マンドロンチェロはマンドリンの仲間に当たる楽器です。マンドロンチェロはマンドラよりも大きな楽器になり、低音域を担当することが多い楽器です。マンドリン属の楽器はヨーロッパでとても認知度の高い楽器であり、同じグループの楽器も同様にとても認知度が高いのです。そのため、多くの楽器演奏者が存在します。
起源と歴史
マンドロンチェロはイタリアでこの楽器は生まれました。難易度は高くなるのですが中古だと安く買えます。マンドロンはアンサンブルや教則本なども多数あり、アクセサリーなどの用品も多数出ています。現在は言語とわず独奏曲で奏でる機会が多いです。
1. 起源
- マンドロンチェロは マンドリンの低音版として18〜19世紀にイタリアで誕生。
- 名前の由来：
- 「マンドリン（Mandolin）」＋「チェロ（Cello）」
- 音域がチェロに相当することから「マンドロンチェロ」と呼ばれる。
- 初期のマンドリンオーケストラでは、低音域を担当する楽器が必要だったことが開発の背景。
- 弦の本数や調弦はマンドリンに似るが、音域はオクターブ下がる設計。
2. 19世紀後半〜20世紀初頭
- イタリア・ナポリを中心に発展
- マンドリンオーケストラの低音パートとして普及
- 弦楽器工房で、マンドリンやマンドラと同様の構造で制作されるようになる
- オーケストラ内での役割：
- マンドリン属の和音や低音を補強
- チェロやコントラバスほど重くないため、演奏者の負担が軽い
3. 20世紀中盤〜現代
- マンドリンアンサンブルの標準楽器として確立
- クラシック音楽、フォーク、ケルト音楽、ブルーグラスなど多様なジャンルに進出
- 現代ではソロ演奏用や教育用としても利用されることがある
特徴と構造、サイズ
マンドロンチェロ（Mandoloncello）の特徴・構造・サイズについて整理します。マンドリン属の低音楽器としての特性を理解することが、演奏や選定に役立ちます。
1. 特徴
- 低音域を担当：マンドリン属楽器の中ではチェロに相当する音域（低音域）を担当
- 豊かな和音と旋律が可能：単独での演奏やアンサンブルで低音の厚みを出す
- 弦楽器としての親しみやすさ：マンドリンに似た構造で弾きやすく、持ち運びやすい
- 用途：マンドリンオーケストラ、ソロ演奏、クラシック・フォーク・ブルーグラス
2. 構造
(1) 弦
- **8本（4コース×2弦）**が標準
- 調弦は通常 5度（C–G–D–Aなど）
- マンドリンに比べて弦が太く長く、低音域の響きを強調
(2) ボディ
- ボウルバック（丸型）：伝統的イタリア製モデルに多い
- フラットバック（平型）：演奏時の安定性や演奏場所を選ばない
- 木材：スプルース、メイプル、マホガニーなどが一般的
(3) ネック・指板
- 長さ：約24〜27インチ（弦長）
- フレット：18〜22フレット程度
- マンドリン属よりも長めで、低音域に対応
(4) ペグ・チューニング
- クラシックなギア式ペグが主流
- 弦が太く長いため、しっかりと固定できる構造
3. サイズ・音域
| 項目 | サイズ・音域の目安 |
|---|---|
| 弦長（スケール） | 約62〜68cm（24〜27インチ） |
| 弦数 | 8本（4コース×2弦） |
| ボディ長 | 約65〜75cm |
| 音域 | 約C2（低音）〜A4（高音）まで（メーカーにより変動） |
| 重量 | 約2.5〜3.5kg（ボウルバック・フラットバックにより差） |
- マンドリンやマンドラよりも一回り大きく、低音域をカバーする設計
- 持ち運びはチェロより軽く、演奏姿勢は立奏も座奏も可能
種類についてバリエーション
マンドロンチェロ（Mandoloncello）の種類・バリエーションについて整理します。用途や演奏スタイルによっていくつかのタイプがあります。
1. ボディ形状による分類
(1) ボウルバック（Bowl-back）
- 伝統的なイタリア式の丸い背の形状
- 共鳴が豊かで、音量と低音の響きが強い
- 伝統的なマンドリンオーケストラやクラシック演奏向き
(2) フラットバック（Flat-back）
- 背が平らで、演奏時の安定性が良い
- 低音はやや控えめだが、扱いやすく立奏やアンサンブルでも便利
- 現代の演奏やフォーク、ブルーグラスに適する
2. 弦数・コースによる分類
- 標準型：8本弦（4コース×2弦）
- 最も一般的で、マンドリンオーケストラでの標準
- 変則型 / 6コース・10弦など
- メーカーやカスタムモデルによって存在
- 音域や響きを広げるために弦数を増やしたタイプ
3. 音域・調弦による分類
- 標準調弦（C–G–D–A）
- マンドリンオーケストラ用に設計された一般的な調弦
- 低音拡張モデル
- C1やB1まで下げられる低音域を備えたプロ仕様
- クロマチック / 特殊調弦モデル
- ソロ演奏や現代音楽向けに、より自由に音階を出せるモデルも存在
4. 用途・スタイルによる分類
| 分類 | 特徴・用途 |
|---|---|
| クラシック / 伝統モデル | ボウルバック、標準調弦、アンサンブル向き |
| フォーク / ブルーグラス | フラットバック、やや軽量、立奏やソロ演奏に便利 |
| 教育用 / エントリーモデル | 弦がやや細め、重量軽め、初心者向け |
| カスタム / プロ仕様 | 弦数や音域を拡張、特殊素材、豊かな倍音 |
マンドロンチェロの楽曲
マンドロンチェロはマンドリンオーケストラでよく登場します。マンドリンオーケストラとは、マンドリン属の楽器のみを使用したオーケストラを指します。第1マンドリン、第2マンドリン、マンドラ、マンドロンチェロ、さらにはギターとコントラバスが登場することがあります。基本的に弦楽6部編成が一般的です。
奏法、難易度
マンドロンチェロ（Mandoloncello）の奏法と難易度について整理します。マンドリン属低音楽器として、演奏法には独特のポイントがあります。
1. 基本奏法
(1) ピック弾き（Pick / Tremolo）
- マンドリン同様、ピックで弦を弾く奏法
- コード伴奏：低音を支えるため、和音のルート音やアルペジオを弾く
- メロディ演奏：ソロやアンサンブルで旋律を弾くことも可能
- Tremolo（トレモロ）：1弦を高速で連続して弾き、音を伸ばす技法
(2) 指弾き（Fingerpicking）
- 弦を指で弾いて低音を出す
- 小編成アンサンブルやソロ演奏で、柔らかく控えめな音色を出せる
(3) ストローク / アルペジオ
- 弦を順番に弾くアルペジオ
- 和音の低音支えに最適
- リズムパターンを組み合わせて、アンサンブルのベースラインを演奏
(4) ハーモニクス（上級者向け）
- 弦の一部を軽く押さえて倍音を出す
- ソロ演奏や現代曲で特殊効果を出す際に使用
2. 奏法の難易度
| 奏法 | 難易度 | コメント |
|---|---|---|
| コード弾き（伴奏） | ★★☆☆☆ | ルート音やアルペジオを押さえるだけで和音支え可能。初心者向け |
| メロディ演奏 | ★★★☆☆ | 弦長が長く低音域のため、正確な音程と指の独立性が必要 |
| Tremolo / トレモロ | ★★★★☆ | 高速連打で音を持続させる技術が必要 |
| 指弾き（ソロ・アルペジオ） | ★★★☆☆ | 音量と音色の調整が求められる |
| ハーモニクス / 特殊奏法 | ★★★★☆〜★★★★★ | 高度なコントロールとテクニックが必要 |
有名な奏者
マンドロンチェロの世界には、マンドリンオーケストラやソロ演奏で活躍する著名な奏者がいます。以下に代表的な人物を紹介します。
1. Raffaele Calace（ラファエレ・カラーチェ）
- イタリアの伝説的マンドリン奏者・作曲家・製作家（1863–1934）
- マンドロンチェロのための楽曲を多数作曲
- クラシック・マンドリン音楽の発展に大きく貢献
- 作品例：**「Sonata per Mandoloncello」**など
2. Carlo Aonzo（カルロ・アオンツォ）
- 現代のイタリア・マンドリン奏者
- マンドロンチェロのソロ演奏や録音で知られる
- クラシックや現代音楽におけるマンドロンチェロの表現を拡張
3. Ugo Orlandi（ウーゴ・オルランディ）
- イタリア・ベルガモ出身のマンドリン奏者・教育者
- マンドロンチェロ演奏でも高い技術を持つ
- 国際コンクールで指導・審査も行い、後進に影響
新品と中古の製品ラインナップと価格相場
マンドロンチェロ（Mandocello / マンドロンチェロ）の 新品・中古の製品ラインナップ と 価格相場 を、実際のモデル例を交えて整理しました。
製品ラインナップと価格例
以下は代表的なマンドロンチェロ／マンドセロモデル（日本国内・海外）とその価格例です。
主なモデル：
- Ochiai Mandocello CR‑2：￥517,000
- Ochiai Mandocello CS‑1：￥660,000
- Miyano Mandocello MC‑1：￥327,250
- Miyano Mandocello MC‑2：￥392,700
- Prestri Mandoloncello：￥275,000
- Prestri Mandoloncello（別仕様）：￥90,750
その他の新品モデル（海外）
- Gold Tone Mandocello（アコースティック＋エレクトリック）
- 価格：US $1,299.99（約 ¥20〜23万、為替・送料で変動）
- Gold Tone Mandocello アーチトップ版
- 価格：US $1,299.99（Sunburst）
中古／中古流通モデルの相場
- 宮野厚志 MC‑2（中古）：Yahooオークションで落札例が ¥198,000。
- 野口製マンドロンチェロ（2004年製）：メルカリに出品あり、価格 ¥200,000（専用ケース付き）
- 落合忠男 CS 型（1999年製）：ヤフオクにて ¥421,300（ケース付き）
- Suzuki（スズキ） Mandocello MC‑835：中古価格 ¥16,500（ReReにて）。
これから楽器を買いたいなら
これから楽器を買いたいなら以下の記事を参考にしてみてください。オンラインと店頭いずれの対応もしており、登録はすぐにできます。案内に沿って登録しましょう。
中古楽器を売りたいならどうする？
中古楽器を売りたいなら中古の買い取り業者で買い取ってもらうことがおすすめです。パーツや部品での買取もあります。無料査定がありますのでまずは相談してみてはいかがでしょうか？
これからレッスンをしたい方は？
これからレッスンをして楽器が上手くなりたい、楽しみたいと言う方には音楽教室がとてもおすすめとなります。以下の記事で紹介していますので参考にして申し込みをしてみましょう。
コメント