アコーディオンはリードを空気で鳴らして音を出す楽器で、中国から伝わった笙をもとに進化した楽器と言われています。その後ヨーロッパで進化を遂げてアコーディオンになったと言われており、1829年に発明された楽器です。歴史としては200年前後の楽器で、テレビや映画音楽だけでなく、歌謡曲などでも使用されるようになり、一般化した楽器です。現代ではほぼ全部のジャンルで使用される楽器として知られています。
起源と歴史
ヨーロッパでこの楽器は生まれました。中型で鍵盤楽器のようなもので和音で弾き多くを表現できます。現在は操作なども地域で異なり、販売も良くされています。民族音楽でメロディーも独特でイタリアのクラシックでは定番。ハーモニカと同じような音色が出ます。独奏や合奏で練習するには入門の楽器と言われています。
1. 起源
- 発明者: フリードリヒ・ブリュームベルク(Friedrich Buschmann, ドイツ, 1820年前後)や、ハンド・アコーディオンの原型を作ったカール・フリードリヒ・ブッシュマン(Carl Friedrich Buschmann)が関与したという説があります。
- 最初の楽器: 「手風琴」や「手引きオルガン」に近い構造で、蛇腹(ベローズ)を使い、空気の流れで音を出す仕組み。最初は単純なリード音でした。
- 名前の由来: ドイツ語の「Akkordeon」は、和音(chord)を奏でられる楽器という意味。1829年、ウィーンのクロストルフ・デュセルドルフ(Christoph Friedrich Ludwig Buschmannもしくはその周辺の改良者)によって「アコーディオン」という名称で特許申請されたのが最初とされます。
19世紀前半
- ヨーロッパ各地で普及: ドイツ・オーストリア・イタリアで手工業的に製作され、民衆音楽や舞踏会で使用される。
- 鍵盤・ボタンの改良: 初期のアコーディオンは単音リードのみ。1840年代には和音(コード)を同時に出せる改良型が登場。
19世紀後半
- イタリアの発展: パオロ・ソプラーニ(Paolo Soprani)がイタリアで量産を開始。現在でも高級アコーディオンブランドとして有名。
- ピアノ鍵盤式の登場: ピアノ鍵盤を右手側に付けたタイプが普及、クラシック音楽や民俗音楽の幅が広がる。
- ディアトニック・クロマチック: ボタン式のディアトニックアコーディオン、クロマチックアコーディオンが登場。
20世紀
- 世界的普及: ヨーロッパから南北アメリカ、アジア、アフリカに伝わる。
- 音楽ジャンルの拡張: フォーク音楽、タンゴ、シャンソン、ジャズ、クラシックなど幅広く使われる。
- 電子アコーディオン: 1980年代以降、ローランドなどが電子アコーディオン(Vアコーディオン)を開発し、音色や演奏表現がさらに拡大。
近年
- 民族音楽・クラシック・ポップの融合: 世界中で民俗音楽やクラシック、現代音楽まで幅広く使用される。
- デジタル・電子技術の導入: MIDI対応の電子アコーディオンにより、録音・ライブ演奏での表現力が向上。
特徴的な歴史的ポイント
スカンジナビア/ラテンアメリカ:ディアトニック中心
民衆文化との結びつき: 19世紀以降、民衆音楽・ダンス音楽で普及。ポルカ、タンゴ、カントリーフォークなど。
工房の発展: ドイツ(Hohner)、イタリア(Paolo Soprani、Bugari)、フランス(Pigini)などが有名ブランドに。
演奏スタイルの地域差:
イタリア・フランス:ピアノ鍵盤式中心
ドイツ:クロマチックボタン式
特徴と構造、サイズ
アコーディオンの 特徴・構造・サイズ を整理します。音の仕組みや演奏感、種類によって違う点を中心にまとめました。
1. 特徴
- 蛇腹(ベローズ)で空気を送り、リードを振動させて音を出す楽器
→ 「空気の圧力と手の動きで音量・表現をコントロールできる」のが最大の特徴。 - 右手・左手で役割が分かれる
- 右手:メロディを担当(鍵盤式またはボタン式)
- 左手:伴奏・和音・ベース(ボタン式が一般的)
- 種類による音域・表現の幅が大きい
- ピアノ鍵盤式はピアノ経験者に入りやすい
- ボタン式はディアトニック/クロマチックで演奏幅が異なる
- 音色の多様性
- リードの数・調整・空気圧で音の強弱やビブラートを付けられる
- 近年は電子/Vアコーディオンでさらに多彩な音色も可能
2. 構造
アコーディオンは大きく分けると 5つの主要部分 があります。
- 右手側(メロディ側)
- 鍵盤(Piano Keyboard)またはボタン(Button Keyboard)
- 音階や旋律を担当
- ピアノ鍵盤式:標準49〜41鍵が多い
- ボタン式:ディアトニックやクロマチックに応じて数十〜120ボタン程度
- 左手側(ベース・伴奏側)
- ベースボタン/コードボタン
- 標準的には12〜120ボタン
- 単音ベース+和音の組み合わせで伴奏
- 蛇腹(ベローズ)
- 空気の流れを作り、リードを振動させて音を出す
- 押す・引くで音量や強弱を表現可能
- リード(内部構造)
- 金属板が空気で振動して音を発生
- 右手・左手にそれぞれ複数のリードがある
- 音色や音域はリードの枚数・種類・調律で変化
- ケース・ボディ
- 木製・樹脂・金属などで作られる
- サイズや重量、装飾も演奏性に影響
3. サイズ
アコーディオンのサイズは 鍵盤数・ボタン数・ベース数、さらに蛇腹の大きさで変わります。
| 種類 | 右手鍵盤/ボタン | 左手ボタン | 重量 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 入門用小型 | 25〜32鍵 / 21〜30ボタン | 12〜48 | 3〜4kg | 初心者・子ども向け |
| 標準家庭用 | 41〜49鍵 / 30〜52ボタン | 48〜72 | 4〜7kg | 学習用・家庭用 |
| プロフェッショナル | 60〜120鍵 / 80〜120ボタン | 80〜120 | 7〜12kg | コンサート・ステージ演奏 |
| 電子/Vアコーディオン | 37〜49鍵(可変) | 60〜72 | 5〜7kg | ライブ・録音用、軽量で音色切替可能 |
- 小型モデルは軽く、子どもや初心者に最適。
- プロ用は重く大きいが表現力が高く、幅広いジャンルに対応。
- 電子モデルは音色切替やMIDI出力が可能で、軽量化されていることが多い。
種類についてバリエーション
アコーディオンには多くの種類があり、用途・演奏スタイル・地域によってバリエーションがあります。ここでは主要な分類と特徴を整理します。
1. 右手側のタイプによる分類
① ピアノ鍵盤式(Piano Accordion)
- 右手側がピアノ鍵盤になっているタイプ
- メロディ演奏がピアノと同じ感覚で行えるため、ピアノ経験者に入りやすい
- 音域:通常41〜49鍵
- 使用例:クラシック、ポップ、ジャズ、民俗音楽
② ボタン式(Button Accordion)
- 右手側もボタンで構成されるタイプ
- ディアトニック式とクロマチック式に分かれる
- ボタンの配置が複雑だが、指の移動が短く済むため速いフレーズに向く
- 使用例:民族音楽、タンゴ、東欧音楽
2. ボタン式のサブタイプ
① ディアトニック(Diatonic Accordion)
- 特定の調(キー)向けに作られている
- 押す/引くで音が変わる「二重音」タイプ
- 軽量・小型のものが多く、民俗音楽やフォーク音楽で人気
- 使用例:アイルランド、フランス、メキシコの民俗音楽
② クロマチック(Chromatic Accordion)
- 全ての音階(12音)に対応
- 押す/引くで同じ音が出るタイプもあり、演奏幅が広い
- クラシック、ジャズ、現代音楽で使われる
- ボタン式の中では最も表現力が豊か
3. 左手側の構成による分類
- ベース数で表される:12/24/48/72/120ボタンなど
- 標準ベース(Stradella):単音ベース+和音ボタンで、和音演奏が簡単
- フリー・ベース(Free Bass):左手でも旋律演奏が可能、クラシックや現代音楽向け
4. 特殊/現代タイプ
① 電子アコーディオン(V-Accordion)
- ローランド(Roland)などの電子楽器メーカー製
- 音色切替、MIDI出力、録音機能搭載
- 軽量でライブや録音に便利
- ピアノ鍵盤式・ボタン式の両方あり
② バヤン(Bayan)
- ロシア式クロマチックボタンアコーディオン
- 左手のフリー・ベース対応が多く、クラシック演奏に適する
- 音域が広く、音色も重厚
③ ディアトニック特殊バリエーション
- 「二重ボタン式」や「二段鍵盤式」など、民族音楽用に特化したモデル
- アイルランド・フランス・メキシコなど地域による違いがある
5. サイズ・重量の目安によるバリエーション
| タイプ | 鍵盤/ボタン | 左手ボタン | 重量 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 小型入門 | 25〜32鍵/21〜30ボタン | 12〜48 | 3〜4kg | 子ども・初心者 |
| 標準家庭用 | 41〜49鍵/30〜52ボタン | 48〜72 | 4〜7kg | 練習・家庭用 |
| プロ仕様 | 60〜120鍵/80〜120ボタン | 80〜120 | 7〜12kg | コンサート・ステージ |
| 電子/Vアコーディオン | 37〜49鍵/60〜72ボタン | 60〜72 | 5〜7kg | ライブ・録音 |

アコーディオンの種類
Piano accordion
これは最も一般的なタイプのアコーディオンです。
Button accordion
ボタン式鍵盤を備えたアコーディオンで押し引き異音式のダイアトニック・アコーディオンと、押し引き同音式のクロマティック・アコーディオンの2系統があります。
Diatonic accordion
これは初期に開発されたシンプルなアコーディオン。
奏法、難易度
アコーディオンの 奏法と難易度 を整理します。鍵盤式・ボタン式、右手・左手の使い方によって難易度が変わります。
1. 基本奏法
① 右手メロディ
- ピアノ鍵盤式
- ピアノのように鍵盤を押して旋律を弾く
- 音域が広く、和音も押せる
- ボタン式(ディアトニック/クロマチック)
- ボタンの配置を覚える必要がある
- 押す/引くで異なる音が出る場合があり、指の運びが独特
- 装飾音
- トリル、グリッサンド、アーティキュレーション、スタッカートなど
- 民族音楽では特に装飾が多用される
② 左手伴奏・ベース
- 標準ベース(Stradella):和音ボタン+単音ベースで簡単な伴奏
- フリー・ベース:旋律も演奏できるが、指使いが複雑
- ベース操作は左手の独立運動が必要で、右手旋律と同時に行う練習が必須
③ 蛇腹の使い方
- 押す/引くで音量と表現をコントロール
- ベローズの開閉によって音の強弱やフレーズのニュアンスを表現
- 長音やクレッシェンド、アクセントを付ける際に重要
2. 難易度
難易度は 種類・用途・演奏スタイル によって大きく変わります。
| タイプ | 難易度の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 入門用ピアノ鍵盤式 | ★☆☆ | 鍵盤感覚で弾ける。左手伴奏も少なめで覚えやすい |
| 入門用ディアトニックボタン | ★★☆ | 押す/引くで音が変わるため、指使いの習得が必要 |
| 中級〜クロマチックボタン | ★★★ | ボタン配置を覚える必要。右手・左手の独立運動が難しい |
| 上級プロ用(フリー・ベース) | ★★★★ | 左手で旋律演奏も可能。蛇腹の表現、複雑な同時進行が必須 |
| 電子アコーディオン | ★★〜★★★ | 音色切替があり便利だが、演奏テクニックは通常アコーディオン同等 |
有名な奏者
アコーディオンの有名奏者は、ジャンルや地域ごとに大きく異なります。クラシック、ジャズ、フォーク、タンゴなど、演奏スタイルによって評価される奏者も変わります。代表的な人々をまとめます。
1. クラシック/現代音楽系
- Richard Galliano(リシャール・ガリアーノ)
- フランスのクラシック&ジャズアコーディオン奏者
- クラシック音楽とジャズの融合で国際的に有名
- Javier Mas(ハビエル・マス)
- スペインのクラシック・アコーディオン奏者
- ギターとの共演も多く、世界的に活躍
- Fabrizio De Rossi Re(ファブリツィオ・デ・ロッシ・レ)
- イタリアの現代音楽アコーディオン奏者
- 新しい演奏技法や現代曲の演奏で知られる
2. フォーク/民俗音楽系
- Nicu Popa(ルーマニア)
- 民族音楽やフォーク演奏で知られるボタンアコーディオン奏者
- Joachim Cooder(アメリカ)
- 北米フォークやアメリカ先住民音楽で活躍
- Jens Bjerre(イェンス・ビエレ)
- デンマークやスカンジナビアの民俗音楽をアコーディオンで演奏
3. タンゴ/ラテン系
- Astor Piazzolla(アストル・ピアソラ)
- アルゼンチン・タンゴの革命児
- バンドネオン(アコーディオンの一種)奏者として世界的に有名
- Richard Galliano(フランス)
- タンゴやフォルクローレも演奏するマルチ奏者

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
アコーディオンの「新品/中古の製品ラインナップ」と「価格相場」を整理してご紹介します。日本円換算での目安も含めています。用途や仕様(鍵盤/ボタン、ベース数、電子モデルなど)によって価格帯が大きく変わる点にご注意ください。
🛒 製品ラインナップ(例)
以下は実際に出品されているアコーディオンのモデルと価格例です。新品・中古とも混在していますので、「新品か中古か」「仕様は何か(鍵盤数・ベース数など)」を確認する際の参考にしてください。
以下、各モデルの簡単な説明を付します。
- Roland V‑Accordion FR‑4X:電子アコーディオンのプロモデル。価格例は約 ¥517,000。
- Hohner Hohnica 1303‑RED 12‑Bass Piano Accordion:鍵盤式で「12ベース」仕様(かなり小型・初心者向けか)。価格例は約 ¥177,299。
- Excelsior Mod.901 120‑Bass Chromatic Accordion (Used):中古のプロ仕様クロマチック120ベース。価格例は約 ¥393,890。
- KC/ACD‑500 Accordion 32鍵+32ベース:鍵盤+ベース32仕様で入門〜学生向け。価格例は約 ¥19,690。
- Button Accordeon (used/entry):ボタン式の中古入門モデル。価格例は約 ¥67,800。
- Mini Accordion Toy/Decorative:装飾用・おもちゃタイプ。価格例は約 ¥4,290。
- (※ 重複出品あり:Hohner/Roland 別リスティング)
📊 価格相場(新品/中古)
様々なガイドやショップの情報から、価格の目安を整理します。仕様・ブランド・製造国(欧州 vs 中国など)で価格差が大きく出ます。
新品の場合
- 「新品アコーディオンは約 **US$1,200(=日本円で約 ¥20〜25万ほど)からスタート」するという記述あり。
- もっと高品質・欧州製ブランド/プロ仕様では、新品で「€4,000〜10,000(=日本円換算で約 ¥60〜150万)」という案内もあります。
- また、ガイドでは「入門用で中国製学生モデルなら新品で£750未満(=日本円で約 ¥14〜15万以下)で買えることも」 としています。
中古の場合
- 「動作品の中古アコーディオンは US$200〜(日本円で数万円〜)という例あり」
- また、ガイドでは「新品同様の欧州ブランド中古品が US$1,000〜2,600(=約 ¥15〜40万)程度」という記述あり。
- ただし、安価すぎる中古は「故障・修理・改造・部品劣化」のリスクが高く、ガイドでは注意を促しています。
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