ブルロアラーは薄板状の木片の端に紐を結び、紐の一端を持って空中で旋回させることで音を発する気鳴楽器です。オーストラリアの楽器ですが、あまり知っている人はいません。古代の儀式楽器であり、長距離での通信に使用されていたと言われています。オーストラリアの先住民族時代から使われていたとされており、アボリジニの代表する伝統楽器の一つです。ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南北アメリカ、オーストラリアで見つかっている楽器です。
起源と歴史
オーストラリアでこの楽器は生まれました。人間が体を動かして声のように音を鳴らします。現在は動物の鳴き声や言葉など、効果音として利用されます。男が身体を大きく動かして鳴らしますが、女性でも再現が可能。時間があるさいに風を使って異なる音を出してみましょう。小さなさまざま伴う音が出ます。
1. 起源
- ブルロアラーは、紐で吊るした薄い板を空中で回転させることで音を鳴らす古代の楽器/装置です。
- 板の材質は木・骨・石など、地域や用途によってさまざま。
- 音は「うなり声」のようで、遠くまで響く特性があります。
- 世界各地で独自に発展しており、先史時代から存在していたと考えられています。
2. 歴史的展開
オーストラリア(アボリジニ)
- アボリジニ文化で最も有名。
- 儀式・呪術・コミュニケーション用として使用。
- 「神の声」や霊的な現象を象徴する道具として重用され、儀式中に回転させることで神聖な音を出しました。
- 板の形や長さ、紐の太さで音色や音量を調整。
古代ヨーロッパ
- 古代ギリシャでは「Rhombos(ロンボス)」と呼ばれ、宗教儀式で使用。
- 中世・ルネサンス期のヨーロッパでも、儀式やお祭りで使用される例がある。
- 「Schwirrgerät(シュヴィルゲレート)」として、戦場で信号やコミュニケーション用にも用いられた。
ネイティブアメリカン
- 北米の先住民族でも同様の楽器が存在。
- 儀式や呪術、祈祷の際に「うなり音」を出す目的で使用。
3. 現代の利用
- 民族音楽・舞踊・効果音として世界中で使用。
- 映画や演劇、現代音楽でも独特の音響効果として活用。
- 手作りや販売されるブルロアラーは、おもちゃや教育用、演奏用として流通。
特徴と構造、サイズ
ブルロアラー(Bull Roarer)の特徴・構造・サイズを整理します。
1. 特徴
- 音の性質
- 回転によって空気を振動させ、「うなり音(低く、風のような音)」を出す。
- 音は遠くまで届くため、昔は儀式や長距離の信号伝達に利用された。
- 紐の長さや板の形状・回転速度で音の高さや大きさを調整できる。
- 用途
- 儀式・呪術・祈祷
- コミュニケーション(遠距離で音を届ける)
- 現代:民族音楽、演劇・映画の効果音、おもちゃとしての演奏
- 材質
- 木材(楕円形や槍先形が多い)
- 骨、石、金属など(地域や用途による)
2. 構造
ブルロアラーは非常にシンプルですが、音を出すための基本構造は共通しています。
| 部位 | 説明 |
|---|---|
| 板本体 | 薄く平らな板。楕円形・槍先形などさまざま。材質により音色が変化。 |
| 紐(または糸) | 板に結び付ける。長さにより回転速度や音程に影響。 |
| 回転操作 | 手で紐を持って板を空中で回転させる。紐を巻きつけて振り回す動作で音が出る。 |
- 物理原理
- 板が空気を切り、回転に伴う振動で音を発生させる
- 回転速度が速いほど高音・大きな音になる
- 紐の長さや板の幅・厚みで音色が変化
3. サイズ
ブルロアラーは用途や文化によってサイズが大きく異なります。一般的には以下の範囲です。
| 部位 | サイズの目安 |
|---|---|
| 板の長さ | 約20〜40 cm(小型は10 cm程度) |
| 板の幅 | 約3〜8 cm |
| 板の厚さ | 約0.3〜1 cm |
| 紐の長さ | 約1〜3 m(回転操作しやすい長さ) |
- 小型:おもちゃや教育用、手軽に回せるサイズ
- 大型:儀式用、音量・音の迫力を重視
種類についてバリエーション
ブルロアラー(Bull Roarer)の種類・バリエーションを整理します。
1. 材質によるバリエーション
| 材質 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| 木製 | 最も一般的。楕円形や槍先形。軽量で回転しやすく、自然な低音が出る | 儀式、民族音楽、現代演奏 |
| 骨・角 | 音がやや鋭く硬質。装飾的要素が強い | 儀式・宗教的用途 |
| 石 | 重量があるため回転は難しいが、深い低音が出る | 儀式、象徴的用途 |
| 金属 | 音が響きやすく高音寄り | 近代的・演奏効果用 |
2. 板の形状によるバリエーション
| 形状 | 特徴 |
|---|---|
| 楕円形 | 標準形。回転が安定し、低くうなる音が得やすい |
| 槍先形 / 三角形 | 音が鋭く明瞭、儀式用や遠距離伝達向き |
| 幅広 / 丸型 | より深い低音・振動を強調、舞台演出用 |
3. サイズ・回転用の紐の違い
- 板の長さ:10 cm~40 cm程度
- 紐の長さ:1 m~3 m
- 大型:儀式や遠距離伝達用で迫力のある音
- 小型:教育・おもちゃ・室内演奏用

奏法、難易度
ブルロアラー(Bull Roarer)の奏法と演奏難易度について整理します。
1. 奏法(演奏方法)
ブルロアラーは構造がシンプルですが、音色や音量のコントロールには技術が必要です。
基本操作
- 紐を握る
- 板に結んだ紐の端をしっかり握ります。
- 板を空中で回転
- 手首の回転や腕の振りで板を前後・上下に回す。
- 回転によって空気を切り「うなり音」が発生。
- 回転速度の調整
- 速く回すほど高音・大きな音
- ゆっくり回すと低音・柔らかい音
- 方向や角度の調整
- 板の回転面の角度で音の広がりや音色を変化
- 儀式や演出で、音を遠くに届けたい場合は高く振る
高度なテクニック
- 振幅の変化:手首の微調整で音量やうなりの強弱を表現
- 板の回転軸の変化:回転面を斜めにすると、音に独特の揺らぎが出る
- リズム演奏:複数回の回転でリズミカルな音のうねりを作る
2. 演奏難易度
| レベル | 特徴 |
|---|---|
| 初心者 | 紐を握って板を振るだけで音が出せる。音量や音色の微調整は未熟でも成立。 |
| 中級者 | 回転速度や角度の変化で音色やうなりの表現をコントロールできる。 |
| 上級者 | 振幅・角度・リズムを組み合わせ、演奏として音楽的に表現可能。複数人でのアンサンブルも可能。 |
総合評価
- シンプルに音を出すだけなら非常に簡単
- 音色・音量・リズムを自在に操るには練習が必要
- 遠距離伝達や儀式用の正確な音を出す場合は高い技術を要する
有名な奏者
ブルロアラー(Bull Roarer)の有名な奏者・使用例について整理します。
1. 民族・伝統文化での使用者
ブルロアラーは楽器としての歴史が非常に古く、特定個人の有名奏者が知られるよりも、文化・民族単位での使用が中心です。
- オーストラリア・アボリジニ
- 儀式・呪術・祭礼で使用
- 村や部族単位で回転者が決められ、神聖な儀式の一部として演奏
- 音を出す人物は祭礼の中心人物や長老が担当
- ネイティブアメリカン
- 一部の儀式や祈祷で使用
- 村や氏族で伝承され、個人名より文化的文脈で認識
※ブルロアラーは「民族・儀式楽器」の側面が強く、現代の音楽界でのソロ奏者や有名人として知られるケースはほとんどありません。

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
ブルロアラー(Bull Roarer)の新品/中古モデルのラインナップと価格相場を、入手可能な情報をもとに整理しました。ただし、楽器屋ではなく民族楽器/工芸品扱いの場合も多いため、在庫・価格はかなりばらつきがあります。
主な購入先・モデル例(新品/入手可能品)
以下はブルロアラーを取り扱っているオンラインショップや民族楽器店の例。
| モデル | 入手先 | 価格 | 備考 |
|---|---|---|---|
| オーストラリアン・ブルロアラー(大) | Lark in the Morning | US$29.99(約 ¥4,800前後) | 大型モデル。伝統模様入り。 |
| オーストラリアン・ブルロアラー(小型) | Lark in the Morning | US$21.99 | より小さいサイズで振りやすい。 |
| 手作り/手描きブルロアラー | bullroarer.com.au | AU$68.20〜AU$90.20(約 ¥6,000〜¥8,000) | 先住民アート入り、ギフトセットやスタンド付きあり。 |
| ナチュラルウッド ブルロアラー | Thomann | €(為替変動)相当 → 約 € ?(45cm木製モデル) | 軽量木材で伝統タイプ。 |
| ハワイアン ブルロアラー | オエオエ (日本) | ¥5,500(直輸入/サンプル) | 天然素材を手作り。サイズ:直径約7–10cm。 |
中古・ヴィンテージ相場
- eBay における出品例:木製や竹製のブルロアラーが US$11〜50程度で多数。 eBay
- ハンドペイントやアボリジニアート入りのヴィンテージ品は、デザイン・材質によって価格が大きく変動。
相場の傾向・考察
- 新品価格帯:小型でシンプルなブルロアラーは US$20〜30(数千円~)、アート入りや大型・伝統型は AU$60〜90(¥6,000〜¥8,000)あたりが多め。
- 中古価格帯:eBayなどでは非常に安めの出品(US$10台)もあるが、コレクター向け・アート入りはそれ以上に高くなることも。
- 国内入手:日本で取り扱っているショップは限られる。直輸入品が主で、送料・関税を含めてコストを見積もる必要がある。
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