シェンはフリーリードの気鳴楽器で中国の伝統音楽で使われる楽器です。長さの異なる13本の竹パイプで作られ、現代の中国のオーケストラで使われる楽器です。2000年ほどの歴史があると云われており、日本の伝統楽器である笙にとても形状が似ています。大小様々なサイズがあって、まるでサクソフォンのような楽器です。現在ではこの楽器はアジアのなかでも有名な楽器として知られています。
起源と歴史
中国でこの楽器は生まれました。
1. 起源
- 笙は 自由簧(フリーリード)式管楽器の一種で、古代中国に起源があります。
- 最古の記録は 戦国時代(紀元前5〜3世紀頃) で、青銅製の笙(竽の一種)が出土しています。
- 原型は、古代中国の 竽(yú) や 角笙(jiǎo shēn) で、複数の管を束ねた構造を持ち、和音を奏でる楽器でした。
2. 発展の歴史
- 秦・漢時代(紀元前221〜220年)
- 宮廷音楽・儀式音楽で使用され、音律や管数の標準化が進む。
- 唐代(618〜907年)
- 現在に近い形式の笙が確立され、宮廷音楽・民間音楽の両方で使用。
- 笙は雅楽や吹奏楽器群の中心的役割を果たす。
- 宋・明・清代
- 管の材質や長さ、管数など細かい改良が行われ、音色が洗練される。
- 笙の演奏技術も体系化され、宮廷音楽や宗教音楽での専門奏者が存在。
- 近現代
- 中国民族音楽・現代音楽・映画音楽・民族楽器オーケストラで活躍。
- 現代では青銅管・竹管の職人製作品に加え、電子笙やソフト音源モデルも登場。
特徴と構造、サイズ
中国の伝統楽器 笙(shēn) の 特徴・構造・サイズ について整理します。
1. 特徴
- 複数の管で同時に音を出すことができる和音楽器
- 他の管楽器と違い、単音だけでなく和音を演奏可能。
- 吹いても吸っても音が出るフリーリード方式
- 息を吐く/吸う両方で音が出るため、長く連続して音を出すことができる。
- 音色
- 澄んだ柔らかい響きで、宮廷音楽や宗教音楽の荘厳な雰囲気を表現。
- 和音の響きが美しく、神秘的で静謐な音楽表現に適している。
2. 構造
笙は基本的に 管の束と共鳴胴、吹口 で構成されています。
主なパーツ
- 竹管(17〜37本程度)
- 金属リード(簧)が各管に装着され、振動で音を発生。
- 管の数や長さで音域や和音の幅が決まる。
- 管をまとめて「管束」と呼ぶ。
- 共鳴胴(木製・竹製)
- 竹管の下部をまとめる胴部。音を増幅し、響きを整える役割。
- 吹口
- 口を当てて息を吹き込む部分。
- 息を吐く/吸うで音が出る仕組み。
音の仕組み
- 竹管内の簧が振動して音を作り、共鳴胴で音が増幅される。
- 同時に複数の管を鳴らすことで、和音を奏でられる。
3. サイズ
- 標準的な笙の全長は 約30〜50cm前後。
- 管数や管の長さ、胴部の大きさでサイズは多少変動。
- 重量は比較的軽く、演奏者が両手で持って演奏可能
種類についてバリエーション
中国の伝統楽器 笙(shēn) の 種類・バリエーション について整理します。
1. 管数による分類
笙は管の数で大きく分けられ、音域や和音表現が変わります。
| 種類 | 管の本数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 小型笙 | 13〜17本 | 高音域中心。演奏が容易で初心者向き。 |
| 標準笙 | 17本 | 最も一般的な形式。雅楽・宮廷音楽で使用。 |
| 大型笙 | 21〜37本 | 低音域まで広くカバー。重厚な和音が可能。 |
| 特殊笙 | 37本以上 | 現代音楽・オーケストラ用に拡張されたモデル。 |
2. 材質・装飾による分類
- 竹管笙
- 伝統的な形式。竹の自然な響きが特徴。
- 青銅笙 / 金属簧笙
- 高級品や儀式用。響きがより豊かで耐久性も高い。
- 装飾笙
- 伝統的な雅楽用には、鳳凰や龍などの装飾が施されることもある。
3. 用途による分類
- 宮廷・雅楽用笙
- 正確な調律と音色が重視される。伝統演奏の中心。
- 民間音楽用笙
- 祭りや地方音楽で使用。比較的簡略化されたモデル。
- 現代音楽・電子笙
- 音色加工・録音用に開発されたモデル。電子音源やソフト音源化されているものもある

シェンの曲
シェンは主に中国音楽で使用されることが多い楽器です。中国オーケストラなどではよく出てきます。
奏法、難易度
中国・日本の伝統楽器 笙(shēn/しょう) の 奏法・難易度 について整理します
1. 奏法
基本奏法
- 吹く/吸う:笙はフリーリード管楽器で、息を吐いても吸っても音が出ます。
- 指使い:両手で管の束を持ち、指で開閉して音を出す管を選択。
- 和音奏法:複数の管を同時に鳴らして和音を作ります。
- 日本の笙では、基本的に 5〜6音の和音(合竹) が中心。
- 中国の笙では、演奏曲や管数によって 3音以上の和音 も可能。
応用技法
- 連続音(息継ぎなし)
- 吹く/吸うを組み合わせて途切れず音を出す技術。
- 手移り(てうつり)
- 指で鳴らす管を素早く切り替え、旋律や装飾音を演奏する。
- 音色調整
- 吹き方・息の強弱で音の立ち上がりや響きをコントロール。
- 装飾音・グリッサンド
- 中国笙では旋律装飾として、リードや管の使い方を工夫し、滑らかに音を変化させることも可能。
2. 難易度
| 難易度 | 対象 | 理由 |
|---|---|---|
| ★☆☆ | 初心者 | 吹く/吸うだけで音が出せるため、まず音を鳴らす練習から始められる。 |
| ★★☆ | 初級〜中級 | 和音を正確に鳴らす、指の操作に慣れる、連続音を作る技術を習得。 |
| ★★★ | 中級〜上級 | 音色のコントロール、旋律の演奏、装飾音・手移りの習得。 |
| ★★★★ | プロ・演奏家 | 雅楽・宮廷音楽の正確な音律、表現力豊かな和音演奏、現代音楽での高度な技術。 |
有名な奏者
中国・日本の伝統楽器 笙(shēn/しょう) の 有名奏者 を整理します。
1. 日本の笙奏者
- 東儀 秀樹(とうぎ ひでき)
- 雅楽演奏家として国内外で活躍。笙を専門に演奏し、ソロやオーケストラ、現代音楽とのコラボレーションでも知られる。
- メディア出演多数、笙の魅力を広く紹介。
- 鶴見 和子(つるみ かずこ)
- 雅楽演奏家、笙の演奏教育にも貢献。宮廷音楽の伝統を受け継ぐ。
2. 中国の笙(shēn)奏者
- 劉天華(Liu Tianhua, 1895–1932)
- 近代中国音楽の改革者・作曲家。笙や二胡の演奏・教育で知られ、中国民族音楽の発展に大きく貢献。
- 呉文光(Wu Wenguang)
- 現代中国民族音楽の笙奏者、オーケストラや現代音楽作品で活躍。
- 現代民族音楽大学出身の専門奏者
- 中国の音楽大学や民族音楽団体で、笙を専門に演奏・指導するプロ奏者多数。

新品と中古の製品ラインナップと価格相場
了解しました。では、笙 の 新品および中古品の製品ラインナップと価格相場を整理してご紹介します。参考にしてください。
✅ 製品ラインナップ(新品モデル例)
それぞれ簡単に補足します:
- 笙 SH‑105 専用演奏モデル:価格例 ¥624,088。伝統仕様・演奏用の最高グレード。
- 笙 Starter Pack 演奏セット:価格例 ¥213,337。中級~演奏入門向けセット。
- 笙 煤竹乱節 本管・総銀金具モデル:価格例 ¥2,200,000。非常に高級仕様で材質・装飾ともに最上位。
- 笙 白竹本節 本管モデル:価格例 ¥660,000。白竹・本管仕様で上級演奏家向け。
- 笙 白竹三つ節 頭木製・根継竹製モデル:価格例 ¥363,000。中~上級仕様。
- 笙 白竹乱節 頭樹脂・根継樹脂モデル:価格例 ¥148,500。比較的手の届きやすい演奏用仕様。
- 笙 入門セット 17本簧 手作りモデル:価格例約 ¥15,000〜30,000(廉価入門モデル)も見られます。
- 笙 電子笙モデル:電子仕様・ソフト音源モデルとして ¥39,160 などの価格例も。
📊 価格相場の目安
複数の出品・通販サイトやオークション情報から、笙の価格帯を整理すると以下のようになります。
新品モデル
- 演奏用・上級仕様: ¥300,000〜¥2,000,000以上。材質(竹の種類、金具、装飾)、管数・本簧の仕様によって価格が大きく上がります。例:¥660,000/¥2,200,000。
- 中級仕様・演奏入門レベル: ¥100,000〜¥300,000前後。例:¥148,500/¥213,337。
- 入門モデル・教育用・廉価仕様: ¥10,000〜¥50,000程度。例:¥15,000という廉価入門モデル記載あり。
中古・オークション相場
- オークション平均落札価格:約 ¥16,666〜¥20,000というデータあり。
- ただしこれらは「状態・仕様不明」「入門/廉価モデル」も含まれており、演奏用高級仕様中古品では 数十万円~という例もあります。
ざっくり目安
- 入門モデル新品:¥10,000〜¥50,000
- 中級演奏モデル新品:¥100,000〜¥300,000
- 上級演奏モデル新品/職人製:¥300,000〜¥2,000,000以上
- 中古モデル:状態・仕様次第で 万円台~数十万円。
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