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アラブ音楽とは? 歴史と特徴、楽器についておすすめ音楽ジャンルの最新版を解説

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アラブ音楽とは? 歴史と特徴についておすすめ音楽ジャンルの最新版を解説。アラブ音楽は中東地域における音楽スタイルの総称です。そのため、国や地域では違う音楽スタイルも見られており、多様化しているジャンルの一つ。アラビア諸国には、多様なスタイルの音楽と多くの言語があり、地域によっても好みの音楽などは全く違っていたりするため、非常に難しい定義ともいえます。

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アラブ音楽とは?

アラブ音楽は主にアラビア語を使っている国における音楽の総称です。主に中東地域と北アフリカを指しており、単旋律的な音楽が特徴です。メロディーにはリズム伴奏などが伴うことが多く、民族楽器が使用されることがほとんどです。

アラブの音楽はイラクやエジプトなどの古代からの東方の伝統音楽と、モロッコ、チュニジアなどの西方のアンダルース音楽の2種類に大別されます。アラブの音楽というと民族音楽しかイメージできない人もいるかもしれませんが、アルジェリアのオランで発祥したライという音楽はポピュラー音楽として認知されており、ヨーロッパでも流行しています。多数のジャンルが浸透しています。

Arabic Music

1. 地域と起源

  • 主に中東(エジプト、レバノン、シリア、イラクなど)と北アフリカ(モロッコ、アルジェリア、チュニジアなど)
  • 歴史は古代フェニキアやアラブ帝国時代に遡り、ペルシャ・ビザンティン・アフリカ音楽の影響も受ける

2. 音楽的特徴

2.1 旋律(マカーム)

  • **マカーム(Maqam)**と呼ばれる旋律体系を使用
  • 半音階や微分音を含み、独特の表現力を持つ
  • 感情や時間帯に応じて使い分けられる

2.2 リズム(イクスィール)

  • **イークスィール(Iqa‘)**というリズムパターンが存在
  • 打楽器(ダラブッカ、リク、タールなど)で複雑なリズムを刻む

2.3 声楽

  • 声の装飾(メロディの細かい装飾やメルズィフ)を重視
  • 長く引く音や微妙な音程変化が特徴

3. 主な楽器

  • 弦楽器:ウード(リュートの一種)、カヌーン(琴のような楽器)、リバーブ付きヴァイオリン
  • 打楽器:ダラブッカ(手鼓)、リク(タンバリン)、ナイ(縦笛)
  • :ソロ歌唱や合唱、コーランの詠唱も音楽文化に影響

4. 文化的背景

  • 宗教的行事、結婚式、詩の朗誦、祝祭など生活の中で重要
  • アラブ詩(カシーダ)や文学との結びつきが強い
  • 歌詞は恋愛、英雄伝、宗教、社会問題など多岐にわたる

5. 現代アラブ音楽

  • ポップ、ロック、ジャズ、ヒップホップなどと融合した現代音楽も発展
  • エジプトやレバノンを中心に、ラジオ・テレビ・インターネットで世界に広まる

アラブ音楽の歴史

古代のイスラム圏では音楽の流行はあまり見られていませんでした。7世紀ごろ、イスラム文化は西方の巨大な帝国であるビザンツ帝国と接しており、ヨーロッパの文化と接することで、音楽文化とじかに接することになり、音楽文化が開花したと言われています。

アッバース朝の時代には音楽家が活躍した時期がありました。特にアッバース朝全盛期には音楽理論に関する著述を行った哲学者が多数輩出されており、イスラム圏に音楽が深く浸透したことが分かります。

13世紀になるとモンゴル帝国の襲来により一旦音楽文化は低迷、衰退していきました。 16世紀にオスマン帝国がアラブ世界の大半をその支配下に入れてからは,スルタンの宮廷でトルコ音楽が推進されることになり、再度この地域でアラブ音楽文化が栄えていきました。

各地のアラブの古典音楽はトルコの影響を受けて今日にいたると言われているのです。オスマン帝国はアラブ地域のほとんどを支配していたことから、多くのアラブ諸国はオスマンの文化の影響を受けています。

1. 古代~イスラム帝国以前

  • 古代メソポタミア・フェニキア・エジプト文明で音楽の記録が残る
  • リズムや旋律、打楽器や弦楽器を用いた儀式音楽が存在
  • 詩と音楽の結びつきが強く、口承文学や叙事詩の朗誦に音楽が伴う

2. イスラム帝国の成立と発展(7世紀~13世紀)

  • アラブ帝国の拡大により、ペルシャ・ビザンティン・インド・北アフリカの音楽文化が融合
  • 音楽理論(マカームの基礎)や楽器技術が体系化
  • 詩(カシーダ)との結びつきが強化され、声楽中心の芸術音楽が発展
  • 宮廷音楽が隆盛し、文化的交流の中心となる

3. 中世~オスマン帝国期(13世紀~19世紀)

  • アラブ音楽はオスマン帝国や地中海諸国の影響を受け、多様化
  • 宮廷音楽と民衆音楽が共存
    • 宮廷:高度な旋律や複雑なリズム
    • 民衆:踊りや祭りに密着した実用音楽
  • 楽器の発展:ウード、カヌーン、ナイ、打楽器の使用が定着

4. 近代(19世紀~20世紀前半)

  • エジプト、レバノンを中心に大衆音楽が発展
  • 録音技術・ラジオの普及によりアラブ音楽が広く聴かれるようになる
  • 有名歌手・作曲家が登場
    • ウム・クルスーム(エジプト)
    • ファリード・アル=アトラシュ(シリア/エジプト)
  • マカームとリズムを守りつつ、ポピュラーソングの形に進化

5. 現代(20世紀後半~現在)

  • ポップ、ロック、ジャズ、ヒップホップとの融合
  • 街中のカフェやラジオ、テレビ、インターネットで世界に発信
  • 国際的アーティストも登場
    • ナディーン・サバン(レバノン)
    • アミール・ディアブ(エジプト)
  • 映画音楽や現代舞台音楽にも影響を与え、伝統と現代の融合が進む

アラブ音楽の代表曲を紹介

Arabic rock

アラブ世界ではロック音楽も流行しました。ロック、メタル、オルタナティブロックのサウンドを伝統的なアラブの楽器と融合させた多くのアラブのロックバンドがあります。アラブロックは最近中東で多くの注目を集めています。

Arabic rock

Arabic Hiphop

ヒップホップやラップはアメリカやヨーロッパだけの流行ジャンルではありません。アラブ地域でもヒップホップやラップは大きく浸透しています。伝統的なアラブ音楽のテイストを取り込んだラップになっており、独特なスタイルが構築されています。

Arabic Hiphop

Arabic electronica

アメリカやヨーロッパでも流行しているハウスやクラブミュージックはアラブ地域でも大人気です。電子音楽とアラブの伝統的な音楽スタイルが融合されているため、このジャンルでもアラブ地域独特な進化を遂げており、個性的なスタイルです。

Arabic electronica

Arabic jazz

アラブの伝統音楽とジャズが融合しているスタイルもアラビア諸国では人気です。ジャズ楽器がメインではありますが、伝統楽器とのミックスされたものが多く、これもまた、アラブ地域独特の音楽スタイルが構築されています。

Arabic jazz

アラブ音楽の音楽的特徴

アラブ音楽の音楽的特徴は、旋律体系(マカーム)、リズム体系(イクスィール)、声楽の装飾、楽器の使い方に特徴があります。西洋音楽とは異なる独自の理論と表現技法が発展しています。

1. 旋律の特徴(マカーム)

  • マカーム(Maqam):アラブ音楽の旋律体系
    • 西洋音楽の音階とは異なり、半音や微分音(1/4音)を含む
    • 旋律ごとに独自の音の順序、装飾、進行ルールがある
  • 感情表現:マカームによって喜び、悲しみ、憂いなど異なる感情を表現

2. リズムの特徴(イクスィール)

  • イクスィール(Iqa‘):アラブ音楽独自のリズムパターン
    • 複雑で多彩な拍子、強弱、休符の組み合わせ
    • 打楽器(ダラブッカ、リク、タール)で表現される
  • リズムは曲の種類や場面(儀式、踊り、詩の朗誦)に応じて選択

3. 声楽の特徴

  • 装飾音(タフシール):旋律の中で音を細かく装飾
  • 長く引く音や微妙な音程変化が特徴
  • 詩の朗誦的要素(カシーダやナシード)と密接に結びつく
  • ソロ歌唱が中心で、合唱やコーラスも用いられる

4. 楽器の特徴

  • 弦楽器
    • ウード(リュートに似た弦楽器)
    • カヌーン(台形の琴)
  • 管楽器:ナイ(縦笛)
  • 打楽器:ダラブッカ、リク(タンバリン)、タール
  • 楽器は旋律・リズム・装飾を強調する役割

5. 表現スタイル

  • 即興性(タクスィーム):マカームに基づき自由に旋律を展開
  • 呼吸や間(ま)の使い方:情感豊かな表現
  • 西洋音楽との違い:和音より旋律とリズム、声の装飾に重きを置く

アラブ音楽で使われる楽器について

アラブ音楽で使われる楽器は、旋律楽器・打楽器・管楽器の3種類に大きく分けられ、それぞれ独特の音色や演奏法を持っています。伝統音楽から現代音楽まで幅広く使用されます。

1. 弦楽器(旋律・伴奏用)

ウード(Oud)

  • アラブ音楽を代表する撥弦楽器
  • リュートに似た形で、短いネックと梨型の胴を持つ
  • 微分音を含む旋律を演奏するのに最適

カヌーン(Qanun)

  • 台形の弦楽器で、テーブルの上に置いて弦を弾く
  • 多数の弦を持ち、微妙な音程の装飾や即興演奏に使用
  • ウードとともに旋律の土台を作ることが多い

リアブ(Riab)・ヴァイオリン

  • ヴァイオリンはアラブ音楽用にチューニングされることもある
  • 即興演奏や旋律装飾に使用

2. 管楽器

ナイ(Nay)

  • 縦笛の一種で、柔らかく哀愁のある音色
  • 呼吸や指の動きで微妙な音程を表現可能
  • ソロ演奏や伴奏に使用

ミズマール(Mizmar)

  • 木管楽器で、民族的な祝祭や結婚式で使用
  • 音が鋭く、賑やかな場面で力強く響く

3. 打楽器(リズム担当)

ダラブッカ(Darbuka / Doumbek)

  • 腹鼓型の手鼓で、リズムの中心
  • 強弱や指使いで多彩な音色を出す

リク(Riqq)

  • 小型のタンバリンで、手拍子や鈴音が混ざる
  • ダンス音楽や即興演奏に用いられる

タール(Tar)

  • 大型タンバリンで、宗教儀式や祝祭で使用

4. 楽器の特徴と役割

  • 弦楽器:旋律や即興演奏の中心
  • 管楽器:情緒表現・装飾的役割
  • 打楽器:リズムの土台を作り、踊りや歌唱を支える
  • アンサンブルでは、旋律とリズムが密接に絡み合う

まとめ

アラブ音楽で使われる主要楽器は以下の通りです:

種類代表的楽器役割
弦楽器ウード、カヌーン、リアブ旋律、即興演奏、装飾
管楽器ナイ、ミズマール情感表現、旋律装飾
打楽器ダラブッカ、リク、タールリズム、踊りや歌の支え

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