も取り入れられており、幅広いジャンルともいえます。このジャンルは2000年代に全盛期を迎え、有名アーティストによってかなり認知されました。ネオソウルは他ジャンルとの差別化が明確にされていないため、非常に線引きが難しいジャンルです。しかも多数のジャンルと融合しているため、定義が難しいのです。
1. 音楽的特徴
- リズムとグルーヴ
- スロー〜ミディアムテンポが中心
- ドラムやベースは生演奏感が強く、ジャズやファンクの影響を感じさせる
- スイング感のあるグルーヴを意識
- メロディ・ハーモニー
- ジャズやソウル由来の複雑なコード進行を使用
- ボーカルは感情的で表現力が豊か、ビブラートやフェイクを多用
- サウンドの特徴
- 生楽器(ギター、ベース、ピアノ、ホーン)中心
- シンセやプログラミングも使用されるが、全体として温かみやオーガニック感を重視
- ローファイ感や録音の温かみを大事にすることも多い
2. 歌詞・テーマ
- 愛、孤独、人生観、社会問題など、内面的で深いテーマが多い
- 「心に寄り添う」「感情に訴える」表現が中心
- ポジティブ/ネガティブ両方の感情を繊細に描写
3. 代表的アーティスト(海外)
- Erykah Badu – ネオソウルの女王的存在
- D’Angelo – 『Brown Sugar』『Voodoo』でジャンル確立
- Lauryn Hill – ヒップホップとネオソウルの融合
- Maxwell – スムーズで感情豊かな歌声
- Jill Scott – ジャズ・詩的表現を取り入れた歌唱
音楽的特徴
ネオソウルの音楽的特徴をもう少し詳しく整理します。イベントでも使用されるので知っている方は多いです。制作についてチェックです。
1. リズム・グルーヴ
- スロー〜ミディアムテンポ
- BPMはおおむね60〜100程度
- ゆったりしたグルーヴで、リスナーに落ち着きや余韻を与える
- 生演奏感の強いリズム
- ドラムやベースは生音中心
- ファンクやジャズ由来のスウィング感・ゴーストノートを活用
- 打ち込みの場合も「揺れ」や「ニュアンス」を意識して自然に
- ポリリズムやグルーヴの変化
- リズムのアクセントや変拍子で独特の浮遊感を出す
2. ハーモニー・コード進行
- ジャズ・ソウル由来の複雑なコード
- 7th, 9th, 11th, 13thコードなどを多用
- トライアド(3和音)だけでなく、テンションを効かせた和音で深みを演出
- モーダル進行や転調
- キーの変化やモードの切り替えで曲にドラマを付加
- 感情の浮き沈みを音で表現
3. メロディ・ボーカル
- 表現力の豊かさ
- ビブラートやポルタメント(音の滑らかな移動)を多用
- メロディラインはジャズ的に装飾音や自由度が高い
- フェイク・アドリブ
- ボーカルが即興的にメロディを変化させる「フェイク」や装飾が特徴
- 感情やストーリーを音で伝える手法
4. サウンド・テクスチャー
- 生楽器中心
- ギター、ベース、ピアノ、ホーン、ストリングスなど
- シンセは控えめ、オーガニックな質感を重視
- 温かみ・アナログ感
- ローファイ感や録音時の空気感を残す
- 過剰なデジタル加工は避け、ナチュラルな音色を大事にする
- レイヤー感の演出
- 背景のパッドやストリングスで空間を作り、ボーカルやリズムが浮き立つ
5. 楽曲構造・アレンジ
- 自然な起伏
- 曲全体のクライマックスを作るより、感情の揺れを細かく表現
- Aメロ/Bメロ/サビの形式はあるが、ジャズ的な自由度が高い
- イントロ/間奏/アウトロの重視
- 空間演出や余韻を生む間奏、フェードアウトで感情を残す

海外有名アーティスト
有名な注目の代表アーティストの情報を一覧で紹介します。エリカ・バドゥ、ディアンジェロの演奏を筆頭にサウンドやビート、シンセサイザーの音色に特徴があります。現在のシーンに影響を与えたアーティストも多いです。現代のポップ、ソウルミュージックの楽曲にも多様に影響を与えています。90年代の時代の黒人ボーカルのスタイルがとても音楽性に影響を与えています。当時は活躍しているプロデューサーも多数いました。
D’Angelo
アメリカのバージニア州出身シンガー。1995年にリリースしたファーストアルバム『Brown Sugar』が大ヒットしました。2000年にはセカンドアルバム『Voodoo』でグラミー賞最優秀R&Bアルバムを受賞しています。
Erykah Badu
アメリカのテキサス州出身のアーティスト。1997年のデビューアルバム『Baduizm』ではグラミー賞を受賞。ジャズやファンクを始めヒップホップなどを混ぜた音楽が流行し、一躍有名アーティストになりました。
Frank Ocean
アメリカのルイジアナ州出身のシンガー。2012年発売のファーストアルバム『Channel Orange』ではグラミー賞を受賞。ソウル、ヒップホップにポップミュージックなどを融合した音楽を製作しており、幅広いファンを獲得しています。
日本のネオソウルシーンにおける注目アーティスト10選
日本のネオソウル(Neo‑Soul)シーンで注目されている/重要なアーティストを、10人(+バンド)選んで紹介します。ジャンル境界が曖昧な部分もありますが、ネオソウル寄り・影響を受けたアーティスト中心に整理しました。
日本のネオソウル注目アーティスト 10選
- Nao Yoshioka
- 大阪出身の実力派ソウル/ネオソウル・シンガー。力強くも繊細な声とモダンなソウルサウンドが特徴。
-シングル「Tokyo 2020」など、自己表現と内省のある楽曲が評価されている。
- 大阪出身の実力派ソウル/ネオソウル・シンガー。力強くも繊細な声とモダンなソウルサウンドが特徴。
- 大和田慧(Satoshi Owada)
- シンガーソングライター兼ネオソウル系表現者。映画的なソングライティングをもち、EP「LIFE」はジャジーかつ情緒的。
- Emerald
- ジャズ、ネオソウル、AORを融合させた日本のバンド。タワーレコードの特集でも21世紀ネオソウルの代表として取り上げられている。
- luv
- “フューチャー・ソウル”を掲げる新進バンド。ACID JAZZ やネオソウルからの影響が強く、ミニアルバム『Already』が注目されている。
- Kroi
- ジャズ/ソウル感の強いサウンドを持ち、ネオソウルとの相性も非常に良い。特集でも名前が挙がっている。
- Roomies
- ソウル・R&B要素を取り入れたモダンなバンド。ネオソウル・文脈でも取り上げられており、曲「ECHO」などが評価されている。
- SPENSR
- スムースなR&B/ネオソウル寄りサウンドを持つアーティスト。タワーレコードの21世紀ネオソウル特集でも紹介。
- Doona
- ソウル、ネオソウル、R&Bなどを横断する表現をするアーティスト。特集ページにおいて “Humanistic Psychology” などが取り上げられている。
- HALLEY
- ネオソウル/フューチャーソウルのムードを持つシンガー。タワーレコードの最新特集でも “From Dusk Till Dawn” などの楽曲で名前が挙がっている。
- BREIMEN
- ソウル、ネオソウル、ジャズなどをミックスしたバンド/アーティスト。特集では “AVEANTIN” などが紹介され、今後のシーンで注目されている。
💡 補足・ポイント
- ジャンル融合が非常に強い:日本のネオソウル・アーティストは、ジャズ、ファンク、AOR、アシッドジャズなどとのクロスオーバー表現が特徴的。
- 若手+バンドの比率が高い:ネオソウルは個人シンガーだけでなく、バンドとして活動するグループも多く台頭してきている。
- リスナー層:R&B/ソウル好きはもちろん、ジャズやブラックミュージック全般を横断するリスナーから支持されている。
ネオソウルの魅力と日本における影響
ネオソウル(Neo-Soul)の魅力と、日本における影響を整理します。
1. ネオソウルの魅力
① 感情表現の深さ
- ボーカルのビブラートやフェイク、微妙な音程の揺れによって、歌詞の感情を強く伝える。
- 愛、孤独、自己内省など、人間の内面に深く訴えかける表現が可能。
② 音楽的な温かみ・生演奏感
- 生楽器(ギター、ベース、ピアノ、ホーン)を中心にしたアレンジで、デジタル音楽に比べて「温かみ」や「奥行き」を感じやすい。
- ジャズ・ファンク・R&Bの影響を受け、演奏のニュアンスが聴きどころ。
③ 自由度の高い構造
- ポップスの定型構造に縛られず、曲中の間奏や転調、リズムの変化を自由に使う。
- アーティストが即興的にメロディやフレーズを変えるフェイクが多く、ライブでも表情豊かに変化する。
④ ジャンルの融合
- ジャズ、ファンク、ヒップホップ、R&Bなど、ブラックミュージック全般を柔軟に融合。
- 聴く人に「新しさ」と「懐かしさ」を同時に感じさせる魅力がある。
2. 日本におけるネオソウルの影響
① J-POPやR&Bへの影響
- 宇多田ヒカル、MISIA、AIなどのアーティストにネオソウル的表現が見られる。
- 例:MISIAのスローソウル楽曲はボーカル表現と生楽器感がネオソウル寄り。
- ネオソウルの感情表現や演奏の温かみは、J-POPに新しい深みを与えた。
② 若手アーティストやインディーシーン
- 近年のNao Yoshioka、luv、Emeraldなどのアーティストは、ネオソウルを基軸にした作品でシーンを活性化。
- SoundCloudやYouTubeを通じたネット発信が増え、都市部のクラブやライブハウスで若手ファン層に支持されている。
③ ライブ文化への影響
- ネオソウルは生演奏・バンド感を重視するため、ライブ体験が非常に重要。
- 日本でも小規模ライブハウスからフェスまで、ネオソウル系アーティストが存在感を示すようになった。
④ ジャンル横断的な創作の土台
- ネオソウルの自由度やジャンル融合性は、ハイパーポップやフューチャーR&Bなど、新世代音楽への橋渡しになっている。
- 若手アーティストが「ネオソウル的感性」を取り入れつつ、デジタル・ポップと融合する例も増加中。
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