ブルースのコード進行の定番、特徴や歴史についておすすめ音楽ジャンルの最新版を解説します。昔からあるレトロなジャンルではありますが、根強いファンがとても多いので記事として解説をしていきましょう。
ブルースとは?どんなものなのか?
ブルース(Blues)とは、アメリカ南部で19世紀後半に生まれた音楽ジャンルで、哀愁や苦悩を表現する旋律とリズムが特徴です。ジャズやロックなど多くの現代音楽のルーツともなっています。
1. 起源
- 時代・場所:19世紀後半、アメリカ南部(特にミシシッピ川流域)
- 背景:アフリカ系アメリカ人の労働歌、スピリチュアル、民謡などから発展
- テーマ:生活の苦労、失恋、社会的抑圧などを歌詞に反映
2. 音楽的特徴
(1) 和音進行
- 12小節のブルース進行(12-bar blues)が基本
- I(主和音)→ IV(下属和音)→ V(属和音)の三和音進行
- 例:C(I)–F(IV)–G(V)
(2) メロディ・スケール
- ブルーノート
- 特定の音(3度・5度・7度)を半音下げて哀愁を出す
- コール&レスポンス
- 歌と楽器、歌と歌の呼応で表現
(3) リズム
- 4/4拍子が基本で、スイング感のあるゆったりしたリズム
- ギターやピアノのリフが曲を支える
3. 代表的な楽器
- ギター(アコースティック・エレキ)、ハーモニカ、ピアノ、ベース、ドラム
- ソロ演奏や即興演奏が重視される
4. 歴史的展開
- 1920〜1930年代:カントリーブルース(アコースティック中心)
- 1940〜1950年代:シカゴブルース(エレキギターとバンド編成)
- 1960年代以降:ロックやジャズに影響を与え、ブルースロックとして発展
5. 魅力
- 感情表現の豊かさ:悲しみや苦悩、希望をリアルに伝える
- 即興性:演奏者の個性が反映される
- 音楽的影響力:ロック、ジャズ、R&B、ヒップホップなどのルーツ
ブルースの歴史について
ブルースの歴史は、アメリカ南部の黒人文化から生まれ、ジャズやロックなど現代音楽に大きな影響を与えた長い音楽の流れです。年代ごとに整理するとわかりやすいです。
1. 起源(19世紀後半)
- 場所:アメリカ南部(特にミシシッピ川流域)
- 背景:奴隷制後のアフリカ系アメリカ人の生活、労働歌、スピリチュアル(宗教歌)、民謡が融合
- 特徴:苦悩、悲しみ、生活の困難を歌詞に表現
- 演奏形態:アコースティックギターやハーモニカ中心のソロ演奏
2. カントリーブルース(1920〜1930年代)
- アコースティックギターと歌のシンプルな構成
- 代表的ギタリスト:ロバート・ジョンソン(Robert Johnson)
- メロディとリズムは即興性が強く、ブルース進行(12小節)が基本
- 労働歌や民謡の影響が色濃く残る
3. シカゴブルース(1940〜1950年代)
- 都市化・電化の影響で、エレキギターやバンド編成が普及
- ハーモニカ、ベース、ドラムを加えたバンドスタイルが主流に
- 代表的アーティスト:マディ・ウォーターズ(Muddy Waters)、ハウリン・ウルフ(Howlin’ Wolf)
- より力強いリズムと音圧で都市生活者の感情を表現
4. ブルースロック・現代(1960年代〜)
- イギリスやアメリカでロックバンドがブルースを基に新しい音楽を創造
- 代表的バンド:ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、レッド・ツェッペリン
- ロックのギターソロ、ドラム、エレキベースとの融合で世界的に広まる
5. 現代ブルース
- ジャンルの多様化:モダンブルース、ブルースジャズ、ブルースロック
- インディーズやYouTubeなどで個人アーティストの演奏も拡散
- ロック、ジャズ、R&B、ヒップホップなど現代音楽への影響は依然大きい

ブルースの音楽的特徴について
ブルースの音楽的特徴は、哀愁や苦悩を表現するための独特の旋律・和音・リズム構造にあります。以下に整理します。
1. 和音進行(コード進行)
- 12小節のブルース進行(12-bar blues)が基本
- I(主和音)→ IV(下属和音)→ V(属和音)の三和音進行
- 例:C(I)– F(IV)– G(V)
- 繰り返しのパターンで即興演奏や歌詞を載せやすい構造
2. メロディとスケール
- ブルーノートの使用
- 3度、5度、7度を半音下げることで哀愁や切なさを表現
- コール&レスポンス
- 歌と楽器、歌と歌の応答形式で感情を強調
- 即興性
- ソロやメロディ装飾で演奏者の個性が出やすい
4. 楽器構成
- 代表楽器:ギター(アコースティック・エレキ)、ピアノ、ハーモニカ、ベース、ドラム
- ソロや即興演奏が中心
- 小編成(ソロやデュオ)からバンド編成まで多様
5. 表現・歌詞
- テーマ:失恋、生活苦、社会的抑圧、希望や喜び
- 表現力重視:感情をダイレクトに伝える歌唱・演奏
- メロディや和音の反復で情感を増幅
ブルースの基本的なコード進行の詳細について
ブルースの基本的なコード進行は、12小節のパターン「12-bar blues(12小節ブルース)」が最も代表的です。これを理解すると、ブルースやロック、ジャズなど幅広いジャンルで使われる構造がわかります。
1. 12小節ブルースの基本構造
12小節ブルースは、**I・IV・Vの三和音(トライアド)**を使い、3つのフレーズに分けられます。
| 小節 | コード | 役割 |
|---|---|---|
| 1–4 | I | 主和音(トニック)で曲の基盤 |
| 5–6 | IV | 下属和音(サブドミナント)で変化をつける |
| 7–8 | I | 主和音に戻る |
| 9 | V | 属和音(ドミナント)で緊張感を作る |
| 10 | IV | サブドミナントで解決の準備 |
| 11–12 | I | 主和音で解決 |
例(キーCの場合):
- C – C – C – C
- F – F – C – C
- G – F – C – C
2. バリエーション
(1) 1小節目に7thを加える
- C7 – C7 – C7 – C7 …
- 7thコードを入れることで、ブルース特有の「ブルーノート感」を強化
(2) 9小節目のVを7thに
- G → G7
- ドミナントセブンスの緊張感で解決感が強まる
(3) ターンアラウンド(Turnaround)
- 12小節目をV7 → Iに戻すパターン
- 曲を繰り返すときに自然に循環させる
3. コード進行の役割
- I(トニック):曲の安定感、始まり・終わりの基盤
- IV(サブドミナント):変化をつけて曲に動きを出す
- V(ドミナント):緊張感を生み、次のフレーズに解決感をもたらす
4. 特徴
- 繰り返し構造:12小節を何度もループする
- 即興性に最適:このパターンを基盤に、ボーカルやギターソロの自由度が高い
- ブルーノートとの相性抜群:3度・5度・7度の半音下げ(ブルーノート)を挿入すると哀愁感が増す

12小節ブルースの進行はメインストリーム?
12小節ブルースの進行は音楽史上非常に重要で、現代でもメインストリームの基礎として広く使われています。ただし、その意味や位置づけをもう少し詳しく整理すると理解しやすいです。
1. 12小節ブルースはメインストリームの基盤
- ブルースがルーツ:ジャズ、R&B、ロック、ロックンロール、ブルースロックなど多くのジャンルの基礎
- シンプルかつ応用力が高い:I-IV-Vの三和音進行を中心に、即興演奏やメロディアスな展開に柔軟に対応できる
2. 現代での活用例
- ロック:エリック・クラプトン、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリンの楽曲でブルース進行が頻出
- ポップス・R&B:ブルース進行をベースにしたコード循環を応用
- ジャズ・フュージョン:ブルース進行をアレンジしてモーダルやテンションコードを追加
- ギター練習・即興:ジャムセッションで標準的なパターンとして必須
3. メインストリームでは「土台」として存在
- 現代の大衆音楽で聴き取れるコード進行の多くは、12小節ブルースや派生パターンに由来
- 直接的にブルース進行を使わなくても、I-IV-Vの構造やブルーノートの感覚は多くの曲に影響
💡 まとめ
- 12小節ブルースは、ジャンルを超えて現代音楽の基盤となる進行
- 「メインストリーム」と呼べる理由は、ロック、ジャズ、R&B、ポップスなどに不可欠な構造であり続けているから
- 直接的に使われなくても、進行やブルーノートの感覚は現代音楽のほとんどに浸透している
ブルースコードの種類はいくつある
「ブルースコード」と言うと一般的にはブルースで使われる和音(コード)の種類を指しますが、厳密には「ブルース専用のコード」というものはなく、ブルース進行に適したコードの組み合わせを指します。整理すると以下の通りです。
1. 基本コード
ブルース進行の中心は I-IV-Vの三和音(トライアド) です。
- I(トニック):曲の基盤
- IV(サブドミナント):変化をつける
- V(ドミナント):緊張感を作る
例:キーCの場合
- I → C
- IV → F
- V → G
2. 代表的なバリエーション
(1) 7thコード(セブンス)
- I7, IV7, V7
- ブルース特有の「ブルーノート感」を強化
- 例:C7 – F7 – G7
(2) 9th・13thコード
- ジャズやモダンブルースで使用
- より複雑な響きやテンション感を加える
- 例:C9, G13
(3) 拡張・代替コード
- サブドミナントマイナー(IVm)やトリックコードで色付け
- 即興演奏やターンアラウンドで使用
3. ブルースコードの数
- 厳密な「種類」は決まっていません
- 基本は I-IV-V の 3コード+7thコードバリエーション
- モダンブルースでは 9th、11th、13th、マイナー化コード を含めると10種類以上のコードが日常的に使用される

ブルース進行の実践例
ブルース進行の実践例を知ると、理論だけでなく実際の演奏や曲作りに応用できます。ここでは、基本の12小節ブルースを中心に具体例を紹介します。
1. キーCの基本12小節ブルース(I-IV-V)
コード進行
C7 | C7 | C7 | C7
F7 | F7 | C7 | C7
G7 | F7 | C7 | G7
ポイント
- **I7(C7)**で安定感
- **IV7(F7)**で変化
- **V7(G7)**で緊張感を作り、最後に解決
- 12小節を繰り返して、即興ソロや歌詞を載せやすい
2. キーAの簡単ブルース
コード進行
A7 | D7 | A7 | A7
D7 | D7 | A7 | A7
E7 | D7 | A7 | E7
ポイント
- ギターで演奏する場合、開放弦を使った簡単フォームで弾きやすい
- 歌いやすいキーとしても人気
3. ターンアラウンド付きブルース(応用)
- 最後の小節で V7 → I7 の流れを作ると、次の12小節への循環がスムーズ
C7 | F7 | C7 | G7
F7 | F7 | C7 | A7
D7 | G7 | C7 | G7
- ターンアラウンドによってソロ演奏やエンディングにアクセントを加えられる
4. 実践的な活用
- ジャムセッション:12小節ブルースは定番パターンなので、他の楽器との即興演奏に最適
- ギター練習:ブルーノートを入れたメロディやリフを加える
- 作曲:歌詞やリズムを変えてオリジナル曲を作れる
ブルースコード進行の練習方法
ブルースコード進行は、理論だけでなく体で覚える反復練習が重要です。効率的に習得する方法を整理すると以下の通りです。
1. 基本12小節ブルースを繰り返す
- 最初はキーCやキーAなど弾きやすいキーで練習
- コード進行:I7 → IV7 → I7 → V7 → IV7 → I7(基本パターン)
- 反復練習で指の形とコードチェンジを体に覚えさせる
ポイント
- まずは コードの押さえ方とチェンジの正確さを優先
- メトロノームを使い、一定テンポで正確に繰り返す
2. ルート音だけでストローク
- いきなり全てのコードを押さえず、ルート音(C、F、Gなど)を弾きながら進行を確認
- リズムを体で覚えやすく、後でフルコードに切り替えやすい
3. 7thコード・ブルーノートを追加
- 基本のトライアドに慣れたら 7thコードに置き換え
- ルート音を弾きながらブルーノート(3度や7度を半音下げる)を意識するとブルースらしい響きになる
4. ターンアラウンドを練習
- 最後の小節で V7 → I7 の流れを作る
- 曲を繰り返すときに自然な循環を体で覚える
- ジャムセッションや即興ソロで重要
5. ジャム・即興練習
- ドラムやベースの音源に合わせてコードを弾く
- リフやアルペジオ、ストロークのパターンを自由に変えてみる
- 徐々にギターソロや歌を加えて表現力を高める

ブルースのおすすめ名盤ランキングTOP20
ブルースの名盤は時代やスタイルによって幅広く、ルーツブルースからモダンブルース、ブルースロックまで多岐にわたります。ここでは、影響力・完成度・聴きやすさを基準に、世界的に評価の高い名盤TOP20を紹介します。
1〜5位:ルーツブルース・初期ブルース
- Robert Johnson – The Complete Recordings (1936–1937)
- カントリーブルースの原点。ギターと歌の哀愁が深い。
- Muddy Waters – At Newport 1960
- シカゴブルースの名演。ライブの迫力が魅力。
- Howlin’ Wolf – Moanin’ in the Moonlight (1959)
- ハウリン・ウルフの野性的なヴォーカルとギターが圧倒的。
- B.B. King – Live at the Regal (1965)
- ライブ名盤。ギターと歌で観客を魅了するブルースの極み。
- Son House – Father of the Delta Blues (1965)
- デルタブルースの原点。情感豊かなスライドギターが特徴。
6〜10位:シカゴブルース・都市型ブルース
- Buddy Guy – A Man and the Blues (1968)
- ギター技術と歌の表現力でシカゴブルースを牽引。
- Junior Wells – Hoodoo Man Blues (1965)
- ハーモニカとギターの絶妙な掛け合い。
- Elmore James – King of the Slide Guitar (1960s)
- スライドギターの伝説。ロックへの影響大。
- Otis Rush – Cold Day in Hell (1958–1967)
- エモーショナルなギターとヴォーカルが特徴。
- T-Bone Walker – T-Bone Blues (1947–1951)
- エレキギターのブルース演奏の先駆け。
11〜15位:ブルースロック・クロスオーバー
- Eric Clapton – From the Cradle (1994)
- 伝統ブルースを忠実に再現した現代名盤。
- Stevie Ray Vaughan – Texas Flood (1983)
- モダンブルースギターの最高峰。迫力ある演奏。
- Peter Green’s Fleetwood Mac – Then Play On (1969)
- 英国ブルースロックの名作。深みあるギターと構成。
- John Mayall & the Bluesbreakers – Blues Breakers with Eric Clapton (1966)
- 英国ブルースシーンの礎。クラプトンの初期名演。
- Johnny Winter – Second Winter (1969)
- 激しいブルースロックと技巧的ギター。
16〜20位:現代・ジャンル融合ブルース
- Joe Bonamassa – Blues Deluxe (2003)
- 現代ブルースの代表作。テクニカルで聴きやすい。
- Keb’ Mo’ – Keb’ Mo’ (1994)
- アコースティック中心、ソフトで親しみやすいブルース。
- Gary Clark Jr. – Blak and Blu (2012)
- ロック・ソウル・ブルースの融合。現代的アプローチ。
- Susan Tedeschi – Just Won’t Burn (1998)
- 女性ブルースシンガーの名盤。情感豊かなヴォーカル。
- Bonnie Raitt – Nick of Time (1989)
- ブルースをベースにしたポップ・ソウル要素も魅力。
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