ノイズミュージックとは? 特徴と歴史、名盤についておすすめ音楽ジャンルの最新版を解説。ノイズ・ミュージックは一般的に世界中で騒音の手法を活かしたアーティストや作品が多く音楽とは分類されることが少ないジャンルと言えるでしょう。ノイズの出し方や使い方はひとそれぞれで、実験音楽、アンダーグラウンドな音楽として認知されています。
- ノイズミュージックとは?
- ノイズミュージックの歴史について
- 有名なサブジャンル
- ノイズミュージックの音楽的特徴
- ノイズミュージックの名盤TOP20を紹介
- 1. Lou Reed – Metal Machine Music (1975, USA)
- 2. Merzbow – Pulse Demon (1996, Japan)
- 3. Merzbow – Venereology (1994, Japan)
- 4. Whitehouse – Bird Seed (2003, UK)
- 5. Throbbing Gristle – 20 Jazz Funk Greats (1979, UK)
- 6. John Cage – 4′33″ (1952, USA)
- 7. Nurse With Wound – Homotopy to Marie (1982, UK)
- 8. Masonna – Fast Music (1996, Japan)
- 9. Cabaret Voltaire – Red Mecca (1981, UK)
- 10. SPK – Leichenschrei (1982, Australia)
- 11. Prurient – Frozen Niagara Falls (2015, USA)
- 12. Muzlax – Abstract Noise Works (1990, Germany)
- 13. Oval – 94diskont (1995, Germany)
- 14. Günter Müller – Ma/za/zo (1997, Switzerland)
- 15. Pauline Oliveros – Deep Listening (1989, USA)
- 16. Merzbow – Batztoutai with Memorial Gadgets (2000, Japan)
- 17. Sonic Youth – Daydream Nation (1988, USA)
- 18. Lou Reed – The Bells (1979, USA)
- 19. Zoviet France – Lopolar (1991, UK)
- 20. Flux – Poem 1–5 (1970, USA)
- 🌟 ポイント
- 絶対音感を本格的に鍛えるなら音楽教室
ノイズミュージックとは?
ノイズミュージックは一般的には音楽に分類されていません。旋律やコード進行などは一切考慮されておらず、リズムなども一切ありません。ノイズはコンピューターやシンセサイザーによりノイズを発生させるものや、工具などを使うことにより出す音、さらには衝動的な演奏、エフェクターなどの電子機材を用いた雑音なども使われています。演奏や作曲の手法によって規定されているようなジャンルの音楽ではなく、アーティスト・作品によって様々な手法が用いられています。
そのため、これと言ったサウンド的な定義は難しく、色々な音色が存在します。またアーティストによってはロック、ジャズ、ヒップホップなどのスタイルにノイズを混ぜた音楽などをリリースしているため、多種多様な音楽とも言えるでしょう。一覧で紹介します。
1. 概要
- 特徴:非伝統的な音・雑音・歪み・反復音・環境音を使用
- 目的:
- 音の「美」や「秩序」を問い直す
- 騒音や雑音も音楽表現になり得ることを示す
- ジャンルの広がり:電子ノイズ、ハーシュノイズ、インダストリアル、アンビエント・ノイズなど多岐に分かれる
2. 歴史の背景
- 前衛音楽・実験音楽の影響(1950〜60年代)
- ルチアーノ・ベリオやジョン・ケージなどの現代音楽作曲家が、偶然性や環境音を音楽に取り入れた
- ジョン・ケージの「4分33秒」(1952年)は、演奏者が一切音を出さず、環境音を音楽として扱った例として有名
- ノイズミュージックとしての誕生(1960年代後半〜)
- 西洋ではルイジ・ルッソ、メルツバウ、マーチン・ベレスフォードなどがノイズ作品を発表
- 日本では、寺山修司や大友良英、Merzbow(1980年代〜)が代表的
3. 音楽的特徴
- 非旋律的・非和声音楽
- メロディやハーモニーを意図的に排除
- 雑音・歪み・反復音
- 電子音、ギターのフィードバック、生活音、工業音など
- 実験的構造
- 従来の曲構成(Aメロ・Bメロ・サビ)に依存せず、音の「テクスチャー」や「強弱」を重視
4. 使用される楽器・音源
- 電子機器(シンセサイザー、エフェクター)
- ギター、ドラムなど伝統楽器を歪ませた音
- 日常音・工業音・環境音
- 録音加工やサンプリングによる音の反復・変形
ノイズミュージックの歴史について
ノイズミュージック(Noise Music)の歴史は、伝統的な音楽の枠組みを超えた実験的・前衛的な試みの連続です。雑音や非旋律的な音を音楽として扱う概念は、20世紀半ば以降に明確に形成されました。以下に時系列で整理します。
1. 前衛音楽・実験音楽の萌芽(1940〜1950年代)
- John Cage(ジョン・ケージ)
- 1952年「4分33秒」:演奏者が一切音を出さず、環境音を音楽とする試み
- 偶然性(Chance Music)や無音・環境音を音楽に取り入れ、音楽の概念を拡張
- ルチアーノ・ベリオ、カールハインツ・シュトックハウゼン
- 電子音や実験的録音を使った前衛音楽作品を制作
特徴:旋律・和音・リズムの伝統を離れ、音そのものを素材として扱う
2. ノイズミュージックとしての誕生(1960年代後半)
- ヨーロッパ
- メルツバウ(Merzbau的実験)、フランスやドイツの前衛グループがノイズ音源を作成
- アメリカ
- Lou ReedのVelvet Underground初期作品など、ギターのフィードバックや雑音を音楽に取り入れる試み
- 日本
- 寺山修司の舞台実験音楽、大友良英の初期ノイズ作品
- 「ノイズ=音楽」とする認識が少しずつ広がる
特徴:電子音、機械音、フィードバック、環境音を音楽の素材として使用
3. 1970〜1980年代:ノイズの拡張とパンク・インダストリアルとの融合
- ハーシュノイズ(Harsh Noise)
- Whitehouse(イギリス)、極端に耳障りな音で聴覚的衝撃を与える
- インダストリアル(Industrial)
- Throbbing Gristle(イギリス)、金属音や機械音を取り入れ、パンクの衝動性と融合
- 日本
- Merzbow(1980年代)
- 電子ノイズ、フィードバック、ドローン、破壊的音響で世界的評価を獲得
- Merzbow(1980年代)
- DIY・カセットカルチャー
- 自主制作・小規模流通により、実験音楽コミュニティが形成
4. 1990年代〜2000年代:多様化・国際化
- サブジャンルの拡大
- ノイズ、ハーシュノイズ、アンビエント・ノイズ、インダストリアル、電子ノイズなど多岐に分化
- 海外アーティストの活躍
- フィードバックや極端な電子処理を駆使した作品が登場
- デジタル技術の影響
- コンピュータによる音声加工やサンプル編集で、ノイズ表現の幅が拡大
5. 現代(2010年代〜現在)
- ノイズミュージックの国際的評価
- Merzbow、Prurient、Whitehouseなどが世界的に活動
- ジャンル融合
- ポストロック、アンビエント、電子音楽、実験音楽とクロスオーバー
- ライブ・インスタレーション
- 音響アート、インスタレーション、VRライブなどでノイズ体験を提供
特徴:音のテクスチャー、物理的・心理的な体験重視、視覚・空間と融合

有名なサブジャンル
Noise Rock
ノイズミュージックの中で、とても多いのがロック。衝動的な演奏などが持ち味で、コード進行やリズムなどは一切考慮されていません。実験的な手法を取り入れているバンドが多く、エレキギターによるフィードバックノイズや、エフェクターによる音の歪みなどが持ち味です。日本でも活動しているバンドは多いです。現代音楽で表現し、インダストリアルの芸術の分野を引っ張っています。最近は騒音などを音楽にしているケースが多いです。
Noise Jazz
ノイズミュージックはジャズなどにも使用されます。ノイズジャズはジャズ音楽の中で、実験的な演奏や無秩序なスタイルなどを導入していることが多く、リズムや演奏スタイルなども完全に自由なものが多いです。自身で環境の影響や思想に基づく音楽で文化のムーブメントを起こしています。音楽で文化のムーブメントを起こしています。フリーでダウンロードできる曲もあります。
Scum Music
意味不明で悪ふざけのような演奏や奇妙な雑音を指している音楽です。わざと下手に演じるスタイルなどが多く、これをノイズミュージックに分類することもあります。素人ミュージシャンが真面目に酷い演奏をするようなものもこれに当たります。
ノイズミュージックの音楽的特徴
ノイズミュージック(Noise Music)は、従来の旋律・和音・リズムの概念を意図的に逸脱し、雑音や非伝統的音を音楽として扱う前衛的ジャンルです。その音楽的特徴は非常にユニークで、一般的なポップやロックとは大きく異なります。以下に整理します。ちなみにこのジャンルは名前もわからない海外の人が多いですが日本人も活動しています。
1. 非旋律・非和声
- メロディやハーモニーを意図的に排除
- 「きれいな音」「調和した音」ではなく、ノイズや雑音そのものを音楽素材として扱う
- 聴覚に刺激的・挑戦的な印象を与える
2. 音のテクスチャー重視
- 音の高さや和音よりも、音質・密度・強弱・質感を重視
- フィードバック、歪み、ハウリング、電子的なノイズなどを使用
- 音の「空間的広がり」や「物理的迫力」が重要な表現手段
3. 不規則・偶然性
- 従来のリズムや拍子に縛られない
- ジョン・ケージの「偶然性(Chance Music)」の影響
- 録音や演奏の過程で生じる偶然の音も作品に取り入れる
4. ノイズ・歪み・電子音
- アナログ・デジタル両方の機材でノイズ生成
- 例:
- ギターのフィードバック、ディストーション
- シンセサイザーやサンプラーによる電子ノイズ
- 録音加工・反復処理で作られるドローン音
5. 反復・ドローン表現
- 長時間同じ音や音の塊を繰り返すことで、聴覚的圧迫感や没入感を演出
- 反復の変化やノイズの微細な揺れで音響の変化を表現
6. 環境音・工業音の利用
- 日常生活や都市・工場の雑音も音楽素材として利用
- 「生活音・機械音・自然音」を加工・組み合わせて音楽化
7. 音楽構造の自由さ
- Aメロ・Bメロ・サビのような伝統的構造はほとんど存在しない
- 時間軸よりも音の強弱・密度・テクスチャーの変化で構成される
- 聴く者に心理的・身体的体験を意図的に与える

ノイズミュージックの名盤TOP20を紹介
ノイズミュージックは極端な音響表現や実験性が特徴で、一般的なポップ・ロックとは評価基準が異なります。ここでは、世界的に評価が高く、ジャンルを代表する名盤20枚を紹介します。年代順に並べています。
1. Lou Reed – Metal Machine Music (1975, USA)
- ギターのフィードバックとテープループによる極端なノイズ実験
- ノイズミュージックの先駆的作品
2. Merzbow – Pulse Demon (1996, Japan)
- 電子ノイズの極地、全編にわたる破壊的サウンド
- 世界的に影響力のある日本発ハーシュノイズ作品
3. Merzbow – Venereology (1994, Japan)
- 金属音・機械音・電子音を駆使した強烈なハーシュノイズ
4. Whitehouse – Bird Seed (2003, UK)
- ハーシュノイズの代表格、極端に耳障りな音で心理的衝撃を与える
5. Throbbing Gristle – 20 Jazz Funk Greats (1979, UK)
- インダストリアル・ノイズの起源、パンクとノイズの融合
6. John Cage – 4′33″ (1952, USA)
- 演奏者が一切音を出さず、環境音を音楽として提示
- ノイズ概念の原点的名作
7. Nurse With Wound – Homotopy to Marie (1982, UK)
- ドローン、電子音、フィールドレコーディングを融合した前衛的作品
8. Masonna – Fast Music (1996, Japan)
- 短時間で圧倒的な音響密度を作り出すハーシュノイズ
9. Cabaret Voltaire – Red Mecca (1981, UK)
- インダストリアル、電子ノイズ、反復リズムを駆使
10. SPK – Leichenschrei (1982, Australia)
- インダストリアル・ノイズの重要作品、機械音と人間の声を融合
11. Prurient – Frozen Niagara Falls (2015, USA)
- モダン・ノイズの代表、アンビエントとハーシュノイズの融合
12. Muzlax – Abstract Noise Works (1990, Germany)
- 電子実験ノイズの代表作、抽象的・サイケデリックな音響
13. Oval – 94diskont (1995, Germany)
- グリッチ・ノイズの先駆、デジタルノイズを音楽的に処理
14. Günter Müller – Ma/za/zo (1997, Switzerland)
- ドラム・パーカッションと電子ノイズを融合した即興音響
15. Pauline Oliveros – Deep Listening (1989, USA)
- フィールド録音、深層リスニング概念、アンビエント・ノイズ作品
16. Merzbow – Batztoutai with Memorial Gadgets (2000, Japan)
- 過激なハーシュノイズの連作、ライブ録音作品
17. Sonic Youth – Daydream Nation (1988, USA)
- ノイズギターをロック構造に組み込み、ノイズミュージックの一般化に貢献
18. Lou Reed – The Bells (1979, USA)
- フィードバックとエレクトロニクスを駆使した実験的ノイズ
19. Zoviet France – Lopolar (1991, UK)
- アンビエント・ノイズ、抽象音響の重要作品
20. Flux – Poem 1–5 (1970, USA)
- フィールドレコーディングと電子音の融合、初期実験ノイズの代表
🌟 ポイント
- ノイズミュージックは実験性・音響体験・心理的インパクトで評価される
- ハーシュノイズ、インダストリアル、アンビエント・ノイズなどのサブジャンルを代表する作品を網羅
- ここに挙げた作品は、ノイズミュージックの歴史や表現の幅を理解する上で必読
絶対音感を本格的に鍛えるなら音楽教室
絶対音感を本格的に鍛えるなら音楽教室がおすすめです。トレーナーがあなたの絶対音感を徹底的に鍛えます。無料体験レッスンから受けてみましょう。以下の記事で紹介しています。



コメント