オルタナティヴ・ロックとは? 歴史と特徴、使用楽器おすすめ音楽ジャンルの最新版を解説。オルタナティブとは意味はなんなのか?解説します。オルタナティヴ・ロックというジャンルは1980年代ごろの欧米諸国でとても流行した音楽ジャンルです。比較的に最近生まれた分野だけに明確な分類がなく、人によって解釈もさまざまでこれと言った絶対的な定義が存在しません。
オルタナティヴ・ロックとは?
オルタナティヴ・ロックは1900年代後半に流行したロックの大きなジャンルの一つです。しかしこのジャンルはサウンド的にはこれと言った定義がないため、色々な音楽が存在することが特徴です。ではどのような共通点があるかというと、今までの商流から外れた新しいロックということです。
独創的で新しい画期的な音楽をやるバンドを指すことが多いです。型にはまらないアンダーグランドな音楽バンドを指すこともあります。そのため、音楽の方向性は大手メジャーレーベルの商流とは外れたところを目指しており、インディー・ロックに近いと言えるジャンルでもあります。
1. 音楽的特徴
- ギターを中心としたバンド編成(エレキギター、ベース、ドラム、ボーカル)
- 実験的な音作りが多く、エフェクト(ディレイ、ディストーション、コーラス)を多用
- メロディはキャッチーなこともあるが、必ずしもポップではない
- 楽曲構成やリズムも自由で、前衛的・暗め・アンニュイな雰囲気の曲が多い
2. 歌詞・テーマ
- 個人的・内省的・社会批判的な内容が多い
- 社会の不条理、孤独、疎外感、反権威などのテーマ
- ストーリーよりも感情や雰囲気を重視する傾向
3. スタイルの幅広さ
- グランジ(Nirvana、Pearl Jam)
- インディーロック(The Smiths、Radiohead初期)
- ポストパンク・ゴシック系(Joy Division、The Cure)
- シューゲイザー(My Bloody Valentine)
4. 主流ロックとの差別化
- 1980年代以前の「商業的なハードロック/アリーナロック」とは違い、反商業的・実験的志向
- 独立系レーベル(インディーズ)から登場することが多い
5. 歴史的背景
- 1970年代後半:パンク・ニュー・ウェイヴが登場 → 商業的ロックへのアンチとしてオルタナの土台が形成
- 1980年代:R.E.M.、The Smiths、Sonic Youthなどがインディーシーンで活躍
- 1990年代:グランジ・オルタナブーム(Nirvana「Smells Like Teen Spirit」)で世界的に知名度拡大
- 2000年代以降:インディーロック・ポストロック・エレクトロとの融合が進む
オルタナティヴ・ロックの歴史について
オルタナティヴ・ロックの元になっているのはパンクロックと言われています。パンクロックなどは1960年代に流行していましたが、ハードコア、パンクロックが分野として成長していくにつれてそのどちら共に似通いながらも共通しない新たなロックが生まれていきます。そのロックがオルタナティヴ・ロックと言われており、恐らく1970年代のアメリカやイギリスで発祥していきました。
若者たちが抱えながら声に出していえないような、政治や貧困に対する不平、不満を代弁してくれている、ということにもつながり、支持されたという背景があります。オルタナティヴ・ロックはハードコアなどが元になっているため、激しいロックであることが特徴としてあります。オルタナティヴ・ロックのシンボル的存在になったのがアメリカのバンドNirvanaです。
当時のNirvanaは世界に衝撃を与え、若手ロックバンドたちは模倣するようになりました。その影響もあり2000年代以降のオルタナティヴ・ロック界では、ホワイト・ストライプス、ストロークス、アークティック・モンキーズ、アーケード・ファイア、リンキンパークなどが活躍し、ロック産業を大きく発展させました。
恐らくオルタナティヴ・ロックは2000年代初頭のロックの中で最も流行したジャンルと言えるでしょう。しかし2000年代を最後にロックは世界の主流ジャンルから脱落していくことになってしまいます。
1. 起源:1970年代後半
- 背景:70年代後半のハードロックや商業的ロックに対する反動
- 影響:パンク・ニュー・ウェイヴのDIY精神、反商業主義
- 特徴:短く攻撃的な曲、シンプルな編成、独立系レーベル(インディーズ)からの発表
- 代表アーティスト:
- Talking Heads(アート・パンク/ニュー・ウェイヴ)
- The Clash(パンク+社会批判的歌詞)
- The Cure(ポストパンク/ゴシックの先駆け)
2. 1980年代:インディー・オルタナの拡大
- 地域別シーン:
- 米国:R.E.M.(アセンズ)、Sonic Youth(ニューヨーク)
- 英国:The Smiths、The Jesus and Mary Chain
- 特徴:
- 商業主義に頼らず、独立系レーベル中心で活動
- 内省的・社会批判的な歌詞
- ギターのディストーションやノイズ・実験的サウンドが増加
- 影響:
- インディーロックの基盤を確立
- ポストパンク、ゴシックロック、ジャングルなどサブジャンルの発展
3. 1990年代:グランジ・オルタナブーム
- 中心地:シアトル(アメリカ西海岸)
- 代表バンド:Nirvana、Pearl Jam、Soundgarden、Alice in Chains
- 特徴:
- 歌詞:疎外感、孤独、怒り、自己表現
- サウンド:ヘヴィギター、ディストーション、メロディとグランジ感の融合
- メインストリーム進出:Nirvana「Smells Like Teen Spirit」が世界的ヒット
- 影響:
- オルタナティヴ・ロックが商業的にも成功
- 世界的に「若者の声を代弁する音楽」と認知される
4. 2000年代:ポストグランジとインディー・リバイバル
- サブジャンルの多様化:
- インディーロック(The Strokes、Arctic Monkeys)
- ポストロック(Sigur Rós、Explosions in the Sky)
- エモ・オルタナ(My Chemical Romance、Paramore)
- 特徴:
- グランジの荒削りさから、洗練されたギターリフやメロディに変化
- エレクトロニカ・シンセサウンドを取り入れる曲も増加
5. 2010年代以降:ジャンルの融合と多様化
- 特徴:
- ポップ、電子音楽、ヒップホップとの融合が増加
- 独立系バンドだけでなくメジャーシーンでもオルタナ的要素が普通に採用
- 代表的傾向:
- フォーク・オルタナ(Mumford & Sons)
- ドリームポップ/シューゲイザー・リバイバル(Beach House、DIIV)
衰退の道を歩む
2010年代以降がより顕著でしたが、ロックはヒップホップ、EDM、ラップなどに押されるようになりヒットチャートなどでも上位に来ることは全くなくなりました。DTMの進化により気軽に音楽ができるようになったことや、1人で音楽ができることで、わざわざバンドを組むメリットもなくなったため、ロックは世界的に衰退していったのです。2020年代に入っても、ロックは全くヒットチャートに出てこないことがこれを証明してます。

有名アーティスト
オルタナティブ(alternative)のジャンルはアーティストがとても多いので情報を一覧で紹介します。オルタナはROCKの分類に当たり、インディーズ、ハードロックやグランジに近いバンドもいます。80年代、90年代にカテゴリが登場してからというもの、ニルヴァーナなどが注目されました。初期はアンダーグラウンドなものが多かったですが現在の音楽性はかなり多様化しています。
Linkin park
アメリカで2000年代初頭大ブレイクを起こしたバンドです。ロックとヒップホップをかみ合わせたリズムのよいスタイルは世界中で大ヒットしており、多くのファンを引き付けました。ボーカルのチェスターはその後自殺してしまいましたが、マイクシノダはソロプロジェクトを続けています。
Arctic Monkeys
イギリスのロンドンで結成されたロックバンドです。彼らは国内の主要音楽賞を総なめにして一躍トップミュージシャンの一つとして認識されました。ロンドンオリンピックなどでの演奏している世界的バンドの一つです。
Nirvana
アメリカの伝説的なロックバンド。彼らは1991年に発表した2枚目のアルバム「Nevermind」が全米チャート1位に輝くヒットとなりました。カート・コバーンはもはやカリスマ的存在として君臨していました。しかし彼は1994年に自殺しています。
オルタナティヴ・ロックの音楽的特徴
オルタナティヴ・ロック(Alternative Rock)の音楽的特徴は、既存のメインストリーム・ロックとは異なる自由さや実験性にあります。ジャンルが幅広く、バンドごとにサウンドは大きく異なりますが、共通する特徴を整理すると以下の通りです。
1. ギターサウンド
- ディストーションやフィードバックを多用し、粗削りで攻撃的なサウンドを作る
- パワーコード中心のグランジ系、繊細なアルペジオ中心のドリームポップ系など、多様な表現
- シューゲイザー系では**ギターの層状エフェクト(ウォール・オブ・サウンド)**を使用
2. リズム・ドラム
- 4/4拍子が基本だが、変拍子やシンコペーションを取り入れる曲も多い
- ドラムはしばしばパワフルかつ生々しい録音で、迫力を重視
- グランジやポストパンクではリズムの強弱や「間」を活かして感情を表現
3. メロディ・ハーモニー
- メロディは必ずしもキャッチーではなく、内省的・暗めの雰囲気が多い
- コード進行は単純な場合も多いが、ディストーションやエフェクトで独特の空気感を演出
- ジャズ・パンク・ポストロックの要素を取り入れることもある
4. 歌詞の特徴
- 個人的・内省的な内容が中心
- 疎外感、孤独、怒り、社会批判など感情や思想の表現を重視
- 詩的で抽象的な表現も多く、メロディより雰囲気や声質に重きを置くこともある
5. ボーカル・表現
- 声質や歌い方にバリエーションが豊か
- グランジ系:荒々しいシャウトや低音ボーカル
- インディー/シューゲイザー系:透明感のあるソフトボーカル
- 感情表現を重視し、テクニックよりも雰囲気で曲を引っ張る
6. 編成・音作り
- 基本はエレキギター+ベース+ドラム+ボーカル
- 追加でキーボード、シンセサイザー、サンプラー、弦楽器なども使用
- 録音・ミックスでのエフェクト(リバーブ、ディレイ、コーラス)が重要な雰囲気作り
7. サウンドの総合的特徴
- 粗削りかつ生々しいサウンド
- 内省的・ダークでアンニュイな雰囲気
- ジャンルを横断する実験性(グランジ、ポストパンク、シューゲイザー、ドリームポップなど)

オルタナティヴ・ロックで使用される楽器の種類
オルタナティヴ・ロック(Alternative Rock)では、基本的なロックバンド編成をベースに、ジャンルやバンドの個性に応じて多彩な楽器や音響装置が使用されます。以下に詳しくまとめます。
1. 基本的なバンド編成
| 楽器 | 役割・特徴 |
|---|---|
| エレキギター | メロディ・リフ・コード進行の中心。ディストーション、フィードバック、コーラスなどのエフェクトを多用。ジャンルによって粗削り(グランジ)〜層状サウンド(シューゲイザー)まで幅広い。 |
| エレキベース | 曲の低音・リズムを支える。グランジ系ではオーバードライブをかけて攻撃的に演奏することも。 |
| ドラム/パーカッション | ビートを刻むだけでなく、ダイナミクスや間を活かした表現が重要。変拍子やシンコペーションも多い。 |
| ボーカル | 歌詞の表現力・声質で曲の雰囲気を作る。シャウト系(グランジ)、ソフトで透明感のある声(シューゲイザー)など多様。 |
2. よく使われる追加・補助楽器
| 楽器 | 使用例・特徴 |
|---|---|
| アコースティックギター | バラードや静かなパートで使用。インディーロックやフォーク寄りの曲で多用。 |
| キーボード/ピアノ | 曲の雰囲気作りに使用。アンビエント感を出すシンセサイザーやオルガンも多用。 |
| シンセサイザー | シューゲイザー、ポストロック、エレクトロニカ系オルタナで、テクスチャや空間的なサウンドを演出。 |
| サンプラー/ループ機材 | 実験的・電子的な音響表現。リズムやノイズを追加するために使用されることも。 |
| エフェクトペダル/ギターエフェクト | ディストーション、ディレイ、リバーブ、フランジャー、フェイザーなどでサウンドを多彩に加工。 |
| ストリングス/管楽器 | ポストロックやオルタナバラードで、メロディや雰囲気を豊かにする補助的役割。 |
3. サウンド作りのポイント
- エフェクトを駆使して独特な音空間を作る
→ ギター、キーボード、ボーカル、ドラムの録音にリバーブやディレイを重ねる - 従来のロック楽器+実験的機材の組み合わせ
→ バンド編成だけでなく、ループマシンやシンセ、サンプリング音源で音の厚みを演出 - 生演奏の粗削り感+加工音の両立がオルタナの特徴
オルタナティヴ・ロックにおけるドラムとパーカッション
オルタナティヴ・ロックにおけるドラムとパーカッションは、単なるリズムの担い手以上の役割を持ち、曲の雰囲気・ダイナミクス・感情表現を大きく左右します。ジャンルやバンドのスタイルによってアプローチは多様です。以下に詳しく整理します。
1. 基本のドラムセット構成
- バスドラム(キック):低音でビートを支え、曲の重心を作る
- スネアドラム:アクセント、リズムの強弱を表現
- ハイハット/シンバル:リズムの装飾、テンポ感の演出
- タムタム:ドラムフィルやドラマチックな効果に使用
- クラッシュ/ライドシンバル:サビや盛り上がりでの強調
オルタナでは、基本的なロックドラムセットをベースに、演奏者の個性や曲の雰囲気で自由に変化させます。
2. リズムの特徴
- 変拍子やシンコペーションの使用
- グランジやポストパンクでは、リズムに微妙なズレや揺らぎを加え、感情的な揺れを表現
- テンポの自由度
- ドラムが曲全体のテンポ感を操作し、静かなパートから爆発的なサビへの起伏を作る
- ダイナミクス重視
- 強弱、間の使い方で、ボーカルやギターの感情表現を引き立てる
3. パーカッションの使用
- 基本のドラムセット以外に、追加パーカッションでテクスチャやリズム感を増幅する場合がある
- 使用例:
- シェイカー、タンバリン、ボンゴ、カホン
- インディー・フォーク寄りのオルタナ曲でリズムを柔らかくする
- ドラムと組み合わせて複層的なリズムを作り、空間的な音響表現を強化
4. サウンド・録音上の特徴
- 生々しさ・粗さを重視
- グランジ系では、スネアやタムのアタックを強調
- エフェクト活用
- リバーブやディレイで奥行きやアンビエント感を追加
- ループやサンプリングとの融合
- ポストロックやエレクトロ寄りのオルタナで、ドラムのパターンを加工して幻想的なリズムを作る
5. ジャンル別のドラム・パーカッションの特徴
| サブジャンル | ドラム/パーカッションの特徴 |
|---|---|
| グランジ | 強烈で攻撃的、キックとスネア重視、荒々しいアタック |
| シューゲイザー | ドラムは背景的、リバーブ多用で空間的 |
| ポストパンク | シンコペーションとタイトなリズム、ダンス感のあるビート |
| インディーロック | 軽やかで多彩、追加パーカッションでテクスチャ重視 |
| エモ/ポストロック | ドラムで感情の起伏を作る、静→爆発的盛り上がりの強調 |
絶対音感を本格的に鍛えるなら音楽教室
絶対音感を本格的に鍛えるなら音楽教室がおすすめです。トレーナーがあなたの絶対音感を徹底的に鍛えます。無料体験レッスンから受けてみましょう。以下の記事で紹介しています。



コメント