バラライカは、三角形の中空の胴に、フレットが打たれた指板を持つ3弦の楽器です。この楽器はロシア発祥の楽器で、伝統音楽で使用されることが多い楽器です。この楽器は近代になってから登場した楽器で、17世紀頃にドンブラをもとに製造されたと思われます。民族楽器であるため、地味な印象もありますが、比較的世界中に知られている楽器でもあります。この楽器は民謡や踊りの伴奏として使われることが多いです。
起源と歴史
ロシアでこの楽器は生まれました。
1. 起源
- バラライカは ロシア発祥の撥弦楽器 で、リュート属に分類されます。
- 起源は 17世紀〜18世紀初頭とされ、ロシアの庶民の間で演奏されていました。
- バラライカの原型は、中央アジアや東スラブ圏の ドムラ(Domra) に由来すると考えられています。
- 当初は民俗音楽や舞踊の伴奏に使われ、三角形の胴や少ない弦の特徴が庶民の簡易楽器としての役割に適していました。
2. 標準化と普及
- 19世紀末、ヴァシリー・アンドレーエフ(Vasily Andreyev)がバラライカを体系化。
- フレット構造やサイズを標準化し、音域を揃えた現代型バラライカを設計。
- オーケストラサイズのバラライカ(プリマ、セコンド、アルト、バス)を確立。
- アンドレーエフの指導のもと、バラライカは民俗音楽だけでなく コンサート楽器としての地位を確立。
- 20世紀には バラライカ・オーケストラ がロシア国内外で活動、民族音楽の象徴的楽器として普及。
3. 名称の由来
- 「バラライカ(balalaika)」の語源は、ロシア語 “балакать (balakat’) = おしゃべりする” という説があります。
- 音が軽快に弾かれる様子が「おしゃべりするよう」と形容されたことに由来すると言われます
特徴と構造、サイズ
1. 特徴
- 形状:
- 胴は 三角形 が基本。
- ネックは細長く、先端はやや広がるペグヘッド形状。
- 弦数:
- 標準は 3弦。
- 弦の調弦は通常 E-E-A(プリマバラライカ) など、モデルや音域によって異なる。
- 音色:
- 弦を撥(ばち)で弾くため、軽快で明るい音。
- 民族音楽や舞踊伴奏に適したリズミカルな音が特徴。
- 演奏用途:
- 民族音楽、舞踊伴奏、オーケストラ、ソロ演奏まで幅広い
2. 構造
| 部位 | 特徴 |
|---|---|
| 胴 | 三角形の薄い板で構成。スプルース、シダー、マホガニーなどを使用することが多い。 |
| ネック | 木製で細長く、フレットは金属製。ネック接合はボルトオンや接着式がある。 |
| 弦 | 主にナイロンまたは鋼線。3弦が基本で、太さは音域による。 |
| 弦高 | 弦はやや高めに設定され、撥での演奏に適応。 |
| ペグ | 木製または金属製。調弦は手動で回すタイプ。 |
| バチ | 弦を弾く撥は、木やプラスチック製。手の形状や演奏スタイルに合わせて選択。 |
3. サイズ・種類別
バラライカはオーケストラやソロ演奏に対応するため、複数サイズが存在します。
| モデル(サイズ) | 特徴 | 長さ | 弦長 | 音域 |
|---|---|---|---|---|
| プリマ (Prima) | 最も一般的、ソロ・伴奏用 | 約 60 cm | 約 37–38 cm | 高音域 |
| セコンド (Secunda) | 伴奏・リズム用 | 約 65–70 cm | 約 45 cm | 中音域 |
| アルト (Alto) | 和声・リズム用 | 約 70–75 cm | 約 50 cm | 中低音域 |
| バス (Bass) | 和声・低音用 | 約 80–90 cm | 約 60 cm | 低音域 |
| コントラバス (Contrabass) | オーケストラ低音用 | 約 100 cm以上 | 約 70–80 cm | 低音域 |
- 大きいサイズほど低音域の演奏に適し、オーケストラでの和声を担当。
- 小型プリマは持ち運びやソロ演奏に便利で、民俗音楽でも一般的。
種類についてバリエーション
バラライカは 音域・用途・構造の違いによって複数の種類があります。オーケストラ用から民俗用、演奏スタイルに応じたバリエーションまで幅広いです。
1. サイズ・音域による分類
| 名称 | 弦数 | 役割 | 音域・特徴 |
|---|---|---|---|
| プリマ (Prima) | 3弦 | ソロ・伴奏 | 最も一般的で高音域。軽快な音色。民俗音楽・舞踊伴奏に多用。 |
| セコンド (Secunda) | 3弦 | リズム・伴奏 | 中音域でハーモニーやリズムを支える。 |
| アルト (Alto) | 3弦 | 和声・伴奏 | 中低音域。オーケストラや合奏で和音の厚みを担当。 |
| バス (Bass) | 3弦 | 低音・伴奏 | 低音域。オーケストラのリズム・和声の土台。 |
| コントラバス (Contrabass) | 3弦 | 低音域支配 | さらに低音域。大編成オーケストラ向き。 |
※プリマ以外はオーケストラ向けが中心で、個人演奏より合奏用に使われることが多い。
2. 弦の違い・調弦によるバリエーション
- 通常調弦(E-E-A):プリマバラライカに多く使用。
- セコンド・アルト・バスはオーケストラ用に音域を下げた調弦が一般的。
- 4弦・6弦のバラライカ:現代的アレンジやソロ演奏向け。プリマサイズを拡張したバリエーション。
3. デザイン・材質によるバリエーション
- 胴材
- スプルース、シダー:明るい音色。
- マホガニー:温かみのある音色。
- トップ装飾
- 無地タイプ:民俗音楽や練習用。
- 彫刻・塗装あり:舞台演奏やコンサート用。
- ネック
- 標準ネック:伝統的細長タイプ。
- 太め・握りやすいタイプ:初心者向けや現代アレンジ用。

バラライカの種類
Contrabass
Alto
Secunda
Prima
奏法、難易度
バラライカは 撥(ばち)を使って弦を弾く民族弦楽器 で、演奏スタイルや用途によって奏法や難易度が変わります
1. 基本奏法
- 撥弦奏法(ストローク)
- 右手で撥を持ち、弦を弾く。
- 単音・和音・リズムパターンに応じて弾き分ける。
- プリマでは単音メロディー、セコンド・アルト・バスではリズム・和声演奏が多い。
- 指弾き(フィンガリング)
- 民族音楽や現代アレンジでは、右手で指を使って弾く場合もある。
- 細かい装飾音やトレモロ奏法に適している。
- 和音演奏(コード奏法)
- 3弦の特性を生かして 2〜3弦同時押さえ でコードを演奏。
- 簡単な伴奏から複雑な和声まで対応。
- 装飾奏法
- トリル、ハンマリング、プリング、スライドなどの技巧。
- プリマ・ソロ演奏でよく使われる。
2. 難易度
| レベル | 特徴 | 推奨 |
|---|---|---|
| 初級 | 単音・簡単なリズム伴奏。3弦の調弦やストロークの習得。 | 初心者・子ども向け。 |
| 中級 | メロディー+簡単なコード、複雑なリズムや和音演奏。 | 民族音楽演奏や合奏向け。 |
| 上級 | ソロ演奏、装飾音・トリル・トレモロ、速いフレーズ。 | プロ・コンサート演奏向け。 |
- ポイント
- 弦数が少ない分、指の動きはシンプルだが、リズムの正確さが演奏に直結。
- オーケストラや合奏では、音域ごとに異なるバラライカを使い分けるため、合奏対応力も必要。
- 大型バス・コントラバスバラライカは弦が太く重いので、物理的な扱いやすさも難易度に影響
有名な奏者
バラライカはロシア民族音楽の象徴的楽器で、ソロ・オーケストラ・民族音楽の各分野で活躍する奏者がいます。
1. ヴァシリー・アンドレーエフ(Vasily Andreyev, 1861–1918)
- 功績:現代バラライカを標準化した人物。
- 特徴:
- プリマ、セコンド、アルト、バスの各サイズを体系化。
- バラライカ・オーケストラを結成し、民族楽器をコンサート用に普及。
- 影響:19世紀末〜20世紀初頭のバラライカ普及の立役者。
2. アレクサンドル・アレクサンドロフ(Alexander Aleksandrov, 1883–1946)
- 功績:ソビエト時代の音楽家・指揮者。
- 特徴:
- 赤軍合唱団の創設者で、バラライカを含む民族楽器を編成に取り入れた。
- バラライカ演奏を国際的に広める役割を果たした。
3. ニコライ・バスコフ(Nikolai Baskov, 現代)
- 功績:ポップス・クラシック系でバラライカを演奏する現代奏者。
- 特徴:
- ソロ演奏やテレビ出演などでバラライカの魅力を発信。
4. バラライカ・オーケストラ(Ensemble of Balalaikas)
- 概要:複数のプリマ・セコンド・アルト・バスを使った演奏団体。
- 特徴:
- 合奏による厚みのある和声。
- 民俗音楽・舞踊伴奏・クラシック編曲まで幅広く対応

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
「バラライカ(Balalaika)」の新品/中古の製品ラインナップと価格相場を整理します。購入時の参考にどうぞ。
✅ 代表的な新品ラインナップ
それぞれ簡単に解説します:
- New Ukrainian Trembita Russian Balalaika 3 Strings Prima:新品のプリマ3弦モデル。価格例として約 ¥59,744 が提示されています。
- Balalaika プリマ/デラックス ローズウッドモデル:ハイエンド仕様(ローズウッド材等)モデル。価格は明記されていませんがデラックス仕様とされており、比較的高価格帯です。
- Balalaika/プリマ 3弦 スタンダードモデル:スタンダード仕様。例えば海外通販で「Heartland Russian Prima Balalaika, 3 String」 が約 ¥43,400 程度。
- La Bella BL90 バラライカ用弦セット:アクセサリーですが価格目安として ¥1,580 程度。
- Complete Balalaika Book(教則本):楽器としてではなく教則・資料用。価格例 ¥2,652。
- Balalaika 木製ケース付きモデル:ケース付き初心者モデル。価格は明記されていませんが、アクセサリー込みモデルとして参考値あり。
- Balalaika 6弦モデル(プリマ):3弦とは異なる6弦仕様。輸入例で6弦モデルが紹介されています。
- Balalaika アルト/セコンダサイズモデル:音域・サイズが異なるバラライカ・家族サイズの一つ。価格例として米ドル表記で185 USD 程度など。
🎯 新品価格の目安
- 入門・スタンダードモデル:≈ ¥40,000〜¥60,000あたり。例:¥43,400。
- ハイエンド・仕様贅沢モデル(材質良・6弦・大サイズなど):**¥60,000〜¥100,000+**の可能性あり。
- アクセサリー(弦・ケース・教則本など)は数千円〜一万円未満のものも多い。
⚠️ 中古/セカンドハンドの価格相場
中古市場の例も調べられます:
- 海外で「USSR Russian Balalaika 3 String Folk Instrument」 が US$150(約 ¥20,000〜¥25,000) 程度で取引あり。
- また、eBayではヴィンテージ・ロシア製バラライカが US$100〜US$150(約 ¥13,000〜¥22,000) の価格帯。
- 日本国内・他地域では、中古モデルの具体例が少ないため価格幅が広いですが、状態・年式・サイズ・材質で大きく変動します。
📝 中古購入時にチェックすべき点
- 材質(木材の状態・ひび割れの有無)
- 弦数・仕様(3弦・6弦・プリマ・アルトなど)
- サイズ・音域(プリマ・セコンダ・バスなど)
- 調弦状態・フレット・ネックの反り・響き・付属品の有無
- 輸入・送料・関税なども考慮
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