Zemaitisは日本の神田商会株式会社が所有するギターブランドです。Zemaitisのギターはエレキギターに限らず、アコースティックギターも製造しています。さらに12弦モデルも製造しており、見栄えの良い製品が多いです。Zemaitisはイギリスで設立されたギターブランドで、最大の特徴はボディ・マテリアル。ボディ・トップは板材の時に真空状態で熱を加えることで余分な水分やミネラルを取り除いたソリッド・シトカ・スプルースを、サイドとバックにはサペリを採用しています。
起源と歴史
イギリスでこの楽器は生まれました。現代の型は大きくこだわりがありパワーがあります。加えて新たにエフェクターやアンプなども出ています。
1. 創始者とブランドの誕生
- 創始者: Tony Zemaitis(1935‑2002、イギリス・ロンドン出身のギター職人)
- 始まり: 1950年代半ばに手作りギターの製作を開始
- 初期の注目: 1960年代、ロンドンのブルースやフォークシーンでその独創的なギターが注目される
2. 革新的デザインの登場
- 1970年代初頭
- 「メタルフロント」ギターを開発
- ギターのトップに金属板を装着し、ハウリング(フィードバック)を抑制
- 彫刻や装飾を施した独特のデザインで芸術的価値も高い
- その他のトップデザイン
- パールフロント(母貝インレイ)
- ディスクフロント(丸い金属円板)
- 音響面と装飾の両立が特徴
3. 世界的評価と有名ユーザー
- 1960〜1970年代: ロンドンのブルース・ロック界で人気
- 著名ミュージシャン:
- Ronnie Wood(ローリング・ストーンズ)
- Keith Richards(ローリング・ストーンズ)
- Eric Clapton(ブルース・ロック界のレジェンド)
- コレクターズ・アイテムとしても高い評価を獲得
4. 現在のブランド体制
- Tony Zemaitis の死後(2002年)、日本のKanda Shokai Corp. がライセンス生産
- 現在も東京を拠点に「Zemaitis」ブランドのギターを製造・販売
- 世界中のミュージシャンやコレクターに愛用され続けている
開発会社
Zemaitis
創業者
Tony Zemaitis 1935年-2002年
Tony Zemaitisは1935年にロンドンで生まれました。彼はキャビネットメーカーとして働いていました。50年代半ばにTony Zemaitisはギター製作のキャリアが始まりました。1951年に家具職人として5年間の見習いを始めました。1952年に最初のギターを修理し、最初のギターを製作しました。Tony Zemaitisはギタリストでした。1960年代、Zemaitisはラルフマクテル、スペンサーデイビス、エリッククラプトン、ジミヘンドリックスなどの著名なミュージシャンのために12弦ギターを製造しました。Tony Zemaitisは2002年に亡くなりましたが、彼のギターの価値は上昇を続けました。
歴史
Zemaitisの歴史は1950年代、家具職人だったTony Zemaitisが、見よう見まねで自作したフォークギターを友人に売る事から始まります。独学で始めたギター製作でしたが、一本、また一本と作っていくうちに独自のデザイン性と製作技術の水準は上がっていき、やがてロンドンの音楽シーンで注目されるまでに成長します。ロン・ウッドが「ディスクフロント」を愛用したことで人気と認知が決定的となり、世界のコレクター垂涎の的になりました。Tony自らが製作したギターは「ヴィンテージ・ゼマイティス」と呼ばれ、アーティストやコレクターの愛用する楽器や家宝となっています。Tony Zemaitisは2002年に亡くなりましたが、その後は神田商会がブランドを受け継ぎ、新製品を開発しています。
特徴と構造、サイズ
1. 特徴
- 独特のトップデザイン
- メタルフロント: ギターの表面を金属板で覆い、ハウリングを抑制
- パールフロント: 母貝を使った装飾的インレイ
- ディスクフロント: 丸い金属円板をトップに装着
- 音色
- メタルフロントモデルは若干硬質で明瞭な音色
- ソリッドボディ仕様でサスティーンが長く、ハムバッカー搭載により音の厚みも特徴
- 装飾性
- 彫刻やインレイなど芸術的装飾が施され、見た目の美しさも大きな特徴
2. 構造
| 部位 | 特徴 |
|---|---|
| ボディ | ソリッドボディ(レスポール型が多い)、マホガニー+トップ材 |
| ネック | セットネック構造で安定した音と演奏性 |
| フレット | 21~24フレットが一般的 |
| ピックアップ | 主にハムバッカー(2ハム搭載が多い) |
| ブリッジ | 専用設計のブリッジで、サスティーンや音色に影響 |
| トップ装飾 | メタル板、母貝インレイ、彫刻など |
| その他 | 金属トップはノイズ低減(シールド効果)も兼ねる |
3. サイズ
- スケール長: 約24.75インチ~25.5インチ(通常のエレキギターと同等)
- フレット数: 21~24フレット
- 重量: ソリッドボディのため3.5~4.5kg前後
- ボディ形状: レスポール型が中心で、手に馴染みやすい設計
種類について詳細
ゼマイティスギターは、トップデザイン・用途・装飾・構造によって多くの種類に分類されます。以下に詳細を整理します。
1. トップデザインによる分類
| タイプ | 特徴 | 用途・印象 |
|---|---|---|
| メタルフロント(Metal Front) | 金属板でボディトップを覆う。ハウリング抑制、硬質で明瞭な音色 | ロック・ブルース向き、視覚的インパクト大 |
| パールフロント(Pearl Front) | 母貝をインレイした装飾トップ | 洗練された美しさ、ステージ映え、ポップス・ジャズ向き |
| ディスクフロント(Disc Front) | 丸い金属円板をトップに装着 | 個性的デザイン、コレクター向け |
2. ボディ・構造による分類
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| ソリッドボディ(Solid Body) | レスポール型が中心、セットネック。サスティーンが長く、音量・音圧安定 |
| アコースティック/セミアコースティック(Acoustic / Semi-Acoustic) | MFG‑ACシリーズなど。24フレット前後、アコースティック音色を重視 |
| ハイブリッド/カスタム | トップ装飾やピックアップ配置、材質などオーダーメイド仕様が多い |
3. ピックアップ・ハードウェアによる分類
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 2ハムバッカー(2H) | ゼマイティスの標準的エレキ仕様。厚みある音色と歪み耐性 |
| シングル+ハム(H/S) | 幅広い音色表現に対応、柔軟なジャンル演奏向き |
| アコースティック専用PU | アコースティックモデルでライブ・録音向き |
4. 価格帯・グレードによる分類
| グレード | 特徴 | 価格帯(日本円) |
|---|---|---|
| エントリーモデル(Entry) | 装飾少なめ、標準的材質 | 約148,000円前後 |
| ミドルレンジ(Mid-Range) | 金属フロント・装飾あり、ハムバッカー搭載 | 約341,000円前後 |
| 上級・プレミアム(Premium / Ultimate) | 最高級材質・フル装飾・限定仕様 | 約500,000~2,000,000円以上 |

Zemaitis人気モデル
CHAMBERLAIN
低音弦側に1つ、ボディエンド部に5つのチェンバーを持つチェンバード・デザインのスーペリアです。
Pearl Front
ボディトップに白蝶貝/黄蝶貝/アバロン貝を整然と敷き詰めた、宝石のようなモデルです。貝殻をトップに使用することから「シェルトップ」とも呼ばれます。
Metal Front
ボディトップに金属のプレートをネジ留めした、中世の甲冑を思わせる外観を持ったモデルです。
CS24MF FR4C
モデル名は、「カスタムショップ」「24フレット仕様」「メタル・フロント」を意味し、「FR4C」が彫金デザインを示しています。
A24MF DC
独自のボディシェイプが異彩を放っているモデルです。
Superior
ボディトップの外周に貝のインレイを配した、凛としたモデル。
A24SU
ストレートなサウンドをより活かすべく、本機のようにピックアップカバーを持たない「オープンタイプ」のハムバッカーを採用したモデル。
Disc Front
オリジナルシェイプのボディ中央にジュラルミンの円盤を貼付けた、ロン・ウッドの使用で有名なモデルです。
奏法、難易度
ゼマイティスギターは基本的にはエレキギターの奏法で演奏可能ですが、独自の構造やトップデザイン、装飾が奏法に影響するポイントもあります。
1. 基本奏法
- ピック奏法
- ロック・ブルース・ポップス向き
- メタルフロントの硬質な音色を活かせる
- 指弾き(フィンガーピッキング)
- ジャズやアコースティックモデルで多用
- パールフロントやアコースティック仕様との相性が良い
- コードストローク/リードプレイ
- 標準的なコード進行演奏
- ハムバッカー搭載モデルは歪みも扱いやすい
2. 応用奏法
- ハイブリッド奏法
- ピックと指の併用
- メロディ+伴奏の同時演奏
- カスタムモデルでの特殊奏法
- 金属フロントの振動特性を活かしたハーモニクス
- 彫刻や装飾プレートを意識したピッキングポジション
3. 難易度
| レベル | 内容 |
|---|---|
| 初級 | 標準的コード進行・リードプレイ。既存エレキギター経験があればすぐ対応可能 |
| 中級 | 金属フロントや装飾の影響を理解し、表現力豊かに演奏。音作りやピッキング角度調整が必要 |
| 上級 | ハーモニクスやフィンガーピッキングによる複雑な演奏。高級カスタムモデルで音色・表現を最大化する技術が求められる |
有名な奏者
ゼマイティスギターは、その独特のデザインと音色から、世界的に有名なギタリストに愛用されてきました。特にロック・ブルース・ポップスのジャンルでの使用が目立ちます。
1. ローリング・ストーンズ関連
- Ronnie Wood(ロニー・ウッド)
- ローリング・ストーンズのギタリスト
- メタルフロントモデルを愛用し、ステージでも頻繁に使用
- Keith Richards(キース・リチャーズ)
- ローリング・ストーンズのリードギタリスト
- 特にカスタムZemaitisモデルを使用することがある
2. ブルース・ロック
- Eric Clapton(エリック・クラプトン)
- 特別仕様のZemaitisを所有
- コレクターアイテムとしても有名
- George Harrison(ジョージ・ハリソン)
- ビートルズ時代にカスタムZemaitisを使用
- スタジオ録音での独特な音色に貢献
3. その他の著名ユーザー
- Tony McPhee(トニー・マクフィー)
- イギリスのブルースギタリスト
- Richie Sambora(リッチー・サンボラ)
- ボン・ジョヴィのギタリスト
- メタルフロントやパールフロントモデルをステージで使用

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
こちらは Zemaitis(ゼマイティス)ギターの 新品・中古の製品ラインナップと価格相場 です。仕様・モデル・装飾・年式によって価格差が大きいため、あくまで「目安」としてご覧ください。価格は日本円換算・輸入時の税・送料などが別途必要な場合があります。
🎸 代表モデル例
各モデルの概要は以下の通りです:
- Zemaitis THE PORTRAIT Pearl Front Ultimate White 3S:極めてハイエンドなコレクター仕様。価格例「¥1,980,000」など。
- Zemaitis Antanus SUPERIOR Series A24SU Black Pearl HEART:上級シリーズ、ブラックパール装飾仕様。価格例「¥500,500」。
- Zemaitis Antanus SUPERIOR Series A24SU WHITE PEARL:同シリーズの白パール仕様。価格例「¥148,500」。
- Zemaitis IFG‑AC‑24 DIA:アコースティック仕様24フレット。価格例「¥462,000」。
- Zemaitis MFG‑AC‑22:アコースティック仕様22フレット。価格例「¥396,000」。
- Zemaitis DFG24 2H Black:ミドルレンジのソリッドボディ2ハムバッカー仕様。価格例「¥341,440」。
- Zemaitis Z22 Series Z22FF Flame Top:入門〜比較的手の届きやすいフレイムトップ仕様。中古例$599.99(約¥100,000前後)有り。 eBay
- Zemaitis A24DF 2H Black Solid Body:中古プロ仕様ソリッドボディ。中古例$2,299.99(約¥350,000〜)有り。
📊 価格相場の目安
- 入門〜初心者モデル:例えばフレイムトップ仕様や装飾少なめモデルで、海外表示でUSD $700〜$1,500程度の例あり。例:中古 $699(約¥110,000)など。
- ミドルレンジ仕様:アコースティック仕様22〜24フレット、またはソリッドボディ・装飾あり仕様で ¥300,000〜¥500,000 程度。例:¥341,440、¥462,000など。
- 上級/コレクター仕様:ブラックパール・ハートモチーフ・カスタム装飾などで ¥500,000〜¥2,000,000 以上。例:¥500,500/¥1,980,000。
- 中古市場:中古モデルは状態・年式・希少仕様によって大きく変動します。例として “Used Zemaitis … Product Price $799.99” という表示も確認できます。
✅ 購入時のチェックポイント
- モデルシリーズ(Antanus、THE PORTRAIT、MFG、DFG等)を確認。
- 材質・仕様(トップ材、装飾、フレット数、ピックアップ構成)を確認。
- 国内販売価格・輸入時の送料・税・為替レートを含めて総費用を見積もる。
- 中古の場合、年式・使用状態・付属ケース・オリジナルかどうか・改造歴などをチェック。
- 希少仕様・彫刻・装飾モデルはコレクター価値もあるため「将来の価値」も考慮に入れる。
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