民族音楽とは?おすすめ音楽ジャンルの最新版を解説。民族音楽とはとてもニッチなジャンルで、商業音楽の世界ではほぼ需要のない音楽ジャンルとして認識されています。ヒットチャートを見ていればわかる通り、ほとんどの音楽はEDMであったり、ポップスであることが多いです。
民族音楽とは
民族音楽はその地域で開発された楽器などを使用して演奏する音楽です。世界のすべての民族は全部独自の音楽を持っており、独自の楽器を持っています。そんな背景もあることから、民族楽器の数は世界で数えきれないほどあり、専門家でも把握しきれないほどあるのです。
民族音楽楽器はどの楽器もかなり癖がある音色を持っており、それがいい味付けとなり、特徴のとても強い音楽を演出します。しかしその特徴が強すぎる音色を持っていることから、他のジャンルとの融合が難しいという一面も持っており、曲によっては民族楽器を混ぜることで雰囲気を壊してしまうことも良くあります。
1. 定義
- 特定の民族や地域に伝わる音楽で、世代を超えて口承・生活の中で受け継がれることが多い。
- 歌詞や旋律がその民族の文化、風習、宗教、歴史を反映している。
- 近代的な商業音楽や西洋音楽理論に基づかないことが多い。
2. 特徴
- 地域性・民族性
- 音階、リズム、楽器、歌唱法などが地域ごとに特徴的。
- 例:日本の民謡、アフリカのドラム音楽、アイルランドのバグパイプ音楽。
- 口承・伝統
- 教科書や楽譜よりも、口伝や家庭・祭り・儀式で伝えられる。
- 世代を超えた伝承によって形を変えながら継承。
- 生活・儀式との結びつき
- 農作業歌、宗教儀式、祝い事や祭りの音楽など、日常生活と密接。
- 即興性や変化
- 演奏者や地域によって旋律やリズムが少しずつ変化。
- 民族固有の感性や表現方法が反映される。
3. 使用される楽器の例
- 弦楽器:三味線(日本)、シタール(インド)、バラライカ(ロシア)
- 打楽器:ジャンベ(アフリカ)、太鼓(日本・和太鼓)
- 管楽器:尺八(日本)、バグパイプ(アイルランド)
4. 現代への影響
- 現代音楽やポップスに影響を与え、世界音楽(World Music)として国際的に注目。
- 民族音楽のリズムや楽器を取り入れたアレンジが多くのジャンルで使用される。
民族音楽の種類と地域別の特徴
民族音楽は世界各地で独自に発展しており、地域ごとに楽器、リズム、歌唱法、文化的背景が大きく異なります。以下に、代表的な地域別の種類と特徴を整理しました。
1. アジアの民族音楽
- 日本:民謡(津軽じょんがら節、八木節など)、尺八や三味線を用いる。祭りや農作業と密接。
- 中国:二胡や笛子などの伝統楽器を使用。地方ごとに民謡やオペラ(京劇)が発展。
- インド:ラガ(旋律体系)を基盤に、シタールやタブラを用いる。宗教や儀式と密接。
- 特徴:旋律や音階が独特(ペンタトニック、ラガなど)、宗教・儀式と結びつくものが多い。
2. アフリカの民族音楽
- 打楽器を中心にリズム重視の音楽。ジャンベやトーキングドラムなど。
- コーラスや応答形式の歌唱(Call and Response)が特徴。
- 日常生活や祭り、宗教儀式と密接に結びつく。
- 即興性が高く、集団での参加型演奏が多い。
3. ヨーロッパの民族音楽
- アイルランド・スコットランド:バグパイプ、フィドル、伝統舞踊音楽が発展。
- 東ヨーロッパ:チェルノブイリ周辺やルーマニアのジプシー音楽、民謡や舞踏音楽。
- 民謡、舞踏音楽、祝祭音楽として発展。
- メロディやハーモニーが地域ごとに独自で、旋律が装飾的。
4. 中南米の民族音楽
- ブラジル:サンバ、カンドンブレ音楽など、アフリカ音楽の影響を受ける。
- アンデス地方:ケーナやサンポーニャなどの管楽器を用いた山岳民謡。
- 踊りと密接、宗教や祭りの要素が強い。
5. 北アメリカの民族音楽
- アメリカ先住民音楽:ドラムやフルートを中心に、儀式・祭りと結びつく。
- アフリカ系アメリカ人のゴスペルやブルースは、奴隷制度時代の歴史と結びつき、後のジャズやR&B、ヒップホップに影響。
6. オセアニアの民族音楽
- ハワイ:ウクレレやスラックキーギターを用いた伝統音楽。
- ニュージーランド・マオリ族:ハカなどの踊りと歌が一体となった音楽。
- 集団参加型で儀式や祝祭に密接。

民族音楽の需要
民族音楽で使われる楽器はとても癖が強いため、一般的には何らかのイベントで使用されるぐらいのもので、商業音楽の世界ではあまり馴染みがないでしょう。しかし実は意外なところで民族音楽は重宝されているのです。海外でも日本、中国、インドでも社会における芸術の民謡、舞踊にもなっています。伝統音楽は音楽家によって独特の旋律、リズムが刻まれ、それぞれ伝承された形式を持っています。大衆音楽にはない言葉があります。
ポップスとの融合
意外にもポップス音楽と民族音楽の融合された楽曲というものがあったりします。数は限られているものの、民族音楽の楽器の特徴をポップスで取りいれているアーティストもいるのです。有名なのは1990年代に活躍したThe Corrsなど。The Corrsはアイルランドのバンドで、アイルランドの伝統的なケルト・サウンドをモチーフにしてますが、ポップス音楽の世界に取り入れて大人気のバンドになりました。アイルランドのティンホイッスルやバウロンなどを駆使した楽曲がとても多いです。彼らはグラミー賞の最優秀ポップ・パフォーマンス部門にノミネートされ、最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス部門にもノミネートされています。
映画音楽の需要
民族音楽は映画音楽にも需要があります。例えば、歴史の舞台を背景にした映画などは民族などをテーマにした音楽などが多用されます。ほぼ100%BGMだけになってしまいますが、民族音楽が映画を引き立ててくれます。映画音楽の場合は純粋なクラシック音楽だけでなく、民族楽器をうまく融合させて、上手く雰囲気を作っています。昔と比べても映画音楽は純粋なクラシック音楽は減ってきており、他のジャンルと融合させた音楽になってきています。映画の企画次第では楽曲のほとんどが民族楽器だらけになることも少なくありません。
Production Music Library
ヨーロッパとアメリカに限定されるビジネスですが、Production Music Libraryでも民族楽器の需要はとても高いです。Production Music Libraryとは業務用音楽ライブラリーでCM、テレビ、ラジオ、映画会社などが映像作品に音楽を使いたいときにProduction Music Libraryの会社からライセンス契約をして使用料を払う代わりにProduction Music Libraryの会社が持っている100万近くの曲を使うことができるというビジネスです。
このビジネスは欧米諸国にしかないビジネスモデルですが、一部南アフリカやイスラエル、オーストラリアでも需要があります。Production Music Libraryの会社は多用多種なジャンルの音楽を事前に用意したいため、民族音楽を作れる作家などは重宝されるのです。
民族音楽の現代的意義
民族音楽の現代的意義は、単なる「伝統の保存」にとどまらず、文化的・社会的・教育的・芸術的な多面的価値を持っています。整理すると以下の通りです。
1. 文化的・アイデンティティの保持
- 民族や地域の歴史、風習、言語を反映するため、文化の継承に重要。
- グローバル化や西洋音楽の普及に対する地域文化のアイデンティティ確立の手段。
- 例:アフリカや南米の民族音楽は、先住民やアフリカ系コミュニティの文化認知に寄与。
2. 芸術的価値・創造性の源泉
- 現代音楽やポップス、ジャズ、ヒップホップなどに影響を与える。
- 伝統的楽器、リズム、旋律をサンプリングやアレンジに取り入れることで、新しい音楽表現を生む。
- 世界音楽(World Music)の一部として国際的な音楽文化交流に貢献。
3. 教育・研究への貢献
- 民族音楽の研究は、音楽学、人類学、社会学、歴史学など多分野に貢献。
- 学校や地域コミュニティでのワークショップや演奏を通じ、若者の感性・創造力・文化理解を育む。
4. 社会的・コミュニティ的意義
- 祭りや儀式、地域イベントでの演奏は、コミュニティの結束や参加意識を強化。
- 民族音楽を通じて、社会的メッセージや平和・共存の意識を発信することも可能。
5. 観光・経済的価値
- 民族音楽の公演やフェスティバルは、地域の観光資源としても活用。
- 民族楽器や衣装、演奏体験を通じて地域経済への貢献もある。
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