篠笛は日本の伝統的な木管楽器で平安時代にはすでに広く使われていました。祭り、獅子舞、神楽等で使われていた楽器で、日本人にとってとても馴染みのある楽器と言えます。エアリード楽器の一つとされ、2オクターブ半ほどの音域があります。篠笛は簡素な構造の横笛で、伝統音楽では単純に笛とか竹笛と呼ばれることが多い楽器です。日本の庶民階級の中で大きく普及した楽器が篠笛です。
起源と歴史
日本でこの楽器は生まれました。唄や太鼓、和太鼓などと調子を併せて演奏をします。全体で大きめな穴があり、これを押さえて音程を調律してコントロールします。出る響きはそれぞれ古来から各地で一番好かれている音色。始めるには練習が必要になるでしょう。和楽器奏者は管の孔から尺八のように吹きます。実際に洋楽器とは違う独特の楽器です。大きな力強い音が強く出せます。
1. 起源
- 篠笛は、日本の伝統的な**横笛(横吹き笛)**の一種です。古典の能管や龍笛のなかま
- 材料には主に 篠竹(しのだけ) を使用することから「篠笛」と呼ばれます。
- 起源は中国や朝鮮半島の横笛の影響を受けており、平安時代頃には日本に伝わったと考えられています。
- 古墳や正倉院の出土品からも、竹製の横笛の存在が確認されており、古くから神事や祭礼に用いられていました。
2. 歴史的発展
奈良・平安時代
- 横笛は宮廷音楽や神事で使用され、篠笛の原型が形成される。
- 高音域の明るい音色は、雅楽の舞や神事の伴奏に適していました。
鎌倉・室町時代
- 民間にも横笛が普及し、神社の祭りや農村の行事で使用されるようになる。
- 地域ごとに笛の形状や音階が異なり、地方色のある吹き方や音色が発展。
江戸時代
- 江戸時代になると、祭り(お囃子)や能楽、歌舞伎など舞台音楽に広く使用されるようになる。
- 特に祭り笛(お囃子用)や歌伴奏用に、音階や調律を工夫したバリエーションが登場。
明治以降
- 西洋音楽の影響で、ドレミ音階に合わせた篠笛が製作されるようになった。
- 伝統芸能だけでなく、現代音楽や和楽器バンドでも使用されるようになる。
特徴と構造、サイズ
では、篠笛(しのぶえ)の特徴・構造・サイズについて詳しく整理します。
1. 特徴
- 横笛(横吹き):口で横から息を入れるタイプの笛。
- 竹製の明るい音色:主に篠竹を使い、軽くて高音域の澄んだ音色が特徴。
- 用途が広い:祭り(お囃子)、能・歌舞伎、民謡、現代音楽、和楽器バンドなど。
- 調子(音階)による種類:伝統的な祭り用(Hayashi調)、歌伴奏用(Uta調)、西洋音階対応のドレミ調など。
- 奏者の息や指の使い方で表現力が大きく変わる:息の強弱で音量や音色のニュアンスをコントロールできる。
2. 構造
篠笛はシンプルですが、精密に作られています:
- 本体(竹管)
- 篠竹を使った細長い管。軽量で持ちやすい。
- 内側を漆や樹脂でコーティングすることもあり、耐久性や音質を調整。
- 吹き口(息口)
- 口で息を吹き込む部分。横吹きで唇の角度によって音が出る。
- 初心者向けには吹きやすい形状のものもある。
- 指穴
- 6穴または7穴が主流。
- 指で押さえることで音程を変える。
- 指穴の大きさや間隔で吹きやすさや音色が変わる。
- 装飾・補強
- 外側を蔓(つる)で巻いたものや漆塗りのものがある。
- 見た目の美しさだけでなく、竹の割れ防止や耐久性の向上にもなる
3. サイズ・長さ・調子(音域)
篠笛のサイズは**長さや調子(音の高さ)**によって異なります:
| 調子(Key) | 長さの目安 | 音域 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 高音(8本調子 / C調) | 約38〜40cm | 明るく鋭い高音 | 祭り、お囃子向き |
| 中高音(7本調子 / D調) | 約42〜44cm | 高〜中音 | 民謡、舞台音楽 |
| 中音(6本調子 / E調) | 約45〜47cm | 中音域 | 歌伴奏、和楽器バンド |
| 低音(5本調子 / F調) | 約50cm前後 | 落ち着いた低音 | 合奏、舞台演奏 |
- 数字(本調子)は音階の種類を示す。
- 長い笛ほど低音が出やすく、短い笛は高音が出やすい。
- 6穴笛と7穴笛では、演奏可能な音域や奏法に違いがある。
種類についてバリエーション
では、篠笛(しのぶえ)の種類・バリエーションについて詳しく整理します。
1. 調子(Key)による種類
篠笛は調子(Key)によって大きく分けられます。調子は笛の長さや穴の配置で決まる音階を指します。
| 調子(Key) | 説明 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 8本調子(C調) | 高音域で明るく鋭い音 | 祭りやお囃子、笛ソロ |
| 7本調子(D調) | 高〜中音域 | 民謡、舞台音楽、歌伴奏 |
| 6本調子(E調) | 中音域 | 歌伴奏、合奏、和楽器バンド |
| 5本調子(F調) | 低音域で落ち着いた音色 | 合奏や舞台音楽、低音パート |
調子の「本数」は伝統的に、音階の高さと笛の長さを示す呼び方で、笛の長さが長いほど低音になります。
2. 指穴の数による種類
- 6穴笛:基本的な指使いで演奏可能。民謡や簡単な合奏に適している。
- 7穴笛:6穴よりも音域が広く、半音階や複雑な旋律も演奏できる。
- 8穴以上:一部の現代・洋楽対応笛で見られる。西洋音階との互換性がある。
3. 用途別のバリエーション
| 用途 | 特徴 |
|---|---|
| 祭り用(Hayashi-yo) | 明るく力強い音色。地域ごとに音階や吹き方が異なる。 |
| 歌伴奏用(Uta-yo) | 音階が安定しており、歌や三味線伴奏に適する。 |
| ドレミ調(西洋音階対応) | ドレミに調律されており、洋楽器とのアンサンブルに使いやすい。 |
| 舞台用(能・歌舞伎) | 表現力豊かで、演技や舞踊に合わせた音色を重視。 |
4. 材質・製法による種類
- 竹製(篠竹)
- 伝統的で明るく自然な音色。
- 漆塗りや蔓巻きで装飾・補強することがある。
- プラスチック製
- 初心者や練習用。安価で軽量、耐久性もある。
- 塗り笛(漆塗り)
- 音の響きが柔らかく、高級モデルとして演奏家向け。

篠笛の曲
篠笛は日本の童子や伝統音楽で使用されます。教室でもドレミから学べます。
奏法、難易度
篠笛(しのぶえ)の奏法と難易度について整理して解説します。
1. 基本的な奏法
(1) 息の使い方
- 篠笛は横笛なので、息を横から吹き込みます。
- 強く吹く → 大きな音、弱く吹く → 小さな音
- 息の角度や強弱で音色や音量を調整できるため、表現力が重要。
(2) 指の使い方
- 6穴または7穴の指穴を使って音階を作る。
- 指の押さえ方や組み合わせで半音・全音の音程を演奏可能。
- 初心者は基本の指使いから練習するのが安全。
(3) タンギング(音の切り方)
- 息を短く区切って音をはっきり出す技法。
- 「トゥー」「ドゥー」などの発音で、リズムやフレーズの輪郭を明確にする。
- スラー(滑らかに繋げる奏法)も可能で、歌伴奏やメロディ演奏に活用される。
(4) 高度な技法
- 半音奏法:指穴を部分的に押さえて半音を出す。
- ビブラート:息や口の角度を微妙に変えて音の揺れを表現。
- 装飾音:祭囃子や民謡でよく使われる、音の跳躍やトリル。
2. 難易度の目安
| レベル | 特徴 | 主な練習内容 |
|---|---|---|
| 初級 | 音を出す・基本音階を覚える | 息の入れ方、6穴基本指使い、簡単な旋律 |
| 中級 | 音階やリズムの応用 | 半音、タンギング、簡単な装飾音、7穴演奏 |
| 上級 | 表現力・高度奏法 | ビブラート、装飾音、長時間演奏、複雑な旋律 |
| プロ・演奏家 | 即興演奏・演出 | 祭り笛のリード、舞台音楽でのアンサンブル、洋楽器との共演 |
難易度のポイント
- 息のコントロールができるかどうかで演奏の表現力が大きく変わる。
- 指穴数の多い笛ほど半音や複雑な旋律が可能で、難易度が上がる。
- 祭り用の篠笛は力強く長時間吹く必要があるため、体力や呼吸法も重要。
有名な奏者
篠笛(しのぶえ)の有名な奏者について整理します。
篠笛は学校教育や祭りの笛としても親しまれていますが、プロとして国内外で活躍する演奏家もいます。
(1) 藤舎呂英(とうしゃ ろえい)
- 能楽や舞台音楽、神楽などで活躍する篠笛奏者。
- 日本伝統音楽の枠を超え、現代音楽や即興演奏にも挑戦。
(2) 藤舎貴生(とうしゃ たかお)
- 藤舎流の篠笛奏者。
- 民謡や邦楽アンサンブルで広く活躍。
- 洋楽器との共演やアレンジ作品も多数。
(3) 山口流(やまぐち りゅう)流派の奏者
- 全国の祭りや民謡で活躍する伝統的な篠笛演奏家。
- 地域の祭りに欠かせない存在で、指導者としても活動。
(4) 三浦一馬(みうら かずま)
- 邦楽アンサンブルや和楽器バンドなどで活躍。
- 篠笛の現代的な表現を追求し、ソロ演奏も行う。

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
「篠笛(しのぶえ)」の新品・中古の製品ラインナップと価格相場を整理します。ご購入の際の目安としてご活用ください。
✅ 新品ラインナップと価格例
以下は新品で購入できる篠笛の代表的モデルです。
それぞれのモデルの特徴と価格ポイント:
- Shinobue Maruyama Urushinuri Muji 12本調子:高級な竹製・12本調子仕様。価格がかなり高価格帯。
- Shinobue Maruyama Tenchimaki 12本調子:装飾(天地巻き)ありの高級モデル。
- Shinobue Maruyama Shiratake 12本調子:同シリーズで比較的手の届きやすい中級竹製仕様。
- 大岡紫水 紫水流 篠笛 獅子田籐巻 7穴 6本調子:お祭り/お囃子用のプロ仕様。竹+装飾(籐巻き)仕様。比較的手頃。
- プラスチック 日本製 しのぶえ フルート8 Cの鍵:初心者向け・プラスチック製入門モデル。価格が最も低め。
- Learn to Play the Shinobue(教則・入門用書籍):楽器ではありませんが、入門者向けの書籍。篠笛購入+学習のセットとして参考になります。
- (重複モデルは別仕様なので参考として扱っています)
新品価格の相場感
- 入門用プラスチック製:2,000円前後〜。
- 竹製・素竹タイプまたは巻き仕上げ少なめ:5,000〜15,000円あたり。例:5,093円のモデルあり。
- 中〜高級竹製・巻き仕様・お囃子・プロ仕様:15,000〜30,000円以上。例:17,600円。
- 超高級仕様・調律や巻き込み仕様・特殊仕様(12本調子、総巻きなど):30,000円〜60,000円以上。 例:43,000〜63,000円程度まで。
⚠️ 中古/落札相場・参考価格
中古やオークションでの実際の落札価格も調べると以下のような相場が出ています:
- オークファンによる「横笛/篠笛」カテゴリーの直近30日落札平均:約 7,038 円。
- Yahoo!オークションで「篠笛 中古」キーワード検索:平均落札価格 約 2,524 円(過去180日)というデータあり。
- 買取価格の目安:数千円〜3万円程度が一般的。特に作者銘や希少仕様ある場合はそれ以上。
中古購入時のポイント
- 初心者モデルやプラスチック製なら2,000〜5,000円台で手に入ることも。
- 竹製・装飾あり・作家名ありの中・高級モデルは10,000円以上が普通。
- 音出し状態、割れ・ヒビ・巻き仕上げの傷・作者銘の有無などで価格に大きく差が出ます。
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