フォークロックとは?有名な洋楽のアーティストは?おすすめ音楽ジャンルの最新版を解説します。フォークロックは1960年代後半にシンガーソングライターがきっかけは電気楽器の要素を組み合わせて手掛けてとても流行した音楽ジャンルの一つです。
フォークロックとは?
フォークロックはフォークミュージックとロックミュージックの融合ジャンルになります。フォーク・ミュージックは、深い人間洞察や社会現象などを歌うものが多く、ロックジャンルにも多大な影響を与えました。このような背景もあり、フォークソングは主に民衆の大多数に浸透した経緯があり、そこでロックアーティストもフォークの要素を取り入れるようになり、このジャンルが生まれたのです。
電気楽器をあまり強調しないスタイルが特徴で、アコースティックギターやバンジョー、そして各地域によってはその土地の民族楽器も使用され、ハーモニーを生かした歌唱が持ち味のジャンルになります。フォークロックは1960年代から1970年代あたりに全盛期を迎え世界中で大流行していました。
1. 定義と特徴
- フォーク音楽の要素
- 民族的・地域的な旋律や歌詞
- アコースティックギター中心の演奏
- 社会問題や日常生活をテーマにした歌詞
- ロック音楽の要素
- エレキギター、ベース、ドラムなどのバンド編成
- 力強いリズムやテンポ
- 電子楽器やスタジオ録音技術の活用
2. 歴史
- 1960年代初頭(アメリカ)
- ボブ・ディラン(Bob Dylan)がアコースティックフォークからエレキギターを取り入れたことで注目
- ザ・バーズ(The Byrds)がフォーク曲にロックサウンドを加え、ヒット曲を生む
- イギリスでの発展
- フェアポート・コンヴェンション(Fairport Convention)などが伝統イギリス民謡をロックに融合
- 1970年代以降
- フォークロックはソフトロック、カントリーロック、ワールドミュージックなどに影響
3. 音楽的特徴
- 歌詞重視:社会問題、政治、平和、自由などメッセージ性が強い
- メロディ:シンプルで親しみやすく、民謡的要素を残す
- アレンジ:アコースティック楽器+エレキギターのバランスが重要
- ハーモニー:コーラスやバックボーカルで豊かさを演出
4. 代表的なアーティスト
フェアポート・コンヴェンション(Fairport Convention):英国民謡×ロック
ボブ・ディラン(Bob Dylan):フォークからフォークロックへの先駆者
ザ・バーズ(The Byrds):エレキギターでフォーク曲をロック化
サイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel):アコースティックなフォークロック、繊細なハーモニー
フォークロックの歴史
フォークロックが誕生する背景には、都市を拠点としてフォークソングを歌い始めた路上シンガーなどがいました。彼らが社会問題や政治などを題材にした楽曲を歌うことで、道を歩いている人たちに影響を与えたのです。やがてロックミュージシャンにも大きな影響を与えたこのジャンルはロックにも取り入れるように動きが起こり、フォークロックが誕生したのです。
アメリカで1960年代中頃から1970年代中頃にかけてこのジャンルが流行し、イギリスやフランスなどにも伝播しました。この時代の有名アーティストとしてはボブ・ディランなどが挙げられます。フォークロックは1900年代のヒットチャートでも定番のジャンルになったのです。
1. 起源(1950年代後半〜1960年代初頭)
- 背景:アメリカでフォーク音楽(民謡や社会的メッセージを歌う音楽)が人気
- フォーク歌手の活動:
- ボブ・ディラン(Bob Dylan)などが、アコースティックギターと歌詞で社会問題や政治を表現
- 変化の兆し:
- ロック音楽(エレキギターやドラム)との融合を模索
2. 誕生期(1965年前後)
- ボブ・ディランの“電化”事件:
- 1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルで、ディランがアコースティックからエレキギターに切り替え、フォークロックの先駆けとなる
- ザ・バーズ(The Byrds):
- ディランの曲「Mr. Tambourine Man」をカバーし、12弦エレキギターを使ったフォークロックサウンドを完成
- 特徴:
- 社会的・政治的な歌詞
- エレキギターとバンド編成によるロック的アレンジ
3. 成熟期(1966〜1970年代初頭)
- アメリカ:
- サイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel):アコースティック主体ながらハーモニーとロック的アレンジで人気
- カントリーロックとの融合も進む(グラム・パーソンズら)
- イギリス:
- フェアポート・コンヴェンション(Fairport Convention):英国民謡にロックを融合
- トラディショナル・フォークとロックを組み合わせるスタイルが確立
4. 派生・拡張(1970年代〜1980年代)
- ソフトロックやカントリーロックへの影響
- イーグルス(Eagles)などがフォークロック+カントリーを融合
- ワールドミュージックとの接点
- 民族音楽の要素を取り入れたクロスオーバー作品も登場
- フォークロックの社会的意義
- 平和運動、ヒッピー文化、環境問題など社会運動と結びつき、音楽文化として定着
5. 現代への影響
- 現代のインディーフォークやオルタナティブ・ロックに影響
- フォークの歌詞重視、ロックのバンド編成、民族性の取り入れは今も継承されている
- 例:マムフォード&サンズ(Mumford & Sons)、ニック・ドレイク(Nick Drake)の再評価
衰退
フォークロックは2000年代に入り、ヒットチャートにほとんど出てこなくなりました。理由としては新ジャンルの台頭が挙げられます。アメリカではヒップホップやラップなどが台頭し、ヨーロッパでは電子音楽の最盛期を迎えています。フォークロックは路上アーティスト限定のジャンルになってしまい、商業的には全く需要のない世界になったのです。2020年代に入っても、ヒップホップや電子音楽の勢いは止まらず、今もヒットチャートを独占しているような状況です。ロック全般としても、衰退が続いており、厳しい状況が続いています。

有名アーティスト
ヒットしたグループやミュージシャンは1900年代から数知れずいます。1965年くらいの時期から奏者のブルースのような演奏が魅力になりましたが発表されているアルバムも良く売れました。有名なアーティストの情報を一覧で紹介します。
The Byrds
1964年にアメリカのロサンゼルスで結成されたフォークロックバンド。音楽としては、ロック特有の12弦ギターを使用した煌びやかなサウンドや美しいハーモニー、そしてフォーク譲りの温かな空気感を売りにしています。
Neil Young
カナダ・トロント出身のシンガーソングライター。1995年にはロックの殿堂入りを果たしているシンガーです。ロックからグランジ、R&Bにテクノとかなり広いジャンルを手掛けており、フロンティア精神溢れるアーティストでした。
Bob Dylan
ロックの殿堂入りも果たしたユダヤ系アメリカ人シンガー。数々の名作を世に生み出し、グラミー賞やアカデミー賞、大統領自由勲章など数々の賞を受賞しています。2016年には歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したシンガーです。
フォークロックの音楽的特徴
フォークロックの音楽的特徴は、フォーク音楽の親しみやすい旋律・歌詞と、ロック音楽のバンドサウンド・リズムを融合した点にあります。以下に詳しく整理します。
1. メロディとハーモニー
- 親しみやすい旋律
- フォーク音楽由来のシンプルで覚えやすいメロディ
- 民謡的・叙情的な旋律が多い
- ハーモニー重視
- コーラスやバックボーカルで豊かな和音を演出
- サイモン&ガーファンクルのような二声ハーモニーが典型
2. リズムとビート
- ロック的リズム
- ドラムやベースによる一定のビート
- 力強く躍動感のあるリズムで歌詞のメッセージを強調
- フォーク由来の軽やかなリズム
- ギターやバンジョーなどのアコースティック楽器で奏でられる穏やかなリズムパターンも残す
3. 楽器編成
- アコースティック楽器
- ギター、バンジョー、マンドリン、ハーモニカなど
- エレキ楽器
- エレキギター、エレキベース、ドラムを取り入れたバンド編成
- 融合のポイント
- アコースティック主体のサウンドに、ロックのパワフルな演奏を重ねることで独特の厚みを持つ
4. 歌詞とテーマ
- 社会的・政治的メッセージ
- 平和、自由、環境、労働問題などのテーマが多い
- 個人的・日常的な感情表現
- 恋愛、友情、日常の喜怒哀楽なども歌詞の中心
5. サウンドの雰囲気
- 素朴で自然な響き
- フォークのアコースティック感を残す
- 力強く感情的な表現
- ロック的なボリュームや演奏のダイナミクスで歌詞や旋律を引き立てる

おすすめのフォークロック名曲10選
フォークロックの名曲は、フォークの叙情性とロックの躍動感が融合した、メッセージ性の強い名曲が多いです。入門にもおすすめの10曲を紹介します。
おすすめフォークロック名曲10選
| 曲名 | アーティスト | リリース年 | ポイント・特徴 |
|---|---|---|---|
| Mr. Tambourine Man | The Byrds | 1965 | ボブ・ディランの曲をカバー。12弦ギターによる煌びやかなサウンドが象徴的。フォークロック誕生の代表作。 |
| Blowin’ in the Wind | Bob Dylan | 1963 | 社会問題を歌ったフォークの代表曲。後にフォークロックカバー多数。 |
| The Sound of Silence | Simon & Garfunkel | 1964 | 二声ハーモニーとアコースティックギターが美しい、静謐で叙情的な名曲。 |
| Turn! Turn! Turn! | The Byrds | 1965 | 聖書の言葉を引用した歌詞。フォークのメッセージ性とロック的アレンジの融合。 |
| For What It’s Worth | Buffalo Springfield | 1966 | ベトナム戦争期の社会状況を反映。抗議歌としてのフォークロックの典型。 |
| Scarborough Fair/Canticle | Simon & Garfunkel | 1966 | 英国民謡をアレンジ。フォークの伝統とロックのアレンジの調和が美しい。 |
| Eight Miles High | The Byrds | 1966 | ジャズやサイケデリック要素を取り入れた前衛的フォークロック。 |
| If I Had a Hammer | Peter, Paul and Mary | 1962 | 社会的メッセージとフォークの叙情性が融合。平和運動の象徴的な曲。 |
| Chelsea Morning | Joni Mitchell | 1969 | カナダの女性シンガーソングライター。叙情的でアコースティック主体のフォークロック。 |
| Homeward Bound | Simon & Garfunkel | 1966 | 哀愁漂うメロディとハーモニー。フォークロックの典型的名曲。 |
ポイント
- 社会・政治的メッセージが強い曲も多い
- アコースティックギター+バンド編成が基本
- 二声・三声ハーモニーがフォークロックらしい響きを作る
- フォークロックの入門として、聴きやすく、歌詞のメッセージも楽しめる
フォークロック年代別名曲マップ
| 年代 | 曲名 | アーティスト | ポイント・進化の特徴 |
|---|---|---|---|
| 1962 | If I Had a Hammer | Peter, Paul and Mary | 初期フォークロック。アコースティック主体で社会的メッセージを歌う。 |
| 1963 | Blowin’ in the Wind | Bob Dylan | 社会問題をテーマにしたフォークの代表曲。フォークロック化の前兆。 |
| 1964 | The Sound of Silence | Simon & Garfunkel | 二声ハーモニーを活かしたアコースティック中心の叙情的サウンド。 |
| 1965 | Mr. Tambourine Man | The Byrds | 12弦ギターとエレキギターを導入。フォークロック誕生の象徴曲。 |
| 1965 | Turn! Turn! Turn! | The Byrds | 聖書の引用を歌詞に。フォーク的メッセージ性+ロックアレンジ。 |
| 1966 | For What It’s Worth | Buffalo Springfield | 社会・政治的テーマを持つ抗議歌。フォークロックのメッセージ性強化。 |
| 1966 | Scarborough Fair/Canticle | Simon & Garfunkel | 英国民謡をアレンジ。フォーク伝統とロックの融合の成熟期。 |
| 1966 | Homeward Bound | Simon & Garfunkel | 哀愁漂う旋律とハーモニー。フォークロックの典型的サウンド。 |
| 1966 | Eight Miles High | The Byrds | サイケデリック要素やジャズ的要素を取り入れ、前衛的フォークロックに発展。 |
| 1969 | Chelsea Morning | Joni Mitchell | 女性シンガーソングライターによる叙情的フォークロック。アコースティック主体だが表現力豊か。 |
フォークロックの進化ポイント
- 初期(1962〜1964):アコースティック主体、社会・平和メッセージ重視
- 誕生期(1965〜1966):エレキギター導入、フォーク+ロック融合の象徴的名曲登場
- 成熟期(1966〜1969):民謡アレンジ、ハーモニーや表現力の深化、前衛的試みも開始
- 派生・拡張:女性シンガーソングライターやカントリーロック、サイケデリックとの融合
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