ニッケルハルパとはスウェーデンの伝統音楽で弦楽器です。4本の演奏弦と12本の共鳴弦を持つ楽器で、この独特な響きが特徴の楽器です。共鳴弦は1オクターブ内の全ての半音階に合わせて調弦されます。弓で弦を擦り音を出し、キーで音を変えて演奏をします。どの音を弾いても必ずいずれかの共鳴弦が共鳴するため、深みのある音となります。とてもユニークな楽器であることから非常に面白い楽器の一つです。
起源と歴史
スウェーデンでこの楽器は生まれました。北欧の一番のヴァイオリンと呼ばれており、奏者の動画はよく出ています。アルパやカリンバなどとともに販売なども多数されており、教室でのレッスンも多くあります。教会などで良く演奏します。
1. 名称の由来
- 「Nyckelharpa」はスウェーデン語で、“nyckel”=鍵、 “harpa”=ハープ・弦楽器を意味します。
- 直訳すると「鍵付き弦楽器」。
- 鍵(キー)で弦を押さえて音階を作る、ヴァイオリン系の擦弦楽器です。
2. 起源
- ニッケルハルパの原型は 中世ヨーロッパ(13〜14世紀頃) に登場。
- 教会や城の彫刻、絵画には、キー付き弦楽器を演奏する人物が描かれています。
- 例:スウェーデン・ゴトランド島の Källunge 教会(約1350年)にレリーフあり
- 初期は単純な構造で、現代型とは異なる「原始的なキー付き擦弦楽器」でした。
3. スウェーデンでの発展
- 特に ウプランド(Uppland)地方 で17世紀以降に民俗音楽と結びつき定着。
- 伝統音楽の中で、踊りや宴会などの伴奏に用いられました。
4. 近代改良
- 20世紀初頭、Eric Sahlström(エリック・サールストローム)が クロマチック仕様のニッケルハルパ を開発。
- これにより、キー数や弦構成が標準化され、現代的な演奏が可能に。
- 民族音楽の復興運動に伴い、スウェーデン国内外で注目されるようになりました。
特徴と構造、サイズ
1. 特徴
- 鍵付き擦弦楽器
- 弦を直接指で押さえるのではなく、キー(ボタン)を押して弦を押さえる方式
- 弓で弦を擦って演奏
- 音色
- 弦を共鳴させる「共鳴弦(sympathetic strings)」があり、豊かで持続する倍音を持つ響き
- 民族音楽に特有の、やや金属的で透き通るような音色
- 演奏方法
- 弓奏+キー操作で旋律を演奏
- 高度な右手(弓)と左手(キー)両方のコントロールが必要
2. 構造
| 部位 | 説明 |
|---|---|
| ボディ | 木製(通常スプルースやメイプル)でヴァイオリン型に近い共鳴胴 |
| 弦 | メロディ弦(通常4本)+共鳴弦(通常12本前後) |
| キー | 左手操作、弦を押さえて音階を作る |
| 弓 | ヴァイオリン型の弓で擦弦する |
| ブリッジ | 弦を支え、共鳴弦とのバランスを調整 |
| フレット | なし、キーで弦を押さえるためフレット不要 |
3. サイズ
- 全長:おおよそ 120〜130 cm
- 胴体幅:約 25〜30 cm
- 高さ:約 8〜12 cm
- 重量:約 2.5〜4 kg
- 持ち方:肩にかけて演奏、ボディはやや立て気味にして弓で擦る
種類についてバリエーション
ニッケルハルパは歴史的に進化してきたため、弦数・キー数・形状・演奏スタイルによっていくつかの種類があります。
1. 伝統型(古典型・Historical Nyckelharpa)
- 時代:中世〜17世紀
- 特徴:
- 弦は3〜4本程度
- 共鳴弦なし、または少数
- 旋律キーのみ
- 用途:当時の民俗音楽・宗教音楽
- 例:Källunge教会の彫刻に描かれた初期型
2. ウプランド型(Uppland Nyckelharpa)
- 時代:17世紀以降、スウェーデンで発展
- 特徴:
- メロディ弦4本+共鳴弦12本前後
- クロマチックではなく、民謡向けの音階
- 鍵盤の操作はシンプル
- 用途:スウェーデンの伝統的民俗音楽
- 備考:現代型の原型になった形式
3. クロマチック型(Chromatic Nyckelharpa)
- 改良者:Eric Sahlström(20世紀初頭)
- 特徴:
- フルクロマチック演奏可能
- 左手のキー操作で半音階対応
- 共鳴弦あり(通常12本)
- モダン音楽、民俗音楽の両方に対応
- 用途:民族音楽だけでなく現代音楽やジャズでも使用可能
4. ミニ・ポータブル型
- 特徴:
- 子どもや初心者向けに軽量・小型
- 弦数・キー数を減らした簡易仕様
- 用途:教育・入門用
- 備考:演奏は限定的だが、ニッケルハルパ体験に最適
5. 現代実験型・カスタム型
- 特徴:
- 弦数を増減、電子ピックアップ装備、エレクトリック化
- フレットレスながらモダン奏法対応
- 用途:現代音楽、舞台・録音用途
- 例:エレクトリック・ニッケルハルパ

ニッケルハルパの曲
ニッケルハルパは主にスウェーデンの民族音楽で使用されています。
奏法、難易度
1. 主な奏法
- 弓奏(Bowing)
- 右手で弓を持ち、弦を擦って音を出す
- ヴァイオリンに似た擦弦奏法だが、弦が多く共鳴弦もあるため弓の角度や圧力が音色に大きく影響
- 弓の動かし方で音の持続・強弱・倍音の響きをコントロール
- キー操作(Left-hand Keying)
- 左手で鍵(キー)を押して弦を押さえる
- 直接弦を押さえないため、指板感覚とは異なる操作感覚
- メロディ弦の旋律と共鳴弦のハーモニーを同時にコントロールする
- 共鳴弦の活用
- 弦に触れずに共鳴弦が響き、独特の倍音・和音効果を生む
- 強弱や弓圧で共鳴のニュアンスを調整
- 特殊奏法
- スラー、スタッカート、ダブルストップなどヴァイオリン系奏法が応用可能
- 近代型クロマチックではモダン音楽向けの技法(半音階の速いパッセージなど)も可能
2. 難易度
| レベル | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 初級 | 弓で簡単な旋律を弾き、メロディ弦を中心に演奏 | 入門者、民族音楽初心者 |
| 中級 | 共鳴弦を意識して伴奏的な演奏、複雑な旋律・装飾音を演奏 | 民俗音楽経験者、習熟者 |
| 上級 | クロマチック型で半音階、速いパッセージ、左手右手の高度な同期 | プロ奏者、ステージ演奏・録音向け |
- ポイント:
- 左手のキー操作は慣れが必要で、ヴァイオリンとは操作感が異なる
- 共鳴弦の響きをコントロールするために右手の弓遣いも重要
有名な奏者
ニッケルハルパはスウェーデンの民族音楽を象徴する楽器で、多くの著名な奏者が世界的に活動しています。
1. Eric Sahlström(エリック・サールストローム)
- 時代:1912〜1986年
- 功績:現代クロマチック型ニッケルハルパの開発者
- 特徴:
- 演奏だけでなく楽器改良にも貢献
- スウェーデン民族音楽の演奏を世界に広めた
2. Olov Johansson(オーロヴ・ヨハンソン)
- 所属:スウェーデンの民俗音楽グループ「Hedningarna」
- 特徴:
- 民俗音楽の革新的アレンジで有名
- ニッケルハルパの伝統的奏法とモダン奏法を融合
3. Mikael Marin(ミカエル・マリン)
- 功績:スウェーデン民俗音楽界で著名なソリスト
- 特徴:
- クロマチック型を駆使した高度なテクニック
- ソロやアンサンブルで国際的に活躍
4. Åsa Jinder(オーサ・インダー)
- 功績:スウェーデンの女性ニッケルハルパ奏者の代表格
- 特徴:
- ソロアルバム多数
- ニッケルハルパの普及・教育にも貢献

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
「ニッケルハルパ」(Nyckelharpa)の新品・中古の製品ラインナップと価格相場について整理します。輸入品・手工楽器であるため、仕様・製作者・状態によって大きく価格が変動します。
🎯 製品ラインナップ例
(※あくまで参考モデル・価格です)
以下、簡単にそれぞれの特徴を:
- ニッケルハルパ(Naoki Ogawa手工製):日本国内手工製作家によるハンドメイド実機モデル。価格例として約 ¥470,000 という表示があります。
- ニッケルハルパ 手工製モデル:手工製・実機仕様モデル。情報少なめですが、高級機であること示唆。
- Soniccouture Nyckelharpas(ソフト音源版):実機ではなくニッケルハルパ音源(プラグイン/ソフト)モデル。価格比較対象として。
- Soniccouture Nyckelharpas NKS版(ソフト):ソフト音源の別バージョン。実楽器ではないため価格は低め。
- ニッケルハルパ メロディ弦 G3交換用弦:アクセサリー。楽器本体ではないが、所持・維持の際に発生するコスト参考。
- Playing Nyckel Harp for Beginners 教則本:演奏学習用教則本。
- Melodi på nyckelharpa 教則・旋律集:旋律集。
- Nyckelharpas ソフト音源 パッケージ:再びソフト音源系。実機ではないが関連コストとして。
💡 価格相場の目安
新品(実機)
- 海外のビルダー/工房製作モデルでは「新しいニッケルハルパは一般的に US$2,500〜US$10,000 の価格帯」だと紹介されています。
- スウェーデン国内のショップでは、新品モデルで SEK 12,000〜24,000 程度の価格帯が掲載されており(約 USD換算/円換算で概ね ¥200,000〜¥500,000 程度)
- つまり、手工楽器・演奏可能クオリティの新品ニッケルハルパは 日本円でおおよそ ¥300,000〜¥1,200,000 程度 が目安と言えそうです(仕様・ビルダーによる)。
中古/使用済みモデル
- 「中古価格で US$1,800〜US$8,000 程度を想定すべき」とも述べられています。
- また、価格が US$400(約 ¥60,000以下)程度のものは「実用に耐えない可能性が高い」との警告あり
- つまり、中古でも ¥150,000〜¥800,000 程度 が現実的な範囲でしょう。状態・年代・ビルダー・仕様(弦数・キー数・クロマチック対応など)によって変動します。
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